犬の分類(グループ)とは?グループごとの特徴を理解しよう♪

皆さんは、犬の犬種は世界中でどのくらいあると思いますか?

昨今のペットブームで、日本でも数多くの犬種を目にする機会が増えてきたと思います。世界には、非公認犬種を合わせると大体700~800犬種はいるといわれています。
その中から、日本では196種類の犬種を公認し、登録してあります。

その公認犬種が姿、利用目的などで10のグループに分類されているということを知らない方も多いのではないでしょうか?

今回、10のグループをひとつずつ詳しくご紹介していきます。グループごとに見ると犬の特徴をさらに詳しく知ることができると思います。特徴を詳しく理解してから新しい家族として迎え入れたり、しつけや毎日の生活に活かせるとワンちゃんとの生活がもっと楽しくなることでしょう♪

皆さんのワンちゃんライフがもっと楽しくなるように参考になれば幸いです。



犬種のグループ分けはどういう風に決まっているの?

日本では、JKC(ジャパンケネルクラブ)の基準によって、それぞれの犬種の生存する目的・形態や用途を目安にして「10のグループ」に犬種を分類しています。

グループ分けの方法は国の愛犬団体によって違います。
アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなどは公認犬種を7つのグループに分けています。

世界の多くの愛犬団体が加盟しているFCI(国際畜犬連盟)は、JKCと同じく、公認犬種を10のグループに分類しています。

グループ分けの基準は、その犬の機能によって分けられています

牧羊犬や猟犬、鳥猟犬、愛玩犬などの種類があります。
詳しい種類はこれから紹介していきますが、例をいくつか挙げてみると、現在日本で一番人気のある犬トイプードル(JKC調べ)は第9グループの愛玩犬に分類されます。
トイプードルのようなたいていの小型犬はこの第9グループに分類されています。

大型犬で人気のゴールデンレトリバーは第8グループに分類されます。
このグループは狩猟犬のなかでも、人と密接なコミュニケーションを取りながら作業するのが得意な犬種が分類されています。

このように、各グループは犬のもともと持つ機能別に分類されています。

JKC(ジャパンケネルクラブ)って何?

ここで、さきほどから記事の中に何度も出てきている「JKC」とは何なのかを説明します。

JKCとは、「社団法人ジャパン・ケネル・クラブ」の略称で、1949年に創立された犬のために活動している国際的愛犬団体です。純血犬種の犬籍登録と血統証明書の発行、ドッグショーの開催やハンドラーやトリマー、訓練士の育成、犬の飼育指導などを行ったり、1990年からは地震などの災害時に活動する災害救助犬の育成も行っています。

1979年、ジャパンケネルクラブは世界84か国が加盟する国際畜犬連盟(FCI)に加盟しており、JKCが発行する血統証明書は世界中で認められています。

JKC(ジャパンケネルクラブ)公式ホームページ

ここからは各グループの詳しい説明です。

第1グループ 牧羊犬・牧畜犬 羊や牛などの家畜に関わる犬たち

ブランク&タンのボーダーコリー

第1グループには犬は羊を集めたり、牛を追ったりする家畜に関わる犬が属しています。

このグループに属する犬は、人間と複雑なコミュニケーションをとって家畜を動かさないといけないので、とても協調的で人とのコンタクトをよくとれる犬種です。

現在、ドッグスポーツや作業犬で活躍している犬種の多くはこの第1グループに属しています。

第1グループの犬を飼うなら

このグループの犬種を飼うのに向いている人は、一緒に運動したり訓練を楽しめる人です。

このグループの犬は複雑な命令を読み取り、それを行動にうつす身体能力もあります。ドッグスポーツで活躍していたり、警察犬としても有名です。

牧羊犬として活躍していたのでかなりの体力があります。
毎日の散歩はもちろんですが、一緒にアウトドアを楽しみたい方にとっては最高の相棒になってくれるでしょう。

第2グループ 使役犬 番犬のエキスパート

アップ目のボクサー

第2グループは、番犬・警護・作業をする犬が属しています。

農場で敷地や家を守る犬や、羊や牛を肉食獣から守る犬、護身用や戦闘犬・闘犬として活躍した犬が集まっています。

大型犬はイノシシやクマの狩猟犬として活躍し、ミニチュアピンシャーなどの小型の犬は、農場の番犬やネズミなどの害獣退治犬として活躍してきました。

第2グループの犬を飼うなら

このグループの犬を飼うのに向いている人は、しつけをきちんとできる人です。

このグループの犬も第1グループと同じ人の作業を手伝う仕事をしてきた犬です。
きちんとしつけをすれば、穏やかな性格の犬が多いので家族に忠実な頼もしいパートナーになってくれるでしょう。

第3グループ テリア イギリスを代表する狩猟犬

ボールを加えたケアーン・テリア

穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬です。好奇心が旺盛で、闘争心が強いのが特徴です。
地中に潜って猟をするのがもっとも得意なのがテリアです。ダックスフンドとの違いは穴に入り込んだ獲物を外に追い出す技を持つところです。

狩猟だけでなく、番犬や害獣退治の役目もこなせるので、農場の「万能犬」でもあります。

第3グループの犬を飼うなら

このグループの犬を飼うのに向いている人は、ちょっとやんちゃな子でもかわいいと思える人です。もともと穴の中の獲物を自力で見つけ、狩っていたので頑固な一面があります。
しつけは愛情を持って根気よくしつけましょう。

小型犬だと体力のあまりない子も多いですが、このグループの犬はアクティブに活動できます。一緒に散歩や運動を楽しみたい人にも向いています。

第4グループ ダックスフンド 地中の獲物を狩る猟犬

花とカニヘンダックスフンド

第4グループはダックスフンド、一つの犬種しかいません。
なぜなら、原産国のドイツがダックスフンドも「アナグマの犬のグループのいれるべき」と主張した際に、テリアに関わる人々から猛反対を受けました。というのも、イギリスではテリアこそアナグマ猟に使われる猟犬という認識があったからです。

北欧ではすでにダックスフンドをハウンド犬として使う経験を持っていたので、ハウンドグループ(第6グループ)に入れてはどうかと提案したようですが、それも聞き入れてはもらえませんでした。
このような経緯があり、現在のダックスフンドだけの第4グループが誕生しました。

ダックスフンドはテリアの機能(穴の中の獲物を狩る)を持ちつつ、獲物の足跡をゆっくり追うハウンドでもあるユニークな犬種です。

種類はスタンダード・ダックスフンド、小型のミニチュア・ダックスフンド、最小のカニンヘン・ダックスフンドの3サイズがおり、さらに毛質の違いでスムース、ロング、ワイアーの合計9タイプがいます。

第4グループの犬を飼うなら

このグループの犬を飼うのに向いている人は、外に出かけるのが好きな人です。

このグループの犬はダックスフンドのみです。
ダックスは狩猟犬として活躍していたので、活発な子が多いです。子犬の頃から他の犬や人や音、いろいろな場所に連れて行って、たくさんの経験をさせてあげるとストレスもたまりにくく無駄吠えも少ない子に育っていくでしょう。

甘えん坊な子が多いのもダックスの特徴なので、たくさん一緒にいられる人が向いているでしょう。

第5グループ 原始的な犬&スピッツ スピッツは立ち耳で尖った顔を持つ犬の総称

丘に立つ秋田犬

第5グループはスピッツ犬種、プリミティブ(原始的)犬種が属しています。

スピッツは立ち耳で尖った顔を持つ犬の総称で、古来から日本にいる柴犬やシベリアン・ハスキーなどが分類されています。

プリミティブは原始的なという意味で、犬種改良されていない、大昔からそのままの姿で存在していた犬のことです。

第5グループの犬を飼うなら

このグループの犬を飼うのに向いている人は、しつけがしっかりできる人です。

このグループの犬は性格的に自立心があり、頑固な性格な子が多いので根気をもってしつけをできる人が向いています。しつけがしっかりできれば忠犬ハチ公のような忠実な良きパートナーになってくれるでしょう。他の犬種にはない野性を感じる姿もこのグループの犬の魅力です。

このグループの犬は大型犬が多いのでしっかり運動もさせてあげましょう。

第6グループ 嗅覚ハウンド 大きな吠声と優れた嗅覚で獲物を追う獣猟犬

第6グループには優れた嗅覚を発揮して獲物を追跡し、獲物のニオイを嗅ぎとると大きな声で吠え始め、ハンターに居場所を教える仕事をしていた犬が属しています。

ローカルな犬種が多いのもこのグループの特徴で、実猟犬が全体の90%を占めているので普段なかなか見かけることができない犬種が多くいます。

  • ローデシアン・リッジバック
  • イングリッシュ・フォックスハウンド
  • アメリカン・フォックスハウンド
  • ダルメシアン
  • スパニッシュ・ハウンド
  • バセッド・ハウンド
  • ビーグル
  • ハーリア
  • ビリー

第6グループの犬を飼うなら

このグループの犬を飼うのに向いている人は、運動を一緒に楽しめる人です。

ハンターと野山で狩りをしていたので体力は十分にあります。アウトドアも一緒に楽しめるでしょう。嗅覚ハウンドグループなので、ニオイには敏感で執着心が大きいです。しつけのときなど集中できなくなってしまうので注意しましょう。

性格は明るく愛情深いので、家族の一員として穏やかに過ごせるでしょう。

第7グループ ポインター・セター 獲物を探し出し、その位置を静かに示す猟犬

舌を出すアイリッシュセター

第7グループはガンドッグ(鳥猟犬)と呼ばれる鳥の猟の時に獲物を見つけ、その位置を静かにハンターに知らせる仕事をしていた犬が属しています。

  • アイリッシュ・セター
  • アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター
  • イングリッシュ・セター
  • イングリッシュ・ポインター
  • ゴードン・セター
  • ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
  • ジャーマン・ワイアーヘアード・ポインター
  • ワイマラナー
  • ブリタニー・スパニエル
  • フレンチ・スパニエル

第7グループの犬を飼うなら

このグループの犬を飼うのに向いている人は、アウトドアが好きな人です。

もともと野山でハンターと駆け回っていた犬なので、体力はかなりあります。
体格は大きいながらもしなやかな体型でとても美しいです。体や被毛は運動によってその美しさを保てるので毎日の運動はしっかり行ってください。

性格も穏やかなのでよい家庭犬となるでしょう。

第8グループ 7グループ以外の鳥猟犬

黒いラブラドールレトリバー

第8グループには第7グループのようにポインティング(静かに位置を教える)をしない犬が属しています。

第8グループの鳥獣犬は主に獲物の回収や獲物を飛び立たせるといった狩猟のお膳立てをする仕事をしていた犬たちです。

このグループの犬は家庭犬として人気で、世界中どの国でもよく飼われてます。
人とコミュニケーションを取りながら作業をするのが得意という特徴から、しつけがしやすい、性格も穏やか、忍耐強い、このような理由から家庭で飼いやすい犬として人気のようです。

第8グループの犬を飼うなら

このグループの犬を飼うのに向いている人は、一緒に運動や訓練を楽しめる人です。

第1グループや2グループと同じく、このグループの犬も使役犬として人と一緒に作業しながら仕事をしていた犬種なので、きちんとしつけをすれば良きパートナーになってくれるでしょう。

穏やかで忍耐強い性格の子が多いので、子どもがいる家庭でも子どもと一緒に仲良く暮らせるでしょう。

第9グループ 愛玩犬 家庭犬や伴侶犬としてつくられた犬

第9グループは家庭犬、愛玩目的の犬たちのグループです。体が小さく、飼い主に従順で飼いやすいかわいい人気犬種が多く属しています。

第9グループの犬を飼うなら

このグループの犬を飼うのに向いている人は、小さい犬が欲しいと思っている人です。

このグループの犬は家庭で暮らすために作られた犬なので、体が小さく飼育スペースを取らない犬がほとんどです。飼いやすい犬が多いですが、犬種によって性格の違いもあります。飼う前にその犬種についてしっかり調べたほうがよいでしょう。

小さい犬なので大型犬に比べれば運動量は少なくてすみますが、だからといって全く散歩や運動をしないでいいというわけではありません。散歩も毎日連れていってあげましょう。

小さくてかわいいからといって甘やかしすぎてもいけません。
しつけをきちんとすることによって、生涯の良いパートナーになってくれるでしょう。

第10グループ 視覚ハウンド 優れた視力と走力で獲物を追跡捕獲する犬

第10グループは視覚を用いて狩りをする犬のグループです。

走って逃げるウサギやガゼルにスピードで追い付いて捕らえる「コーシング」という狩猟方法で狩りをする犬です。

グレーハウンドは犬の中で足が一番早い犬種で、時速60~70㎞で走ることができます。ドッグレースなどに出場する犬種はほとんどがグレーハウンド種です。

第10グループの犬を飼うなら

このグループの犬を飼うのに向いている人は、モデル体型のようなスタイリッシュな犬を飼いたいと思っている人です。雰囲気や姿から気品や貫録を感じる犬たちが多く、熱烈なファンも多いです。

性格は温厚で素直な犬が多いです。走って追いかけて狩りをする犬なので、小さい動物を見ると獲物だと思って反応してしまうので、我慢できるようにきちんとしつけましょう。走ることが大好きなのでかなりの運動量が必要になります。


まとめ

今回、日本の公認犬種10グループをひとつずつご紹介しました。

グループごとにみると、「どの犬がどのような用途で使われてきたか」など、その犬種の歴史がわかります。歴史がわかればその犬種がしたい行動や欲求がわかってきます。

例えば、嗅覚ハウンド種なら「何かのニオイを追いたい」、レトリバーなら獲物の回収をする犬だったので「何かを咥えたい」といったように犬種によって欲求が変わってきます。どうやったことに適しているかもわかるので、性格や特徴を理解しやすいです。

なかなか馴染みのないグループ分けですが、ワンちゃんのことをより理解できる一つの手段になります。
これからワンちゃんを飼おうと思っている方や、現在ワンちゃんを飼っている方も、グループ分けから歴史を理解し、もっともっとワンちゃんと仲良くなりましょう♪

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