ドーベルマンといえば警察犬や軍用犬として採用されている犬種のため、一見すると怖いというイメージを持つ人もいるかもしれません。でもドーベルマンのことを良く理解して飼えば、忠実で深い絆を築けるパートナーとなるのです。
今回は、そんなドーベルマンの性格としつけのコツ、なりやすい病気やおすすめのフードについてご紹介します。
ドーベルマンとは
1.ドーベルマンの原産地
ドーベルマンは「ドイツ」が原産地の犬種です。19世紀末から20世紀初めの比較的新しい時代に作り出されました。
2.ドーベルマンの平均体高・平均体重
ドーベルマンはオスとメスで大きさが多少異なり、メスの方が少し小柄です。
オスの体高は68〜72cmくらいで、体重は40〜45kgくらいになります。
メスの場合は、体高が60〜70cmくらいで、体重は30〜35kgくらいです。
3.ドーベルマンの名前のルーツ
ドーベルマンの名前は、作出者であるブリーダーの「カール・ルイス・ドーベルマン」に由来します。
日本では「ドベ」「ドーベル」の愛称で呼ばれることもあります。「ジャーマン・ピンシャー」を先祖犬に持つことから、以前は「ドーベルマン・ピンシャー」の名で呼ばれていましたが、現在は「ドーベルマン」が正式名称となっています。
また、英語では「Doberman」と表記します。
4.ドーベルマンの歴史
カール・ルイス・ドーベルマンは税金を徴収する仕事をしていましたが、仕事柄何度も危険な目に遭っており、身を守るため相手を威嚇できる犬種を求めて、短毛の羊毛犬をベースに「ロットワイラー」や「ジャーマン・ピンシャー」などを交配させてドーベルマンを作り出しました。
スタイルは耳を立てるためにカット(断耳)し、尾も子犬のうちに短く断尾しますが、これは番犬として耳や尾を掴まれないためでした。
ただし、現在のヨーロッパ各国では断耳・断尾ともに禁止されています。
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているドーベルマンの数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると365頭です。
犬全体の登録数が292,906頭なので、ドーベルマンの割合は約0.12%にあたります。日本の飼い犬の中ではマイナーな部類といえるでしょう。
6.飼いやすさの目安
ドーベルマンの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★☆☆3 |
健康管理がしやすい | ★★★☆☆3 |
初心者向き | ★☆☆☆☆1 |
噛み癖がつきにくい | ★★☆☆☆2 |
訓練されるのが好き | ★★★★★5 |
物覚えがいい | ★★★★★5 |
ドーベルマンの性格の3大特徴
ドーベルマンは軍用犬・警察犬・麻薬探知犬・番犬・盲導犬等として活躍しています。また、それらの仕事を遂行するのに適した性格をしており、能力に優れています。
そんなドーベルマンが持っている特徴的な性格を紹介します。
1.知的
ドーベルマンは非常に頭の良い犬種です。
様々な仕事を覚えるだけの能力を持ち、また訓練を反映した適切な行動を取ることができます。
また鋭い感性があり、飼い主の要求を察知し行動することもできます。
2.警戒心
もともと警護を目的に作り出された犬種のため、強い警戒心を持っています。
そのため、飼い主の家族以外の人間や他の犬に対しては強い警戒感を示し、合わせて縄張り意識も高いため、時に攻撃的になってしまうことがあります。
逆にいえば、番犬としては非常に頼もしい存在となります。
3.忠実
警戒心が強い性格のドーベルマンですが、飼い主に対しては非常に従順です。
飼い主のしつけに対しても良く言うことを聞くため、飼い方や接し方によっては穏やかに育てることもできます。
ドーベルマンの種類の紹介!2つのタイプとは?
ドーベルマンには、いくつか見た目での種類があります。
ドーベルマンといって一般的にイメージされる毛色はブラック、レッド(ブラウン)です。また、眼の周りや鼻・口の部分、胸、足先に模様がある場合もあります。
数は少ないのですがブルーなどの毛色もいますが、色素欠乏のため特定の疾病を発症しやすいといわれます。
しかしドーベルマンには、これら毛色による違いとは別に、繁殖地域による違いがあります。この繁殖地域による違いは、性格の違いとしても現れるため、こちらの違いをもう少し詳しく紹介します。
1.ヨーロッパタイプ
ヨーロピアンタイプは、ドーベルマンが作り出されたドイツを始め、イギリスやオランダといったヨーロッパ各国で繁殖されたタイプです。
ヨーロッパでは主に、軍用犬や警察犬などの仕事をさせるための犬としてドーベルマンの繁殖が進められました。
そのため、仕事をさせるのに適した性格(知的、警戒心、忠実)が強く出るようになっています。
また、体格も隆々とした筋肉で、たくましいタイプの犬が多くなっています。
2.アメリカタイプ
アメリカンタイプは、ドーベルマンがヨーロッパからアメリカに渡った後、アメリカで繁殖されたタイプです。ヨーロッパタイプと比べて、やや小ぶりの体格をしています。
アメリカではドーベルマンが愛玩犬として繁殖される傾向があったため、性格は比較的穏やかで人なつっこさが強くなっており、飼いやすいタイプといえます。
また、ヨーロッパタイプと比較してスレンダーで引き締まった体格をしています。
オスとメスでの性格の3つの違い
ドーベルマンはオスとメスで、その性格に若干の違いがあります。
1.活発さ
オスは比較的攻撃的で活発な性格が多いです。
メスはオスに比べると穏やかな性格です。
2.しつけのし易さ
オスは活発で好奇心旺盛なことから、しつけには少し時間を掛ける必要があります。
メスは人懐っこいため、オスに比べてしつけがしやすいといえるでしょう。
3.オスとメス性質の違い
ドーベルマンのオスは、甘えたがりの一面もあるため、飼い主と信頼関係を築くことができれば、より良いパートナーになります。
人懐っこい一面のあるメスですが、年二回の発情期に精神状態が不安定になり攻撃的になる場合があります。
ドーベルマンを飼う人に向いている3つのポイント
1.しっかりと散歩ができる
ドーベルマンは活発な犬種です。
しっかりと運動量を確保してやる必要があります。
具体的には、朝夕にそれぞれ1時間以上の散歩を行うことが目安になります。
そういった意味でも、十分な散歩の時間を確保できる人が向いています。
2.きちんとしつけができる
ドーベルマンは忠実であるため、しつけがしやすい犬種だといえます。
ただし、きちんと飼い主とドーベルマンの間の関係が構築できていないと、警戒心が勝っていうことを聞かなくないワガママな状態に育ってしまいます。
上手くしつけを行い、良好な関係を築くことができる人が向いています。
3.静かな環境を確保できる
ドーベルマンは警戒心が強いため、騒がしく他の動物が居るような環境で飼うと、攻撃性を出し吠えたり排他的な性格になってしまったりします。
できるだけ、静かで落ち着いた飼育環境を用意できる人が向いているといえます。
ドーベルマンのしつけの3つの重要ポイント
1.しっかりとした主従関係
まずは飼い主とドーベルマンの間に、しっかりとした主従関係を築きましょう。
そうすれば、飼い主をリーダーだと認めるため、その後しつけを行っても従順に覚えるため飼育が楽になります。
上手く主従関係を築けないとワガママに育ってしまうので、しつけの時には毅然とした態度で接してください。
2.待て
ドーベルマンのしつけでは、待てを覚えさせることも重要です。
警戒心が強いドーベルマンが、他人や他のペットに対して攻撃をしてしまいそうになった時に、きちんと制御できる必要があります。
ドーベルマンの暴走をコントロールできる様にしておきましょう。
3.適切な食事量
ドーベルマンは体が大きいため、飼い主としてはつい食事を沢山与えたくなります。
しかし、過度の食事は肥満の原因となってしまいます。
肥満になったドーベルマンは様々な病気になってしまうリスクを抱えてしまいますし、ドーベルマンの均整の取れた体型も崩れてしまいますので、適切な量だけ与えるようにしましょう。
ドーベルマンの購入価格
ドーベルマンの購入価格は20~30万円と価格差がとても大きい犬種です。
値段の幅はブリーダーかペットショップなのかで変わりますし、血統が良いと価格はさらに高くなります。
両親がチャンピオン犬の「直子」という子犬なら結構な金額になるでしょう。
他に、毛並みや歩き方など価格が変わる要素はたくさんあります。
ドーベルマンの子犬を選ぶ際に重要なのは、親の性格や体つきです。
従順でおとなしいドーベルマンの子犬は、おおむね従順でおとなしくなりますし、元気なドーベルマンの子犬は元気で活発なものです。姿形もとても似てきます。
飼いたいドーベルマンのイメージがしっかりある場合は、ブリーダーさんを何件かまわって、自分のイメージに近い子を探すと良いでしょう。
そういった意味で、ドーベルマンはブリーダーから購入することをオススメします。
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………30,000円
ドーベルマンの平均寿命
ドーベルマンの平均寿命は10〜13歳くらいです。
犬の平均寿命から比べると平均、または少し短い傾向があります。しかし、日本では18歳まで生きた例もあります。
あくまでも平均寿命ですので、健康管理をしっかりと行って愛情深く接していけば長く生きることが可能でしょう。参考までに大型犬の平均寿命ですが、だいたい12歳くらいです。
病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけてることで、寿命は長くなります。
人間とドーベルマンの年齢比較表
ドーベルマン | 人間 | |
---|---|---|
成長期 | 1歳 | 10歳 |
成犬期 | 2歳 | 19歳 |
3歳 | 26歳 | |
4歳 | 33歳 | |
5歳 | 40歳 | |
6歳 | 47歳 | |
シニア期 | 7歳 | 54歳 |
8歳 | 61歳 | |
9歳 | 68歳 | |
10歳 | 75歳 | |
11歳 | 83歳 | |
12歳 | 90歳 | |
13歳 | 97歳 | |
14歳 | 104歳 |
ドーベルマンの年齢
ドーベルマンは、2歳の時点で人間に換算すると19歳になり、3年目以降は1年に7歳分の歳を取ります。
ドーベルマンの飼育で特に気をつけること
散歩
ドーベルマンは毎日しっかりと散歩をさせましょう。
しっかりと運動を行う必要がある犬種のため、散歩は十分に行ってください。散歩が不足するとストレスが溜まり、問題行動を起こす可能性があります。
飼育環境
ドーベルマンが落ち着いて暮らせる、静かで騒がしくない環境を用意しましょう。
他のペットを飼っている場合は、同じ部屋で過ごさせると警戒してしまうため、別の部屋で飼うほうが安心です。
ドーベルマンを飼う魅力・喜びとは
1.彫刻のような美しさ
ドーベルマンを飼う魅力を挙げると、まずはその姿です。
均整がとれ隆々とした筋肉を持つ体は彫刻の様な美しさがあります。
2.賢くて忠実なパートナー
ドーベルマンは使役犬としての資質が高いため、しっかりとしつけと訓練を行うことによって飼い主と非常に良好な関係を築くことができます。
ドーベルマンは端正な姿を持ち、その資質から飼い主と特別なパートナーシップを作り上げることが可能であり、単純な愛玩犬を飼うのとはまた異なる魅力を持った犬だといえます。
今回のまとめ
ドーベルマンという犬の種類は、警察犬の中でもとても有名です。だから怖いというイメージもあるかもしれませんが、性格は基本は人間に忠誠心がある犬の種類です。
ドーベルマンの生まれはドイツです。ドーベルマンは飼い主に対して高い忠誠心がある他に、警戒心や知能も高いです。だからどんな人が飼うのにむいているかというと、毎日散歩が出来てきちんとしつけが出来る人でないといけないです。他の犬はペットとしてかわいがったりすることもあるのですが、ドーベルマンは上手なしつけをすることでパートナーシップを作ることでよりよい育ち方をします。
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