垂れ耳とふさふさの毛がチャーミングなイングリッシュ・コッカー・スパニエル。じつは猟犬として活躍してきたアクティブな犬種です。
今回はそんなイングリッシュ・コッカー・スパニエルの性格と飼い方、しつけのコツについて紹介します。
イングリッシュコッカースパニエルとは
1. イングリッシュ・コッカー・スパニエルの紹介
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの原産地は、イギリスです。
ハンターが猟銃を構えたときに鳥を飛び立たせる「フラッシング・ドッグ」として活躍してきました。
血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、グループ8(鳥猟犬)に属する中型犬です。
※分類に関して詳しくは「犬の分類(グループ)とは?」をご覧ください。
2. 簡潔な歴史
イギリスでスパニエルの最も古い記録が残っているのは、8世紀初頭のウェールズ王の法典でした。このスパニエルは「ランド・スパニエル」だと考えられています。この犬種が現在の多くのスパニエル種の祖先とされています。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、イギリスのウェールズ地方で17世紀頃から山シギ猟に用いられるようになりました。
また、イングリッシュ・コッカー・スパニエルは「アメリカン・コッカー・スパニエル」の原種にあたります。
3.名前のルーツ
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの名前のルーツは、山シギ猟に用いられコック(シギ)をとる犬ということで「コッカー」と呼ばれるようになりました。
ちなみに日本では「インギー」と略した愛称で呼ばれることがあります。
また、英語では「English Cocker Spaniel」と表記します。
4.成犬の平均体高・平均体重
人ジャパンケネルクラブでは、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均体高はオスが39~41cm、メスが38~39cmとされています。
- 平均体高:39〜41cm
- 平均体重:12.5〜14.5kg
メス
- 平均体高:38〜39cm
- 平均体重:12.5〜14.5kg
150cmの女性との比較
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているイングリッシュ・コッカー・スパニエルの飼育数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると450頭です。
2017年犬種別登録頭数(ジャパンケネルクラブ)犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占めるイングリッシュ・コッカー・スパニエルの割合は約0.2%と犬種別ランキングでも33位に位置しておりマイナーな犬種です。
アメリカン・コッカー・スパニエルと比べると少し知名度が低くなります。
6.飼いやすさの目安
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★☆☆3 |
健康管理がしやすい | ★★★☆☆3 |
初心者向き | ★★★☆☆3 |
噛み癖がつきにくい | ★★★☆☆3 |
訓練されるのが好き | ★★☆☆☆2 |
物覚えがいい | ★★★☆☆3 |
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの4種類の毛色
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの毛色は非常にバラエティー豊かですが、大まかに分けると以下の4つになります。
1. ソリッド・カラー
ソリッド・カラーとは単色のことで、ブラック、レッド、チョコレート、ゴールドなどがあります。
2. バイ・カラー
バイ・カラーは2色の毛色です。レバー&タン、オレンジ&ホワイト、レバー&ホワイト、レモン&ホワイトなどがあります。
3. トライ・カラー
トライ・カラーは3色の毛色です。ブラック&ホワイト&タン、レバー&ホワイト&タンなどがあります。
4. ローン
ローンとは、地色に白が細かく混在した毛のことをいいます。ブルーローン、レモンローン、レバーローン、レバーローン&タンなどがあります。
ペットショップでの購入価格
バーニーズ・マウンテン・ドッグのペットショップでの購入価格の相場は15~25万円くらいです。性別、年齢、毛色、血統などにより幅があります。
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………30,000円
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの性格の3大特徴
1. 活発
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、明るく生き生きとしていて活発な犬種です。元々は猟犬ですので、可愛らしい外見ですが意外にアクティブです。
ボールを使ったアクティブな遊びやドッグスポーツをすると一緒に楽しめます。
2. 陽気
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、楽しくて陽気な性格です。遊び心があって好奇心旺盛なので、子供や他のペットとの相性も良好です。
飼い主だけではなく他人にも愛想が良く、非常に友好的な性格をしています。
3. 忠実
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、賢くて忠実なので飼い主のいうことを良く聞きます。物覚えも良いのでしつけがしやすく初心者にもおすすめ出来る犬種です。
また、基本的にはおとなしくて必要なとき以外は吠えません。
オスとメスでの性格の違い
1.オス
イングリッシュ・コッカー・スパニエルのオスは、メスに比べて甘えん坊で愛情深い傾向があります。
2.メス
イングリッシュ・コッカー・スパニエルのメスは、オスに比べて自立していて優しい傾向があります。
しつけの3つのコツ
1. 社会化
イングリッシュ・コッカー・スパニエルはフレンドリーで優しい犬種ですが、十分社会化されていないと臆病になったり分離不安と呼ばれる不安症を起こすことがあります。
生後3~4ヶ月くらいまでに外に出かけたり、人に慣れさせるようにしましょう。
2. 甘やかしすぎない
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、甘やかしすぎると不安症になったり咬みつくなどの問題行動がでてしまうことがあります。
何でも要求に応えてワガママにさせるのではなく、良い悪いの線引きをはっきりさせておくことがコツです。
3. 服従訓練
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、褒めながら行う服従訓練に適しています。ご褒美としてオヤツなどを与えることも効果的です。
服従訓練とは基本的な指示に従えるように訓練することで、興奮したときも飼い主が指示を出せば落ち着いて感情をコントロール出来るようになります。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼うのに向いている人
1. 一緒に過ごせる人
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、いつも仲間と一緒に過ごすことを好みます。甘えん坊で、孤独を嫌うため留守番は苦手です。
家族が多い人や一緒に遊ぶ時間がたっぷりある人におすすめします。
2.体力がありお手入れが苦にならない人
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは活発なので、それなりに体力がある人に向いています。また被毛の手入れが大変なのである程度力のある人に向いています。
お手入れが面倒に感じる人や体力の無い人は検討の必要があります。
3. 経済的に余裕がある人
イングリッシュ・コッカー・スパニエルには、定期的なトリミングやシャンプーなどが必須ですので、他の犬種に比べてどうしてもお手入れ代や美容代がかかってきます。
また、遺伝性の病気を発症することが多いとされていますので、経済的に余裕がある人が好ましいです。
飼い方に関するに3つの注意点
1. 運動
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、多くの運動量を必要としますので散歩は毎日長めに行うと良いでしょう。一緒にアウトドア・アクティビティに出かけるのもおすすめです。また、肥満になりやすいので、食事と運動のバランスに気をつけてください。
アメリカン・コッカー・スパニエルと比較すると、よりスポーティーで活発な犬種です。
2. 被毛のケア
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの被毛を美しく保つには、マメなお手入れが大切です。ほぼ毎日ブラッシングを必要とし、定期的なトリミングを行って下さい。
耳のケアなどもしっかり行い、清潔に保ってあげることが大切です。
3.環境を整える
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは関節の病気が起こりやすいので、床にクッション性のあるものを敷いたり、段差に注意して関節の負担を減らすようにしましょう。
また、暑さには特に弱いため夏は室内温度調節と運動の時間帯にも気をつけましょう。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均寿命
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均寿命は12〜15年くらいです。しかしながら、個体によって寿命の差が大きい犬種ともいわれています。参考までに中型犬の平均寿命ですが、だいたい13歳くらいです。
しかし、あくまでも平均寿命ですので、健康管理をしっかりと行って愛情深く接していけばもっと長く生きることも可能でしょう。
人間との年齢比較表
イングリッシュ・コッカー・スパニエル | 人間 | |
---|---|---|
新生児期 | 1ヶ月 | 1歳 |
社会化期 | 3ヶ月 | 5歳 |
6ヶ月 | 9歳 | |
成長期 | 9ヶ月 | 13歳 |
1歳 | 15歳 | |
成犬期 | 2歳 | 23歳 |
4歳 | 33歳 | |
6歳 | 43歳 | |
8歳 | 53歳 | |
9歳 | 58歳 | |
シニア期 | 10歳 | 63歳 |
12歳 | 73歳 | |
14歳 | 83歳 | |
16歳 | 93歳 | |
18歳 | 103歳 | |
20歳 | 113歳 |
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの年齢計算式
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、2歳の時点で人間に換算すると23歳になり、3年目以降は1年に5歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。
ペットにする喜び、イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼う魅力
1. メリー・コッカー
海外では「メリー(陽気な)コッカー」と呼ばれて親しまれています。陽気で明るい性格がイングリッシュ・コッカー・スパニエルの魅力です。
2.エレガントでタフ
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、エレガントで可愛いだけではなく、タフで運動能力も高いのが魅力です。毎日のお手入れさえ頑張れば、良きパートナーになれるでしょう。
まとめ
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの性格の3大特徴は、活発、陽気、忠実。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルのオスとメスでの性格の違いは、オスは甘えん坊で愛情深い傾向、メスは自立していて優しい傾向。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼う人に向いている3つのポイントは、一緒に過ごせる人、体力がありお手入れが苦にならない人、経済的に余裕がある人。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルのしつけの3つの重要ポイントは、社会化、甘やかしすぎない、服従訓練。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの飼育に関しての3つの注意点は、運動、被毛のケア、環境を整える。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルを飼う魅力とは、メリー・コッカー、エレガントでタフ。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの基本データ
英語表記 | English Cocker Spaniel |
---|---|
愛称 | インギー |
原産国 | イギリス |
サイズ | 中型犬 |
体高 | オス:39〜41cm メス:38〜39cm |
体重 | 12.5〜14.5kg |
毛色 | ソリッド・カラー、 バイ・カラー、 トライ・カラー、 ローン |
寿命 | 12〜15歳 |
価格 | 20〜25万円 |