【犬種】イタリアン・グレーハウンドとは?性格の特徴と飼い方やしつけのコツ


イタリアン・グレーハウンドはまるくて可愛い目にスラリとした体型、人好きの優しい性格に優れた運動能力が特徴的な小型犬で、世界的に人気の犬種です。日本でも「イタグレ」の愛称で親しまれています。
今回はそんなイタリアン・グレーハウンドの性格の特徴や飼い方としつけのコツについて紹介します。



イタリアン・グレーハウンドとは?性格の特徴と飼い方やしつけのコツ

イタリアン・グレーハウンドとは

1. イタリアン・グレーハウンドの紹介

黒いイタグレの顔アップイタリアン・グレーハウンドの原産地は「イタリア」です。「グレーハウンド 」を小型化して細身にしたような犬種で、日本では「イタグレ」の愛称で親しまれています。
血統書を発行している一般社団法人ジャパンケネルクラブの分類によると、視覚を使って高速で走って獲物を捕まえるグループ10(視覚ハウンド)に属する小型犬です。

※分類に関して詳しくは「犬の分類(グループ)とは?」をご覧ください。

2.名前のルーツ

顔のアップのイタグレイタリアン・グレーハウンドの名前のルーツは、その名のとおり原産国の「イタリア」から。またグレーハウンドの「グレー」は灰色とは関係なく、ハンターを意味するアングロサクソン語の(Gech)やギリシャ語の(Greg)に由来するという説があります。
ハウンド」は、主に猟犬として発達した犬種のこと。
ちなみに、イタリアン・グレーハウンドの英語表記は「Italian Greyhound」となります。

3.簡潔な歴史

アクビをしている黒いイタグレイタリアン・グレーハウンドの歴史は古く、紀元前のエジプトを起源としています。また古代ローマ時代に火山によって埋もれたポンペイの遺跡からもイタリアン・グレーハウンドの痕跡がみつかっているほど人間との関わりが古い犬です。
ルネッサンス時期のイタリアでは、貴族の宮廷で飼われており、有名な絵画などでも好んで貴族と一緒に描かれました。
一般に「グレーハウンド」や「ウィペット」を繁殖により小さくした犬種と考えられがちですが、DNA的にも別系統ということが分かっており、エジプトよりギリシャ、ローマと渡って独自に発達した犬です。
視覚を使って高速で走って獲物を捕まえる「視覚ハウンド(サイトハウンド)」のグループに属しています。

4.平均体高・平均体重

ジャパンケネルクラブでは、イタリアン・グレーハウンドの平均体高は、オス、メス共に32~38cmとされています。体高は以外に大きく中型犬ほどありますが、体重が非常に軽い犬種です。

  • 平均体高:32〜38cm
  • 平均体重:2.7〜5kg
イタグレと人との比較

150cmの女性との比較

4.日本で飼育されている数

日本で飼育されているイタリアン・グレーハウンドの飼育数ですが、ジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると2,637頭です。

2017年犬種別登録頭数(ジャパンケネルクラブ)犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占めるイタリアン・グレーハウンドの割合は約0.9%で人気のランキングでは21位です。国内外に多くの愛好家がいる犬種だといえるでしょう。

5.飼いやすさの目安

イタリアン・グレーハウンドの飼いやすさの目安を紹介します。

社会性・協調性がある ★★★☆☆3
健康管理がしやすい ★★★☆☆3
初心者向き ★★★☆☆3
噛み癖がつきにくい ★★★★☆4
訓練されるのが好き ★★★☆☆3
物覚えがいい ★★★☆☆3
飼いやすさの目安:19/30

6.被毛の質と毛色

イタリアン・グレーハウンドの被毛はシングルコートです。きめ細かく短毛で肌触りはシルクのように滑らかです。
毛色は、「ブラック」、「グレー」、「レッド」、「ブルー」、「フォーン」、「シール(やや赤茶色の黒)」、「イザベラ(ペールイエローのようなベージュ)」などがあります。
ジャパンケネルクラブの基準によると、ソリッドと呼ばれる単色が好ましく、ホワイトの模様が入る場合は、胸と足のみ許容されています。
 
イタグレの毛色一覧
 イタリアン・グレーハウンドの毛色一覧

イタリアングレーハウンドの2つのタイプ

イタリアン・グレーハウンドは、産地によって「ヨーロッパタイプ」と「アメリカタイプ」に分かれます。ちなみに日本で飼われているイタリアングレイハウンドは、大半がアメリカタイプです。

1. ヨーロッパタイプ

ヨーロピアンタイプのイタグレヨーロピアンタイプのイタリアン・グレーハウンドは、イタリアを始めとするヨーロッパで生まれたタイプです。
アメリカタイプより小柄で、立ち姿は背中のアーチが強く足と背中が曲がって見えます

2. アメリカタイプ

アメリカンタイプのイタグレアメリカンタイプのイタリアン・グレーハウンドは、ヨーロッパタイプからアメリカに渡った後、アメリカで繁殖されたタイプです。
背中のカーブがほとんどなく足を伸ばして立っているように見えます

ペットショップでの購入価格

イタリアン・グレーハウンドは国内に多くの愛好家がいることもあり、比較的入手しやすい犬種です。ペットショップでの購入価格の相場は、20~50万円くらいです、性別、年齢、毛色、血統などにより幅があります。

  • 混合ワクチン……16,000円
  • 狂犬病予防接種… 3,500円
  • 健康診断………… 3,000円
  • 畜犬登録………… 3,000円
  • 飼育グッズ………30,000円
初期費用は175,000〜355,000円

イタリアン・グレーハウンドの性格の4大特徴

1.愛情深い

イタリアン・グレーハウンドは、とても愛情深い性格をしています。心を許した相手には無邪気で優しく、一緒に遊ぶのを好みます。とくに家族に対しては、深い愛情を示し、みずから抱っこされようとよじ登ってくるほどです。

2.優しい

イタリアン・グレーハウンドは非常に優しい性格をしており、攻撃的な姿勢をとることはほとんどありません。人や他の犬にもあまり吠えませんし、小さな子供との相性も抜群です。その点でも非常に飼いやすい犬だといえるでしょう。逆にいえば、番犬には向きません。

3.遊び好き

何かを追いかけているイタグレイタリアン・グレーハウンドは、走ったりジャンプしたり、アクティブな遊ぶことが大好きです。小さいですが運動神経抜群ですので、訓練すればフリスビーや障害物競技などもこなせるようになるでしょう。

4.繊細で臆病

イタリアン・グレーハウンドは、繊細で神経質、さらに臆病な性格をしています。周囲の状況に敏感に反応し、ストレスをためやすい傾向にあります。また、臆病さから警戒心も強く、突発的な行動に出ることがあるので注意が必要です。

オスとメスでの性格の違い

1.オス

イタリアン・グレーハウンドのオスは、メスに比べてフレンドリーで、愛情深い傾向にあるといわれています。

2.メス

イタリアン・グレーハウンドのメスは、オスに比べて独立心が高いですが、支配的ではなく従順な傾向にあります。

イタリアン・グレーハウンドを飼うのに向いている人

1.控え目で友好的な犬がほしい人

広場で寝転ぶイタグレイタリアン・グレーハウンドは、遊び好きで落ち着きがない面もありますが、基本的にはおとなしく、誰に対してもお行儀よくしています。また、無駄吠えも少ない犬種です。
控え目で吠えたり唸ったりしない友好的な犬が欲しい人に向いています。

2.温暖な場所に住んでいる人

イタリアン・グレーハウンドは、短毛で皮膚が薄く、寒さにとても弱い犬種です。そのため室内で飼うことが好ましく、マンション飼いにも適しています。
寒い地域や寒暖の差が激しい場所での飼育にはあまり向いていませんし、寒いと散歩に行くのも嫌がります。どうしても寒い日に出かけるなら温かい服を着せて上げる必要があります。
そういった点からも温暖な地域に住んでいる人に向いているといえるでしょう。

3.おしゃれな衣服を着せたい人

イタリアン・グレーハウンドは被毛が少ないので、つねに服を着せるのが最適な犬種です。愛犬に可愛い服を着せておしゃれを楽しみたいと思っている人にピッタリです。
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4. 手入れが簡単な犬がほしい人

イタリアン・グレーハウンドはシングルコートで短毛のため、手入れが簡単です。汚れた場合は、濡れたタオルでふき取ってあげましょう。毎日のようにブラッシングする必要はなく、シャンプーも簡単で、抜け毛も少ない犬種です。
このように手入れが簡単な犬が欲しい人に向いています。

イタリアン・グレーハウンドのしつけの3つのコツ

1.早くからの社会化

猫とイタグレイタリアン・グレーハウンドは、臆病で人見知りな傾向があるため、なるべく早いうちに外に連れだし、他人や他のペットに慣れさせておく必要があります。
生後4ヶ月までに、外部からの刺激や音などに慣れさせることで、ストレスを感じにくくなります。

2.怒鳴らない

しつけをする際に感情的に怒鳴ったりするのはどんな犬でも絶対にダメな方法ですが、イタリアン・グレーハウンドは特に敏感なため、怒る際には注意が必要です。しつけが悪いと極端に繊細で臆病な性格になってしまうことがあります。
しつけは怒鳴ったりせず落ち着いた態度で行ってください。

3.オヤツと優しい態度

イタリアン・グレーハウンドは、明るい気持ちにさせてくれるような態度や、オヤツなどのご褒美がないと、しつけに応じてくれないことがあります。ご褒美を使って接し、上手くできたときには優しく褒めてあげましょう。

飼い方に関する3つの注意点

1.温度調節

布にくるまれたイタグレイタリアン・グレーハウンドは、寒さに弱く、室内でも暖房と毛布などで温度調節が必要です。フカフカの犬用ベッドに包まれているのが好きなようです。寒いときの散歩は、服と靴などで防寒する必要があるでしょう。
また、エアコンが強すぎると寒がりますが、極端な暑さもよくないので、夏場の温度調節にも気をつけてください。

2.ストレス

2匹の服を着たイタグレイタリアン・グレーハウンドは活発で、散歩は朝夕2回それぞれ1時間程度が適正といわれています。時々広い場所でも遊ばせましょう。走るのが速く、ドッグランで追いかけっこなどをして遊ぶのが好きです。運動不足だとストレスがたまってしまいます。
また平和を好むため、家族が喧嘩をしたりするとストレスを感じやすいので注意してください。

3. 怪我

イタリアン・グレーハウンドは、遊び好きで活発なため、家の中で動き回って高いところからジャンプしたりすることがあります。しかもジャンプするのが大好きため厄介です。骨折などの怪我を防ぐために、危険な場所を囲んであげたり、床にクッション材を敷くなどの対策をしましょう。
外で遊ばせるときも、ドッグランのような走りやすくて、体に負担のかからない場所で遊ばせることが好ましいです。

イタリアン・グレーハウンドの平均寿命

イタリアン・グレーハウンドの平均寿命は12~15年くらいです。
小型犬の中では比較的長い部類になります。
参考までに小型犬の平均寿命ですが、だいたい14歳くらいです。
しかし、あくまでも平均寿命ですので、健康管理をしっかりと行って愛情深く接していけばもっと長く生きることも可能でしょう。
今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけることで、寿命はもっと長くなります。
このページの下のほうで、イタリアン・グレーハウンドにオススメのドッグフードを紹介していますので、気になる方はご確認ください。

人間との年齢比較表

イタグレ 人間
新生児期 1ヶ月 1歳
社会化期 3ヶ月 5歳
6ヶ月 9歳
成長期 9ヶ月 13歳
1歳 15歳
成犬期 2歳 24歳
4歳 32歳
6歳 40歳
8歳 48歳
9歳 52歳
シニア期 10歳 56歳
12歳 64歳
14歳 72歳
16歳 80歳
18歳 88歳
20歳 96歳

イタリアン・グレーハウンドの年齢計算式

イタリアン・グレーハウンドは、2歳の時点で人間に換算すると24歳になり、3年目以降は1年に4歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。

年齢 = 24+(犬の年齢-2年)×4

ペットにする喜び、イタリアン・グレーハウンドを飼う魅力とは

1.スタイリッシュ

青い空と服を来たイタグレ寒がりなイタリアン・グレーハウンドは、おそらく犬用の服が必需品になるかと思います。服を着せるとますますスタイリッシュになり、色々揃えてみたくなるかもしれません。
普段は愛犬に服を着せない派の人でも、季節にあわせてオシャレを楽しんでみてはいかがでしょうか。

2. 独特の魅力

イタリアン・グレーハウンドは、家族と一緒にいるのが大好きで、愛情たっぷりで可愛い性格をしています。また、居心地の良いベッドで布団にくるまって動かないかと思えば、機敏に動き回ったりするような、独特の魅力を持っています。



まとめ

服を着たイタグレイタリアン・グレーハウンドの2種類のタイプは、ヨーロッパタイプとアメリカタイプ。
イタリアン・グレーハウンドの性格の3大特徴は、愛情深い、遊び好き、繊細。
イタリアン・グレーハウンドのオスとメスでの性格の違いは、オスはフレンドリーで愛情深く、メスは独立心が強く従順な傾向。
イタリアン・グレーハウンドを飼う人に向いている3つのポイントは、控え目で友好的な犬がほしい、温暖な場所に住んでいる、手入れが簡単な犬がほしい人。
イタリアン・グレーハウンドのしつけの3つの重要ポイントは、早くからの社会化、怒鳴らない、オヤツと優しい態度。
イタリアン・グレーハウンドの飼育に関しての3つの注意点は、温度調節、ストレス、怪我。
イタリアン・グレーハウンドを飼う魅力とは、スタイリッシュ、独特の魅力。

イタリアン・グレーハウンドの基本データ

英語表記 Italian Greyhound
愛称 イタグレ
原産国 イタリア
サイズ 小型犬
体高 32〜38cm
体重 2.7〜5kg
被毛 シングルコート
毛色 ブラック、
グレー、
レッド、
ブルー、
フォーン、
シール(やや赤茶色の黒)、
イザベラ(ペールイエローのようなベージュ)
寿命 12〜15歳
価格 12〜30万円

参考文献

イタリアン・グレーハウンドに関連する犬種

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