ドッグレースで最も速く、最高時速60~70キロものスピードで走るといわれるグレーハウンド。足が速いことに由来し、アメリカのバス会社の名前にもなっています。
今回はそんなグレーハウンドの性格としつけのコツについて紹介します。
グレーハウンドとは
1. グレーハウンドの紹介
グレーハウンドの原産地は「イギリス」です。世界で最も有名なグレーハウンドで、原産地にちなんで「イングリッシュ・グレーハウンド」とも呼ばれます。
血統書を発行している一般社団法人ジャパンケネルクラブの分類によるとグループ10(視覚ハウンド)に属する大型犬です。
※分類に関して詳しくは「犬の分類(グループ)とは?」をご覧ください。
2.名前のルーツ
グレーハウンドの名前の由来ですが「グレイ」は灰色とは関係なく、アングロサクソン語の(Gech)やギリシャ語の(Greg)でハンターを意味する言葉に由来しているという説があります。
「ハウンド」とは、主に猟犬として発達した犬種のことで、グレーハウンドは視覚を使って高速で走って獲物を捕まえる「視覚ハウンド(サイトハウンド)」のグループです。
グレーハウンドの英語表記では「Greyhound」となります。
ちなみに、視覚ハウンドの仲間には、グレーハウンドをそのまま小さくしたような小型犬の「イタリアン・グレーハウンド」もいます。
3.簡潔な歴史
グレーハウンドは5世紀ごろのイギリスでは、足の速さを活かして野ウサギなどを捕まえる猟犬として活躍し、11世紀頃には上流貴族のみが所有できるという法律ができるほど広く愛されました。
その後イギリスからアメリカにも渡り、競馬のように犬を走らせるドッグレースやショーでレーシングドッグとして活躍します。非常に高い身体能力を持っており、最高時速70kmで走ったという記録もあります。
しかし動物愛護の観点などからドッグレースはあまり行われなくなり、現在はレースから引退したグレーハウンドを家庭犬として飼うという動きが増えていました。
最近までグレーハウンドのルーツは中東にあると考えられていましたが、ミトコンドリアDNAの解析により「サルーキ」や「アフガンハウンド」とは別系統ということが分かりました。
4.平均体高・平均体重
ジャパンケネルクラブでは、グレーハウンドの平均体高は、オスが71~76cm、メスが68~71cmとされています。
- 平均体高:71〜76cm
- 平均体重:27〜34kg
メス
- 平均体高:68〜71cm
- 平均体重:27〜29kg
150cmの女性との比較
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているグレーハウンドの数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると0頭です。
2017年犬種別登録頭数(ジャパンケネルクラブ)世界的には根強い愛好家がいるにもかかわらず、日本では大変稀少な犬種となっています。
6.飼いやすさの目安
グレーハウンドの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★★★5 |
健康管理がしやすい | ★★★☆☆3 |
初心者向き | ★★☆☆☆2 |
噛み癖がつきにくい | ★★★★☆4 |
訓練されるのが好き | ★★★☆☆3 |
物覚えがいい | ★★★☆☆3 |
6.グレーハウンドの被毛について
グレーハウンドの被毛はシングルコートで細かく体にピッタリと密着しています。
毛色は「ブラック」、「ホワイト」、「レッド」、「ブルー」、「フォーン」、「ファロー」、「ブリンドル」です。これらにホワイトの混じったものが認められています。
グレーハウンドの毛色一覧
グレーハウンドの2つのタイプ
グレーハウンドは目的によって以下の2つのタイプに分けられています。
1.レーシングタイプ
レーシングタイプは競技用のグレーハウンドです。
競技用タイプは原種に近いがっしりとした小柄な体格で、速く走って小動物などを追いかける習性が強くあります。
2.ショータイプ
ショータイプのグレーハウンドは、競技用に比べて体が大きく、見た目も優美で美しいグレーハウンドです。
ペットショップでの購入価格
グレーハウンドは日本で珍しい犬種ですので、ペットショップでの購入は難しくブリーダーから購入することになるかと思います。一番可能性が高いのはジャパンケネルクラブ主催のドッグショーでブリーダーさんに直接交渉することでしょう。
価格は基本的にドッグショーに出るような犬ですから高額で18~25万円はみてください。また、海外から輸入する場合はもっと高額になります。
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………30,000円
グレーハウンドの性格の3大特徴
1.優しい
グレーハウンドは、非常に身体能力が高く活発な犬種ですが、内面は優しくて理解力があり、愛情豊かな性格です。
2. 気品がある
グレーハウンドは気品があり落ち着きのある性格をしています。見知らぬ人に警戒心を持つことはありますが、あまり吠えることはありません。
3. 独立している
グレーハウンドを含む視覚ハウンド系の犬種は、非常に自分の独立した考えを持っています。そのため時々言うことを聞いてくれないことがあります。
オスとメスでの性格の違い
1.オス
グレーハウンドのオスは、メスに比べて甘えん坊で、やや手がかかる傾向にあります。
2.メス
グレーハウンドのメスは、オスに比べて独立心が高く、プライドが高い傾向にあります。
飼うのに向いている人の3つのポイント
1.環境が整っている人
グレーハウンドは、寒さに弱いため基本的に室内で飼う犬種です。大型犬を室内飼い出来る広いスペースのある住宅、遊ばせるための庭や、ドッグランなどが近くにあるなどの環境が整っていることが大切です。
2.静かで穏やかな家庭
グレーハウンドは、繊細な面があるため家族間の言い争いや、大きな声に敏感に反応します。
そのためなるべく静かで穏やかな家庭環境が好ましいと言えます。
3.小さな子供がいない
小さな子供がいる場合は、良く検討する必要がありそうです。
子供との相性にもよりますが、子供の予測不能な動きや大きな声に圧倒されてストレスを感じることがあります。
グレーハウンドのしつけの3つのコツ
1. 社会化訓練
グレーハウンドは、外部の人や音などの、様々な刺激に慣れさせる社会化の訓練が大切です。
社会化訓練が十分されないと、極端に臆病な性格になってしまうことがあります。
2. 一貫性
独立した性格のグレーハウンドには、ポジティブで一貫性のあるしつけをすることが大切です。
グレーハウンドは飼い主には従順ですので、一貫性を持つことで、飼い主の言うことが正しいと理解してくれるようになります。
3. 優しく
グレーハウンドは、繊細な面があるため大声で話かけるより、優しく柔らかな口調を好みます。
間違いを指摘して叱るよりも、出来たことを褒めて伸ばすしつけが向いています。
飼い方に関する気をつけたい3つの注意点
1.運動
グレーハウンドは、毎日十分な運動量が必要です。長距離よりも、週に2~3回はドッグランなどで速く走らせるような運動をすると良いでしょう。
事故にならないよう周りに障害物や小さな犬などがいない場所で行うように注意してください。
2. 小動物に注意
グレーハウンドは、基本的には他の動物との相性は良好です。しかし本能的に小動物を追いかける習性が残っていることがあるため、散歩の際にはリードをしっかりとつけるなど少し注意を払ってください。
3.室温
グレーハウンドは、短毛種で寒がりなため、室内の温度調整を行い、冬は毛布や暖かいベッドがあると喜びます。
お家でぬくぬく過ごすのも好きで「世界で最も足の速いカウチポテト」と呼ばれています。
グレーハウンドの平均寿命
グレーハウンドの平均寿命は10~13年くらいで、大型犬では平均的な寿命と言えます。
しかし、あくまでも平均寿命ですので、健康管理をしっかりと行って愛情深く接していけばもっと長く生きることも可能でしょう。
参考までに大型犬の平均寿命ですが、だいたい12歳くらいです。
今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけてることで、寿命は長くなります。
このページの下のほうで、グレーハウンドにオススメのドッグフードを紹介していますので、気になる方はご確認ください。
人間との年齢比較表
グレーハウンド | 人間 | |
---|---|---|
新生児期 | 1ヶ月 | 1歳 |
社会化期 | 3ヶ月 | 5歳 |
6ヶ月 | 9歳 | |
成長期 | 9ヶ月 | 13歳 |
1歳 | 15歳 | |
成犬期 | 2歳 | 23歳 |
4歳 | 35歳 | |
6歳 | 47歳 | |
8歳 | 59歳 | |
シニア期 | 10歳 | 71歳 |
12歳 | 83歳 | |
14歳 | 95歳 | |
16歳 | 107歳 |
グレーハウンドの年齢計算式
グレーハウンドは、他の大型犬に比べると長生きで、2歳の時点で人間に換算すると23歳になり、3年目以降は1年に6歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。
ペットにする喜び、グレーハウンドを飼う魅力とは
1.希少価値
グレーハウンドは、大型犬で特有の性質などから飼育が難しいため、希少価値のある犬種となっています。とくに日本ではなかなか見られないこともあり、よりいっそうその価値は高まっています。
2. 世界で最も足の速いカウチポテト
家ではソファーでくつろいでいるのに、外ではチーターのようにさっそうと走る姿がかっこよくて魅力的、まさに「世界で最も足の速いカウチポテト」です。
まとめ
グレーハウンドの2種類のタイプは、競技タイプとショータイプ。
グレーハウンドの性格の3大特徴は、優しい、気品がある、独立している。
グレーハウンドのオスとメスでの性格の違いは、オスは甘えん坊でや手がかかる、メスは独立心が強く、プライドが高い。
グレーハウンドを飼う人に向いている3つのポイントは、環境が整っている、静かで穏やかな家庭、小さな子供がいない人。
グレーハウンドのしつけの3つの重要ポイントは、社会化訓練、一貫性、優しく。
グレーハウンドの飼育に関しての3つの注意点は、運動、小動物に注意、室温。
グレーハウンド飼う魅力とは、希少価値、世界で最も足の速いカウチポテト。
グレーハウンドの基本データ
英語表記 | Greyhound |
---|---|
愛称 | グレーハウンド |
原産国 | イギリス |
サイズ | 大型犬 |
体高 | オス:71〜76cm メス:68〜71cm |
体重 | オス:27〜34kg メス:27〜29kg |
毛色 | ブラック、 ホワイト、 レッド、 ブルー、 フォーン、 ファロー、 ブリンドル |
寿命 | 10〜13歳 |
価格 | 30〜50万円 |