シベリアンハスキーという犬をご存じですか?シベリアンハスキー犬は、がっしりした体格でくま取りのような顔をしているため、一見すると怖い印象を持ってしまいがちです。しかしそんな見た目とは違って、好奇心旺盛でおちゃめな面のある犬種です。
今回は、そんなシベリアンハスキーの性格や飼育のコツについてお伝えします。
シベリアンハスキーとは
1. シベリアンハスキーの紹介
シベリアンハスキーは狼のような精悍な顔つきと屈強な体躯から近づきがたい印象を受けますが、性格は穏やかで陽気で楽天的な犬種です。
日本では「動物のお医者さん」という漫画やドラマの影響で一時期大ブームとなりましたが、ブームが去った後はあまり見られなくなりました。「ハスキー」の愛称があります。
スピッツ系に属し「サモエド」や「アラスカン・マラミュート」とは近縁種にあたります。
2.原産地
シベリアンハスキーの原産国は「アメリカ」です。
アメリカ大陸の北部、シベリアからカナダ北極圏にかけての永久凍土が広がる降水量の少ない地域「ツンドラ地帯」が原産地です。
3.名前のルーツ
シベリアンハスキーの名前の由来ですが、「シベリアン」はその原産地の一部である「シベリア」から来ています。
「ハスキー」については諸説あるものの、アラスカやカナダ北部の先住民族「エスキモー」から来ているという説があります。「エスキモー」は「ハスキー」とも呼ばれ、その呼び名を元に、彼らの飼っていた犬も「ハスキー」と呼ばれるようになったということです。
ちなみに英語での表記は「Siberian Husky」です。
4.成犬の平均体高・平均体重
ジャパンケネルクラブでは、シベリアンハスキーの平均体高は、オスが54〜60cmくらいで、メスが50〜56cmとされています。※体高とは犬の肩までの高さです。
オスとメスを比較すると、メスの方が少し小柄です。
- 平均体高:54〜60cm
- 平均体重:20〜27kg
メス
- 平均体高:50〜56cm
- 平均体重:16〜23kg
150cmの女性との比較
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているシベリアンハスキーの数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると768頭です。
2017年犬種別犬籍登録頭数(ジャパンケネルクラブ) 犬全体の登録数が292,906頭なので、シベリアンハスキーの割合は約0.2%にあたります。日本で飼われている犬種としては比較的マイナーな部類といえるでしょう。
6.飼いやすさの目安
シベリアンハスキーの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★★☆4 |
健康管理がしやすい | ★★★☆☆3 |
初心者向き | ★★☆☆☆2 |
噛み癖がつきにくい | ★★★★☆4 |
訓練されるのが好き | ★★★☆☆3 |
物覚えがいい | ★★★☆☆3 |
ペットショップでの購入価格
シベリアンハスキーの購入価格は8~18万くらいになっています。
血統によっても価格が大きく変動し、両親がチャンピオン犬だとチャンピオン直子として価格が上がります。
その他にかかる初期費用
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………100,000円
シベリアンハスキーの性格の3つの特徴
シベリアンハスキーの性格には特徴的なものが3つあります。
1.陽気で遊び好き
シベリアンハスキーは好奇心旺盛で人懐っこい面があり、遊び好きな性格です。
反面、集中力に欠けるところもありますので、しつけは根気良く行っていく必要があります。
またシベリアンハスキーは大きな体格で力が強いので、女性や子供が遊ぶ時は注意しないとケガをする恐れがあります。
またイタズラ好きのため、壊されて困るものは近くに置かないようにしましょう。
2.独立心が強い
シベリアンハスキーは独立心が強い性格のため、飼い主の命令を聞かないことがあります。
また放浪癖といえるような行動を取り脱走することがあるので、しっかり対策をしておいたほうが安心です。
万一、脱走した場合ですが、シベリアンハスキーは帰巣本能(きそうほんのう=家に戻ってくる本能)が薄く戻ってこない可能性が高いです。
そのためにもドッグタグやマイクロチップを必ず付けておきましょう。
3.警戒心が強い
シベリアンハスキーは警戒心が強い性格のため、他の犬と一緒に飼う場合には慣れるまで時間がかかります。
しかし、心を許した相手には友好的になります。慣れるととても人なつっこく接してきます。
警戒心は強いものの穏やかな性格も持ち合わせているので、見た目とは違ってあまり番犬には向きません。
シベリアンハスキーの毛色
シベリアンハスキーは毛色の違いでいくつかのタイプがあり、それぞれ見た目の印象も違ってきます。
1.ブラック&ホワイト
ブラックとホワイトの毛色でシベリアンハスキーの代表的な毛色です。はっきりした模様が特徴です。
成長するにつれて顔の模様が変化していきます。
2.シルバー&ホワイト
これもシベリアンハスキーの代表的な毛色の種類で、シルバーとホワイトの毛色の模様です。
シルバー&ホワイトのシベリアンハスキーは、精悍な印象です。
3.レッド&ホワイト
レッドまたはライトブラウンとホワイトの毛色の模様です。
日にかざすと金髪のようにキラキラと輝く感じになります。穏やかな印象になります。
4.チョコレート&ホワイト
濃いブラウンとホワイトの毛色の模様です。
優しい印象でシベリアンハスキー犬の中でも人気のあるタイプです。
5.ホワイト
毛色がホワイトだけのため、一見するとシベリアンハスキーだと分からないかもしれません。
あまりいない、珍しい毛色です。
オスとメスでの性格の2つの違い
1.人なつっこさ
シベリアンハスキーのオスは、メスに比べて人なつっこく慣れやすい性格だといわれています。
ただしオスの方が体が大きいため、飼い主に無邪気に飛びついて遊ぼうとしてくるときなどは、注意しないとケガをする可能性があります。
2.気の強さ
シベリアンハスキーのメスは、オスに比べると気が強く、少し気難しい性格だといわれています。そのためメスの場合、しつけをするときには時間を掛けて教えていく必要があります。
シベリアンハスキーを飼う人に向いている3つのポイント
1.しっかりとしつけができる
シベリアンハスキーには遊び好きで集中力に欠ける性格があります。そのため、しつけは子犬の頃から根気良く行う必要があります。
焦らず、時間を掛けてしつけができる人が向いているといえます。
2.時間と体力がある
シベリアンハスキーは運動量が多い犬種のため、散歩にはたっぷりと時間を掛けないとストレスがたまってしまいます。
具体的には朝夕にそれぞれ1時間から2時間ずつ以上の散歩を行います。
時間があれば、一日中散歩をしても喜びます。
ただし、これらをこなすには時間と体力が必要で、どちらにも余裕がある人でなければ難しいでしょう。
3.室内で飼える
シベリアンハスキーは寒冷地が原産の犬種のため、暑さに強くありません。
そのため、夏など気温の高いときのことを考えると、犬舎ではなく室内で飼うことが理想です。
ただし大型犬で体が大きいため、飼育スペースとして十分な広さを用意できる人が向いているといえます。
シベリアンハスキーのしつけの3つのコツ
1.時間を掛けて根気良く
飼う人に向いているポイントでも挙げましたが、シベリアンハスキーへのしつけは時間を掛けて根気良く行う必要があります。
しっかりとしつけができていないと、大きな体と有り余る体力を持ちながら言うことを聞かないヤンチャな性格に育ってしまいます。
2.しっかりと体力を使わせる
シベリアンハスキーは散歩が足りず元気が余っていると、しつけをしていても遊びたがり、言うことを聞きません。
そのため、しっかりと体力を使わせることは、しつけを上手くいかせるコツになります。
3.飼い主以外の人間にも友好的に
飼い主になれたシベリアンハスキーでも、他の人に対しては警戒心を解かず、吠えたり攻撃的になってしまいます。
散歩などで飼い主以外の人に会ったときでも、吠えたりしないよう、しつけを行うようにしましょう。
最近では無駄吠え防止の首輪など便利なグッズもあるので、そういったアイテムをうまく使うと良いでしょう。
シベリアンハスキー犬の飼育の注意点
1.暑さ
シベリアンハスキーは暑さに弱いため、できるだけ暑さを避けて飼っていきましょう。
夏場は室内飼いだとしても気温が高くなってしまうので、エアコンを付けて室温が上がりすぎないようにしてください。
暑い中で飼っていると夏バテをしてしまいますし、最悪の場合熱中症になってしまいます。
犬の熱中症に注意!熱中症の症状や対策、治療について
2.抜け毛
シベリアンハスキーは寒い地域の犬種のため毛が多く、抜け毛の多い犬種です。
毛の生え替わり時期である春と秋には特に抜け毛が多くなり、一日でサッカーボールほどの量が抜け落ちます。
そのため、毎日欠かさずブラッシングをしてあげましょう。
3.散歩
犬ぞりを引くほどの体力があるシベリアンハスキーは、散歩をしっかりしないと体力が有り余ってしまいます。
しっかりと時間を取って、シベリアンハスキーが疲れるまで散歩をしてください。
犬にストレスをためないためにも、しつけを上手くいかせるためにも、たっぷりと散歩をすることが重要になります。
4.脱走・迷子
シベリアンハスキーは帰巣本能が低い犬種です。脱走することもありますし、散歩の途中に逃げ出すとそのまま迷子になってしまう可能性があります。逃げ出したり、迷子にならないよう気をつけておく必要があります。
万が一にそなえて鑑札などはしっかりつけておきましょう。
シベリアンハスキーの平均寿命
シベリアンハスキーの平均寿命は10〜14年くらいです。
参考までに中型犬の平均寿命ですが、だいたい13歳くらいです。
今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけることで、寿命は長くなります。
このページの下のほうで、シベリアンハスキーにオススメのドッグフードを紹介していますので、気になる方はご確認ください。
人間とシベリアンハスキーの年齢比較表
シベリアンハスキー | 人間 | |
---|---|---|
新生児期 | 1ヶ月 | 1歳 |
社会化期 | 3ヶ月 | 5歳 |
6ヶ月 | 9歳 | |
成長期 | 9ヶ月 | 13歳 |
1歳 | 15歳 | |
成犬期 | 2歳 | 23歳 |
4歳 | 33歳 | |
6歳 | 43歳 | |
8歳 | 53歳 | |
9歳 | 58歳 | |
シニア期 | 10歳 | 63歳 |
12歳 | 73歳 | |
14歳 | 83歳 | |
16歳 | 93歳 |
シベリアンハスキーの年齢計算式
シベリアンハスキーは、2歳の時点で人間に換算すると23歳になり、3年目以降は1年に5歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。
シベリアンハスキーを飼う魅力とは
シベリアンハスキーを飼う魅力は、その精悍な顔つきと毛足が長くクールな姿です。
また慣れると温厚で遊び好きな性格のため、犬と思いっきりコミュニケーションを取ることができます。
たしかに、しつけに時間がかかるところはありますが、シベリアンハスキーは多くの時間を共有できる魅力的なパートナーとなるでしょう。
今回のまとめ
シベリアンハスキーは遊び好きで人懐っこいが、一方で帰巣本能が薄いことも挙げられます。そのため、しつけはしっかりと行う必要があります。
また、体力のある犬種なのでしっかりとした散歩を行うことが必須で、体力を使うことでしつけにもつながります。
シベリアンハスキーは暑さに弱いため室内で飼えるほうが望ましく、夏場は温度調整が必要です。抜け毛も多いので換毛期には管理が必要です。
シベリアンハスキーの基本データ
英語表記 | Siberian Husky |
---|---|
愛称 | ハスキー |
原産国 | アメリカ |
サイズ | 大型犬 |
体高 | オス:54〜60cm メス:50〜56cm |
体重 | オス:20〜27kg メス:16〜23kg |
毛色 | ブラック&ホワイト、シルバー&ホワイト、レッド&ホワイト、チョコレート&ホワイト、ホワイト |
寿命 | 10〜14歳 |
価格 | 15〜30万円 |