【犬種】狆(チン)とは?性格の特徴と飼い方やしつけのコツ

狆(ちん)の写真
江戸時代に大奥でお座敷犬として寵愛されていたといわれる狆(チン)。シルクのような美しい毛が、気品に溢れており、愛玩犬として広く愛されています。
今回はそんな狆の性格としつけのコツ、なりやすい病気やおすすめのペット保険、フードについてご紹介します。



狆(チン)とは?性格の特徴と飼い方やしつけのコツ

狆(チン)とは

1. 狆の紹介

狆(チン)の原産地は我が国「日本」。
英語名は「ジャパニース・チン (Japanese Chin)」ですが、以前は「ジャパニーズ・スパニエル (Japanese Spaniel)」と呼ばれていました。
愛玩犬(あいがんけん)として長い歴史があり、貴族や大名などの上流階級の人々に可愛がられてきた犬種です。
顔は平面的で額が広く、離れ気味の大きな目が特徴。
飾り毛」と呼ばれるまっすぐで長い毛が、首、もも、尻尾を覆っています。

2. 狆の平均体高・平均体重

狆(チン)の平均体高は、オス25cm前後、メスはそれよりやや小さめです。
平均体重は2~3kgの小型犬です。

3. 狆の名前のルーツ・簡潔な歴史

狆(チン)の名前のルーツですが、「ちいさいいぬ」がつまって「ちいぬ」となり「ちん」となったようです。
732年に朝鮮から日本の宮廷に献上された犬が、狆の祖先。
徳川綱吉の時代に江戸城で飼われたという記録があるように大名や貴族に愛好され、後年には吉原の遊女達の間でも流行しました。
海外へは1613年にイギリス人のキャプテン・サーリスによって持ち帰られており、1853年にもペリー提督に数頭が持ち帰られ、うち2頭がヴィクトリア女王に献上されています。
狆:wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/狆)

4. 日本で飼育されている数

日本で飼育されている狆(チン)の数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると506頭です。

犬全体の登録数が292,906頭なので、狆の割合は約0.1%と日本産の犬種であるにも関わらず、現在ではマイナーな犬種といえるでしょう。

5.飼いやすさの目安

狆(チン)の飼いやすさの目安を紹介します。

社会性・協調性がある ★★★★☆4
健康管理がしやすい ★★★★☆4
初心者向き ★★★★☆4
噛み癖がつきにくい ★★★★☆4
訓練されるのが好き ★★☆☆☆2
物覚えがいい ★★★★☆4
飼いやすさの目安:22/30

種類の違いはあるの?狆の2つの毛色のタイプ

ジャパンケネルクラブでは、狆の毛色は2種類が認められています。
顔のブチは目の周囲から耳全体にかけて左右相対が好ましく、特にマズルから頭頂にかけて幅広い白のブレーズがあることが望まれています。

1. ブラック&ホワイト

白地に黒のブチが入っています。白と黒のコントラストが、狆を抱いたときに、どんな着物にも合い、着物が映えるという理由で定着した色だそうです。

2. レッド&ホワイト

白地に赤(茶っぽい赤)のブチが入っています。ブラック&ホワイトに比べると数は少ないです。
レッド&ホワイトのチン

ペットショップでの購入価格

狆のペットショップでの購入価格の相場は、毛色、性別などにより幅があり、12~25万円くらいです。

  • 混合ワクチン……16,000円
  • 狂犬病予防接種… 3,500円
  • 健康診断………… 3,000円
  • 畜犬登録………… 3,000円
  • 飼育グッズ………30,000円
初期費用は175,000〜305,000円

狆の性格の3大特徴って?

1. フレンドリー

狆は長く愛玩犬として飼われていたため、人懐っこく友好的で、他人や他のペットとの相性も良いです。

2. おとなしい

狆はおとなしく利口で、飼い主にも忠実なため、しつけもしやすい犬種といわれています。
よく猫のようだといわれることがあります。

3. 臆病な面も

狆は基本的に人見知りしない犬種ですが、まだ十分に社会性の訓練がされていないときには、神経質で臆病なことがあります。

狆のオスとメスでの性格の違い

1. オス

狆のオスは、メスに比べてより愛情深く、従順な傾向にあるといわれています。

2. メス

メスの狆はオスに比べて、プライドが高く、忠実ではない傾向が少しあるようです。
child little girl with glasses reading a books

狆を飼う人に向いている3つのポイントとは

1. 室内で飼いたい人

狆は、室内犬として改良されてきた犬種です。
臭いも少ないので、室内で飼うのに適しています。
訓練された狆は、あまり吠えることがないため、集合住宅の飼育にも向いています。

2. 運動量の少ない犬が欲しい人

狆はあまり散歩ができない人でも大丈夫です。
運動量としては室内で遊ばせるだけでも十分だからです。
ただ、気分転換や社会性を養うためには、なるべく外に出かけたほうがいいでしょう。
とはいえ、散歩の時間は短くて問題ありません。

3. 長く一緒にいられる人

狆は、いつも誰かと一緒にいることを好みます。
撫でられたり、たわむれて遊んだり、かまってもらうことが大好きです。
そういった意味でも家を長く空けることが多い人には、向いていないといえます。
独りになると、精神的に不安になって、問題を起こすことがあります。

狆のしつけの3つのコツとは?

1. 社会性

幼いころから人に慣れさせて、社会性を養いましょう。
室内にいるだけではなく、公園などに連れて行き、多くの人や犬なと触れさせることが大切です。

2. 甘やかしすぎない

狆のしつけは、一般的には褒めながら気長に行うのが良いとされています。しかし、甘やかしすぎると、わがままになってしまうことがあります。
信頼関係を築きながら、適切なしつけを行うようにしましょう。

3. 遊び感覚で

人と遊ぶことが好きな狆は、遊び感覚でしつけを行うのが良いでしょう。「お手」「おすわり」「待て」などは、オヤツを使ってゲームのように楽しく教えてみましょう。
狆の飼育に関しての注意事項とは?

狆を飼育する場合に特に注意したい3つのこと

1. 温度管理

室内犬の狆は、寒さと暑さに弱いため、季節にあわせて室内の温度管理を行うことが必要です。
一般的に、犬を飼う場合の適温は、25℃前後で 湿度は40~60%といわれています。
ただ、個体差がありますので、様子を観察して適温に調整してあげてください。

2. ブラッシング

狆の毛は、細くて絡まりやすく手玉になりやすいので、定期的なブラッシングやコーミングが必要です。
こまめにお手入れをすれば非常に美しく手触りの良い毛質になります。

3. 段差

膝や肘に負担をかけないために、家の階段や段差をなるべくなくすようにしましょう。
滑りやすいフローリングの床にも、怪我防止のために、滑り止めのマットを貼っておきましょう。
下を出したチン

狆の平均寿命

狆(チン)の平均寿命は12~14年くらいで、小型犬の平均的な寿命といえます。
参考までに小型犬の平均寿命ですが、だいたい14歳くらいです。
しかし、あくまでも平均寿命ですので、健康管理をしっかりと行って愛情深く接していけばもっと長く生きることも可能でしょう。
今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけることで、寿命はもっと長くなります。
このページの下のほうで、狆にオススメのドッグフードを紹介していますので、気になる方はご確認ください。

人間と狆の年齢比較表

人間
新生児期 1ヶ月 1歳
社会化期 3ヶ月 5歳
6ヶ月 9歳
成長期 9ヶ月 13歳
1歳 15歳
成犬期 2歳 24歳
4歳 32歳
6歳 40歳
8歳 48歳
9歳 52歳
シニア期 10歳 56歳
12歳 64歳
14歳 72歳
16歳 80歳
18歳 88歳
20歳 96歳

狆の年齢計算式

狆は、2歳の時点で人間に換算すると24歳になり、3年目以降は1年に4歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。

年齢 = 24+(犬の年齢-2年)×4

ペットにする喜び・狆を飼う魅力とは

1. 優美な飾り毛

狆(チン)の特徴的な「飾り毛」は、優美な見た目と、細くてシルクのような触り心地が魅力的です。

2. 理想的な愛玩犬

狆はその歴史から人の膝の上にのって遊んだりするのが大好きで、人懐っこく愛嬌があります。
その上行儀もよく、利口な犬種です。
まさに理想的な愛玩犬といえるでしょう。



まとめ

狆の原産地は日本で、体高はオス25cm前後、メスはやや小さめ、体重は2~3kg。
狆のタイプ2種類の毛色タイプは、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト。
狆の性格の3大特徴は、フレンドリー、おとなしい、臆病。
狆のオスとメスでの性格の違いは、オスはより愛情深く、従順な傾向、メスはプライドが高く、忠実ではない傾向がある。
狆を飼う人に向いている3つのポイントは、室内で飼いたい、運動量の少ない犬が欲しい、長く一緒にいられる人。
狆のしつけの3つの重要ポイントは、社会性、甘やかしすぎない、遊び感覚で。
狆の飼育に関しての3つの注意点は、温度管理、ブラッシング、段差。
狆を飼う魅力とは、優美な飾り毛と、理想的な愛玩犬。

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