【犬種】四国犬の性格とは?性格の特徴と飼い方やしつけのコツ

四国犬の顔のアップ
オオカミのように野生的で最も素朴な犬種といわれる四国犬。古くから山岳地帯で猟犬として飼育され、国の天然記念物にも指定されている稀少な犬種です。
今回はそんな四国犬の性格と飼い方、しつけのコツについて紹介します。

四国犬とは?

1. 四国犬の紹介

四国犬(しこくいぬ)の原産地は、日本の四国地方です。主に高知県の山岳地帯でシカやイノシシの獣猟犬として飼育されていました。現在は家庭犬としても飼われています。別名を「高知犬(こうちいぬ)」と呼ばれています。
血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、グループ5(原始的な犬&スピッツ)に属する中型犬です。

※分類に関して詳しくは「犬の分類(グループ)とは?」をご覧ください。

2. 簡潔な歴史

四国犬の歴史は、紀元前の古くからいた土着犬が祖先とされ、高知県の山岳地帯にいた「ヤマイヌ」という野犬が飼い慣らされて改良されたようです。
イノシシを主とした獣猟犬として活躍し、1937年に天然記念物に指定されています。
絶滅したとされるニホンオオカミに外見が似ており、ときに間違われることがあります。
ニホンオオカミと交配されたという説もありますが定かではありません。

3.名前のルーツ

四国犬の名前のルーツは、高知に生息していたため「土佐犬(とさけん)」と呼ばれていました。現在は、別の犬種「土佐闘犬(とさとうけん)」と区別するために「四国犬」で統一されています。
英語では「Shikoku」「Shikoku Dog」などと表記します。

4.平均体高・平均体重

ジャパンケネルクラブによると四国犬の平均体高は、オスが49~55cmメスが46~52cmが望ましいとされています。
平均体重はオスが17kg~23kg、メスが15kg~18kgの中型犬です。

5.日本で飼育されている数

日本で飼育されている四国犬の飼育数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみたところ、登録数は23頭です。
2017年犬種別犬籍登録頭数(ジャパンケネルクラブ)
犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占める四国犬の割合は約0.007%と、日本犬のなかでも知名度が低い稀少犬種です。
https://petraku.net/dog/ranking-dog-ninki.html

6.飼いやすさの目安

書籍「人気の犬種図鑑」を元に四国の飼いやすさの目安を紹介します。

社会性・協調性がある ★★★☆☆3
健康管理がしやすい ★★★★★5
初心者向き ★★★☆☆3
噛み癖がつきにくい ★★☆☆☆2
訓練されるのが好き ★★☆☆☆2
物覚えがいい ★★★☆☆3
飼いやすさの目安:18/30
参考:人気の犬種図鑑

ペットショップでの購入価格

四国犬の子犬四国犬の購入価格の相場は、10万円前後です。ペットショップではみかけない犬種なので、ブリーダーからの直接購入になります。検討する場合は日本犬保存会に問い合わせてみましょう。

その他にかかる初期費用

  • 混合ワクチン……16,000円
  • 狂犬病予防接種… 3,500円
  • 健康診断………… 3,000円
  • 畜犬登録………… 3,000円
  • 飼育グッズ………30,000円
初期費用は155,000円

四国犬の毛色のタイプ

1.毛色

四国犬の毛色のタイプは、胡麻、赤、黒褐色などがあります。胡麻毛が大半を占めており他は少ない色となります。

2.産地別のタイプ

四国犬は産地別に「阿波(あわ)」「本川(ほんがわ)」「幡多(はた)」「安芸(あき)」「宇和島(うわじま)」などの系統に分かれていました。なかでも山深い本川村を中心に飼育された「本川」系が、最もその純粋性を保っていたといわれています。
しかし現在は、混血や衰退によって地域性はなくなりつつあります。

四国犬の性格の3つの特徴

1.忠実

四国犬は賢く忠実で、飼い主に対して素直で従順な性格をしています。日本犬らしく非常に強い忠誠心を持っています。

2. 活発

普段は無口でおとなしい四国犬ですが、動きだすと軽快で活発です。愛情深くて家族思いな性格なので、一緒に出かけたり遊んであげると喜びます。

3. 警戒心

四国犬は、警戒心が強く他人にはなかなか心を許さないところがあります。縄張り意識が強く堂々としているので、家族を守る番犬としての素質を持っています。

オスとメスでの性格の違い

1.オス

四国犬のオスは、メスに比べて猟欲が旺盛で闘争心が強く、攻撃性が高い傾向があります。

2.メス

四国犬のメスは、オスに比べて自立していて比較的落ち着いている傾向があります。一般的にはメスのほうが飼いやすいとされています。

四国を飼うのに向いている人

1. 犬を飼うことに慣れている人

四国犬は、上級者向きの犬なので犬を飼うのに慣れている人に向いています。他の日本犬にもいえることですが、日本犬独特の気性の強さがありますので、いざというときにコントロールできるように十分訓練しておく必要があります。

2. リーダーシップをとれる人

四国犬は相手に支配的になる傾向があります。犬に見下されてしまわないように、リーダーシップをとって犬に尊敬されるような強い飼い主さんに向いています。

3. 広い飼育環境を確保できる人

活発な四国犬の飼育には、大きな犬小屋と、運動場としてできるだけ広い場所を確保するのが理想的です。都会のマンション暮らしなどでスペースを作るのが難しい人には不向きといえます。

しつけの3つのコツ

1.早くからの社会化

四国犬は、元々警戒心が強く飼い主以外になつきにくい性格です。早くから外に出かけたり、なるべく人に慣れさせるよう社会化を行いましょう。十分社会化を行うことによって落ち着いた性格になります。

2. 噛み癖

幼い頃から噛み癖をつけさせないようにしましょう。よくできたらしっかりと褒めて、しつけに一貫性を持たせるのがポイントです。
元々野生的な犬種なので、本質的に吠えや噛みつきなどの性質があることを理解しながらしつけしてください。

3. 信頼関係

四国犬には、基本的な指示に従えるようにする服従訓練をしっかり行うとよいでしょう。それには、信頼関係が非常に大切になります。普段からスキンシップを行って十分な信頼関係を築いてください。

四国犬の飼い方で注意すべきこと

1. 運動

四国犬は運動量の多い犬種です。毎日1時間以上の散歩に加えて、ボール遊びや山歩きなどを取り入れるのが理想です。
なお、他の犬や小動物を追いかける猟犬の習性がありますので周囲に注意してリードをしっかりするようにしましょう。

2. 被毛のケア

スリッカーブラシ四国犬の被毛は、硬い上毛と柔らかく密に生えた下毛の2重構造になっています。短毛ですが抜け毛は多いので定期的なブラッシングを行いましょう。
特に年に2回の換毛期には抜け毛が多くなりますので、皮膚病予防のためにもこまめなケアが必要です。

3.飼育環境

四国犬は寒暖差のある山岳地帯に適応した犬種ですので、外と室内どちらでの飼育も可能です。屋外では、夏は涼しくて風通しのよい場所を作ってあげたり、冬は日のあたる場所で飼育したりと気温に合わせた環境作りを心がけましょう。
しかし最近の猛暑ではさすがに厳しいので、状況に応じて室内に入れるなどの対処が必要になります。

四国犬の平均寿命

四国犬の平均寿命は10〜12年くらいです。

人間との年齢比較表

四国犬 人間
新生児期 1ヶ月 1歳
社会化期 3ヶ月 5歳
6ヶ月 9歳
成長期 9ヶ月 13歳
1歳 15歳
成犬期 2歳 23歳
4歳 33歳
6歳 43歳
8歳 53歳
9歳 58歳
シニア期 10歳 63歳
12歳 73歳
14歳 83歳
16歳 93歳
18歳 103歳

中型犬の年齢計算式

中型犬は、2歳の時点で人間に換算すると23歳になり、3年目以降は1年に5歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。

年齢 = 23+(犬の年齢-2年)×5

散歩途中の四国犬

ペットにする喜び、四国犬を飼う魅力とは

1.素朴で上品

四国犬には、日本犬のなかでも素朴ながら上品な魅力があります。多少頑固で気難しい面もありますが、そこも含めて日本犬らしい魅力たっぷりの犬種です。

2.武士のような犬

四国犬は、勇敢であると同時に冷静な判断ができるので、番犬としても家族の一員としても最適です。非常に忠誠心が高く無骨なところが、まるで武士のようだともいわれています。

まとめ

1)四国犬の毛色は、胡麻、赤、黒褐色、産地別では阿波、本川、幡多、安芸、宇和島など。
2)四国犬の性格の3大特徴は、忠実、活発、警戒心。
3)四国犬のオスとメスでの性格の違いは、オスは猟欲が旺盛、闘争心が強く攻撃性が高い傾向、メスは自立していて落ち着いている傾向。
4)四国犬を飼う人に向いている3つのポイントは、犬を飼うことに慣れている人、リーダーシップをとれる人、広い飼育環境を確保できる人。
5)四国犬のしつけの3つの重要ポイントは、早くからの社会化、噛み癖、信頼関係。
6)四国犬の飼育に関しての3つの注意点は、運動、被毛のケア、飼育環境。
7)四国犬を飼う魅力とは、素朴で上品、武士のような犬。

四国犬の基本データ

英語表記 Shikoku
愛称 四国犬
原産国 日本
サイズ 中型犬
体高 オス:49〜55cm
メス:43〜49cm
体重 16〜25kg
毛色 胡麻、赤、黒褐色
寿命 10〜12歳
価格 10万円前後
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参考文献

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