マルチーズの寿命と気をつけたい病気

陽気で活発、飼い主思いで甘えん坊、性格的に飼いやすいマルチーズはペットとして高い人気があります。

今回は、そんなマルチーズの性格の特徴、その性格に応じた飼い方やしつけのコツ、そしてマルチーズの魅力をご紹介します。



マルチーズとは?性格の特徴と飼い方やしつけのコツ

マルチーズとは

1.マルチーズの紹介

走るマルチーズ

マルチーズの原産地は「イタリア」や地中海の中部地方です。
純白の毛色と小さくて愛らしい見た目とともに、育てやすく優しい性格なことから古くより人気のある犬種です。
フランスの王政時代には貴婦人たちにとても可愛がられていました。

血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、グループ9(愛玩犬)に属する超小型犬です。

※分類に関して詳しくは「犬の分類(グループ)とは?」をご覧ください。

2.名前のルーツ

マルチーズの名前のルーツは、イタリアのマルタ島に持ち込まれた可能性があるとして付けられました。日本ではマルチーズを略して「マル」の愛称で呼ぶ方も多いです。ちなみに英語では「Maltese」と表記します。

3.マルチーズの歴史

マルチーズのルーツ

マルチーズの歴史はとても長く、起源については諸説様々ですが、古くは地中海中部の港や海事都市でネズミなどの害獣退治に使われていました。

また、貴族の間でも人気があり、英国王室でも飼育されていたという話もあります。

4.成犬の平均体高・平均体重

ジャパンケネルクラブでは、マルチーズの成犬の平均体高はオスは21~25cm、メスが20~23cmとされています。※体高とは犬の肩までの高さです。

ちなみに、ショータイプのマルチーズであれば体重は3.2kg以下で、理想は2.5kgといわれています。

オス

  • 平均体高:21〜25cm
  • 平均体重:2.5〜4.0kg

メス

  • 平均体高:20〜23cm
  • 平均体重:2.5〜4.0kg
人とマルチーズの大きさの比較図

150cmの女性との比較

5. 日本で飼育される数

日本で飼育されているマルチーズの飼育数ですが、ジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると8,282頭です。

2017年犬種別犬籍登録頭数(ジャパンケネルクラブ) 犬全体の登録数が295,910頭ですから、全ての犬種に占めるマルチーズの割合は約3%と日本ではかなり人気犬種です。ちなみに、犬種別でみても9位にランクしています。

6.飼いやすさの目安

マルチーズの飼いやすさの目安を紹介します。

社会性・協調性がある★★★☆☆3
健康管理がしやすい★★★☆☆3
初心者向き★★★★★5
噛み癖がつきにくい★★☆☆☆2
訓練されるのが好き★★★☆☆3
物覚えがいい★★☆☆☆2
飼いやすさの目安:18/30

7.マルチーズの毛色

マルチーズの被毛はシングルコートのみです。毛色も単色の「ホワイト」のみですが、薄く黄色がかった「レモン」や、薄いベージュ色の「タン」も許容されています。

飼い方による2つのタイプ

マルチーズは細かい種類の違いはないのですが、飼い方(カットの仕方)によって2つのタイプに別れます。

1. ショータイプ

ショータイプのマルチーズとは文字どおりドッグショーに出るために育てられたマルチーズのことです。

図鑑や書籍でよく見かけるモップのように毛の長いマルチーズがこちらのタイプで、フルコートのウェーブもカールもかかっていない、まっすぐの毛が全身に渡っており、毛の色は真っ白のものほど良いとされています。ただし、「レモン」や「タン」の毛色でも失格ではありません。

フルコートのマルチーズ

また、フルコートで毛を伸ばしているマルチーズがすべてショータイプとは限りません。ドッグショーでは体重や姿勢、バランスに歯並びなど厳正な資格があり、それを満たしていないと失格とされてしまうからです。

もちろん、ドッグショーで失格になったからといってマルチーズじゃないと否定されるわけではありませんが、ドッグショーに出場させるブリーダーさんは、その基準を守るために血統はもちろん、育て方にもこだわっています。

美しい直毛にするため毎日のブラッシングは欠かせませんが、その際、静電気にならないようスタイリング剤を使ったり、大切な毛をよごさないようにラッピングしたり、美しい姿勢のために食事も立って与えたりなど、その苦労は数えればキリがありません。

2.ペットタイプ

ペットタイプとは、ペットショップや一般のブリーダーさんから購入できるマルチーズのことです。

ペットタイプのマルチーズでもショータイプのように毛を伸ばしている犬もいますが、 最近では毛を伸ばすとお手入れが大変ということでトリミングして毛を短くし、お手入れしやすくしている子も多いです。

カットされた可愛いマルチーズ

マルチーズの値段

マルチーズの値段ですが、ペットショップでの相場は大体10~20万円くらい、価格の差は親の血統によるものが多いです。

親犬がどちらか片方でもチャンピオン犬だった場合、チャンピオン直子(ちょくし)ということで30万円以上の価格がつくこともあります。

またマルチーズのような小型犬は、体が小さいほうが可愛いとされており、骨格が小さいほうが価格が高くなる傾向があります。実際、体の小ささはドッグショーでも評価の対象となっています。

逆に価格が相場より大幅に安い場合は、何らかの理由で投げ売り状態になっていることが考えられます。例えば遺伝的な病気を持っている血統などです。値段が安い犬を飼う場合は、価格が安い理由をしっかり確認しましょう。

ブリーダーのところで親犬をチェック

長毛のマルチーズ

マルチーズのような愛玩犬を購入する場合は、ブリーダーさんのところで親犬をチェックすることをオススメします。遺伝的な病気を持ってないか、毛の質性格は荒くないかなど、親犬から受け継ぐことが多いので、とくに母犬をチェックしてください。

また犬を飼うのが初心者の方は、生後1〜2ヶ月の子犬を購入するのは避けてください。見た目はとても可愛いですが、育成が難しいので死なせてしまう場合もあります。
親元で3ヶ月くらい過ごした子犬のほうが社会化の初歩が済んでいるので、その後の育成も少し楽になります。

その他にかかる初期費用

  • 混合ワクチン……16,000円
  • 狂犬病予防接種… 3,500円
  • 健康診断………… 3,000円
  • 畜犬登録………… 3,000円
  • 飼育グッズ………30,000円
初期費用は155,000〜255,000円
脱いだ服とマルチーズ

マルチーズのしつけの3つのポイント

1. 甘やかしすぎない

褒める時はしっかり褒めて、悪い事をした時はしっかりと叱って、遊ぶときはしっかり遊んで、といった感じにメリハリをつけてしつけることが大事です。

ここの線引きがしっかりできていなければ噛み癖吠え癖がついた悪い子になってしまい、一緒に生活していくうえで悩むことになりかねません。

2. トイレのしつけはしっかりと

マルチーズのしつけのこつ

これは、どの犬種にもいえますが、特に室内で飼われることの多いマルチーズは、トイレのしつけがきちんとできていなければ生活環境が悪くなってしまいます。

飼い主も片付けが大変ですし、お互いにいいことがありません。

犬のトイレトレーニング成功のポイントは?

3. 無駄吠えをなくそう

Closeup on medical doctor woman explaining something

マルチーズはもともと穏やかな性格で鳴いたり吠えたりする子は少ないです。

実際、子犬の頃はほとんど吠えないため非常に飼いやすいのですが、成犬になると縄張り意識が芽生えて急に吠えだすような、繊細で気が強い子もいます。インターホンの音に対して、吠える子が多いです。

また、危険から守ろうとする性質があるので、吠えて威嚇するという場面も少なくありません。

小さい頃から人や他の犬とコミュニケーションをとらせるなどして、音に慣れさせることも必要です。

また、最近は吠え癖防止のグッズなども発売されています。
そういったグッズを使ってみるのも効果的なしつけの方法です。
無駄吠えの悩みを解決!【ワンブル】の効果と口コミ評判

マルチーズの飼い方で注意すべき3点

1.ブラッシング

マルチーズは毛が長いので被毛のケアをしてあげないと毛玉になりやすい犬種です。毛玉になると、ほどくのは難しく刈り取るしかありません。ですから、マルチーズを飼う場合は毎日のブラッシングは欠かさないようにしましょう

2.涙やけ

マルチーズは純白の犬種ですから「涙やけ」がとても目立ちやすい犬種です。こまめに涙を拭くなど手入れをしてあげてましょう

もし、なかなか涙やけが治らない場合は、ドッグフードがあっていない場合があります。とくに穀類などアレルギーになりやすい食品が入っていると涙やけになりやすいようです。ケアをしてもなかなか涙やけが治らない場合はフードを質の良いものに変えてあげましょう。

3.室温調整

サマーカット中のマルチーズ

マルチーズはシングルコートの被毛のため暑さにも寒さにも弱い犬種です。夏場は毛を短くトリミングしてサマーカットにする。冬場はワンちゃん用の服を着せるとともに、室温の調整を徹底して体調管理にはとくに気をつけてあげましょう。

マルチーズが気をつけたい病気

1. 目の病気

マルチーズの顔のアップ

マルチーズは眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)や緑内障(りょくないしょう)などの目に関する病気にかかりやすいです。

眼瞼内反症とは「瞼やまつ毛が、眼球の方向へ内側に反転する疾患」で、いわゆる「逆まつげ」のこと。

緑内障とは「眼球内の圧力が高くなり、視神経が圧迫されて、視野が狭まる疾患」です。

この他にも、目に関する病気が多くみられます。
これらは、普段のケアから気づくことができますので、気にして目を見てあげましょう。

2. 心臓の病気

マルチーズの加齢に伴い7・8歳から増えてくるのが、僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)という「心臓の弁膜の障害による疾患」です。
セキや呼吸症状が出てきますので、様子がおかしいと思ったら病院へ連れて行きましょう。

完治することは難しいですが、薬で進行を遅らせることができます。

3. 関節の病気

マルチーズに多いのが、 膝蓋骨脱臼 (しつがいこつだっきゅう)という「膝の皿が正常な位置から外れてしまう疾患」です。この病気は激しい運動や、ベットやソファーなどでの昇り降り運動をさせないことが一番の予防となります。

上記のような症状が見られた場合は、すぐに動物病院での診察を受けてください。 早期発見・早期治療を心がけましょう。

治療費の目安

参考ですが、各病気の治療費をご紹介しておきます。
動物病院は自由診療なので、治療費は地域や病院によって前後します。近所で実際に犬を飼っている方の口コミを参考にしましょう。
もしあまりにも高額な場合はセカンドオピニオンも検討してください。

眼瞼内反症:
3,000〜5,000円/10万円(手術の場合)
緑内障:
5,000~10,000円/回(診察・検査等)
10~20万円(手術の場合)
僧帽弁閉鎖不全症:
2万〜5万円80万〜100万円(手術の場合)
膝蓋骨脱臼:
10万〜35万円(片足)

オススメのペット保険

マルチーズは個体差はありますが、目や心臓、関節と病気に気をつけたい犬種です。
そのため治療費がかさみやすいので、ペット保険に入るのは必須といえます。

ただし、マルチーズのペット保険選びには『安さ』以外に注意点が一つあります。
マルチーズがかかりやすい病気に「膝蓋骨脱臼」がありますが、多くのペット保険では膝蓋骨脱臼は保険の対象外なんです。
膝蓋骨脱臼になりやすいのに保険の対象外では保険に入る意味がありません。

そこでオススメなのが『PS保険』です。

ペットサポートのPS保険

『PS保険』では膝蓋骨脱臼がしっかり保険対象!
しかも他の保険のように診断書や血統書、体毛といったものがなくても、インターネットで簡単に申し込めるのもポイントです。

月々の保険料も安いので、『PS保険』が気になった方は公式サイトでぜひ資料をご請求ください。

PS保険の公式サイト
業界最安クラスの保険料の「PS保険」口コミ評判まとめ


マルチーズの平均寿命

ぼやけた背景とマルチーズ

マルチーズの平均寿命は12~15歳で、小型犬の中では長寿な犬種です。
参考までに小型犬の平均寿命ですが、だいたい14歳くらいです。

今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけてることで、寿命は長くなります。ギネス記録では21歳が最高齢のマルチーズとして登録されていますが、ギネスへの登録は有料なこともあり22歳のマルチーズも結構いるようです。

このページの下のほうで、マルチーズにオススメのドッグフードを紹介していますので、気になる方はご確認ください。

人間との年齢比較表

 マルチーズ人間
新生児期1ヶ月1歳
社会化期3ヶ月5歳
6ヶ月9歳
成長期9ヶ月13歳
1歳15歳
成犬期2歳24歳
4歳32歳
6歳40歳
8歳48歳
9歳52歳
シニア期10歳56歳
12歳64歳
14歳72歳
16歳80歳
18歳88歳
20歳96歳

マルチーズの年齢計算式

マルチーズは、2歳の時点で人間に換算すると24歳になり、3年目以降は1年に4歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。

年齢 = 24+(犬の年齢-2年)×4

マルチーズ飼育の3つのポイント

1. 飼育環境

マルチーズは、運動量も多く必要としませんし、暑さや寒さに弱いです。また、穏やかで無駄吠えも比較的少ないので、外での飼育よりも室内飼育に向いています

きちんとトイレや寝る場所を与えてあげて、快適に過ごせる環境を作ってあげましょう。

2. 散歩

マルチーズは愛玩犬の歴史が長いので、毎日散歩へ連れていく必要はありませんが、肥満防止や気分転換のためにも適度に散歩にいきましょう。また個体差で外が大好きな子もいますので、その子にあった散歩の方法を見つけてください。

ちなみにロングコートのマルチーズを飼っている場合は、散歩のときだけ服を着せるなど毛先が汚れないような注意が必要です。

3. 食事

サラダとマルチーズ

おやつやカロリーの高いものをあげすぎて運動をしないと体重だけがどんどん増えていきます。

肥満になると足に負担がかかり関節を痛めたり、心臓に負担がかかる原因となってしまいます。マルチーズの食事管理はしっかりとすることが重要です。カロリーが低く、高タンパク質の品質の良いドッグフードを食べさせてあげましょう。

また、食事が原因で「涙やけ」を起こす場合もあります。涙やけがなかなか直らない場合は、品質の良いドッグフードに変えてみてください。

マルチーズとトイプードルの比較

初めて犬を買う方は、同じくらいの大きさで見た目も似ているマルチーズとトイプードルで悩む方も多いでしょう。

こちらでは簡単に比較してみます。

マルチーズが良い点

トイプードルはいま一番人気の犬種なので値段も高く、マルチーズのほうが少し安い値段で買うことができます。

トイプードルが良い点

マルチーズは抜け毛は少ないほうですが、トイプードルと比べると多く感じるかもしれません。ハウスダストなどにアレルギーがある方はトイプードルのほうがよいでしょう。

ペットにする喜び、マルチーズを飼う魅力

・上品な見た目

シルクのような純白の被毛は上品で美しく、真っ黒なクリクリの瞳はまるでぬいぐるみのようです。
カットでいろいろなスタイルが楽しめるのもマルチーズを飼う魅力の一つです。

シングルコートなので抜け毛は少ないですが、もつれやすいので毎日のブラッシングは欠かさないようにしましょう。

・穏やかで遊び好きな性格

マルチーズは陽気で明るく遊び好きな性格です。その性格から、どんな家庭にも順応しやすく、その愛くるしい見た目と仕草にハマってしまいリピーターになる方も少なくないようです。
賢く忠誠心もあるので飼い主さんには従順です。愛情には愛情で返してくれるので、良きパートナー・家族になってくれるでしょう。



今回のまとめ

走るマルチーズ


マルチーズはペットとしては小型犬でもとても人気があり、かわいがられています。どういう犬の種類かというと、見た目は丸くて甘えん坊のような性格です。

マルチーズの生まれはイタリアや地中海部地方です。昔はねずみなどの撃退目的で飼われたという形跡もあります。

マルチーズの性格はいろいろありますが、甘えん坊で賢いところもありますが、見た目とは少し違い、活発なところもあります。しかし基本的には人に吠えることは少ないのですが、威嚇することもあるので少し要注意する必要があります。

特にマルチーズはおしゃれが好きで見た目も中身もかわいがってくれる人などにむいています。

マルチーズは病気にかかりやすいのので、飼う以上はしっかり観察することが必要です。

マルチーズの基本データ

英語表記Maltese
愛称マル
原産国イタリア
サイズ超小型犬
体高オス:21〜25cm
メス:20〜23cm
体重2.5〜4.0kg
毛色ホワイト(レモン、タン)
寿命12〜15歳
価格10〜20万円
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参考文献

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