フランスのブルターニュ地方で生まれたブリタニー・スパニエル。日本ではメジャーではありませんが、フランス原産の鳥猟犬で最も多く海外では人気の犬種として知られています。
今回はそんなブリタニー・スパニエルの性格と飼い方、しつけのコツについて紹介します。
ブリタニー・スパニエルとは?
1. ブリタニー・スパニエルの紹介
ブリタニー・スパニエルの原産地は、フランスのブルターニュ地方中部です。
現在も多目的な実猟犬として活躍しています。
血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、グループ7(ポインター・セター)に属する中型犬です。
2. 簡潔な歴史
ブリタニー・スパニエルは、スパニエル種では最も古い犬種の1つとされ、19世紀末から20世紀初頭にイングリッシュ・セターやイングリッシュ・ポインターなどの様々な犬種と交配されたといわれています。
1907年に初めてフランスでスタンダードが認定されました。
その後、フランスからアメリカへ渡り1934年にAKC(アメリカンケネルクラブ )に登録されました。
アメリカでは独自の改良によってスパニエルよりセッターに近いことから、のちにブリタニーに改名されています。
3.名前のルーツ
ブリタニー・スパニエルの名前は、ブルターニュ地方に存在していたスパニエル系の犬種であることに由来します。英語では「Brittany Spaniel」となります。
原産国フランスでは、ブルターニュのスパニエルを意味する「エパニュール・ブルトン(Epagneul Breton)」で公認されています。または単にブルトンとも呼ばれています。
4.平均体高・平均体重
ジャパンケネルクラブによるとブリタニー・スパニエルの体高は、オス47cm~52cm、メス46cm~51cmが許されています。
平均体重は、オスメスともに14kg~18kgの中型犬です。
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているブリタニー・スパニエルの飼育数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみたところ、登録数は106頭です。
2017年犬種別犬籍登録頭数(ジャパンケネルクラブ)
犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占めるブリタニー・スパニエルの割合は約0.03%です。日本では数が少ないのですが、フランスやアメリカなどでは人気の高い犬種です。
https://petraku.net/dog/ranking-dog-ninki.html
6.飼いやすさの目安
書籍「人気の犬種図鑑」を元にブリタニー・スパニエルの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★★☆4 |
健康管理がしやすい | ★★★☆☆3 |
初心者向き | ★★★★☆4 |
噛み癖がつきにくい | ★★★★★5 |
訓練されるのが好き | ★★★★☆4 |
物覚えがいい | ★★★★☆4 |
ペットショップでの購入価格
ブリタニー・スパニエルの購入価格の相場は、15万円前後です。
ペットショップで見つからなければ、ブリーダーからの購入を検討しましょう。
その他にかかる初期費用
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………30,000円
ブリタニー・スパニエルの毛色のタイプ
ブリタニー・スパニエルの毛色は、主に以下の3種類です。または、これらにローンと呼ばれる変則的なパッチが入っているか、パイボールドと呼ばれる1色または2色の斑点模様があるものがいます。
単色の被毛は認められていません。
1. ホワイト&オレンジ
ホワイト&オレンジは、ホワイトをベースに大きい茶色の班が入ったタイプです。一般的に多いとされるカラーです。
2. ホワイト&ブラック
ホワイト&ブラックは、ホワイトをベースに黒のマーキングがあるタイプです。
3. ホワイト&レバー
ホワイト&レバーは、ホワイトをベースに濃い茶色のマーキングがあるタイプです。
ブリタニー・スパニエルの2つのタイプ
原産国フランスで生まれたタイプ(エパニュール・ブルトン)とアメリカに渡って改良されたタイプ(ブリタニー)では以下の違いが見られます。2つのタイプは異なる名前で呼ばれ別の犬種として考えられることがあります。
1.フランスタイプ
フランスのエパニュール・ブルトンは、アメリカタイプより体が小さく柔らかい気質を持っているものが多いとされています。
2.アメリカタイプ
アメリカのブリタニーは、フランスタイプに比べて体が大きく、よりパワフルに改良されています。
ブリタニー・スパニエルの性格の3つの特徴
1.陽気
ブリタニー・スパニエルは陽気で明るい性格です。とても元気なのは良いのですが、少々やんちゃでイタズラ好きな面もあるようです。
2.フレンドリー
ブリタニー・スパニエルは、社交的でフレンドリーな性格です。飼い主には愛情深く、子供にも優しくて寛容な性格です。
3.自立している
ブリタニー・スパニエルは、鳥猟犬らしくアクティブで機敏な性質を持っています。また、賢くて自立心があり適応能力も高いといわれています。
オスとメスでの性格の違い
1.オス
ブリタニー・スパニエルのオスは、メスに比べて甘えん坊でやんちゃな傾向にあります。
2.メス
ブリタニー・スパニエルのメスは、オスに比べると自主性があり落ち着いている傾向にあります。
例えば、オスが「今日はどこにつれて行ってくれるの?」と飼い主に尋ねるのに対し、メスは「出かけるから一緒に来ても構わないけどどうする?」といったような性格の違いがあるようです。
ブリタニー・スパニエルを飼うのに向いている人
1. アクティブな人
ブリタニー・スパニエルは、運動能力が高くとても活発です。一緒に山などのアウトドアに出かけたり、ドッグスポーツを楽しみたいアクティブな人に向いています。散歩には時間と体力を必要とします。
2.コミュニケーションをとれる人
ブリタニー・スパニエルは、仲間を必要とする犬種なので留守番が得意ではありません。一緒にいられてコミュニケーションをとれる人に向いています。屋外より室内で飼うのに向いている犬種です。
3.多頭飼育を考えている人
よくしつけされたブリタニー・スパニエルは、社交的なので他の犬ともうまくやっていけるでしょう。そのため多頭飼育を考えている人にも向いています。
しつけの3つのコツ
1. ポジティブに
ブリタニー・スパニエルは、楽しくて明るい性格です。感情的に叱ったり厳しすぎるしつけは、自信を喪失させ気分を落ち込ませることがありますので注意しましょう。よいところを伸ばしてあげるような明るくてポジティブなしつけを心がけて下さい。
2. 飛びつき
ブリタニー・スパニエルは、嬉しさの表現や狩猟本能から飛びつくことがあります。飛びつきを止めさせるのに大切なのは、まず落ち着かせることです。叱ってもよけいにテンションが上がってしまうようなら背中を向けて一定時間無視をするというのも効果的な方法です。
3. 社会化
ブリタニー・スパニエルは柔らかい気質を持っているため、早くから他人や外の刺激に慣れさせることが大切です。この社会化を行うことで、人見知りや恐怖心が少なくなり柔軟に生きていく力を身に付けられます。今後のしつけにも影響を及ぼします。
ブリタニー・スパニエルの飼い方で注意すべきこと
1. 運動
ブリタニー・スパニエルは、多くの運動を必要とする犬種です。普通に歩くだけの散歩では満足しないため、定期的にドッグランやハイキングなどへつれて行き十分に運動欲求を満たしてあげましょう。運動不足だと問題行動を起こしがちになります。
2.繊細な気質
ブリタニー・スパニエルは、デリケートで繊細な面があります。家族が大きな声で争ったり緊張感があると、敏感になりストレスを抱えてしまうことがありますので注意しましょう。意外に怖がりなので驚かせたりもしないで下さい。
3.誤飲
ブリタニー・スパニエルは、好奇心が強くイタズラ好きなので誤飲に注意しましょう。危険な物を飲み込んでしまい緊急手術という事態を避けるためにも、散歩中や室内でも気を配り誤飲しないようなしつけと環境作りをすることが大切です。
ブリタニー・スパニエルの平均寿命
ブリタニー・スパニエルの平均寿命は14〜15年くらいです。
今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけてることで、より寿命は長くなります。
このページの下のほうで、ブリタニー・スパニエルにオススメのドッグフードを紹介していますので、気になる方はご確認ください。
人間との年齢比較表
ブリタニー | 人間 | |
---|---|---|
新生児期 | 1ヶ月 | 1歳 |
社会化期 | 3ヶ月 | 5歳 |
6ヶ月 | 9歳 | |
成長期 | 9ヶ月 | 13歳 |
1歳 | 15歳 | |
成犬期 | 2歳 | 23歳 |
4歳 | 33歳 | |
6歳 | 43歳 | |
8歳 | 53歳 | |
9歳 | 58歳 | |
シニア期 | 10歳 | 63歳 |
12歳 | 73歳 | |
14歳 | 83歳 | |
16歳 | 93歳 | |
18歳 | 103歳 |
中型犬の年齢計算式
中型犬は、2歳の時点で人間に換算すると23歳になり、3年目以降は1年に5歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。
ペットにする喜び、ブリタニー・スパニエルを飼う魅力とは
1. 有能なハンター犬
ブリタニー・スパニエルは、野性味がありスタミナたっぷりの犬種です。現在も猟犬として活躍しているように、有能なハンターとしての性質を持っています。
2. 家庭犬としても最適
ブリタニー・スパニエルは、明るく可愛いらしい性格をしています。個体差はあるものの、無駄吠えが少なく家庭犬としても飼いやすいサイズの最適な犬種といえます。
まとめ
1)ブリタニー・スパニエルの2つのタイプはフランスタイプとアメリカタイプ。
2)ブリタニー・スパニエルの性格の3大特徴は、陽気、フレンドリー、自立している。
3)ブリタニー・スパニエルのオスとメスでの性格の違いは、オスは甘えん坊でやんちゃな傾向、メスは自主性があり落ち着いている傾向。
4)ブリタニー・スパニエルを飼う人に向いている3つのポイントは、アクティブな人、コミュニケーションをとれる人、多頭飼育を考えている人。
5)ブリタニー・スパニエルのしつけの3つの重要ポイントは、ポジティブに、飛びつき、社会化。
6)ブリタニー・スパニエルの飼育に関しての3つの注意点は、運動、繊細な気質、誤飲。
7)ブリタニー・スパニエルを飼う魅力とは、有能なハンター犬、家庭犬としても最適。
ブリタニー・スパニエルの基本データ
英語表記 | Brittany Spaniel |
---|---|
愛称 | ブルトン |
原産国 | フランス |
サイズ | 中型犬 |
体高 | オス:47〜52cm メス:46〜51cm |
体重 | 14〜18kg |
毛色 | ホワイト&オレンジ ホワイト&ブラック ホワイト&レバー |
寿命 | 14〜15歳 |
価格 | 15万円 |
参考文献
ブリタニー・スパニエルに関連する記事
- サモエドの性格の7大特徴!しつけのコツと注意点
- ポメラニアンの性格の4大特徴!しつけと飼い方について
- シベリアンハスキーの性格の3大特徴!飼い方としつけのコツ
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