最近、ストレスが溜まっている。。子供と一緒に手軽に何か飼育してみたい!と考えている方はいませんか?
そんな方におすすめなのは、クラゲの飼育です。
ふわふわと水の中を漂い、見た目にもキレイなクラゲは、思っているよりも飼育しやすく、癒し効果も抜群なので、最近人気の高まっているペットの一つでもあります。クラゲに興味はあるけれど、どんな風に飼えばいいんだろう?どんな種類があるんだろう?と考えている方におすすめなのは、サカサクラゲです。サカサクラゲは、クラゲ飼育の入門と言っても過言ではないほど飼育が比較的簡単な種類です。
では、具体的にサカサクラゲは他のクラゲと、どのように異なるのでしょうか?飼育には、どのようなポイントがあるのでしょうか?今回この記事では、そのような点について調べてまとめてみました。クラゲの飼育に興味があるという方、サカサクラゲを飼ってみたい!と思っている方は、是非参考にしてみてください。この記事がお役に立てれば、嬉しく思います。
サカサクラゲってどんな生き物?
サカサクラゲには別名があり、マングローブジェリーフィッシュと言います。
クラゲの多くは水流を必要としていますが、このサカサクラゲに関しては、水流が少なくて、比較的浅い場所を好むのが特徴です。口腕(こうわん)という部分から動物プランクトンを取り込んで栄養を摂取することもありますが、光合成できる種類のクラゲなので、光さえあれば栄養分を得ることができる種類のクラゲです。
1.褐虫藻(かっちゅうそう)とは?
サカサクラゲに限らず、褐虫藻(かっちゅうそう)という植物プランクトンを持っているクラゲは多いです。サカサクラゲにも体内に褐虫藻という植物プランクトンが生きています。この植物プランクトンが体の中で住んでいることにより、光合成ができ、酸素と栄養分を取り出すことができます。
2.逆さまなのはなぜ?
一般的に私たちがクラゲと聞いてイメージするのは、傘が平らで、上についている種類のものです。しかし、サカサクラゲは名前のとおり傘が上下逆さまになっているのが特徴的です。傘が逆さまになっていることにより、光がよく入り、褐虫藻(かちゅうそう)が光合成しやすいような作りになっています。
サカサクラゲを飼育するには?~必要なもの~
1.海水
サカサクラゲの飼育水は海水です。海から直接取ってきたり、海水の素などを使い、海水を用意しましょう。
2.水槽
サカサクラゲは飼育しやすい種類と言われているように、特別な水槽や、特別なろ過装置は必要とされていません。ガラス容器などでも飼育することができるほどで、特にこれではないと飼育できない!というわけではありません。
しかし、できるだけサカサクラゲに健康で長生きしてほしいと思うのなら、大きめの水槽がおすすめです。
ろ過用のフィルターも特に必要ありませんが、スポンジタイプのフィルターや底面ろ過装置を置くことで、水をきれいに保つことができ、サカサクラゲが快適に過ごしやすくなるでしょう。
また、水槽や容器を選ぶ際には、蒸発を防ぐためにもフタのある容器がおすすめです。水分だけが蒸発してしまうと、塩分濃度が変わってしまうため、蒸発を防ぐことのできるタイプの水槽がおすすめです。電化製品の近くやヒーターの風やエアコンの風が直接当たる場所は避け、安定した場所に設置しましょう。
3.ヒーターや照明
サカサクラゲを飼育するのに適正な水温は、18℃から25℃くらいです。
寒さや暑さは、サカサクラゲが弱ってしまう原因になるので、外気温が変化しやすい時期には、ヒーターなどの使用がおすすめです。ヒーターを水槽の中に設置するという場合には、直接触れると傷つけてしまうため、カバーなどが必要です。
また、光合成を行う種類のクラゲなので、照明も必要な場合があります。明るい部屋、日差しが少し入るところで飼育するなら問題ありませんが、日中はできるだけ蛍光灯レベルの光が入るようにしてあげましょう。照明が強すぎると、水温が上がったり、コケが増えすぎてしまう原因にもなるので、適度に調整することが大切です。
サカサクラゲを飼育するには?~お世話~
1.エサ
明るい場所で飼育している場合や、照明を十分に当てることができていれば、褐虫藻が光合成を行っているため、基本的には栄養を自分で作り出し、得ることができています。長期飼育したいという場合には、クラゲ専用の餌やサカサクラゲの好むブラインシュリンプなどを定期的に与えることで長生きするでしょう。1週間に2回程度、スポイトなどを使って口腕から与えることができます。
餌を与える時に、そのままの水槽で与えると水質が悪くなってしまうことがあるので、可能なら別の容器に一旦移してから餌やりを行いましょう。
2.水換え
餌を定期的に与える場合には、こまめな水換えが必要になります。水換えを行う時には、元の水温と交換する水の温度が同じくらいになっていることが大切です。環境の変化に弱いサカサクラゲのストレスを減らす為にも、できるだけ温度を近づけてから交換しましょう。急激に温度を変えないためには、水槽の中の水を半分ずつ変えるのもおすすめです。
サカサクラゲが弱ってしまう原因とは?
比較的飼育が簡単といわれている種類のサカサクラゲですが、もちろん弱ってしまう場合もあります。では、サカサクラゲが弱ってしまう原因には、一体どんなものが考えられるのでしょうか?
1.水の環境
まず大切なのは、水温や汚れなどの水の環境です。最も良いと言われている水温は25℃程度、寒さも苦手ですが、特に暑さの方が苦手な傾向が強いとされています。水温が上がりすぎていないかどうか、特に夏場などは注意が必要です。
また、水の汚れもサカサクラゲの粘膜が過剰に分泌される原因となり、弱らせてしまいます。水の汚れには目に見えない汚れも含まれるため、定期的に水換えを行うのがおすすめです。汚れが目に見えるようになってからでは、すでにサカサクラゲの体に負担がかかっているということも考えられますので、日付を決めるなどして定期的な交換を行いましょう。
2.気泡
サカサクラゲに限らず、クラゲにとって気泡が入るというのは大敵です。細かい気泡であっても、気泡が抜けずに弱ってしまう原因になります。ひどい時には、体に穴が開いてしまうということもあるので、むやみに触ったり移動させるのは避けましょう。
3.エサの量
サカサクラゲがなかなか大きくならない、なんだか弱っているように感じるという場合には、餌の量を確認しましょう。自分自身で栄養を作り出せるため、必ずしも餌が必要ではないとはいえ、餌の量が少ないとクラゲが小さくなり、弱ってしまうこともあります。水槽の大きさや水の量、クラゲの成長のスピードなどを確認しながら、エサを与えていきましょう。
サカサクラゲを増やすには?
サカサクラゲを飼育する上での楽しみのひとつは、サカサクラゲを増やすという方法です。
サカサクラゲのポリプを手に入れることで、サカサクラゲの成長の様子を観察することもでき、個体を増やすこともできます。ここで簡単にポリプの説明をします。
ポリプとは、ざっくり簡単に言うとくらげの赤ちゃんです。ポリプからくらげの赤ちゃんになっていきます。ですが、ポリプは水槽の環境を変えなければ一生ポリプのままでいます。しかも寿命もありません。なので、くらげの赤ちゃんではなく、ポリプは「ポリプ」という別の生き物として考えた方がよさそうです。
ポリプは一部のペットショップで手にいれることができます。ポリプの大きさは数ミリ程度です。飼育するには500cc程度の水で飼育できます。ですが、ろ過装置の付いている水槽ではポリプが吸い込まれてしまうので飼育できません。気を付けてくださいね。
サカサクラゲを増やしたいなら、水温を通常の水温から3℃から5℃程度上げることがおすすめです。必ずしもサカサクラゲが増えるというわけではありませんが、ストロビレーションと言われるポリプからエフィラ、そしてクラゲへと成長する段階を観察することができます。
小さなクラゲが大きく成長する段階だけではなく、全く形の違うポリプからエフィラに成長する過程も観察できるので、小さなお子さんがいるご家庭などでは特に楽しむことができるでしょう。
サカサクラゲを大きくするには?
サカサクラゲは、最大では20cm程度まで成長させることができます。
サカサクラゲを大きくさせたいなら、水質の環境を整え、餌と十分な照明により栄養分をたくさん摂取させてあげることが必要です。できるだけ長く飼育したいという場合にも、このサカサクラゲを大きくするための飼育方法を取り入れるのが良いとされています。
◎まとめ
いかがだったでしょうか?特別な装置も必要なく、比較的飼育しやすいサカサクラゲ。見た目が逆さでユニークなだけではなく、増やしたり、大きくするなど、様々な楽しみ方ができるのもポイントの一つです。
餌やりも特別意識しなくても、自分で栄養素を作り出すことができるので、それほど飼育に時間をかけられないという方にもおすすめです。個体を増やしたり、大きくさせるなど観察しがいのある飼育方法も取り入れることができるため、まずは気軽にクラゲを飼育してみたいという方、楽しみながらクラゲの魅力を味わいたいという方は、是非一度試してみてはいかがでしょうか?