海の生き物には癒しを感じるという方が少なくありません。リラクゼーション効果が高く、近年水族館の展示として、またペットとして飼育する生き物の中で、人気が高まっているのがクラゲです。
クラゲは、水の中をゆらゆらと泳いでいて、光の当て方によってはとても神秘的に感じることもできます。その高いリラクゼーション効果から、子供さんのいるご家庭でも、飼育を始める方が少なくないようです。映画やドラマの中でもクラゲが取り上げられることがあり、空前のクラゲブームと言っても過言ではありませんね。
しかし、やはり心配になるのがクラゲの毒性ですよね。美しいクラゲの種類の中の一つに、ハナガサクラゲというものがあります。このクラゲは、見た目にかなり美しい種類ですが、毒性が強いことでもよく知られています。
では、このハナガサクラゲにはどのような特徴があり、どのようなことを知っておくと、安全に観察することができるのでしょうか?今回この記事では、そのような点について調べてまとめてみました。クラゲに興味があるという方、クラゲを飼育したいと思っている方は、是非参考にしてみてください。この記事がお役に立てれば、嬉しく思います。
ハナガサクラゲってどんな生き物?
1.ハナガサクラゲの生態・見た目
ハナガサクラゲは、淡水クラゲ目という種類に属し、名前の通りハナガサのようなものを持っていて、非常に美しい見た目が特徴です。太陽の光や蛍光灯を当てると、触手の先端が綺麗に光り、水族館などでも人気のクラゲのひとつです。強いコントラストのピンクに光り、鮮やかな色になります。
また、ハナガサクラゲの見た目の特徴は鮮やかな色だけではなく、大きく伸び縮みする長い口です。いわゆる口としての働きをする部分が非常に長く、10m以上の大きさの個体もあるほどです。口元に餌をやると、自分で胃の中まで食べ物を運ぶ姿を観察することができ、とても面白いクラゲです。
2.どこに住んでいる?
ハナガサクラゲという種類のクラゲは、海水浴のシーズンなどでは特に注意が促される危険な生き物のナンバーワンとも言われています。
ハナガサクラゲは、日本国内では本州の中部、関西と中部地方の間あたりから九州沿岸部にかけて、比較的浅瀬ではなく、深いところに生息している種類のクラゲです。深いところで生息している分、通常海辺などから見えることは非常に珍しく、見た目に美しいクラゲを観察することはあまりできません。
ハナガサクラゲは、4月頃から6月頃までの初夏にかけてよく観察されます。通常のサイズは、5cmから10cm程度です。しかし、大きいものでは20cm以上のものも見られ、比較的大きな種類のクラゲです。
ハナガサクラゲの毒性とは?
見た目に美しく、観察も興味深いハナガサクラゲですが、残念ながらその毒性は非常に強いため注意が必要です。
ハナガサクラゲは肉食で、小魚を捕まえて食べる種類のクラゲです。その時に刺すクラゲの毒は、非常に強いのが特徴です。小魚を捕まえるための毒といっても、人間にもかなりの痛みを与え、ひどい時には意識混濁させてしまうほど、強い毒性があります。今のところ死亡例はありませんが、体質などによっては悪化してしまうケースも考えられますので、注意が必要です。
通常では、海辺に生息していることは少ないので、海水浴などでは危険がほとんど危険はありません。しかし、ダイビングをする人など、海の深いところで観察したりレジャーを楽しむという方は、ハナガサクラゲに注意が必要です。
岩の隙間などに住んでいることがあるので、手を入れないようにしましょう。また、海藻などで休んでいるということも多いため、ハナガサクラゲに刺されないよう、しっかりと確認してから触りましょう。美しい見た目に誘われて、ついつい触ってしまうと、後悔することになります。
ハナガサクラゲは飼育できる?
毒性が強いとはいっても、見た目に美しく観察するのも面白いハナガサクラゲ。では、ハナガサクラゲは、ペットとして観察することは可能なのでしょうか?
結論から言うと、可能です。値段はショップにもよりますが、一匹あたり500円から1000円ほどで、まとめて購入することでさらに安くなります。では、ハナガサクラゲを飼育するためには、どんなものが必要で、どんな注意点があるのでしょうか?
ハナガサクラゲの飼育に必要なもの
1.海水
ハナガサクラゲに限らず、クラゲは生き海の生き物です。ですから、海水によって育てる必要があります。海から取ってきた海水、また海水の素なども市販されていますので、塩分濃度をきちんと確かめながら飼育水は海水にしましょう。
2.水槽
ハナガサクラゲを飼育するためには、人工的に水流を作り、少し大きめの水槽で飼育しましょう。
必ずしも強い水流は必要ありません。水流が強すぎると、逆にハナガサクラゲが流されて、弱る原因になります。しかし、適度な水流があるとハナガサクラゲがきれいにその流れに乗り、体への負担も少なく、見た目にも美しくなります。
3.ヒーターや照明
クラゲの種類によっては、光合成を行い、そこから栄養分を取り出すため、照明が必要なものもあります。しかし、ハナガサクラゲの場合には、口から直接エサを食べ、栄養素を取り出すことができるので、特別に照明を設置する必要はありません。
見た目に美しくするために、照明を当てるという場合がありますが、水温を変化させたり、水が蒸発しやすくなってしまいますので、調整が難しいと言えるでしょう。
またヒーターは、水温を保つために必要です。水温がうまく保てない場合には、ヒーターなどで調整する必要があります。ハナガサクラゲが元気に過ごすことのできる水温は、17℃から27℃前後と比較的高めです。寒い環境では弱ってしまうことがあるため、できるだけヒーターなどを使う方が多いようです。
4.エサ
ハナガサクラゲは、肉食のクラゲです。小魚なども食べますし、冷凍の餌や切り身なども餌として使うことができます。ペットショップなどでも販売されていることがありますので、光合成をしないハナガサクラゲの元気を保つためにも、定期的に餌やりをしましょう。
ハナガサクラゲの魅力とは?
ハナガサクラゲの魅力は、やはりその美しさです。鮮やかな見た目、そして不思議な伸び縮みする長い口。飼育しなければなかなか自然界では観察することができないため、飼育するのも一つの手です。
他の部分はほとんど透明で、口元の先端などがピンクや黄色に光る、とても不思議で神秘的なのが、ハナガサクラゲの魅力と言えるでしょう。幻想的な美しさに癒されたい!リラックス効果が欲しい!という方は、ハナガサクラゲを飼育すると良いかもしれません。
◎まとめ
いかがだったでしょうか?見た目に美しく、水族館などでも人気のハナガサクラゲ。毒性が強く注意が必要ですが、手を伸ばさずにお玉などで移動させるなどの工夫を行えば、自宅でも飼育して、観察することができるでしょう。日頃目にしないような神秘的な色や形が日頃のストレスを解消してくれ、リラクゼーション効果を得ることができます。癒し効果の高いクラゲが自分の家にもいたらいいのに!という方は、是非試してみてはいかがでしょうか?