毒はあるけどやっぱりキレイ!アカクラゲの飼育ポイントとは?

ここ数年、癒しを求めて水族館に通う方が増えているようです。特に、クラゲは人気の展示物の一つですが、その生態や飼育にも関心が高まっていると話題になっています。クラゲは、水の中をふわふわと浮いていて、普段の日常生活では見ることの少ない幻想的な景色を演出してくれます。蛍光灯を当てるなどすれば、様々な色や形に変化することもあるため、観察を楽しんでいる方も少なくないようです。ペットショップなどでも気軽にクラゲが購入出来、クラゲの飼育セットなども以前よりも見かけるようになりました。

クラゲの飼育そのものへの人気は高まっていますが、クラゲには実は様々な種類があるということをご存知でしたか?飼育しやすいものもあれば、飼育するのが難しい種類のクラゲもいます。数ある種類のクラゲの中でも、アカクラゲという種類のクラゲは、赤色、もしくは褐色をしたクラゲで、とても綺麗な種類だとされています。

では、そのような綺麗なアカクラゲは、どのような生態なのでしょうか?どのようにすれば、うまく飼育することができるのでしょうか?今回この記事では、そのような点について、調べてまとめてみました。クラゲの飼育を始めてみたいという方、アカクラゲそのものに興味があるという方は、ぜひ参考にしてみてください。この記事がお役に立てれば、嬉しく思います。



アカクラゲの生態とは?

アカクラゲは、名前の通り、体の色が赤いクラゲのことです。大きいサイズのものでは、傘が直径20cmほどにもなり、赤い縞模様があるのが特徴的です。

さらに、このアカクラゲの特徴の一つは長い触手です。この触手がふわふわと水の中で揺れることで、とても綺麗に見えます。アカクラゲは、日本全国の沿岸で見ることが出来、東北の辺りでは夏から秋前にかけて現れます。また、関東より南では、春先にかけてアカクラゲが出没します。

アカクラゲは飼育できる?

アカクラゲは、赤い色をしていて、みるからに毒々しいという方もいます。しかし、その美しさに魅了され、アカクラゲを飼育したいと感じている方も多いのではないでしょうか?では、アカクラゲは飼育できるのでしょうか?結論から言うと、アカクラゲは、自宅で飼育することができます。では、どのようなものが必要なのでしょうか?

1.海水

アカクラゲは海にいる生き物ですから、飼育水は海水である必要があります。海から、直接海水を取ってくることももちろんできますが、市販されている海水の素を使用することもできます。カルキを抜く水分や、塩分をプラスする成分が含まれているため水道水に溶かすことで、簡単に海水を用意できます。

2.水槽

アカクラゲを上手に飼育するには、できるだけ大きな水槽が必要です。

それは、彼らの特徴である長い触手に秘密があります。この長い触手は、大きいものでは1m近くになることもあり、この長い触手は、元気のバロメーターでもあるからです。この触手が水流にうまく乗れるくらいのサイズが必要なため、アカクラゲを飼育する際にはアカクラゲが十分にゆらゆらと漂うことのできるスペースを、確保してあげましょう。

3.水流

赤クラゲだけではなく、クラゲというのは実は何もないところではふわふわと綺麗に漂うことができません。泳ぐ力が強いものもありますがが、クラゲは自分自身で動く力がそれほど強くないため、水流を作ってあげる必要があります。

しかし、この水量の調節は非常に難しく、強すぎても弱すぎてもいけません。アカクラゲが色々と気持ちよく回れるように、ポンプを使って調整しましょう。水が出る場所と吸い込まれる場所に、クラゲがくっついてしまわないよう、クラゲを守るための工夫も必要です。クラゲ同士が衝突したり、クラゲが水槽の側面に衝突しないように、アカクラゲが衝突しかねない部分には、角を取ったプラスチックの板をはめるなど工夫しましょう。

3.エサ

アカクラゲは、自然界の中でも非常に強い種類のクラゲで、動物プランクトンを主食とするクラゲに対し、同じクラゲであるミズクラゲ細胞移植するほどです。

ですから、自宅でアカクラゲを飼育する際には、ミズクラゲを餌として使用することができるでしょう。また、ミズクラゲだけではなく、動物性のものを好みますので、小魚や乾燥させたエビなども使用できます。市販されているクラゲの餌も、もちろん使用可能です。

4.ヒーター

アカクラゲは気温の変化にそれほど弱くなく、室温でも十分飼育することができます。一般的には、飼育に適した水温は、16℃から20℃とされています。

暑ぎても寒すぎても、アカクラゲが弱る原因になってしまいますので、必要な際にはヒーターなどを使い、水温を一定に保ちましょう。

アカクラゲの飼育のポイント

色鮮やかで見た目に美しいアカクラゲを、健康的に育てるには、どのようなポイントを意識すれば良いのでしょうか?主に、水に関係した二つのポイントが挙げられます。

1.水をキレイに保つ

水をきれいに保つことは、アカクラゲの健康を保つ上では欠かせません。定期的な水の交換が必要です。アカクラゲに限らず、クラゲを元気に飼育するには一週間に一回程度、水を交換することがおすすめされています。

餌やりが必要ない光合成するタイプのクラゲであれば、もう少し頻度が少なくても問題ありませんが、アカクラゲは動物性の食べ物を摂取するクラゲの種類であるため、頻度の高い水交換がポイントです。見た目には汚れていなくても、目に見えない汚れが溜まっていて、それがアカクラゲの体に負担をかけてしまうことがあります。それで、日付を決めるなどして定期的な水交換を行うのがおすすめです。

2.水流の調整

アカクラゲの元気のバロメーターは長い触手です。この触手がきちんと長く保たれていることが、健康を保つでは欠かせません。このアカクラゲに合った水流の調整を行うことで、長くて綺麗な触手の状態がキープされます。水流が強すぎても弱すぎても、この触手が短くなってしまいます。短い状態が続くと命の危険もあるため、アカクラゲを飼育する際には、触手の長さを意識しながら水流を調整しましょう

アカクラゲには毒がある?

飼育すると、美しく魅力的なクラゲですが、見るからに毒を持っていると感じる方も多いでしょう。確かに、アカクラゲの毒は非常に強力で、注意が必要です。

アカクラゲに刺されてしまうと、非常に強い痛みを感じ、腫れたり水ぶくれができてしまうということがあります。また、一度刺されただけでは特に重篤な状態になることは少ないですが、再び刺された時には、アナフィラキシーショックという命にも関わる重篤なアレルギー症状を引き起こしてしまう場合もあります。

命に関わる危険性もあるほど強い毒性を持っているアカクラゲ飼育の際は十分に注意が必要です。さらに、海岸沿いなどを歩いていると死骸を見かけることがありますが、死骸であっても触れないよう注意喚起がなされています。

アカクラゲに刺されたら

では、飼育している時や、海で見かけてアカクラゲに刺された場合は、どうすれば良いのでしょうか?

まず、海に入っているという場合はできるだけ早く海から出ることが大切です。ショックなどを起こしたり、パニックによって溺れてしまう危険性もあるからです。刺された事に気付いたら、周囲の人に伝えながら海から出ることがまず大切です。そして、患部を十分に洗い流し、冷やしながら薬を塗ります。アナフィラキシーショックなどのショック症状が起きた場合には命にも関わりますので、すぐに医療機関を受診しましょう。



◎まとめ

いかがだったでしょうか?非常に魅力的な美しさを持つアカクラゲ。飼育には、いくつかの難しいポイントがありますが、上手に調整することができれば神秘的で、非日常の世界を感じさせてくれるアカクラゲを、いつでも自宅で観察することができるでしょう。しかし、アカクラゲには強い毒性があるのも事実です。扱いには十分に注意しながら、対処法を知った上で、アカクラゲの魅力を満喫してみてはいかがでしょうか?

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