小さい体に、ふわふわした綿菓子のような「アフロヘア」スタイルがとても可愛くて、人気を集めているビション・フリーゼ。
今回はそんなビション・フリーゼの性格と飼い方、しつけのコツについて紹介します。
ビションフリーゼとは
1. ビションフリーゼの紹介
ビション・フリーゼの原産地は、「フランス」または「ベルギー」です。
中世ヨーロッパの王侯貴族のコンパニオン・ドッグとして古くから愛されてきました。
血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、グループ9(愛玩犬)に属する小型犬です。
2.名前の歴史
ビション・フリーゼの名前のルーツは、外見が「バルビー(英:Barbet)」という犬種にとても似ていたので、「小さなバルビー」を意味する「バービション(barbichon)」と呼ばれるようになります。それが短縮されて「ビション」となりました。
ちなみに「フリーゼ」はフランス語で「巻き毛」という意味になります。
ビション・フリーゼの英語表記では「Bichon Frise」です。
3. 簡潔な歴史
ビション・フリーゼの祖先犬は、地中海沿岸に住んでいた大型のウォータードッグと、白いマルチーズ系の小型犬が交配したものと考えられています。
ルネッサンス時代にイタリアからフランスに持ち込まれ、上流階級の愛玩犬として可愛がられてきました。
ナポレオン3世の時代には「テネリフェ」という名前で呼ばれ、その時代に広く普及し、とくにフランスとベルギーで愛されるようになります。
二度の世界大戦の影響で一度消滅の危機に陥りましたが、愛好家たちによって再構築され徐々に人気が回復しました。
現在よく見られるアフロヘアのような「パウダー・パフ」スタイルが開発されたのは20世紀末のアメリカです。その後、世界中に注目されるようになりました。
4.平均体高・平均体重
一般社団法人ジャパンケネルクラブでは、ビション・フリーゼの成犬の理想体高は、オスが25~30cm、メスが23~29cmです。※体高とは犬の肩までの高さです。
- 平均体高:25〜30cm
- 平均体重:4〜6kg
メス
- 平均体高:23〜29cm
- 平均体重:3〜5kg
150cmの女性との比較
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているビション・フリーゼの飼育数ですが、ジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると2,349頭です。
犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占めるビション・フリーゼの割合は約0.7%です。犬種別のランキングでは23位とフランスやベルギーで大人気の犬種ですが日本では少し人気が落ちるようです。
ジャパンケネルクラブ:2017年犬種別犬籍登録頭数
6.飼いやすさの目安
ビションフリーゼの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★★☆4 |
健康管理がしやすい | ★★★☆☆3 |
初心者向き | ★★★☆☆3 |
噛み癖がつきにくい | ★★★☆☆3 |
訓練されるのが好き | ★★★☆☆3 |
物覚えがいい | ★★★★☆4 |
ビションフリーゼの毛質と毛色のタイプ
1.ビションフリーゼの毛質
ビション・フリーゼの被毛は2重構造の「ダブルコート」もなっています。上毛は名前の由来どおりゆるい螺旋状の巻き毛で、下毛は絹のように柔らかく、密生しています。そのため、細かくブラッシングすることで、モコモコのぬいぐるみのような見た目になります。
2.ビションフリーゼの毛色
ビション・フリーゼの毛色は「ピュア・ホワイト」が主流です。
生後12ヶ月までは、ベージュ(シャンパン)やフォーンなどの別の色が入っていることもあります。ただ成長につれて色がピュア・ホワイトに変化することが多いようです。
トイプードルとの違い
ビション・フリーゼと白い「トイプードル」は、似ているので比較されることがあります。
どちらも「アフロカット」や「テディベアカット」が似合い、見た目が良く似ていますが、ビション・フリーゼのほうが体が大きめでガッチリしており胴長短足です。トイプードルは華奢な体つきでスラッとしています。
被毛もシングルコートのトイプードルに比べて、ビション・フリーゼがダブルコートのため毛が密集しているという違いがあります。
毛色はビション・フリーゼは白単色ですが、トイプードルは白も含めて7色とカラフルな犬です。
最後に性格についてです。どちらも活発な性格ですが、ビション・フリーゼのほうがトイプードルに比べれるとやや大人しい性格です。
改めてトイプードルとの違いを書き出すと次の3つでしょう。
- ガッチリして胴長短足なのがビション・フリーゼ
- 毛が白くてモコモコしているのがビション・フリーゼ
- トイプードルより少し大人しいのがビション・フリーゼ
ビションフリーゼの値段(初期費用)
ビションフリーゼの値段ですが、ペットショップでの相場は大体18~25万円くらい、価格の差は親の血統によるものが多いです。
親犬がどちらか片方でもチャンピオン犬だった場合、チャンピオン直子(ちょくし)ということで40万円以上の価格がつくこともあります。
またビションフリーゼのような小型犬は、体が小さいほうが可愛いとされており、骨格が小さいほうが価格が高くなる傾向があります。実際、体の小ささはドッグショーでも評価の対象となっています。
この他に初期費用としては、次のようなものがかかります。
その他にかかる初期費用
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………30,000円
ビションフリーゼの性格の3つの特徴
1. 社交的
ビション・フリーゼは遊び好きで社交的な犬種です。初めて会う人や動物に対しても好奇心旺盛でフレンドリーです。相性によりますが、多頭飼いにも比較的向いています。
2. 愛情深い
ビション・フリーゼは愛情深く人に寄り添うことが好きなので、家族と多くの時間を過ごすことを好みます。なるべく一緒に過ごして愛情に応えてあげてください。
3. 活発
ビション・フリーゼは、明るくて活発な性格をしています。元気に飛び跳ねるようにして走ったり遊んだりします。
ビションフリーゼのオスとメスでの性格の違い
1.オス
ビション・フリーゼのオスは、メスに比べて愛情深く家族に寄り添う傾向があります。
2.メス
ビション・フリーゼのメスは、オスに比べて独立心が高い傾向がありますが、支配的ではなく、オスと同じように優しく愛情深い性格をしています。
ビション・フリーゼを飼う場合の3つの心構え
1.抜け毛
ビション・フリーゼは基本的に抜け毛が少ない犬種です。ただし、少ないといってもダブルコートで被毛が多いため、かなりの量の抜けががあります。
毎日のブラッシングと定期的なトリミングは欠かさないようにしましょう。
2.お金がかかる
ビション・フリーゼは毛量が多いので、どうしてもトリミングやシャンプーの回数が増えてしまいます。当然金銭的な負担は増えますので、その点は覚悟してください。
トリミング:1回5,000円〜
※地域や犬種によってことなります。
3.お手入れ
トリミングやシャンプーの他にも、耳掃除や眼の周りの掃除、肛門線絞りなど、毛が多いため他のお手入れも重要です。
病気の予防につながりますので、お手入れもかかさずやってあげましょう。
飼い方に関する3つの注意点
1. グルーミング
ビション・フリーゼの白くて綺麗な被毛は、なかなかお手入れが大変です。定期的なシャンプーとトリミングが必要で、それなりにお金もかかります。
また、被毛が絡まりやすく毛玉になりやすいので毎日のブラッシングも欠かせません。
ビションフリーゼ特有の可愛いカットを綺麗にキープするためにもブラッシングとコーミングを欠かさないようにしましょう。
2.散歩
ビション・フリーゼは、それほど多くの運動量を必要とはしませんが、気分転換や社会性を養うためにも、散歩は毎日しっかりしてあげると良いでしょう。運動量の目安はゆっくり歩くくらいの散歩を10分、朝夕2回ほどが目安です。
ただし、暑さには弱いので夏場の散歩の時間帯には気をつけてください。
また運動不足だと落ち着きがなくなって興奮状態になることがあり「ビションブリッツ」または「ビションスイッチ」と呼ばれています。
3.子供との相性
ビション・フリーゼは社交的な性格のため子供との相性も良いことで知られていますが、小さな子供が突然大声を出したり無理やりだっこするような行為はストレスになってしまいます。小学校低学年以下のお子様との同居には、少し注意が必要となるでしょう。
ビションフリーゼのしつけの3つのコツ
1. トイレ
ビション・フリーゼのトイレのしつけには、個体差があるようです。直ぐに覚える子もいれば、なかなか苦労しているという飼い主さんも多いようです。
厳しすぎるしつけは向いていないため、正しく出来たら大げさに褒めてください。その子に合った方法を探りながら根気良く行うことが大切です。
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2. 早い時期からの社会化
ビション・フリーゼは、基本的には誰とでもうまくやっていけますが、臆病にならず自信をつけさせるために早いうちの社会化が重要になります。
外に散歩に出かけて、知らない人や物音に慣れさせるようにしてください。犬の幼稚園を利用するのも良いでしょう。
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3. 無駄吠え
普段はおとなしいビション・フリーゼですが、興奮状態になって時々吠えることがあります。問題行動を止めさせるには、適切なタイミングで注意してください。
また、普段から飼い主をリーダーとして認識し、信頼されるような関係を築いておくことが大切です。
また、最近は吠え癖防止のグッズなども発売されています。
そういったグッズを使ってみるのも効果的なしつけの方法です。
ビションフリーゼを飼うのに向いている人
1. 犬を飼ったことがない方
ビション・フリーゼは、飼い主のいうことを素直に良く聞き、しつけもしやすい犬種です。あまり経験のないビギナーさんや小型犬で飼いやすい犬が欲しい人にぴったりです。
2.家にいることの多いシニア
ビション・フリーゼは、ちょうど扱いやすい大きさです。他の小型犬に比べると、あまりせわしない印象ではなくシニアでも飼いやすいといえます。留守番には向いていない犬種ですので、家で過ごすことの多い人におすすめです。
ただし、犬は15年くらい生きるものです。シニアの方は、今は元気でもその点を計算にいれて飼うかどうか決めていただきたいです。
3. マンション飼いしたい人
ビション・フリーゼは、それほど神経質な犬ではなくあまり吠えることもありません。マンション飼いでも比較的おとなしいのでオススメできます。ただし、愛情深く寂しがり屋の犬なのでマンションぐらしでも一人暮らしの方や共働きで留守がちな方には向きません。
ビション・フリーゼの平均寿命
ビション・フリーゼの平均寿命は12~15年くらいで、個体差はありますが小型犬では比較的長い犬種といえるでしょう。
参考までに小型犬の平均寿命ですが、だいたい14歳くらいです。
人間とビションフリーゼの年齢比較表
ビション・フリーゼ | 人間 | |
---|---|---|
新生児期 | 50日 | 1歳 |
社会化期 | 3ヶ月 | 4歳 |
6ヶ月 | 7歳半 | |
成長期 | 9ヶ月 | 10歳 |
1歳 | 15歳 | |
成犬期 | 2歳 | 24歳 |
4歳 | 32歳 | |
6歳 | 40歳 | |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
シニア期 | 10歳 | 56歳 |
12歳 | 64歳 | |
14歳 | 72歳 | |
16歳 | 80歳 | |
18歳 | 88歳 | |
20歳 | 96歳 |
ビション・フリーゼの年齢計算式
ビション・フリーゼは、2歳の時点で人間に換算すると24歳になり、3年目以降は1年に4歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。
ペットにする喜び、ビションフリーゼを飼う魅力とは
1. 穏やかな性格
ビション・フリーゼは表情が豊かで可愛いだけでなく、性格も極端に強いところは無く、おっとりとしていて優しい犬種です。そういった性格の穏やかなところも魅力的です。
2.真のコンパニオン・ドッグ
ビション・フリーゼは、社交的でお行儀が良く、ジャパンケネルクラブでも「どこへでも問題なく連れて行くことができる、真のコンパニオン・ドッグ」とされています。
中世の貴婦人たちが競って求めていた愛らしさこそが一番の魅力といえるでしょう。
まとめ
ビション・フリーゼにオススメのペット保険は膝蓋骨脱臼に対応した保険。
ビション・フリーゼの平均寿命は12〜15歳。
ビション・フリーゼの2歳は人間でいえば24歳。そこからは1歳が人間の4歳分。
ビション・フリーゼにオススメのドッグフードは高タンパク質で低カロリーのもの。
ビションフリーゼの基本データ
英語表記 | Papillon |
---|---|
愛称 | ビション |
原産国 | フランス/ベルギー |
サイズ | 小型犬 |
体高 | オス:25〜30cm メス:23~29cm |
体重 | オス:4~6kg メス:3〜5kg |
毛質 | ダブルコート |
カラー | ピュアホワイト |
寿命 | 13〜15歳 |
価格 | 20〜30万円 |