犬の歯周病の3大原因!3つの対処法とは?

犬の歯をチェックする医者

歯周病は、疫学的にみても3歳以上の犬猫の80%がかかっているといわれるほど身近な病気です。ですが、身近な病気だからと侮ってはいけません。もしそのまま悪化し続けると、内臓疾患につながる恐れもありますのでなるべく早いケアが必要です。

今回はそんな犬の歯周病の原因や対処方法、予防方法をお伝えします。



犬の歯周病の3大原因!3つの対処法とは?

犬の歯周病の4つの前兆症状とは?

1. 口が臭う

犬の口が臭う原因としては「口内環境の乱れ」があげられます。
[ruby 歯垢 しこう]や[ruby 歯石 しせき]が溜まっていたり、口の中に残っている食べかすを細菌が分解する臭いが口臭のもとになっています。

2. 歯茎が赤っぽい

本来はピンク色をしている歯肉ですが、歯周病になってくると炎症を起こし赤くなってきます。

3. 歯が長いように見える

歯と歯肉の間にある歯周ポケットに隙間ができることで、歯がよく見えるようになり長くなったように感じます

4. 食べるのが遅い

食べ物を口に入れるのを嫌がったり食欲が低下する場合には、口内に痛みがあることが多いのでよく観察しましょう。

犬の歯周病の初期・中期・後期症状

アメリカ獣医歯科学会で(AVDC)で分けられている歯周病4期もあわせてご紹介したいと思います。

1. 初期症状 (病期

歯肉炎のみで歯周炎も歯肉の退縮もありません。

口の中にある歯垢が溜まり不衛生な状態を放置していると、徐々に繁殖した細菌が歯肉に炎症を起こし「歯肉炎」になります。

2. 中期症状 (病期2〜病期

病期2:早期の歯周炎と歯肉の退縮25%未満

病期3:中程度の歯周炎と歯肉の退縮25%以上~50%未満

歯肉炎がさらに続くと、口臭だけでなく歯垢や歯石が見られ、場合によっては出血があります。

この「歯肉炎」と「歯周炎」を合わせた病気が「歯周病」です。

3. 後期症状 (病期

病期4:進行した歯周炎と歯肉の退縮50%以上

歯肉炎、歯周炎のさらに上を行く状態。

口臭や歯茎の化膿の痛み、出血などがあり、歯がぐらぐらしたり細菌感染で皮膚の化膿を起こすこともあります。

ここまでくると、抜歯をすることもあり、全身麻酔の大きな手術になります。

犬の歯周病の3大原因とは?

1. 口の中の傷

犬は元々、口で硬いものをかんだり、とがったものを噛むことが大好きです。
ただこの行為によって歯茎が傷ついてしまうことがあります。

そんな傷口から炎症が広がり、歯肉炎が発生する場合があるわけです。

2. 口内細菌の繁殖

口の中が不衛生だと、歯の間に詰まった食べかすなどを栄養源にして細菌が繁殖してしまいます。
繁殖した細菌は「歯垢」となり目に見える状態になり、炎症を引き起こす原因となるわけです。

3. 加齢

犬の年齢と共に歯の固定度は弱くなり、歯周ポケットの増加は6歳から7歳になるまでに6倍にも膨れ上がります。
歯抜けは、10歳から11歳になるまでに倍増するそうです。

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歯周病が発生しやすい犬の4つの特徴

1. 小型犬

じつは大型犬よりも小型犬のほうが歯周病の発生が多いといわれています。
これは、小型犬が[ruby 顎 あご]が小さく、奥歯まで歯磨きすることが難しいことも要因の一つです。

2. パグやシーズーなどの短頭種

パグやシーズーなどの短頭種は、[ruby 上顎 うわあご]よりも[ruby 下顎 したあご]のほうが出ていて、上の歯と下の歯がきちんとかみ合わないことがあります。
歯並びが悪いと歯垢が付きやすいため、歯周病になりやすいです。

3. 年を取っている

歯周病の原因でもご紹介したように、年を取った犬は細菌に対しての抵抗力が低下していることもあり、老犬になればなるほど歯周病にかかりやすなります。また一度かかってしまうと治りにくいです。

4. 口内のケアが不足している犬

犬もまた人間と同じで、歯周病対策の基本は口内をきれいにすることです。
毎日の歯磨きなど手入れをしていなければ、口内は無法地帯となり細菌が繁殖しやすくなります。

犬が歯周病になった場合の3つの対処方法

1. 歯磨きをする

まだ症状が軽い場合は、毎日歯磨きをしてあげることが重要です。
歯垢がつかないように口内を清潔にすれば、軽い歯周病の場合は良くなります。

2. 動物病院へ連れていく

歯周病の状態を素人のあなたが判断するのは危険です。
現在の歯周病の進行状況をはっきりさせるためにも、早めに動物病院に連れていき、しっかり検査してもらってください。

3.  動物病院での治療

歯垢・歯石を取り除くスケーリングという治療があります。
歯周病の進行具合によっては抜歯を行うこともあります。

犬の歯周病で症状が重い場合の3つの治療法

1. 抜歯

重度歯周病の中には、抜歯をすることで完治するケースがとても多いです。
手術の麻酔をする前には、歯科処置ができるかどうか血液検査やX線検査、超音波検査を行います。

また抜歯の費用ですが、1本あたり安くて5,000円以上で、10,000円を超える場合もあります。
他にも病院によりますが、全身麻酔で6,000~30,000円かかります。

抜歯後の腫れは、抜歯当日夜から翌朝までがピークで、その後4日間ほどで腫れが収まります。
抜歯後2週間で抜歯窩がふさがり、手術で使う吸収性縫合糸は2か月で完全にとけます。

2. 歯肉切除術

歯肉切除術では、歯肉ポケットや歯周ポケットを形成してる歯肉を一塊にして切除し、健康的な形に整えます。

3. 歯肉整形術

歯肉整形術とは、歯周病の結果、出来てしまった歯肉の形成異常を改善するために行う手術のことです。
今後、プラークコントロールしやすい形に整えます。

重度の時には、安心して任せられる病院を探したいですよね。

何軒か病院に連絡を取り、診察を受けてから決断するやり方もありますし、2006年には「OCEAN‘S DOG DENTAL CLINIC」という人間の歯科医師と獣医師の連携による日本初の犬の歯医者さんもできました。

Male medicine doctor hand holding stethoscope head

犬の歯周病予防の4つのポイント

1. 口回りのチェックをする

口臭がないか、よだれが多くないか肉眼で見るものも含め、固いものを食べたがらない、食事中にポロポロ食べ物をこぼすようになったなどのチェックも入れましょう。

2. 歯磨き

一番の予防方法になるのが歯磨き。ごしごしと強くこすらなくても歯垢は落とせるので根気強くなれさせましょう。

3. 硬すぎる食べ物をあげない

骨やアキレス腱など、固い食べ物を上げると歯が損傷してしまう事があります。

4. ウェットフードからドライフードへ変える

ウェットフードを主に食べさせている場合は、ドライフードへ変更するのも一つの手です。
もちろん犬の好みの問題もありますので、絶対にというわけではありませんが、ドライフードのほうが歯垢が付きにくいという特徴があります。

5 .サプリで歯周病の菌を減らす

歯周病の犬の虫歯の原因である虫歯菌や歯周病菌を減らすことができれば、歯周病は予防できます。
そのための歯磨きなのですが、犬によっては歯磨きを嫌がり、なかなか歯磨きができない場合もあります。

そんな犬にオススメなのが、歯周病の菌を減らすことができる犬用サプリです。

歯周病菌を抑制する乳酸菌を配合することにより、歯周病菌や虫歯菌をやつけることで、歯周病になるのを防ぐことができるのです。

獣医師が認めた歯周病菌を減らすサプリがありますので、ご紹介しておきます。

獣医師がオススメする犬用の歯周病予防サプリはこちら⇒

犬の歯周病に対する飼い主の2つの心構え

1. 歯周病を放置すると危険だということを自覚する

愛犬に痛い、つらい思いをさせないためにも、飼い主が歯周病ケアをしっかり心がけるようにしましょう。
また歯周病の初期症状がある場合は、絶対に自己判断せず、動物病院に連れて行ってあげてください。

2.  歯磨きを嫌がる子には、気長に頑張る

犬の中には歯磨きを嫌がる子もたくさんいます。
そういう場合は、口元を触る→歯が見えるようにめくる→前歯を触る→奥歯を触るという順でゆっくりとほめながら進めましょう。

嫌がる場合は無理やり続けないで、すぐにストップし気長に頑張りましょう。

歯磨きになれるまでは、紹介したサプリを併用することで対処してみてください。



今回のまとめ

口臭が臭かったり、歯茎が赤いときは歯周病の前兆かもしれません。

犬の歯周病の初期は歯茎が赤くはれ、中期は出血をすることがあり、後期は歯がぐらつくので注意しましょう。

犬の歯周病の3大原因は、口の中の傷と細菌の繁殖と加齢です。

小型犬や歯並びの悪い犬、デンタルケアを怠ったりすると歯周病が発生しやすいです。

犬が歯周病になった時には、歯磨きを毎日行い、病院でチェックしてもらいましょう。

もしも歯周病が重症だったら、抜歯の治療法があります。

犬の歯周病を予防するには、口の中の細菌を増やさないようにすることが一番です。

歯周病は放置すると命を脅かす病気と認識を改めて、愛犬のデンタルケアができるように気長にしつけていきましょう。

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