犬が震える8大原因!病気・症状・対処方法とは

白いブランケットを羽織る犬

「犬が震えている」それには様々な理由があります。暑い、寒いそれだけではありません。中には怖い病気が隠されていることもあります。

飼い主さんがが思っている「震え」。それは本当にただの「震え」でしょうか。今回はそんな犬の震えについて代表的な原因と対処方法をご紹介します。






犬が震える8大原因!病気・症状・対処方法とは

犬が震える2つの症状!チェック項目とは

1.震えている

この症状はみなさんも体験したことがあるでしょう、寒さを感じた時などに起こる「随意的に起こる」一般的な震えです。息を切らしながら震えていますか?体を丸めて震えていますか?震えていると一言で言っても様々な症状があります。

震えているのは体全体なのか、それとも一部分だけでしょうか。震えは持続していますか?それとも時々起こっているでしょうか。

犬の表情はどうでしょう、興奮していますか、怯えていますか?それとも嬉しそうにしているでしょうか。犬の震えでは、上記のように細かな点が「なぜ震えているのか」を考える時とても重要になってきます。

2.痙攣している

痙攣とは「不随意的に筋肉が激しく収縮することによって起こる発作」のことです。混乱した飼い主さんが動物病院に「うちの犬が倒れて激しく震えている!」とお電話をいただくことがあります。

厳密に分類すると、こういう場合の多くが「震え」ではなく「痙攣」です。今回は震えと混同しやすい痙攣についてもご紹介します。

痙攣の場合のチェックすべき点は、どのくらいの時間痙攣しているか、痙攣は全身か一部でしているか、痙攣は繰り返して起きているか、です。

犬が震える8大原因とは

犬が震える原因には全く心配のいらないものからちょっと怖いものまで様々です。

1.寒い

犬も寒いと感じると体温を保とうと震えます。低体温症は体温調節が上手に出来ない子犬や老犬に起こりやすいです。

2.怖い・ストレス

雷や掃除機などの大きな音や何かに怯えている場合や、怖い思いをしたなどの恐怖体験が原因で震えることもあります。また知らない場所や、初めての人とあった時などの緊張からも震えることがあります。

3.痛み

病気や、怪我などによって痛みがある場合震えることがあります。この場合の多くは痛む場所を庇っていたり、舐めていたり、体を丸めていることが多いです。

4.悪心

犬は吐き気がある場合震えを伴うことがあります。原因は様々ですが、食べ過ぎ、薬の副作用、病気、乗り物酔いなどがあります。

5.低血糖

血糖値がなんらかの理由で下がってしまうと震えることがあります。低血糖は放置しておくと危険ですし、病気が隠れていることもあるので注意が必要です。

6.中毒症状

中毒症状で震えることがあります。震えとともに、元気がない、涎が垂れている、下痢をしているなども特徴的な症状です。

たまねぎやチョコレートなど犬が食べてしまうと中毒症状を起こすものは意外と身近にいくつもあります。注意が必要です。

7.高熱

何らかの感染症や熱中症が原因で高熱を出している場合、体の震えが症状として現れることがあります。

8.痙攣発作

痙攣発作は厳密には震えではありませんが、震えによく似た症状ですのでご紹介します。痙攣発作の原因には、てんかんや脳腫瘍などの脳の病気、低血糖、破傷風などがあります。

ご飯を食べない犬

犬が震える症状への4つの対処方法

1.あたためる

震えの原因が寒さだった場合、犬の体を温めてあげましょう。

2.ストレス・恐怖を取り除く

震えの原因がストレスや恐怖の場合、それを取り除いてあげましょう。雷などや花火大会などの避けられない大きな音の場合には、動物病院で精神安定剤を処方してもらうこともできます。

症状がひどい犬の場合は獣医師に相談してみるとよいでしょう。

3.犬の様子を観察する

なぜ震えているのかわからない時は、いつもと違うことはないか、震えはどれくらい続いているか、元気はあるか、などよく犬を観察しましょう。

4.動物病院を受診する

震えには病気が隠されていることがしばしばあります。心配な時には動物病院を受診しましょう。

犬の震える症状が続く場合に考えられる5種類の病気

1.椎間板ヘルニア

痛みによる震えで代表的な病気が椎間板ヘルニアです。症状は、震え、歩き方がおかしい、足の痛みや麻痺などがあります。

ダックスフンドなどが後発犬種で、腰だけでなく首にも起こります。椎間板ヘルニアはグレード分けされます。グレードにより、内科的治療可能なものから外科的治療が必要なものと分けられ、最悪の場合麻痺が残り歩行困難や自力排尿困難となることもあります。

2.低血糖(糖尿病の疑い)

前述した通り、血糖値がなんらかの理由で下がってしまうと震えることがあります。

子犬や老犬の場合は食餌を長時間取らなかったりすることで低血糖に陥ることがありますが、健康な若い犬の低血糖では「糖尿病」などが疑われることがあります。

3.中毒症状

たまねぎやチョコレート、殺虫剤などの薬品類などの危険度の高いものを誤飲、誤食してしまった場合に激しい嘔吐、震え、下痢、痙攣などが起こります。

4.感染症

感染症でも震えが起こることがあります。代表的なものでは犬ジステンパーウイルス感染症です。この感染症では震えに加え、40度前後の発熱、鼻水、くしゃみ、咳、嘔吐、下痢などの症状も現れます。

5.脳腫瘍

脳腫瘍では痙攣が起こることがあります。痙攣に加え、運動失調や性格の変化もみられる恐ろしい病気です。進行してしまうと命にかかわる場合があります。

犬が震える症状が続く場合にすべき5つの検査方法

1.一般身体検査

検温、聴診、触診、視診により犬の状態を確認します。検温では低体温症ではないかなどの確認もできます。

2.血液検査

血液検査により全身の状態や感染症の有無を確認します。費用は一般的に10000円~と考えておきましょう。

3.X線検査

震えの原因を探るためにX線検査を実施することがあります。骨折や、内臓腫瘍などの診断に役に立ちます。費用は一般的に5000円程です。

さらに詳しく調べるためにCT検査を併せて行うこともあります。

4.エコー検査

震えの原因を探るためにエコー検査を実施することがあります。費用は一般的に5000円程です。エコー検査は他の検査と違い侵襲性がなく犬にかける負担が少ない検査です。

5.MRI検査

脳腫瘍などが疑われる場合に詳しく検査するためにMRIを用いることがあります。MRI検査は犬が動いてしまうと撮影できないために、ほとんどが全身麻酔での撮影になります。

費用は一般的に10000円程~でしょう。

Veterinary clinic

犬が震える症状が続く場合にすべき5つの治療方法

震えの原因別に気になる治療方法をご紹介します。

1.怖い・ストレスの治療

雷や、掃除機の音、花火の音、乗り物酔いなど「どうしても飼い主さんの力では治せない」という場合で、尚且つ犬が強いストレスを感じている場合、獣医師は精神安定剤などの処方をしてくれます。

強いストレスは体調不良の元となり、時にはそのストレスから離れようとして脱走し、事故にあってしまう。などの悲しいことが起きてしまいます。

社会化などで対応しきれない場合は獣医師に相談しましょう。

2.椎間板ヘルニアの治療

椎間板ヘルニアは軽度であれば内科的治療が可能です。消炎鎮痛剤で痛みを抑え、安静にさせます。

重症の場合は外科的治療を行います。ヘルニアを起こしている場所をCT、MRIで特定しその部分を切開し医療用のドリルでヘルニアを起こしている部分を削ります。

外科的治療後はリハビリを行い、神経機能の回復を図ります。椎間板ヘルニアの手術は1箇所で30万円が一般的と言われています。

3.低血糖(糖尿病の疑い)の治療

軽度であれば食餌を与え、重度になると輸液療法により糖を直接入れてあげます。糖尿病であった場合、血糖値の定期的な測定や、インスリン治療、食餌療法などを行います。

4.感染症の治療

感染症が細菌性の場合は、抗生物質の投与に加え、発熱や嘔吐などの症状に合わせ対症療法を行います。

感染症がウイルス性だった場合、ウイルスが対外に排出され切るまで、輸液療法や解熱、鎮痛などの対症療法で経過観察となります。

5.脳腫瘍の治療

まず痙攣を抑えるために、抗てんかん薬の投与などが行われます。

脳腫瘍に対してCTやMRIを用いて大きさや場所を特定し、放射線治療や外科的治療、抗がん剤治療などがあります。

犬の震える症状への4つの予防ポイント

1.子犬の時に社会化を徹底する

恐怖やストレスを感じやすい犬は、社会化が不足していることが多いです。社会化とは「子犬のことに様々なことに慣らしてあげる」ことです。

社会化をすることにより犬は自信がつき、怖がることは少なくなります。

犬には私たちの言葉のほとんどが伝わりません。「怖くないんだよ」と言い聞かせても、大人になってから初めて見る、聞く「大きなもの」「大きなこと」に怖がるなという方が無理な話です。

私たち人間が赤ちゃんにするように、犬にも子犬のころから色々な物を見せて、聞かせてあげましょう。雷の音や花火の音を収録したCDなども販売していますので小さい音から聞かせてあげるというのも社会化の一つです。

社会化は大人になってしまったからということで出来ないことではありません。時間はかかりますが、怖いものには遠くから、怖い音は小さな音からゆっくり慣らしてあげましょう。

2.ワクチン接種をする

感染症の多くはワクチンを接種することで予防することができます。狂犬病の予防接種だけでなく、混合ワクチンの接種や、フィラリア、ノミダニ予防もしっかり行いましょう。

3.定期検査を受ける

病気の早期発見のために定期的に動物病院で健康診断を受けましょう。

4.適度な食事量と運動

適度な食事は体を作り、適度な運動は肥満などを予防し病気の予防につながります。ちょっとしたことを意識するだけで震えや、震えのおこる病気は予防することができます。






今回のまとめ

犬が震える2つの症状!チェック項目とは

犬が震える8大原因とは

犬が震える症状への4つの対処方法

犬の震える症状が続く場合に考えられる5種類の病気

犬が震える症状が続く場合にすべき5つの検査方法

犬が震える症状が続く場合にすべき5つの治療方法

犬の震える症状への4つの予防ポイント

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