ハムスターはもともとコロコロとしたフンをするので、下痢をしにくい動物です。なので、体の小さいハムスターにとって下痢は、命の危険を脅かす大変怖い症状でもあります。
今回はハムスターの下痢の原因・症状・対処方法・予防のポイントについてお伝えします。
下痢かどうかの2つのチェック項目
1. お尻の周りが濡れている
尻尾の先まで濡れているときには、とても危険です。
2. うずくまって動かなくなる
体調不良を起こしているので、元気がなくなります。ゴールデンハムスターであれば、目を閉じて猫背の姿勢のままじっとしています。
ハムスターの下痢の代表的症状
1.うんちが水っぽい
水分が多く、形が崩れていて、つかむことができない場合には下痢です。その場合は、通常よりもにおいが強くなります。
2. 脱水症状
下痢を起こすと水分を一緒に体外に出してしまうので、脱水症状になります。
ハムスターの下痢の4大原因
1. ストレス
下痢の多くの原因になっているのがこのストレスです。ストレスのせいで自律神経がバランスを崩してしまい、腸炎や胃潰瘍をおこしてしまうと、腸内細菌のバランスが崩れ下痢になる事があります。
2. ウイルスや細菌が体の中に入った
分泌性下痢といって体の中から体に「ヘキサミタ」や「トリコモナス」などの原虫類や有毒な危険なものを輩出しようとして起こす下痢です。
ペットショップからお迎えしたばかりの若いハムスターが蹴りをした場合に、多いといわれています。
その中でもゴールデンハムスターに多発するといわれている「ウェットテイル」といわれる感染症が原因の下痢になると、とても危険で時には1~3日で命を落としてしまう可能性もあります。
3. 牛乳の乳糖や甘味料を食べた
浸透圧性下痢といって腸の中で水分が吸収されにくくなって起こる下痢です。ハムスターにとっては、甘味料や牛乳、脂分が多すぎるものを与えると起こすことがあります。
4. 野菜や果物の与えすぎ
水分の多いや果物や野菜は、取りすぎると下痢になる事があります。
ハムスターの下痢への5つの対処方法
1. 動物病院へ連れていく
まず何よりも、病院へ行きましょう。原因によっては、半日で命を落とす場合があるからです。さらに下痢が続いてしまうと、腸が外に飛び出す直腸脱を誘発することもあるので、素早い対処が必要です。
また、下痢の症状の原因は一つではないので、どの下痢に対してどの対処が有効なのかは、病院で検査してもらうほうがベストです。間違った方法では、改善しないどころか悪化させてしまう事があるので注意しましょう。
2. 水分補給する
本来必要な水分を体の外に出してしまっていることで、脱水症状を起こす危険性があります。なので、水分補給はしっかりとしてあげましょう。
水だけではなく甘味料が入っていない「スポーツドリンク」をお皿などに入れて与えてあげましょう。
3. 消化のいい食事をあげる
病気の時には体に負担をかけずに食べられる高カロリー・高タンパク質のミルワームなどはおすすめです。とくに脱皮し殺陣であれば消化も良く、脂肪分も多いです。
ペレットなどの普段の食事に加え、バランスよく与えてあげましょう。
4. ケージ全体を温める
下痢になると栄養が吸収できなくなって体温を維持できなくなるので、体温が下がり免疫力も低下してしまいます。そうなるとほかの病気にもかかりやすくなるので、部屋を暖めてあげましょう。
5. ストレスをへらす
自律神経のバランスが取れていないと、症状の悪化を引き起こしたりします。ハムスターや安心して休めるようにしてあげましょう。
ハムスターの下痢が続く場合にすべき検査
1. 検便検査
寄生虫や卵がないかを検査します。直接フンを観察する方法と、便の中にいる寄生虫を見る方法と2種類あります。
できるだけ新しいフンのほうがいいので、1~2時間以内に出たフンをラップなどで包んで持っていきましょう。検便の費用は500円~1300円ほどです。
2. 触診
触診や視診で脱水や衰弱具合などを知ることができます。
ハムスターの下痢の症状が続く場合にすべき治療
1. 抗生剤・整腸剤を与える
乳酸菌や吸着剤、消化酵素などを与えます
2. 皮下点滴
幼体が下痢を起こした場合には、脱水症状に陥るまでが早いので、改善するために、リンゲル液などを輸液します。
3. 強制給餌
餌を食べる気力もないために、体が衰弱することがあります。体力を維持するためにも流動食などを食べさせる治療です。
ハムスターの下痢への5つの予防ポイント
1. ヨーグルトをあげない
人間にとって整腸作用のあるヨーグルトは、胃を2つもっているハムスターには効果がありません。それどころか、もともとハムスターは大量の善玉菌を飼っているので、必要ありません。
2. 新しくハムスターを飼ったときにはフンの状態をチェックする
下痢になるタイミングとして多いのが、新しく飼い始めの時です。環境変化はストレスがかかるので、フンの状態チェックは欠かさず行いましょう。
3. 部屋は定期的に掃除をする
おしっこなどで汚れた巣材・トイレをきれいにすることで細菌感染の予防になります。
4. 水分の多い野菜を与えない
たとえばレタスやキュウリなどは水気が多く腸内トラブルの原因になりますので、与えないようにしましょう。また、人間の食べるものも与えない様心がけましょう。
5. ハムスターを見てくれる病院を探しておく
ハムスターはよく飼育されている動物のわりに、きちんと見てくれる病院が少ないといわれています。万が一の時のために連れていける病院を探しておきましょう。
今回のまとめ
ハムスターが下痢の時には、お尻の周りが濡れていたりするのでチェックしましょう。
ハムスターは下痢になるとフンが水っぽくなり、脱水症状を起こします。
ストレスや、ウイルスなどの感染、甘味料のあるものを与えたりなど、ハムスターの下痢の原因は様々です。
ハムスターの下痢を見つけたら、何よりも先に病院へ連れていき、水分補給とケージを温めるようにしましょう。
ハムスターの下痢には、触診のほか検便検査で寄生虫を調べます。
治療には、抗生剤の注射や脱水症状対策に皮下点滴などがあります。
ハムスターが下痢にならない様に、普段から部屋の掃除などをこまめに行い、ヨーグルトなど人間が食べるものをあまり与えないようにしましょう。
ハムスターの関連記事
他にハムスターについての記事もありますので、よろしければご覧ください。
- ハムスターがなつく3大方法!しつけの注意点とは
- ハムスターの飼い方解説!5つの飼育のコツと注意点
- ハムスターが噛む5大理由!飼い主・ケージ・しつけ法
- ハムスターがケージを噛む4大理由!しつけのコツ
- ハムスターに良い野菜5選!よくない野菜4選
各種ハムスターの関連記事
各ハムスターについて詳しく紹介した記事もありますので、よろしければご覧ください。
https://petraku.net/hamster-kanren