シワの寄った顔にどこか憎めない表情のボクサー犬。日本ではそれほどメジャーとは言えませんが、アメリカやヨーロッパでは常に人気の犬種です。高い訓練性や知能を活かし、家庭犬としてだけではなく赤十字犬や警察犬などでも活躍しています。
今回は、そんなボクサー犬の性格としつけのコツについて紹介します。
ボクサー犬とは
1. ボクサー犬の紹介
ボクサー犬の原産地は「ドイツ」です。大きな口に長い舌が特徴的で、体は筋肉質で、角ばったような体格をしています。
血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、グループ2(使役犬)に属する中型犬です。
※分類に関して詳しくは「犬の分類(グループ)とは?」をご覧ください。
2. 簡潔な歴史
ブラバント地方と呼ばれるベルギー中部からオランダ南部の地域の「ブレンバイサー」という小型の犬がボクサー犬の祖先と考えられています。
ブレンバイサーは、猟師が到着するまで獲物を口で押さえつけておくことが仕事でした。
そのブレンバイサーに、ヨーロッパで昔流行していた牛と闘わせるブル・ベイティングで活躍した「オールド・イングリッシュ・ブルドッグ」などを交配させたといわれています。
3. 名前のルーツ
ボクサー犬の名前のルーツについては諸説あり、原種のブレンバイサーの食肉市場で使われていた通称「Boxl」が変化したものや、牛と闘う時の前肢を高くあげる姿がボクシングのファイティングポーズに似ていた説などがあります。
ボクサー犬の英語表記では「Boxer」となります。
4. 平均体高・平均体重
ボクサー犬の平均体高は、オスが57~63cm、メスが53~59cmです。
- 平均体高:57〜63cm
- 平均体重:30kg
メス
- 平均体高:53〜59cm
- 平均体重:25kg
150cmの女性との比較
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているボクサー犬の飼育数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると294頭です。
2017年犬種別登録頭数(ジャパンケネルクラブ)犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占めるボクサー犬の割合は約0.09%と海外では人気でも日本ではマイナーな犬種です。
6.飼いやすさの目安
ボクサー犬の飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★★☆4 |
健康管理がしやすい | ★★☆☆☆2 |
初心者向き | ★★☆☆☆2 |
噛み癖がつきにくい | ★★☆☆☆2 |
訓練されるのが好き | ★★★☆☆3 |
物覚えがいい | ★★★☆☆3 |
種類の違いはあるの?ボクサー犬の2つのタイプ
ボクサー犬の毛色はフォーン(子鹿色)またはブリンドル(虎毛)です。
フォーンは薄い黄色のようなフォーンから濃いディア・レッドまで幅広く、ブリンドルは茶色にダークブラウン、またはブラックのストライプが入っています。
白色のボクサー犬はまれに聴覚障害がありますので注意してください。また、ボクサー犬は出生地によって以下の2つのタイプに分けられます。
1. ドイツタイプ
ドイツタイプのボクサー犬は、ドイツで生まれたボクサー犬のことで頭が大きくがっちりとした体格をしています。ヨーロッパで多く見られるボクサー犬はこのタイプです。
2. アメリカタイプ
アメリカンタイプのボクサー犬は、ドイツからアメリカに渡ったあとアメリカで繁殖された犬です。見た目は全体的にスマートな印象で、ドイツタイプより小さめです。日本にいるボクサー犬の約8割はアメリカタイプといわれています。
ペットショップでの購入価格
ボクサー犬のペットショップでの購入価格は、血統や性別、年齢などにより幅があり、20~30万円です。
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………30,000円
ボクサー犬の性格の3大特徴
1.遊び好き
ボクサー犬はいつまでも好奇心旺盛で、遊び心のある性格をしています。ボールを追いかけたり、夢中になって遊ぶことが大好きです。
2.愛情深い
ボクサー犬は飼い主に対して愛情深く、忠実な性格です。
飼い主に寄り添い、喜怒哀楽を共にしてくれます。
3. 頑固
ボクサー犬は独立心が高く頑固な性格の犬が多いです。自分が優位に立ちたいと思ってるので、やりたくないことは拒否してくる可能性があります。
オスとメスでの性格の違い
1.オス
ボクサー犬のオスは、メスに比べてより愛情深く、いつまでも子供のように元気でやんちゃな傾向にあります。
2.メス
ボクサー犬のメスは、オスに比べて早く成熟しますが、気分屋な面があります。家族に対してあまり忠実でなかったり、愛情表現が控えめな傾向があります。
ボクサー犬を飼うのに向いている人
1.リーダーシップがとれる人
ボクサー犬を飼うには一貫したリーダーシップが必要です。ボクサー犬は作業犬としての歴史から忍耐強く頑固なため、説得力をもってボクサー犬を扱える人でなければ難しいでしょう。
2.経済的に余裕のある人
ボクサー犬は基本的には室内で飼う犬種です。
冷暖房を完備する必要があるのと、それなりにエサ代もかかるので経済的に余裕のある人が好ましいです。
また海外のある比較サイトでは、家具を壊したり汚したりしてお金がかかる犬種の3位に選ばれたことがあります。
3.アクティブで朝型の人
ボクサー犬は運動量が多く遊び好きなため、一緒に何かをしてアクティブに過ごしたい人に向いています。
夏場の散歩は熱中症対策として、早朝に行うことをおすすめします。朝型の人に向いていると言えます。
ここがポイント!ボクサー犬のしつけの3つのコツとは?
1. 一貫性
独立心が高く頑固なボクサー犬のしつけには、徹底した一貫性が大切です。
家族内でもしつけのときの指示やルール、態度は統一して、忍耐強く続けるのがコツです。
訓練性の高い犬種ですので、一度理解すると忘れることはありません。
2. 噛み癖
ボクサー犬が甘噛みを始めたら、噛んでよいものとダメなものを教えましょう。
人に甘噛みしてきたら大きい声で「痛い」などと言い、よくないことだと認識させます。
手を出しても噛まなくなったら褒めるということを繰り返します。成犬なってからは力が強く大変なので早いうちから対処しておくべきです。
3. ポジティブに
早いうちからしつけを行うのは大切ですが、子犬にとってしつけが楽しいものでなければ反応してくれません。
ゲームや運動を取り入れたり、ポジティブで楽しくなるように行ってください。
うまく出来たら、オヤツなどのご褒美を2~3秒以内にあげてください。タイミングが大切です。
飼育する場合に特に注意する3つのこと
1.運動
ボクサー犬は多くの運動を必要とする犬です。散歩は体力に合わせて1日2回、1時間ずつ計2時間程度行うのが適切です。
遊びが好きなので、ドッグランやボール遊びを取り入れた運動もおすすめです。
2. 飛びつき
ボクサー犬はその名のように前足を上げて、パンチをするような姿勢で飛びついてくることがあります。
嬉しいときの愛情表現ではありますが、力が強いので子供や他人などへの事故に繋がらないように注意しましょう。
3.熱中症
ボクサー犬は寒さにも暑さにも弱い犬種です。鼻がつぶれているため熱の放出が苦手で、特に夏は熱中症の恐れがあるので日中の散歩は控えるようにしましょう。室内の温度管理を行い、冬は室内で毛布やベッドを用意してください。
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ボクサー犬の平均寿命
ボクサー犬の平均寿命は10~12年くらいです。
遺伝的な病気により寿命が大きく変わるため個体差はありますが、平均に比べると少し寿命が短い犬種です。
しかし、あくまでも平均寿命ですので、健康管理をしっかりと行って愛情深く接していけばもっと長く生きることも可能でしょう。
参考までに中型犬の平均寿命ですが、だいたい13歳くらいです。
今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけてることで、寿命は長くなります。
このページの下のほうで、中型犬にオススメのドッグフードを紹介していますので、気になる方はご確認ください。
人間とボクサー犬の年齢比較表
ボクサー犬 | 人間 | |
---|---|---|
新生児期 | 1ヶ月 | 1歳 |
社会化期 | 3ヶ月 | 5歳 |
6ヶ月 | 9歳 | |
成長期 | 9ヶ月 | 13歳 |
1歳 | 15歳 | |
成犬期 | 2歳 | 23歳 |
4歳 | 33歳 | |
6歳 | 43歳 | |
8歳 | 53歳 | |
9歳 | 58歳 | |
シニア期 | 10歳 | 63歳 |
12歳 | 73歳 | |
14歳 | 83歳 | |
16歳 | 93歳 | |
18歳 | 103歳 | |
20歳 | 113歳 |
ボクサー犬の年齢計算式
ボクサー犬は、2歳の時点で人間に換算すると23歳になり、3年目以降は1年に5歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。
ペットにする喜び、ボクサー犬を飼う魅力とは
1. 愛嬌のある表情
きりっとしていて一見怖そうな顔をしているのですが、陽気な性格と愛嬌のある表情がとても可愛いです。見ていて飽きることがないでしょう。
2.家庭犬にふさわしい
番犬としての素質もありながら、家族には愛情深くて忠実なボクサー犬。ときには子供の子守りまでしてくれるボクサー犬もいるので、まさに家庭犬にふさわしい犬種といえます。
まとめ
ボクサー犬の2種類のタイプは、ドイツタイプとアメリカタイプ。
ボクサー犬の性格の3大特徴は、遊び好き、愛情深い、頑固。
ボクサー犬のオスとメスでの性格の違いは、オスは愛情深くてやんちゃ、メスは早く成熟するが気分屋。
ボクサー犬を飼う人に向いている3つのポイントは、リーダーシップがとれる、経済的に余裕のある、アクティブで朝型の人。
ボクサー犬のしつけの3つの重要ポイントは、一貫性、噛み癖、ポジティブに。
ボクサー犬の飼育に関しての3つの注意点は、運動、飛びつき、熱中症。
ボクサー犬を飼う魅力とは、愛嬌のある表情、家庭犬にふさわしい。
ボクサー犬の基本データ
英語表記 | Bernese Mountain Dog |
---|---|
愛称 | バニ、バーニーズ |
原産国 | スイス |
サイズ | 大型犬 |
体高 | オス:57〜63cm メス:53~59cm |
体重 | オス:30kg メス:25kg |
毛質 | ショートで硬い |
カラー | フォーン、 ブリンドル、 ブラックマスク |
寿命 | 10〜12歳 |
価格 | 10〜30万円 |