室内で飼う犬といえば小型犬が主流ですが、大型犬も根強い人気があります。そんな大型犬の中で、ペットにすると飼い主を虜にして止まない性格を持っているのが、ラブラドールレトリバーです。
今回は、そんなラブラドールレトリバーの魅力的な性格、そして飼い方としつけのコツを紹介します。
ラブラドールレトリバーとは
1.ラブラドールレトリバーの紹介
ラブラドールレトリバーは、全体的にブラックあるいはイエローの毛並みに力強い体躯で、ショート・カプルドの大型犬です。「レトリーバー」と呼ばれる狩猟犬の一種ですが、優しく忠実な性格から家庭犬として人気が高く、アメリカでは一番人気の犬種です。
血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、グループ8(鳥猟犬)に属する大型犬です。
2.原産地
ラブラドールレトリバーの原産国は「イギリス」です。
3. 簡潔な歴史・名前のルーツ
ラブラドールレトリーバーは、16世紀にカナダの東にあるニューファンドランド島に入植した人たちが飼っていた「セントジョンズ・レトリバー」が元の犬種になっています。
その後19世紀に、イングランドに持ち込まれたセントジョンズレトリバーが改良を加えられ、「ラブラドール・レトリーバー」が作出されました。
またラブラドールレトリーバーの名前の由来ですが、ニューファンドランド島からイングランドに持ち込まれたとき、既に「ニューファンドランド犬」という名前の別の犬種が存在していました。
そのため、違う名前を付けることになり、出身地域が「ラブラドール」であることからラブラドールレトリバーと呼ばれるようになりました。しかし実際の出身地域は、ラブラドール地域ではなく、ニューファンドランド島の南東部の「アバロン半島」です。
英語では『Labrador Retriever』と表記します。
レトリバーの意味
レトリバーは「レトリーブ(retrieve)」が由来で、本来は「取り戻す」「回収する」といった意味があります。
そこから狩猟において獲物を「回収する者」ということからレトリバーと呼ばれるようになりました。
4.平均体高・平均体重
ジャパンケネルクラブによれば、ラブラドールレトリバーの体高はオスが57〜62cm、メスが54〜59cmとされています。オスのほうがメスに比べて少し大柄です。
- 平均体高:57〜62cm
- 平均体重:29〜36kg
メス
- 平均体高:54〜59cm
- 平均体重:25〜32kg
150cmの女性との比較
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているラブラドールレトリバーの飼育数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると4,266頭です。
2017年犬種別登録頭数(ジャパンケネルクラブ)犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占めるラブラドールレトリバーの割合は約1.4%で15位です。トップ10にこそ入りませんが、大型犬に限れば2番目に人気の犬種になります。ちなみに、大型犬の人気の犬種1位は「ゴールデンレトリバー」です。
6.飼いやすさの目安
ラブラドールレトリバーの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★★★5 |
健康管理がしやすい | ★★☆☆☆2 |
初心者向き | ★★★★☆4 |
噛み癖がつきにくい | ★★★★★5 |
訓練されるのが好き | ★★★★★5 |
物覚えがいい | ★★★★★5 |
ラブラドールレトリバーの毛色のタイプと性格
ラブラドールレトリバーの被毛は、短毛で毛が密集したダブルコートです。そのため抜け毛が多い犬種です。
1.ブラック
ブラックはその名の通り、黒色の毛色です。
黒色のラブラドールレトリバーはワイルドでやんちゃな性格と言われています。
2.レバー/チョコレート
レバーは濃い赤褐色の毛色です。チョコレートも濃い赤褐色やこげ茶の毛色のことです。ブラック色の子と似ていてワイルドで、感情表現が激しい傾向にあります。
3.イエロー
薄い茶色の毛色です。ラブラドールレトリバーがイエローの毛色の代表としてよく挙げられます。イエローの子は穏やかで落ち着いた性格だと言われています。
ペットショップでの購入価格
ラブラドールレトリバーのペットショップでの購入価格の相場は10~20万円くらいです。性別、年齢、毛色、血統などにより幅があります。
その他にかかる初期費用
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………30,000円
ラブラドールレトリバーの性格の4つの特徴
1.温和で優しい
ラブラドールレトリバーはとても温和で優しい性格をしています。そのため、小さな子供や他のペットがいる家庭でも安心して飼うことができます。また賢くて従順に命令を聞くため、盲導犬や救助犬としても活躍しています。
2.社交的
ラブラドールレトリバーは、周りの音に過剰に反応して無駄吠えすることが、ほとんどありません。また縄張り意識も薄い犬種のため、飼い主以外の人間に対しても友好的です。あまり警戒しない性格のため、番犬には向いていません。
3.聡明
ラブラドールレトリバーは聡明で、とても賢く学習能力に優れています。賢い犬種別のランキングでも7位につけており、非常に学習能力が高く物覚えが良いのが特徴です。
そんな性格から盲導犬や聴導犬、介護犬、警察犬など人間にとっても大切なパートナーとして活躍しています。
頭が良い犬ってどんな犬?賢い犬種ランキング
4.遊び好き
ラブラドールレトリバーは、小さい頃はとても遊び好きな犬種です。また物をくわえることが好きなので、ボール投げやフリスビーなどで遊ぶと、とても喜びます。賑やかな環境を好み、活発な性格を持っています。
オスとメスでの性格の違い
ラブラドールレトリバーのオスとメスを比較すると、その性格に違いが見られます。
1.活発さ
オスの方がメスに比べると活発な性格をしています。場合によっては、多少攻撃的に見えるときがあるかもしれません。メスは比較的穏やかな性格をしており、落ち着いているためペット初心者でも飼いやすいといわれています。
2.なつきやすさ
オスの方が忠誠心が強く、メスの方が自立心が強いと言われています。ただしオスはワガママな部分もあるため、しつけに関してはメスの方がやりやすいでしょう。
ラブラドールレトリバーの血統による2つのタイプ
ラブラドールレトリバーには、血統によって2つのタイプが存在します。
1.アメリカンタイプ
アメリカンタイプのラブラドールレトリバーは、狩猟犬や使役犬としての能力を重視した血統です。
全体にしなやかな外観で、細身で胴長、脚が長い、頭は細く、鼻が長いといった特徴があります。また、活発で神経質といった性格をしています。
2.イングリッシュタイプ
イングリッシュタイプのラブラドールレトリバーは、犬の品評会用の外観を重視した血統です。がっしりした体格で、短い胴、短い脚、幅広い顔、短い鼻、太い首といった特徴があります。また、毛が密生しています。
どんな人が向いている?飼育に向いている人のポイント
1.きちんとしつけができる
ラブラドールレトリバーは盲導犬や救助犬にもなる、とても賢い犬種です。しかしそのためには、子犬の頃にしつけがしっかり行われる必要があります。もし十分なしつけが行われていないと、その体の大きさも相まって問題犬になってしまいかねません。
従って飼い主には、きちんとしつけができる人が向いていると言えます。
2.スキンシップが取れる
ラブラドールレトリバーは遊び好きで、寄り添うことが好きな犬種です。毎日そばでスキンシップを取り、散歩の時にはボール投げなどでしっかりと遊んであげましょう。
運動が不足していると、肥満の原因にもなり、またスキンシップが足りないとストレスにもなってしまうため、十分な時間を割いてスキンシップを取って遊べる人が向いていると言えます。
ラブラドールレトリバーのしつけの3つのコツ
1.子犬のうちにしつけを
できるだけ、子犬のうちにしつけを行うようにしましょう。特にトイレなどの基本的なしつけは、子犬のうちでなければ中々覚えてくれません。また、十分なしつけをしないまま大人になってしまうと、攻撃的な性質を持ってしまうこともあります。
大人になってもある程度しつけは可能ですが、子犬のうちからしっかりとしつけた方が、飼い主もペットにもストレス無く過ごしていくことができます。
2.噛み癖
ラブラドールレトリバーは物をくわえることが好きなので、噛みついてくることがあります。大人になったとき甘噛みができる様に、しつけておきましょう。
具体的には噛まれた場合には、「痛い」と声を出して、きちんと叱ることです。
そうすることで、噛み癖が直り、噛むときも甘噛みをするようになります。
3.待て・おすわり
大型犬であるラブラドールレトリバーには、待てやおすわりをきちんとしつけましょう。
しつけができていないと、体の大きなラブラドールレトリバーが遊びのつもりで飛びかかってくると、人間は押し倒されてケガをしてしまうことがあります。
特に、散歩中に他の人に飛びかかることを防ぐためにも、待て、おすわりが、しっかりとできる様にしておくことが重要です。
ラブラドールレトリバーの飼い方に関する注意点
1.食事
ラブラドールレトリバーは、とても食欲旺盛です。与えれば何でも食べようとしてしまいます。
そのため、飼い主が食事の量をきちんとコントロールしてあげないと、過食による病気になってしまう可能性があります。
2.適切な散歩
ラブラドールレトリバーの引き締まった体を維持するためには適切な運動を行うことが必要です。できれば散歩は、1日1時間以上行うようにしましょう。
また適切な運動を行うことは肥満を防ぐと共に、運動不足だった場合に比べて、平均で二年程度も長生きするという調査結果もあります。
3.しっかりとしたしつけ
温和で従順であるものの社交的で遊び好きなラブラドールレトリバーは、しっかりとしたしつけができていないと、大人になったときに体の大きな問題犬となってしまいます。
しつこいようですが、子犬の頃から十分なしつけを行うことを心がけましょう。
ラブラドールレトリバーの平均寿命
ラブラドールレトリバーの平均寿命は10〜13年くらいです。
しかし、あくまでも平均寿命ですので、健康管理をしっかりと行って愛情深く接していけばもっと長く生きることも可能でしょう。
参考までに大型犬の平均寿命ですが、だいたい12歳くらいです。
病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけてることで、寿命は長くなります。
人間との年齢比較表
ラブラドールレトリバー | 人間 | |
---|---|---|
成長期 | 1歳 | 15歳 |
2歳 | 23歳 | |
3歳 | 30歳 | |
4歳 | 37歳 | |
5歳 | 44歳 | |
成犬期 | 6歳 | 51歳 |
7歳 | 58歳 | |
8歳 | 65歳 | |
9歳 | 72歳 | |
シニア期 | 10歳 | 79歳 |
11歳 | 86歳 | |
12歳 | 93歳 | |
13歳 | 100歳 | |
14歳 | 107歳 |
ラブラドールレトリバーの年齢
ラブラドールレトリバーは、2歳の時点で人間に換算すると23歳になり、3年目以降は1年に7歳分の歳を取ります。
ラブラドールレトリバーを飼う魅力
ラブラドールレトリバー飼う魅力は、まず大型犬特有の存在感です。その満足感は小型犬では得られません。
また飼いやすい性格は、初心者でも安心してペットにすることができます。
しっかりとしつけられたラブラドールレトリバーは、その温和な性格もあり、飼い主とかけがえのない時間を過ごすことのできるパートナーになってくれるでしょう。
今回のまとめ
ラブラドールレトリバーの紹介
ラブラドールレトリバーは、カナダの東部にあるニューファンドランド島が原産地。
オスの方がメスに比べて少し大柄。平均寿命は10年から13年くらい。
ラブラドールレトリバーの性格の3大特徴
温和で社交的で遊び好きな犬種。警戒しない性格なので番犬には向いていない。
違いはあるの?オスとメスでの性格の2つの違い
オスの方がメスに比べると活発な性格オスの方が忠誠心が強いといわれている。
少しわがままなところがあるのでしつけはメスの方がしやすい。
メスは比較的穏やかな性格をしており、落ち着いているためペット初心者でも飼いやすいと言われています。
種類の解説!ラブラドールレトリバーの2つのタイプ
ラブラドールレトリバーは血統によって2つのタイプが存在する。
アメリカンタイプは狩猟犬や使役犬としての能力を重視した血統。全体にしなやかな外観で、細身で胴長、脚が長い、頭は細く、鼻が長いといった特徴。
イングリッシュタイプは品評会用に外観を重視した血統。がっしりした体格で、短い胴、短い脚、幅広い顔、短い鼻、太い首といった特徴。
どんな人が向いている?飼育に向いている人のポイント
きちんとしつけができる人、十分な時間を割いてスキンシップを取って遊べる人
ここがポイント!ラブラドールレトリバーのしつけの3つのコツ
子犬のうちにしっかりしつける。待て、おすわりをしっかりできるようにする。噛み癖がつかないようにする。
要注意!飼育する場合に特に気をつけること
病気にならないようにするために食事と適切な散歩、大人になったときに問題犬にならないようにしっかりとしたしつけに気をつける。
ラブラドールレトリバーを飼う魅力とは
温和な性格なラブラドールレトリバーは初心者でも安心して飼育できる。
小型犬にはない存在感でかけがえのないパートナーになる。
ラブラドールレトリバーの基本データ
英語表記 | Labrador Retriever |
---|---|
愛称 | ラブラドール |
原産国 | イギリス |
サイズ | 大型犬 |
体高 | オス:57〜62cm メス:54〜59cm |
体重 | オス:29〜36kg メス:25〜32kg |
毛色 | ブラック、 レバー/チョコレート、 イエロー |
寿命 | 10〜13歳 |
価格 | 10〜20万円 |