オオカミのような見た目がカッコいいジャーマン・シェパード・ドッグ。一般的には「シェパード」と呼ばれて、警察犬や麻薬探知犬などの使役犬として活躍していることで有名な犬です。
今回はそんなジャーマン・シェパード・ドッグの性格と飼い方、しつけのコツについて紹介します。
ジャーマン・シェパード・ドッグとは
1. ジャーマン・シェパード・ドッグの紹介
ジャーマン・シェパード・ドッグは、日本では一般的に「シェパード」と呼ばれることが多い犬です。
原産地は、その名のとおり「ドイツ」。
シェパードは能力も忠誠心も高いため、警察犬、麻薬探知犬、災害救助犬、牧畜犬、介助犬、セラピードッグなど多方面で活躍しています。
血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、シェパードはグループ1(牧羊犬)に属する大型犬です。
2. 歴史
ジャーマン・シェパード・ドッグは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、軍用犬や牧羊犬として優秀な究極の犬種を作ろうと生み出された犬です。
ドイツのチューリンジ、ヴェルテンヴェルグなどの山岳地方で牧羊犬として活躍していたオールド・ジャーマン・シェパード・ドッグを基礎とし、改良を加えて誕生しました。
1899年、ドイツで開催されたジャーマン・シェパード・ドッグ協会の初の総会で、フォン・ステファニッツ中尉の提案をもとに最初のスタンダードが作成され、さらに改良を重ねられてきました。
3.名前のルーツ
シェパードとは、英語で「羊飼い」を意味します。
つまり、ジャーマン・シェパード・ドッグとは「ドイツの牧羊犬」という意味になります。英語表記では「German Shepherd Dog」です。
ちなみに、「シェパード」は「牧羊犬」という意味ですので、他にも「オーストラリアン・シェパード」や「ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ」など「シェパード」と名前の付く犬種がいます。
4.平均体高・平均体重
ジャパンケネルクラブによるとジャーマン・シェパード・ドッグの成犬はオスが60〜65cm、メスが55〜60cmとされています。メスは少し小さい傾向があります。
※体高とは犬の肩までの高さです。
また、体長は体高より約10〜17%長いとしています。
平均体高
- オス:60~65cm
- メス:55~60cm
平均体重
- オス:30kg~40kg
- メス:22kg~32kg
150cmの女性との比較
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているジャーマン・シェパード・ドッグの飼育数ですが、ジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると318頭です。
2017年犬種別登録頭数(ジャパンケネルクラブ)
犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占めるジャーマン・シェパード・ドッグの割合は約0.10%で純血種別では41位にランクしています。
海外では常に上位人気を誇る犬種も、日本では住宅事情などにより少しマイナーな犬種となります。
https://petraku.net/dog/ranking-dog-ninki.html
6.飼いやすさの目安
書籍「人気の犬種図鑑」を元にジャーマン・シェパード・ドッグの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★☆☆3 |
健康管理がしやすい | ★★★★☆4 |
初心者向き | ★★☆☆☆2 |
噛み癖がつきにくい | ★★★☆☆3 |
訓練されるのが好き | ★★★★☆4 |
物覚えがいい | ★★★★★5 |
ジャーマン・シェパード・ドッグのタイプ
ジャーマン・シェパード・ドッグは血統的に2つのタイプに分けられます。
1.訓練タイプ
訓練タイプのジャーマン・シェパード・ドッグは、血統的にも非常に訓練性が高く、警察犬や麻薬探知犬として活躍しているタイプです。
横から見たときに、肩から腰にかけての高さがほぼ同じくらいです。
反面、次に紹介するショータイプでは見られない毛色(ウルフカラー:黒と茶色のマダラ)を含むように、見た目は重視されていません。
2. ショータイプ
ショータイプのジャーマン・シェパード・ドッグは、ドッグショーを意識した血統で繫殖されたタイプです。
訓練タイプと異なり、肩よりも腰の位置が少しなだらかに下がっています。
ショータイプは性格が穏やかで、家庭で飼うにはショータイプのほうが飼いやすいといわれています。
ペットショップでの購入価格(初期費用)
ジャーマン・シェパード・ドッグの購入価格の相場は20~40万円ほどです。
あまりペットショップでは見られない犬種ですから、シェパードブリーダーから直接購入することになるでしょう。
ブリーダーさんからの購入では性別、年齢、毛色、そして親の血統などにより金額に幅がでます。親がドッグショーで表彰されているような優秀な血統の場合は値段もかなり高額となるでしょう。
またブリーダー以外には警察犬訓練所などで、安く譲って貰える場合もあります。
ショータイプのシェパードにこだわりがなければこちらのほうがオススメです。お近くの警察犬訓練所に問い合わせてみてください。
その他にかかる初期費用
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………30,000円
ジャーマン・シェパード・ドッグの外見の特徴
ジャーマン・シェパード・ドッグの外見の特徴を紹介します。
1.毛色(カラー)
ジャーマン・シェパード・ドッグの毛色ですが、一般的なイメージはブラックタンでしょう。
ブラックの他に、レディッシュ・ブラウン、ブラウン、イエロー、明るいグレーのマーキングが入っているものです。
ブラックタンの他には、ブラックと他の色が混ざった狼のような風貌のウルフ、そしてブラックあるいはグレーの単色があります。
ただし、ホワイトの単色は許容されていません。
2.被毛(コート)
ジャーマン・シェパード・ドッグはアウターコートとアンダーコートを持ったダブルコートの犬種です。
アウターコートも、シュトックハール(直杖毛)とラングシュトックハール(長直杖毛)の2つの被毛タイプに分かれています。
ジャーマン・シェパード・ドッグの性格の3つの特徴
1. 賢い
ジャーマン・シェパード・ドッグは非常に賢く、犬種別の賢さランキングでは第3位に付けています。
十分に訓練されていれば大抵のことを学んで行えるようになるため、警察犬や覚せい剤探知犬などとして活躍しているのも納得でしょう。
頭が良い犬ってどんな犬?賢い犬種ランキング
2. 警戒心
ジャーマン・シェパード・ドッグは使役犬として活躍していることから、忠誠心が高く勇敢で、警戒心の強い気質です。
3. 自信に満ちている
ジャーマン・シェパード・ドッグは安定した性格で、見た目も堂々としていて非常に自信に満ちています。
オスとメスでの性格の違い
1.オスは活発
ジャーマン・シェパード・ドッグのオスは、メスに比べて活発で攻撃性が高いといわれています。
2.メスは穏やか
ジャーマン・シェパード・ドッグのメスは、オスに比べて比較的穏やかで落ち着いた傾向があります。ただし、発情期や子育て中には攻撃的になる場合があります。
ジャーマン・シェパード・ドッグを飼うのに向いている人
1.大型犬に慣れている人
ジャーマン・シェパード・ドッグはビギナー向きの犬種ではありません。
「トレーニングされていないシェパードはシェパードではない」と言われるように犬のしつけを熟知した方が飼うべき犬種です。
少なくとも犬をしつける正しい知識があり、大型犬を飼うことに慣れている人にオススメします。
2. 体力がある力の強い人
ジャーマン・シェパード・ドッグはパワフルで力が強いため、それを扱うことのできる人でなければいけません。
そのため体力のない人には難しいでしょう。
また、しっかりとした運動量が必要で、散歩が足りないとシェパードの攻撃的な面がでることもあります。
しっかり走らせるくらいの散歩を1時間程度、1日2回は必要となってきます。
3. 一戸建てに住んでいる
ジャーマン・シェパード・ドッグは、できれば広い敷地がある 一戸建てが好ましいが好ましいです。
大きさだけでなく警戒心が強いことからマンションでの飼育には適していません。
広いスペースのある一戸建てに向いています。
また、運搬用の車も必須となります。
さらに小さな子供がいる家庭も相性によっては注意が必要となるでしょう。
ジャーマン・シェパード・ドッグのしつけの3つのポイント
1. 一貫性
ジャーマン・シェパード・ドッグは、賢いだけに自分の考えを持っています。
的確で一貫性のある指示でなければ混乱してしまいますし、応じてくれません。
また、人を見る目があるので優柔不断な態度ではしつけが難しいでしょう。強い意志と繰り返し続ける忍耐力が必要です。
2. メリハリ
ジャーマン・シェパード・ドッグのしつけには、メリハリが大切です。
正しいことと間違ったことをしっかり教えるためには、褒めると叱るをしっかりと使い分けましょう。
主従関係と信頼関係を上手く築いてください。
3. 社会化
ジャーマン・シェパード・ドッグは、見知らぬ人に対して強い警戒心を持っています。
社会化期と呼ばれる生後3週齢~12週齢に色々な人とふれあう中で人を見る目を養い、様々な社会性が身についていきます。
社会化が十分に行われていないと全ての人を疑うようになり、臆病で攻撃的な性格になったりするかもしれません。
https://petraku.net/dog/inu-syakaika.html
ジャーマン・シェパード・ドッグの飼い方の3つの注意点
1. ブラッシング
ジャーマン・シェパード・ドッグはダブルコートなので抜け毛が多く、ブラッシングが欠かせません。
1週間に1〜2回はブラッシングすることをオススメします。
定期的なブラッシングは皮膚病予防の効果もあります。
ただし、シャンプーは月に1回程度で大丈夫です。
あまりシャンプーの頻度が多すぎると、逆に皮膚病のリスクが高まります。
2.十分な運動
ジャーマン・シェパード・ドッグは1日朝夕1時間ずつの散歩に加え、時々ドッグランなどで走らせる運動をするのが好ましいです。
散歩を怠るとストレスが溜まって問題行動に繋がりますので、運動はシェパードを飼う上での重要なポイントとなります。
3.病気
ジャーマン・シェパード・ドッグは遺伝的疾患など、病気が多い犬種といわれています。
また、太りやすい体質でもあるので、日ごろから食事に気をつけ十分な運動をさせましょう。
ジャーマン・シェパード・ドッグの平均寿命
ジャーマン・シェパード・ドッグの平均寿命は9~12年くらいで、大型犬ですから小型犬と比較すると寿命が短い傾向にあります。
しかし、あくまでも平均寿命ですので、健康管理をしっかりと行って愛情深く接していけばもっと長く生きることも可能でしょう。
参考までに大型犬の平均寿命ですが、だいたい12歳くらいです。
今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけることで、寿命は長くなります。
このページの下のほうで、ジャーマン・シェパード・ドッグにオススメのドッグフードを紹介していますので、気になる方はご確認ください。
人間とジャーマン・シェパード・ドッグの年齢比較表
シェパード | 人間 | |
---|---|---|
成長期 | 1歳 | 10歳 |
成犬期 | 2歳 | 19歳 |
3歳 | 27歳 | |
4歳 | 35歳 | |
5歳 | 43歳 | |
6歳 | 51歳 | |
シニア期 | 7歳 | 59歳 |
8歳 | 67歳 | |
9歳 | 75歳 | |
10歳 | 83歳 | |
11歳 | 91歳 | |
12歳 | 99歳 | |
13歳 | 107歳 |
ジャーマン・シェパード・ドッグの年齢
ジャーマン・シェパード・ドッグは、2歳の時点で人間に換算すると19歳になり、3年目以降は1年に8歳分の歳を取ります。
ペットにする喜び、ジャーマンシェパードドッグを飼う魅力とは
1. クールでカッコいい
ジャーマン・シェパード・ドッグは、オオカミのように野生的で少し怖そうと思われがちですが、良く訓練されたジャーマン・シェパード・ドッグは性格も安定していて、クールでカッコいいのが魅力です。
2. 優秀
ジャーマン・シェパード・ドッグは、どんな事でも我慢強く忠実に命令に従おうとします。訓練性の高さにおいては素晴らしく優秀で、一度飼うと他の犬種では満足出来なくなるといわれています。
まとめ
ジャーマン・シェパード・ドッグの2つのタイプは、訓練タイプとショータイプ。
ジャーマン・シェパード・ドッグの性格の3大特徴は、賢い、警戒心、自信に満ちている。
ジャーマン・シェパード・ドッグのオスとメスでの性格の違いは、オスは活発で攻撃性が高い傾向、メスは比較的穏やかで落ち着いた傾向。
ジャーマン・シェパード・ドッグを飼う人に向いている3つのポイントは、体力がある力の強い、大型犬に慣れている、一戸建てに住んでいる人。
ジャーマン・シェパード・ドッグのしつけの3つの重要ポイントは、メリハリ、一貫性、社会化。
ジャーマン・シェパード・ドッグの飼育に関しての3つの注意点は、ブラッシング、十分な運動、病気。
ジャーマン・シェパード・ドッグ飼う魅力とは、クールでカッコいい、優秀。
ジャーマン・シェパード・ドッグの基本データ
英語表記 | German Shepherd Dog |
---|---|
愛称 | シェパ |
原産国 | ドイツ |
サイズ | 大型犬 |
体高 | オス:60〜65cm メス:55〜60cm |
体重 | オス:30〜40kg メス:22〜32kg |
毛色 | ブラック&タン。 ブラック、グレーの単色。 |
寿命 | 9〜12歳 |
価格 | 20〜40万円 |