ハムスターといえば室内で飼えるポピュラーなペットで、モコモコと愛らしい姿が魅力です。飼い方のコツを知っていれば、長く飼い続けることも可能ですが、その飼い方については知っているでしょうか。今回はハムスターの飼い方・飼育のコツをお伝えします。
ハムスターの紹介
1.原産地
ハムスターはヨーロッパ東部から中東、中央アジア、中国北部といったユーラシアプレート大陸内部を原産とする、「キヌゲネズミ亜科に属する齧歯類」いわゆるネズミの24種の総称です。なお、ハムスターといって一般的にイメージされるのは、中東原産のゴールデンハムスターです。
2.平均体長・平均体重
ハムスターは種類によって、その大きさが異なってきます。ジャンガリアンハムスターやキャンベルハムスター、ロボロフスキーハムスター、チャイニーズハムスターなどは体長6センチから12センチ前後の小さなハムスターで、これらを総称してドワーフハムスターと呼ばれます。
体重は15gから45gほどです。一方、ゴールデンハムスターは大型で、体長20センチ以上になります。体重も85gから150gと大きく成長します。
3.簡潔な歴史・名前のルーツ
ハムスターがペットとして飼われるようになったのは、比較的最近で1900年前後からハムスターを飼育した記録があります。ハムスターの名前のルーツはいくつか説があります。
ドイツ語の「ハムステル(溜め込む)」が名前のルーツであるとする説がある一方、古ロシア語に関係する「圧迫者」という意味の言葉がルーツではないかという説もあります。
4.平均寿命
ハムスターの寿命は、最長では8年生きたという記録も残っているようですが、平均すると2年から3年です。適切な飼い方ができれば、長く一緒にいることができます。
ハムスターの5つの種類と特徴
最初に書いたように、ハムスターには24の種類があります。ここでは、一般的に飼育される代表的な5種類のハムスターを紹介します。
1.ゴールデンハムスター
ハムスターの中でも大型の種類で、体長20センチ以上になります。体が大きい分、力が強くケージをしっかり閉めておかないと逃げてしまうことがあります。ただし動きは遅いので、見つけられればすぐ捕まえることができます。性格は、警戒心が強く、ナイーブです。オスはなわばり意識が強いためケンカをすることがあり、ケガの原因にもなるので注意が必要です。
2.ジャンガリアンハムスター
種類特有の同じような性格の傾向はなく、それぞれで個性的な性格を持っています。きちんとした飼い方をしていると、よく懐きます。ケージの居心地が良いと、フタを開けても逃げずにいることがあります。
3.ロボロフスキーハムスター
ハムスターの中でも体長8センチから9センチくらいと小型の種類です。でも食欲が非常に旺盛です。非常に臆病な性格で、エサの虫を見て逃げることがあるほどです。警戒心が強いので、懐くまでに時間が必要になるかもしれません。相性が良ければ、複数をひとつのケージで飼うことも可能です。
4.キャンベルハムスター
色や柄が個性的なハムスターです。それぞれの個体で顔つきも違うので見分けが付くようになると、とても愛着が沸きます。動きが多く、元気な性格です。
5.チャイニーズハムスター
長い尻尾を持っています。水や水分の多いエサを好みます。おっとりした性格ですが、ジャンプしたり木に登ったりと動きは激しいので複数で飼うのは難しいです。
ハムスターの飼育に適している人の特徴とは
1.マンションなどの集合住宅に住んでいる人
ハムスターは犬や猫と違い吠えたりしませんし、散歩も不要です。臭いの問題も基本的にありません。そのため、他のペットを飼うことが難しいマンションなど集合住宅でも、ハムスターであればOKということが多く、手軽に買い始めることができます。したがって住環境に制限がある人に向いているペットだと言えます。
2.夜世話ができる人
ハムスターは夜行性です。そのため、ハムスターが起きている夕方以降の時間帯に世話ができる生活スタイルであれば飼いやすいといえます。できるだけ毎日同じ時間帯に世話をすれば、ハムスターもその時間に合わせて活動するようになります。
3.適度なコミュニケーションができる人
あまりハムスターに構い過ぎるとハムスターはストレスに感じてしまいます。人間があまり触りすぎないようにしましょう。そういう意味では、スキンシップし過ぎず、適度に観察して楽しめる人の方が向いているといえます。
ハムスターを飼う場合の初期費用と入手方法
ハムスターは、大抵のペットショップに売っていますし、場所によってはホームセンターで売っていることもあります。値段は1000円くらいから高くても数千円くらいです。一般的にオスとメスで値段に違いはありません。
ハムスターの飼育に必要な6つのグッズ
ハムスターを飼うために最低限必要な飼育グッズが5つあります。
1.ケージ(2000円から5000円くらい)
2.巣(500円から1000円くらい)
3.エサ入れ(300円から500円くらい)
4.水入れ(500円くらい)
5.トイレ(400円くらい)
6.床材(1kg350円くらい)
また、遊びグッズも揃えるとハムスターが喜びます。
・回し車(1000円から2000円くらい)
・かじり木(200円から300円くらい)
全て揃えると、5000円から10000円くらいになります。
ハムスターの餌の主な3種類と正しい与え方
ハムスターは雑食性のため、与えた餌は何でも食べます。しかし栄養バランスが悪くなるため、健康を考えた餌を用意すべきです。そこで、主に与えるべき餌を3つ挙げます。
1.ペレット
栄養バランスを考えられた材料が、扱いやすい形に固められており、主食として与えます。
2.野菜など
野菜や牧草を少々あたえます。なお、ハムスターの餌としてイメージが強いヒマワリの種やアーモンドといった種子類は、カロリーが高すぎるので与え過ぎに注意しましょう。
3.動物性タンパク質
チーズや煮干しといった動物性タンパク質を与えることで栄養バランスが良くなります。量は少量です大丈夫です。
・1日の餌は体重の1割を目安にすると、十分な量になります。
これを1日に1回、ハムスターが活動している夕方以降の時間帯に与えます。
ハムスターに多い5種類の病気
ハムスターの病気には様々な種類がありますが、そのほとんどは正しい飼い方をしていれば予防できるものです。ストレス、衛生面、食べ物などの飼育環境を整えて、様子の変化に気を配ってやることが重要です。そして、ハムスターがどの様な病気にかかるか知っておくことも必要です。ここではハムスターがかかりやすい病気を5種類紹介します。
1.腫瘍
腫瘍はハムスターがかかる病気で一番多い症状です。腫瘍とは「細胞が異常な増殖をすること」で、いわゆるデキモノです。腫瘍には良性と悪性があり、悪性の場合はガンになる可能性が高くなります。ガンを完全に防ぐ方法は見つかっていませんが、ストレスなどによる免疫力低下が腫瘍ができる原因と考えられています。
2.ニキビダニ症
ニキビダニ症とは「背中やクビの後ろ、おしりの周りの毛が薄くなる病気」です。皮膚が炎症で赤くなり、乾いたフケの様な皮膚になります。病気の原因は名前の通り「ニキビダニ」が寄生することです。ハムスターがストレスなどで免疫力が低下してしまうと、寄生したニキビダニが一気に増殖してしまうことがあります。症状を発見したらすぐに病院に行き治療を行ってください。放っておくと、他のハムスターに感染してしまいます。
3.外耳炎
頻繁に耳を引っ掻く、もしくは耳に傷ができて出血しているといった場合、外耳炎の可能性があります。外耳炎にかかっている耳の方向に頭を傾けることが多いので、頭の方向が常に一方向に向いているという場合も、外耳炎で可能性が疑われます。
外耳炎は放置していると治療が困難になります。発見したら早期に治療を行うようにしてください。ケージの中をを清潔に保つことが予防になります。
4.アレルギー性皮膚炎
生活環境の変化や不衛生な場所での飼育によって、ハムスターにアレルギー症状が出る場合があります。予防するためには、ケージの中を清潔することです。毎日の餌やりに合わせて、ケージの清掃をすることが理想です。また餌の栄養バランスが崩れていると症状が出やすくなります。症状が出た場合には、アレルギー原因を把握するために、病院での検査を受けた方が安心です。
5.ウェットテイル
下痢のような水っぽい排泄物を出している、おしりの周りが濡れた感じになっているという場合、ウェットテイルという病気の可能性があります。排泄物は強い臭いがします。一般的な原因はストレスだといわれています。
特に早すぎる親離れによるストレスで下痢になってしまいます。発症した場合、他のハムスターへの感染を防ぐために隔離し、抗生剤やビタミン剤を使います。そのまま放置すると、最悪は数日で死んでしまう場合もあります。
ハムスターの飼育で注意する5つのこと
1.健康チェック
ハムスターが活動する夜の時間帯に姿を表しますので、そのタイミングで健康チェックをしましょう。様子を観察して、元気のない状態になっていないか、病気になっていないかを見ます。
2.ケージの洗浄
ケージを洗う場合は、日中に行います。夜に寝床であるケージを洗うとハムスターの生活や健康に問題が出てしまう可能性があります。
3.世話の時間帯
寝ている時などにこっそり行っていると、飼い主のことを敵だと勘違いして認識してしまう可能性があります。そのため、夜の活動時間帯に人間の姿を見せながら、堂々と行いましょう。
4.長期旅行をする場合
もし長期に家を空けなければいけないときには、知人などに世話を頼みましょう。3日程度であれば固形ペレットと水をたっぷり用意しておきます。
5.繁殖の注意点
ハムスターを繁殖させる場合でも、繁殖期以外はオスとメスを別々に分けて飼いましょう。また、同じ性別でも一緒に飼うとストレスになりケンカをすることがあるため、できるだけ一匹一匹分けて飼うことが理想的です。
ハムスターを飼育する魅力とは
ハムスターを飼う魅力は、その愛らしい姿に癒されるというのが一番ですが、それ以外にもハムスターならではの、飼い易さの魅力があります。
1.手間がかからない
他のペットに比べて手間がかかりません。毎日の散歩も不要ですし、広いスペースも必要としません。
2.お金がかからない
飼育にお金がかからないということも、魅力の一つです。犬などのように定期的な予防接種費用も発生しません。飼い始めれば、餌代や床材の交換などで月にかかる費用は数千円程度だけです。
3.飼いやすい
鳴き声の問題もなく静かで、匂いの問題が少ないというのは、マンションなどの集合住宅や、都会の住宅密度が高い地域でペットを飼う際には大きなメリットです。
今回のまとめ
ハムスターの紹介
ハムスターの5つの種類と特徴
ハムスターの飼育に適している人の特徴とは
ハムスターを飼う場合の初期費用と入手方法
ハムスターの飼育に必要な5つのグッズ
ハムスターの餌の主な3種類と正しい与え方
ハムスターに多い5種類の病気
ハムスターの飼育で注意する5つのこと
ハムスターを飼育する魅力とは
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