見ているだけで落ち着く毛色が日本的な配色で人気のオキナインコ。「おじいちゃん」の愛称を持ち、おしゃべりやモノマネが得意なんです。インコの中でも知能が高く、幼鳥から飼い始めると良く懐くといわれています。
今回は、オキナインコの性格の特徴・しつけのコツ・飼い方のポイント・注意点についてご紹介します。
1)オキナインコの紹介
1.原産地
オキナインコの原産地は南米からアルゼンチンにかけて多く生息しているようです。
2. 平均体長と体重
体長は30cm前後、体重は約100~150gとインコの中では中型種に分類されます。
ペットショップなどでよく見かけるセキセイインコと比べると、体重差は2~3倍にもなります。
3.日本で飼育されている数・名前のルーツ
日本で飼育されているオキナインコの数については、きちんとしたデーターがないので把握されていないのが現状のようですが、
国内でブリーダーによる繁殖が盛んに行われていることから、市場でも多く流通していることから買いやすいオキナインコの人気が高まっているようです。
名前について、日本名では「おきないんこ・翁鸚哥」と呼ばれていますが、やはりその色合いの渋さから「翁=おじいさん」と付いたという説があるそうです。(名前については諸説あるようです)
4.気をつける病気
・ウイルス性羽毛疾患(PBFDウイルス)
原因・・・感染したオキナインコのフンや脂粉についた病原菌のウイルスが空気中に浮遊して、それらを吸引することにより感染して発症する。
症状・・・粉状の脂粉が出なくなりフケのようなサヤガラが多くでるのが特徴で、胸部から腹部にかけての震えがでたり中には怖がるような態度を見せることもあります。
症状が進むと羽根の変形や脱毛、目、口ばしに異常がみられます。
予防・・・多頭飼いの場合、感染した鳥はゲージに入れて別室で隔離して接触を避ける。栄養バランスに配慮した食事を与える心がけましょう。
・オーム病(クラミジア症)
原因・・・クラミジア症やシッタシ症に感染した鳥の糞便や分泌液及び羽毛ダスト、それらの汚染環境を介して感染する人畜共通の感染症です。
症状・・・潜伏期間は数日~数週以上で、不顕性感染(症状が表面化しない)または持続感染することも珍しくありません。
まれに発症する場合もあり、その症状は元気がない・食欲不振・震え・体温低下・呼吸困難・鼻炎・脱水・黄色~緑色便などで、重症化すると落鳥の危険性もあります。
人間ではインフルエンザのような症状が現れ、治療が遅れると肺炎や気管支炎などの呼吸器疾患を起こすので、初期症状を見逃さないように注意が必要です。
予防・・・日ごろから愛鳥の様子を観察し、少しでも普段と違うと感じる様子がみられるときは重篤化するまえに、鳥類も診れる動物病院を受診しましょう。
5. 平均寿命
オキナインコの寿命は約30~35年と中型インコの中でも比較的長い方です。
最後まで面倒がみられるかどうかをよく考えて飼うようにしましょう。
2)オキナインコの性格の4大特徴
インコやオウムなどは色々なことを覚える賢い生き物です。
オキナインコも例外なく賢い種といえます。では、そのほかの性格の特徴を見てみましょう。
・好奇心が旺盛
オキナインコは比較的穏やかな性格といわれていますが、色々なモノに興味を示す傾向があるようです。
口ばしで壊されて困るものはその場に置かない、電気のコードやコンセントなどはカバーで隠すなど対策が必要です。
・飼い主にとても従順
特に幼鳥期から飼うことで飼い主にとてもよく懐くといわれています。
しつけ方次第では手乗りもしてくれるオキナインコ、より信頼関係が深くなりそうです。
・寂しがりや
飼い主がいなくなったり構ってもらえず寂しくなったときなど、見かけによらず大きな声で呼び鳴気をするようなので長時間遊び相手ができないようであれば飼うことをあきらめた方がいいでしょう。
留守の時は寂しい思いをしなくていいようにお気に入りのオモチャを与えたり、かじり木などを設置してあげるといいでしょう。
相手をしてもらえず寂しい時間が多くなると、毛引き行為に走りがちです。
一度毛引きをはじめると、この行為自体を止めさせることが難しくなりますので、一人暮らしで留守がちな方にはオキナインコの飼育は向かないでしょう。
・自己主張が強い
穏やかなオキナインコですが、好き嫌いなどの自己主張ははっきりとしているようです。
元もと縄張り意識が強いので、飼い主であってもウカツにゲージ内へ手をいれると激しく威嚇したり、噛まれたりするようなので注意が必要です。
また、遊び終わってゲージへ入るのを嫌がって噛みついてきたり、寂しいときなど呼び鳴きしたり・・・態度がわかりやすいので扱い方さえ間違わなければ一緒に暮らして楽しいコンパニオンバードになりそうです。
3)オキナインコの体色の種類は?
原種はグレーとグリーンの配色といわれていますが、ヨーロッパで品種改良が盛んに行われてそのカラーバリエーションは様々です。
ブルー系、ルチノー系、モーブ系、ホワイト系、イエロー系、希少価値の高いグレー系などの品種がいるようです。
4)オキナインコのオスとメスの見分け方
ペットショップなどで販売されているオキナインコは性別の表示がしてありますが、ブリーダーなどから譲り受けた場合など、
外見からのオスとメスの判断は難しいようです。
どうしても知りたいときは、鳥類を診てくれる動物病院での遺伝子検査で調べることをおすすめします。
5)オキナインコを飼う人に向いている3つのポイント
・毎日1時間ほど遊ぶ時間が取れる
人と触れ合うことが大好きなオキナインコ。毎日最低でも1時間はゲージから出して遊んであげると喜びます。
できることなら一日中誰かが家にいて、時間が許す限り相手をしてあげるとオキナインコもストレスがなく過ごせるでしょう。
・防音対策をした部屋が準備できる
オウムほど体長は大きくはありませんが、鳴き声は近所迷惑になるほど特徴的な鳴き声のようですから、集合住宅の場合はひと部屋をしっかりと防音対策しておかないと、後々ご近所トラブルへと発展しかねませんので、購入前はしっかりと検討した方がいいでしょう。
・気長にしつける事ができる
自己主張がはっきりとしているので、気に入らなかったりすると飼い主でも口ばしで噛みつくことがあり、ひどい時は流血もあり得るようです。賢いオキナインコのしつけで注意することは、「罰を与えること」ではなく「褒める」ことで「良いことがある」とオキナインコが理解できるように
しつけていくといいでしょう。
6)オキナインコのしつけの2つの重要ポイント
・噛み癖
噛み癖は雛のうちから持っている個体もいるようなので、なるべく早いうちにしつける必要があります。
また、遊び的な甘噛みではなく、明らかに強く噛む場合は何かしらの原因があると考えて、その原因を見極める必要があります。
・環境になれていない
・嫌なことや怖いことがあった
・飼い主よりえらいと勘違いしている
上記のような原因で「噛む」ようになり、いつの間にか癖になってしまったケースが多いようです。
もし噛まれたら、噛まれたままの状態でそっとオキナインコの頭部を後方へ押してみてください。態勢がきつくなったオキナインコは噛むのを止めるでしょう。
後ろにスペースが無かったり後ろに押しても噛むのを止めなかったら、逆に噛まれたまま前方へ引いてみてください。
いずれかの方法で噛むのを止める場合がほとんどですが、噛まれている人間には多少の痛みが伴いますが覚悟してやってみると、意外とすんなりあきらめる場合もあるようです。
もう一つの方法は、噛まれたときに「ダメ」と怒るのではなく叱るときに、顔の前に息をフッと吹きかけてみる。
このことを「噛みつくと嫌なことがおきる」と認識するまで繰り返しやってみてください。賢いオキナインコですから意外と短期間で噛み癖が治まるかもしれません。
この方法の逆で、噛まずに手に乗ってきたり素直にいうことを聞いてくれたりしたときなど、「よく出来たね~」「良い子ね~」など、たくさん褒めてあげると「噛まなければ良いことがある」と覚え、繰り返していくうちに噛み癖も段々と減ってくると思いますので、諦めずにやり続けてみてください。
もしも、噛まれそうになったときは、お気に入りのオモチャを見せて気をそらすという方法も。
愛鳥とはいえ鋭い口ばしで噛まれるのは痛いものです・・・近くにオモチャを準備しておきましょうね。
・呼び鳴き
基本的には大きな声で叫んでいる間は、相手をしない、その場から離れる、という態度や行動をとりましょう。
ですが、中型のオキナインコとはいえ呼び鳴きのときは、かなり大きな声になります。
あまりにも呼び鳴きがひどい場合は飼い主さんが言葉や口笛などを教えることで、呼び鳴が減ることがあります。
モノマネには得意、不得意と個体差がありますので、言葉や口笛のどちらかで試すといいですよ。
また、口笛は鳥の鳴き声と似ているので反応しやすいそうですから、口笛が得意でしたら一度試される価値はあると思います。
やり方としては、呼び鳴きのときは相手をしない、口笛だったら口笛で返し、人間の言葉で呼んだら返事をしたりそばにいってあげるなど、色々試してみてください。
そうやって繰り返していくうちに呼び鳴きしても飼い主さんは来ない、口笛や人間の言葉だとそばに来てくれる、と賢いオキナインコは学習していきます。
7)オキナインコを飼育する場合に気をつける3つのこと
・部屋とゲージ
活発で遊び好きなオキナインコのためにも、ひと部屋を専用に用意してあげましょう。
専用のゲージには最低でも床が45センチ四方、高さ50センチ以上の物が必要です。また、出入りのしやすさを考えると前面が大きく開くか、上部が開くものを選ぶといいでしょう。
・餌の種類
主食には中型インコ専用の混合シードを与え、ペレットを不足分の栄養素(ビタミン・ミネラル他)の補助食として一緒に混ぜて与えましょう。初めて見る餌には食いつきが悪いときがあるようですから出来れば幼鳥時から慣らしておきましょう。
どうしても、食べてくれない時は他のシードやペレットに変更して、無理に食べさせようとはしないでくださいね。
よくひまわりの種を与えるイメージがありますが、もちろん好んで食べるのですが高カロリーなので肥満が心配です。おやつ程度にとどめておきましょう。
・温度
部屋の温度に関して、温度変化には比較的丈夫なオキナインコですが、冬の寒さは苦手な個体もいるようです。
寒そうにしているようなら鳥用のヒーターなどを準備してゲージの回りを暖めてあげましょう。
8)オキナインコを飼う3つの魅力とは
・おしゃべりとモノマネが得意
頭が良く記憶力にも長けているので、飼い主が言う言葉を色いろ覚えてくれます。
また、玄関のチャイムの音や電話の音、様々な生活の中にあふれているオキナインコが気に入った音をモノマネしてくれます。
(個体によっては、どちらかが不得意な場合もあるようなので、決して無理強いは禁物です)
・渋い配色
「おじいさん」をイメージさせるグレートグリーンの渋い配色ですが、見ていて落ち着くのは日本古来からある和色を思わせる配色だからかもしれません。
・甘えん坊
寂しがりやで甘えん坊なオキナインコは大好きな飼い主さんが側にいると「遊ぼう♪」とスキンシップを求めてくるようです。
可愛い愛鳥と楽しい時間を過ごせそうですね。
今回のまとめ
1)オキナインコの原産国は、南米からアルゼンチン・体長は30cm前後、体重は約100~150gでは中型・平均寿命は約30~35年・気を付けるべき病気はウイルス性羽毛疾患(PBFDウイルス)・オーム病(クラミジア症)。
2)オキナインコの性格の4大特徴は、・好奇心が旺盛・飼い主にとても従順・・寂しがりや・自己主張が強い。
3)オキナインコの体色の種類は、ブルー系、ルチノー系、モーブ系、ホワイト系、イエロー系、希少価値の高いグレー系があります。
4)オキナインコのオスとメスの見分け方は、外見からのオスとメスの判断は難しいようです。
5)オキナインコを飼う人に向いている3つのポイントは、・毎日1時間ほど遊ぶ時間が取れる・防音対策をした部屋が準備できる・気長にしつける事ができる。
6)オキナインコのしつけの2つの重要ポイントは、噛み癖・呼び鳴きはしっかりしつける。
7)オキナインコを飼育する場合に注意する3つのことは、部屋とゲージ・餌の種類・温度です。
8)オキナインコを飼う魅力は、おしゃべりとモノマネが得意・渋い配色・甘えん坊です。