【ウサギ】小さな妖精・ネザーランド・ドワーフとの付き合い方

「一番小さいペットウサギ」として人気の高いネザーランド・ドワーフ。丸まると手の平にのってしまう愛らしさです。まるで童話の中から飛び出してきたようなオランダ生まれのミニチュアラビットとの上手な付き合い方をご紹介します。



ネザーランド・ドワーフの歴史

ネザーランド・ドワーフの故郷は風車の国オランダです。19世紀、オランダ原産の“ダッチ”の品種改良中に生まれた小さい変異体に野生のウサギを掛け合わせて生まれたといわれています。また、ポーランド原産の“ポリッシュ”とオランダの野生のアナウサギの偶然の交配から生まれたという説もあります。

いずれにしてもオランダ野生ウサギの系譜を持つチビウサギは現地でとても愛されており、国名を冠した名前をもらっています。ネザーランドは「オランダ」、ドワーフは「こびと」という意味です。20世紀中頃には現在の形がスタンダードとして定着し、ペットウサギとして世界最小であることを認められました。

ネザーランド・ドワーフの特徴

小さくて丸まるとした、まさにぬいぐるみのようなフォルムが最大の特徴です。成長しても25cm程度までしか大きくなりません。体重も1kgくらいです。ウサギの種類に詳しい人でなければ子ウサギだと思うでしょう。短めの耳がピンと立っているのも可愛さを強調しています。

ネザーランド・ドワーフの毛色タイプ

ネザーランドドワーフはスタンダードとして認めてられているものでも30種類もの毛色があります。豊富なカラーバリエーションは毛の生え方や模様の現れ方で5つのグループに分かれています。

・セルフグループ

全身がモノカラー(単一色)の毛で覆われています。ブラック、チョコレート、ブルー、ライラックなどが含まれています。

・シェイデットグループ

耳、鼻先、目のまわり、足先、尻尾に濃い色の毛が現れます。体の他の部分は薄い毛色です。セーブルポイント、サイアミーズセーブルなどが含まれます。

・アグティーグループ

一本の毛が3色以上の色が混ざった縞模様になっています。チンチラ(霜降り)、オパール、スクワーレン、リンクスなどが含まれています。

・タンパターングループ

耳の三角部、目のまわり、口の下、首、お腹、足の内側、足先の上、尻尾がホワイトやオフホワイトの毛で覆われています。ブラックオター、ブルーシルバーマーチン、タンなどが含まれます。

・AOV(その他の色)グループ

4つのグループの特徴を持たない毛色です。フォーン、オレンジ、ヒマラヤン、スティール、ブロークンなどが含まれます。

ネザーランド・ドワーフの性格は両極端

ネザーランド・ドワーフは賢くて好奇心の強いウサギです。なつくのに時間がかかりますが、ゴハンやおやつタイムに名前を呼ぶ習慣をつけると名前を呼ばれれば寄ってくるようになります。
機嫌のいいときは自分からすり寄って甘えてきたり、機嫌悪いときは頬膨らませて「プゥー」とうなったり、後ろ足で床を叩いたりと感情表現が豊かです。

ネザーランドドワーフは性格が2つに分かれています。野生の血と家ウサギの血のどちらが濃く現れるかで決まるのかもしれません。気が強くて独立心が強いやんちゃタイプと人なつこくて愛嬌のあるタイプがいます。やんちゃタイプの小さなボディを使っての自己主張は、腹が立つどころかかえって癒やされてしまいます。

オスとメスで違いはあるの?

オスの方がメスよりも頭のサイズが大きくなります。顔の形も横から見るとオスの方が丸い形をしています。オスは縄張り意識が強いので多頭飼いしているといさかいを起こすことがあります。またマーキングのためオシッコを飛ばすこともあります。

オスの方が好奇心旺盛でフレンドリー、メスはクールで独立心が強いといわれてています。

ネザーランド・ドワーフ飼育のポイント

体が小さいため運動スペースが少なくて済み、きれい好きなので体臭もほとんどありません。集合住宅でも飼いやすい品種です。

・小さな耳のため温度調整が下手

ウサギは耳を使って体温を調整します。長い耳がラジエーターのフィンの役割を果たしているのですが、ネザーランド・ドワーフ耳が小さいため体温調節が下手です。温度変化に敏感なので、夏と冬は特に注意が必要です。エアコンで室温を一定に保ち、猛暑や極寒の時期にはペット専用保冷剤、ヒーター、電気マットなどで体温調整を助けてあげてください。

・ケージは巣穴

ケージは野生でいえば巣穴です。広い方が喜ぶだろうと大きいものを用意すると、安心できる場所がなくストレスになります。小さすぎるのもダメなので、飼育グッズの置き場の他にギリギリ運動できる場所が確保できるサイズを選びます。

・遊ぶ時間を作る

ネザーランド・ドワーフは遊ぶのが大好きです。外に連れ出す必要はありませんが、毎日1時間くらいは自由にさせてください。なでたり抱っこしたりとスキンシップも嫌がりません。なでて欲しくてすり寄ってくる子もいます。

・ゴハンは牧草

草食動物ですから牧草をメインに与えてください。牧草だけでの飼育は難しいのでペレットフードで補います。最初はペットショップで与えていたものと同じものにしてください。ウサギは警戒心が強いので初めてのものには手をつけないことがままあります。

水は1日に2回は交換してください。

ネザーランド・ドワーフはしつけいらず

好奇心旺盛な性格ですが攻撃的ではありません。機嫌が悪くても噛みついたり、本気で威嚇するようなことはまずありません。

常に機嫌が悪いような場合は飼育環境を見直してください。性格が悪く感じるとしたらストレスが原因です。ウサギがリラックスして過ごす環境を整えてやれば悪さをすることはありません。

ウサギはげっ歯目です。つねにものをかじっていないと歯が伸びすぎてしまいます。これはしつけで止めさせることはできません。専用のかじり木を用意してください。噛みやすいものがあればわざわざ噛みづらい物をかじったりしなくなります。

ゴハンやおやつ時に名前を呼び撫でててやれば名前を覚え、早くなつきます。

トイレは子ウサギの間に覚えさせます。大人になってからでは無理です。トイレの場所を決めて、尿のニオイのついた砂や紙を使ってトイレに誘導します。トイレ以外の場所でしてしまったときはニオイを完全に拭き取ります。怠るとケージ全体がトイレ化してしまいます。ニオイはもちろん、病気の原因にもなりますので、諦めず、でも大らかに根気よくしつけてください。

飼育する場合に特に注意すること

・太りすぎに注意

運動量は少なめといっても、栄養価の高いものばかり与えてていては太ってしまいます。肥満は万病の元です。ニンジン、サツマイモ、カボチャ、キャベツ、果物は大好物ですがこれらは牧草に比べてとても栄養価の高い食べ物です。おやつ程度に少量与えるだけにしてください。

・シュウ酸を含んだ植物はあたえない

ほうれん草やクローバー、レンゲソウなどはシュウ酸を含んでいます。腸内で発酵して病気を起こすことがあるので与えないのが賢明です。

・気持ちいいけど外の散歩は注意が必要

外に連れ出すときはカラスやトビなどに注意してください。体が小さいので軽々とさらわれてしまいます。あたりを警戒するときは空を見上げるのをお忘れなく

・かかりやすい病気

ネザーランド・ドワーフの寿命は5〜10年です。飼育環境によっては更に長生きする個体も増えています。

ウサギの病気の筆頭は骨折と脱臼です。ウサギの骨は鳥のように薄くてもろいので、抱っこしていて落としたり強く抱きしめたせいで骨を折ってしまうこともあります。子供の力でも折れてしまうことがあるので注意しください

ダニがたかることでおこる耳ダニ病や外耳炎など耳の病気にも目を配るようにします。


まとめ・ネザーランド・ドワーフを飼う喜び

ネザーランド・ドワーフは賢くてフレンドリーです。広いスペースもいらずキレイ好き、大きな声で鳴くこともないため集合住宅でも飼いやすいウサギです。

世界で一番小さい体で元気に動き回り、時にはすり寄ってくる姿はなによりの癒やしになります。飼いやすいからこそ、少しでも長く時を過ごせるよう快適な環境を用意してください。

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