パピヨンは小さな体に大きくて特徴的な耳、つぶらな瞳と明るくて愛想のいい性格、愛玩犬のカガミのような犬で中世のヨーロッパから愛されてきました。また小型犬の中でも頭が良く、聞き分けも良いことから現代でも大人気の犬種です。
今回は、そんなパピヨンの性格からしつけのポイントまでご紹介します。
パピヨンとは
1パピヨンの紹介
パピヨンの原産地は「フランス」です。
中世ヨーロッパで「コンパニオン・ドッグ」として古くから可愛がられてきました。
血統書を発行しているジャパンケネルクラブの分類によると、グループ9(愛玩犬)に属する超小型犬です。
※分類に関して詳しくは「犬の分類(グループ)とは?」をご覧ください。
2.名前の由来
パピヨンの名前の由来ですが、「パピヨン」はフランス語で「蝶」という意味を表します。
特徴的で美しい耳の形が「羽を広げた蝶」のようにみえることから、そう呼ばれるようになりました。またイギリスでは「バタフライ・スパニエル」の別名もあります。
ちなみに、パピヨンは英語では「Papillon」と表記します。
3.パピヨンの歴史
パピヨンは16世紀、中世のヨーロッパで宮廷や貴族の間で「富の象徴」としてもてはやされていた「エパ二エルナン」が起源とされています。記録によればイタリアのボローニャ地方で繁殖され高値で取引されていました。
また、フランスの「太陽王」ルイ14世もパピヨンを寵愛していたと記されています。
18世紀にフランス王妃マリー・アントワネットがパピヨンを愛したことで、宮廷の貴婦人たちの間で一大ブームとなりました。
宮廷の貴婦人たちは自分の肖像画の側にパピヨンを描かせることで、より華やかさを演出していたようです。
4.平均体高・平均体重
パピヨンの成犬はオスメスで平均体高が変わらず、20〜28cmです。※体高とは犬の肩までの高さです。
- 平均体高:20〜28cm
- 平均体重:4〜5kg
150cmの女性との比較
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているパピヨンの飼育数ですが、ジャパンケネルクラブの2018年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると4,298頭です。
2018年犬種別登録頭数(ジャパンケネルクラブ)
犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占めるパピヨンの割合は約1.5%となります。数字的には少なく見えますが、ランキングでいえば14位なので、人気の犬ともいえるでしょう。
6.飼いやすさの目安
パピヨンの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★☆☆☆2 |
健康管理がしやすい | ★★★★☆4 |
初心者向き | ★★☆☆☆2 |
噛み癖がつきにくい | ★★☆☆☆2 |
訓練されるのが好き | ★★☆☆☆2 |
物覚えがいい | ★★★★☆4 |
パピヨンの毛質と毛色の3つのタイプ
パピヨンの毛質は「シングルコート」です。アンダーコート(下毛)がないので、寒さには弱い犬種になります。
ダブルコートの犬種より抜け毛は少ないですが、トイプードルなどに比べると抜け毛は多いほうです。
次に毛色について。
パピヨンはもともと単色でしたが、現在では大きく分けると、下地が白で3種類の毛色のパターンに別れています。
1.ホワイト・ブラウン
ホワイトブラウンのパピヨンは日本で人気が高い毛色です。白と茶色の組み合わせのパピヨンは優しい印象を与えてくれます。
2.ホワイト・ブラック
ホワイトブラックのパピヨンは海外で人気が高い毛色です。白と黒色の組み合わせのパピヨンは優雅な印象を与えてくれます。
3.トライカラー
トライカラーですが、通常パピヨンは2色での構成に対して白黒茶と3色の構成が特徴です。
目の上の茶色の眉毛模様が特徴的で、ここ数年で人気が急上昇しています。
パピヨンの魅力とは
1.外見の優美さ
フランス語で蝶という意味の「パピヨン」はその名の由来の通り蝶のような立派な毛で飾られています。
その姿はとても繊細で優雅で気品のある印象を受けます。
2.明るく社会的で人懐っこい
パピヨンはとても人懐っこい性格でよく懐きます。その上、賢いので困った行動をほとんどすることがありません。
また他の犬に対してもとても友好的なので多頭飼いにも向いています。
3.頭が良い
パピヨンは犬の中でもかなり頭が良い犬種です。物覚えもいいのでしつけやトレーニングも比較的行いやすく、犬を初めて飼う方にとてもオススメの犬種です。