フェレットは人によくなつきます。赤ちゃんのフェレットを飼うときと大人のフェレットを飼うときとの人との慣れ方にあまり差はなく、性差やファームごとの差も比較的少ない種族だといわれています。
今回はフェレットがなつくための方法と飼育のポイントをお伝えします。
比較的なつきやすいフェレット
1.ファームによる種類の違い
フェレットが作られた繁殖場のことを、ファームといいます。
フェレットは種として人になつきやすい性質を持っていますが、このファームによって多少、気質や体格などの傾向が異なっています。
2.なつきやすい2種類のフェレット
どのファームのフェレットも基本的にはなつきやすいといわれていますが、「マーシャルフェレット」と「マウンテンビューフェレット」が比較的噛み癖が少なく、初心者にも飼いやすいといわれています。
ただこれも、「強いていえば」程度の傾向であり、また、同じフェレットでも個体差というものも存在しますので、あくまでも目安程度に認識しておいたください。
フェレットでありさえすれば、基本的に人になつきやすいといわれています。
フェレットがなついている場合の4つの行動
1.名前を呼ぶと、振り返ったり反応するようになります。
2.抱っこするときに、人のそばに寄って来たりします。
3.遊んでほしいときに、ひざの上に乗ったりします。
4.ボール遊びなど、人間と遊ぶようになります。
フェレットがなつく4つの方法
1.頻繁に名前を呼んであげる
フェレットは、自分の名前を覚えます。餌をやるときや遊びときなど、頻繁に名前を呼んでやると早く慣れる傾向があるようです。
2.怯えさせない
近くで大きな音を出したり、無理な抱き方、構い方をしてフェレットに苦痛を与えるのは避けてください。
多くのペットと同じく、フェレットにもストレスは大敵になります。
3.噛み癖は早めに矯正する
フェレットは基本的に噛む動物です。大体のフェレットは大人になると噛み癖がおさまりますが、その場合でも甘噛みは残ることがあります。
フェレットが人を噛むのは、怯えているとき、精神的に不安定になっているとき、遊んで欲しいとき、それに歯の生え変わりの時期に歯が痒いときなどです。
フェレットの不安やストレスをできるだけ取り除いたり、噛むおもちゃを与えることによって自然と矯正することができます。
4.適切な飼育環境を整える
ケージやトイレなど、基本的なことはできるだけきちんとしてください。また、抱けるくらいになれてきたら、時間を作っていっしょに遊ぶようにしてください。
フェレットのストレス発散にも繋がりますし、いっしょに過ごす時間が長くなれば、フェレットもそれだけ早く慣れてくれます。
フェレットを抱っこする6つのポイント
フェレットは足が短く胴が非常に長い、独特な形状をしています。また、穴の中で暮らすという性質上、狭いところをすり抜けるのがとても得意です。
そのため、フェレットの身体を持つときには注意が必要となります。
1.尻尾や前脚、うしろ脚を掴んで持ちあげない。
フェレットの前脚、うしろ脚は短く、外から強い力をかけると容易に脱臼、骨折をしてします。
抱っこをするときも、尻尾と合わせて、そうした部分を掴んで強引に持ちあげたりしないように注意しましょう。
2.耳を触れたり掴んだりするのはやめましょう。
フェレットの耳はとても敏感な部分です。触られるのをとても嫌がりますす。耳に触れたり掴んだり、引っぱったりするのはできるだけ避けるようにしてください。
3.持ちあげるときは、両脇に両手のてのひらを入れるようにして掴みましょう。
手で胴体を包みこむようにして、フェレットの脇を親指と人差し指で挟むようにして体重を支えるのが、フェレットにとって負担の少ない持ちあげ方になります。
4.抱くように持つ場合のポイント
片手でフェレットの首から肩の背中部分を、もう片方の手でうしろ脚、尻尾を下から支えて、フェレットが服を掴めるように胸の近くに抱きかかえましょう。
5.噛まれても手を離さないようにしましょう
抱いているときに噛まれても、なるべくフェレットを放さないようにしましょう。高い場所から床に落とすと、フェレットが怪我をする原因となります。
また、一度「噛めば手を放す」ということをフェレットが学習すると、それ以降も飼い主の手を噛んでくるようになってしまいます。
6.フェレットは襟首を掴んで持ち上げると大人しくなくなる性質があります
爪切りや耳掃除をするときには、襟首を掴んで大人しくさせておくといいでしょう。
フェレットがなつく3つの食事のポイント
1.餌を切らさないよにしましょう
肉食動物であるフェレットは、三時間から四時間に一度の頻度で食事をする必要があります。一日分の餌を一度に食べるのではなく、数回に分けて食べます。
また、夜中に目をさまして食べることも多いので、フードボールの中をこまめに点検し、餌を絶やさないようにしましょう。
2.フェレット専用の餌を与えましょう。
人間の食品や、犬や猫用の餌を与えないでください。病気の原因になります。また、フェレットは決まった餌しか摂らない、嗜好性という性質も持っています。
3.おやつは量を決めてほどほどに
フェレットが生活する上で必要な栄養素は、フェレット用のペットフードだけで完全にまかなえます。嗜好品として食事以外におやつを与える場合には、上限を決めた上で与えるようにしてください。
過度なカロリーの摂り過ぎも、病気の原因になります。
フェレットがなつくまでの期間と飼い主の心構え
1.家にむかえたあとは、最初から構いすぎない。
フェレットは繊細な動物です。ペットショップから移動してきた直後などは、新しい環境に対して不安とストレスを感じています。
少なくとも、飼い始めたその日には、ケージ内に十分なエサと水を用意した上で、フェレットはケージの中から出さないようにしましょう。
最初のうちは人に慣れらすよりも、まず場所に慣らすことを重視して、時間をかけて仲良くなっていくようにしましょう。
2.餌を与えるときや、触るに前に名前を呼ぶようにしましょう。
フェレットは自分の名前が呼ばれたことを理解します。餌を与えるときとや触る前、遊ぶときなどに、できるだけ名前を呼びかけるようにしましょう。
慣れるまでの時間を短縮することが出来ます。
3.触るときにおどおどとしない。
フェレットは肉食の狩猟動物であり、相手が怯えているとそれを敏感に察知します。
フェレットを怖がらせないようにと過度にびくびくとした態度でフェレットに接すると、かえってフェレットは飼い主のことを「自分に怯えている臆病な動物」だと判断し、噛み癖がついてしまう危険もあります。
フェレットにはなるべく怯えずに、堂々と接するように心がけましょう。
4.フェレットにストレスを与えない
フェレットの近くで大きな声を出したり、無理に手やシッポを引っ張ってケージから出そうとはしないでください。
人間に対する恐怖心を抱いてしまい、なついてくれなくなってしまいます。
特にお子さんがいる家庭では、お子さんが無理にフェレットを構おうとする傾向があるので注意が必要となります。
5.スキンシップを取るようにする
フェレットは生後だいたい6か月ぐらいは、抱いても、暴れたり噛むことがあります。が、だいたい生後1年前後になると、そんな状態もかなり落ち着いてきます
フェレットと仲良くなるためには、なによりも「スキンシップ」が大切になります。
普段からよく触れていることで、フェレットとの信頼関係を築くことができますし、フェレットの怪我や病気にも早く気づいてあげることができます。
6.フェレットを遊ばせる
フェレットもケージの中で過ごしているだけではストレスが溜まってしまいますし、運動不足にもなってしまいます。
一日に一度はフェレットをケージの外に出して、一緒に遊んであげましょう。
古いジーンズなどの潜りこんで遊べるものや、スーパーの買い物袋などの音が出るもの、またはボールなどを使って遊ぶことがお勧めです。
ただし、部屋の中にフェレットが怪我をしそうなものがないか、あるいはフェレットが危険な行動をしないかどうかは、事前によく注意しておきましょう。
消しゴムなどのゴム製のものには特に気を付け、フェレットがカーテンなどを伝って高いところに上らないように気をつけましょう。
また、フェレットは狭いところに潜りこもうとする習性があります。
カーペットの下やクッションの下に潜り込んで、飼い主がそれを知らずにフェレットを踏みつけてしまうという事故が起きる危険もあります。
フェレットをケージから出すときは目を離さないように注意をしておきましょう。
今回のまとめ
フェレットは人になつきやすい動物です。
怯えさせたりストレスを与えることを避け、上手に飼いましょう。
持ちあげるときは、両脇に両手のてのひらを入れるようにして掴みましょう。前脚やうしろ脚、尻尾などを掴むと脱臼や骨折の原因になります。
抱きあげられるくらいになれてきたら、時間をつくっていっしょに遊ぶようにしましょう。