フランス貴族の愛玩犬として、スタンダード・プードルを小型化したことによって生まれたミニチュア・プードル。
可愛らしくて大人気のトイ・プードルよりも少し大きめのサイズです。
今回はそんなミニチュア・プードルの性格と飼い方、しつけのコツについて紹介します。
ミニチュア・プードルとは?
1. ミニチュア・プードルとは
ミニチュア・プードルの原産地は、フランスです。
原種のスタンダード・プードルが元々鴨猟に使われていたことから、フランスでは「chien canard(鴨犬)」が変化した「caniche(カニシュ)」とも呼ばれています。
2.平均体高・平均体重
ミニチュア・プードルの平均体高は、オスメス共に28~35cmです。
平均体重は5kg~8kgの小型犬です。
3. 簡潔な歴史
ミニチュア・プードルの原種はスタンダード・プードルで、カモなどの獲物を回収する鳥猟犬として活躍していました。
非常に古い時代からヨーロッパを中心とした世界各地で見られており、正確な原産地は特定されていませんが、フランスで人気となったため一般的にフランスとされています。
そして16世紀フランスで、上流階級の愛玩犬として小型化されたミディアム・プードル、ミニチュア・プードル、トイ・プードルが生まれました。
4.名前のルーツ
プードルの名前の由来は、ドイツ語の「Pudel」(水中でバチャバチャと音を立てる)からきています。
英語では「Miniature Poodle」と表記します。
5.日本で飼育されている数
日本で飼育されているミニチュア・プードルの飼育数ですが、血統書を発行しているジャパンケネルクラブの2017年の犬種別犬籍登録頭数を調べてみると149頭です。
犬全体の登録数が292,906頭ですから、全ての犬種に占めるミニチュア・プードルの割合は約0.05%です。トイ・プードルやスタンダード・プードルに比べると数は少ないのですが、海外では便利なサイズとして人気の高い犬種です。
6.飼いやすさの目安
ミニチュア・プードルの飼いやすさの目安を紹介します。
社会性・協調性がある | ★★★★☆4 |
健康管理がしやすい | ★★★★☆4 |
初心者向き | ★★★☆☆3 |
噛み癖がつきにくい | ★★★★☆4 |
訓練されるのが好き | ★★★★☆4 |
物覚えがいい | ★★★★☆4 |
ミニチュア・プードルの毛色
毛色は全てのプードルに共通して、ホワイト、ブラック、ブラウン、シルバー、クリーム、アプリコット、レッド、ブルー、グレー、シルバー・ベージュなどがあり、キレイな単色であることが理想とされています。
ペットショップでの購入価格
ミニチュア・プードルは、ペットショップでは取り扱いが少ないため、ブリーダーからの購入になるかと思います。購入価格の相場は18~24万円です。
- 混合ワクチン……16,000円
- 狂犬病予防接種… 3,500円
- 健康診断………… 3,000円
- 畜犬登録………… 3,000円
- 飼育グッズ………30,000円
理解してあげよう!ミニチュア・プードルの性格の3大特徴って?
1. 賢い
ミニチュア・プードルは、とても賢くて飼い主の指示をすぐに理解し予測します。
プードル種は、全ての犬種の中で「ボーダー・コリー」に次いで2位の知能を持っているといわれています。
2.活発
ミニチュア・プードルは、活発で遊び好きな性格です。好奇心旺盛なので、ゲームをしたり一緒にドッグスポーツを楽しめます。
可愛らしい見た目ですが、機敏で運動量の多い犬種です。
3. 明るい
ミニチュア・プードルは、最も明るくて気配りが出来る犬種の1つだといわれています。社交性も高く、他人や他の動物とも仲良く出来ます。大きいプードルに比べると機敏でエネルギッシュです。
性格の違いはあるの?ミニチュア・プードルのオスとメスでの性格の違い
1.オス
ミニチュア・プードルのオスは、メスに比べて活発ですが感情的な傾向があります。一歩間違えると家族のひとりに依存しすぎてしまうので、不安症になりやすい傾向があります。
2.メス
ミニチュア・プードルのメスは、オスに比べて自立して落ち着いていますが、頑固な傾向があります。家族に対しては、平等に忠誠心を示す傾向があります。
どんな人が向いている?ミニチュア・プードルを飼う人に向いている3つのポイントとは
1.コミュニケーションを取れる人
ミニチュア・プードルは、いつも仲間を必要としています。あまり放置されると不安症になりやすいので、室内で飼育する犬種です。愛情をたっぷり注ぎ、コミュニケーションを頻繁に取れる人に向いています。家にいることの多い人におすすめします。
2.落ち着いた人
中には繊細な面を持っているミニチュア・プードルがいるので、飼い主には出来れば落ち着いた性格の人が好ましいでしょう。
しつけなどでうまくいかないことがあっても、イライラせずに対処出来る穏やかな人に向いています。感情的に表面に出るとそれがトラウマになってしまうことがあります。
3. 経済的余裕のある人
ミニチュア・プードルは、定期的なトリミングや体のケアなどに時間をかけられてマメな人に向いています。
遺伝的な疾患も多いとされているので、経済的にも余裕のある人に向いています。
ここがポイント!ミニチュア・プードルのしつけの3つのコツとは?
1.繰り返し
ミニチュア・プードルは、しつけを繰り返し根気よく続けることが大切です。どちらかというと同じようなルーティンに安心する傾向がありますので、逆にあまり変化をつけ過ぎると不安になってしまうこともあります。
2. 社会化
ミニチュア・プードルは、早いうちから外に連れ出したり、見知らぬ人に慣れさせておく社会化を行うことが大切です。十分に社会化されないと、神経質で臆病な性格になります。
3.楽しく
ミニチュア・プードルには、楽しくてポジティブなしつけが向いています。オヤツやおもちゃをご褒美として与えることで、やる気にさせるのも効果的です。
元々訓練性が高くて働き者の犬種ですから、何事にも喜んでチャレンジするはずです。
要注意!飼育する場合に特に注意する3つのこと
1. ストレス
ミニチュア・プードルは、神経質な面を持っていることがあります。家族が大声で言い争ったりするとストレスになって最悪の場合、病気になってしまうこともあるそうです。
子供にぬいぐるみのように扱われたり大声をだされるなどの行動もストレスに感じてしまいますので、子供のいる家庭には比較的おおらかなスタンダード・プードルをおすすめします。
2. グルーミング
ミニチュア・プードルの被毛は巻き毛のシングルコートで、抜け毛が少ないため比較的掃除は簡単でアレルギー持ちの人にも安心です。しかし毛が絡みやすく毛玉になりやすいため、毎日のようにブラッシングが必要です。
さらに毛をキレイに保つためには月に1度のトリミングが不可欠です。
3.運動
ミニチュア・プードルは警戒心から吠えることがよくありますが、活発なので運動が足りていないということも考えられます。
散歩は目安として1日30分~1時間程度は必要ですので、十分に運動が足りているか注意しましょう。
ミニチュア・プードルが気をつける病気
ミニチュア・プードルの飼育の際に、気をつけるべき病気をご紹介します。
1.膝蓋骨脱臼
膝蓋骨(しつがいこつ)とは後ろ足のお皿のことで、遺伝または外部から大きな力が加わることにより、ヒザのお皿がずれてしまう病気です。重度の場合は外科治療が必要になります。
フローリングなど滑りやすい床で怪我しやすいので、そういった点に対策を忘れないようにしましょう。
2.骨折
ミニチュア・プードルは骨折しやすい犬種ですから、あまり高い場所から飛び降りないように注意してください。ソファーに登らせない、抱っこの時の保定をきちんとする、階段の上り下りなどは要注意です。
3. 外耳炎
外耳炎は耳の垂れた犬種でなりやすい病気です。
菌の繁殖などにより、音の通り道である外耳道に炎症が起こり、汚れ・臭いが強い・首をしきりに振る・耳をしきりに掻くなどの症状が見られます。定期的な耳の状態チェックや、シャンプー後は濡れたままにせず、乾燥させるなどの対策をしましょう。
4.クッシング症候群
クッシング症候群は、副腎皮質から分泌されるホルモンの過剰分泌で起こる病気です。多飲、多食、尿の量が増える、脱毛、肥満などの症状が見られます。ホルモンが乱れて糖尿病を併発することもあります。
治療費の目安
参考ですが、各病気の治療費をご紹介しておきます。
動物病院は自由診療なので、治療費は地域や病院によって前後します。近所で実際に犬を飼っている方の口コミを参考にしましょう。
もしあまりにも高額な場合はセカンドオピニオンも検討してください。
膝蓋骨脱臼:10~35万円(片足)
骨折:10万~30万円
外耳炎:平均12,000円/初診
ミニチュア・プードルの平均寿命
ミニチュア・プードルの平均寿命は15年くらいと、比較的長寿な犬種です。
参考までに小型犬の平均寿命ですが、だいたい14歳くらいです。
しかし、あくまでも平均寿命ですので、健康管理をしっかりと行って愛情深く接していけばもっと長く生きることも可能でしょう。
今回紹介した病気や普段の食事(ドッグフード)に気をつけることで、寿命はもっと長くなります。
このページの下のほうで、小型犬にオススメのドッグフードを紹介していますので、気になる方はご確認ください。
人間とミニチュア・プードルの年齢比較表
小型犬 | 人間 | |
---|---|---|
新生児期 | 1ヶ月 | 1歳 |
社会化期 | 3ヶ月 | 5歳 |
6ヶ月 | 9歳 | |
成長期 | 9ヶ月 | 13歳 |
1歳 | 15歳 | |
成犬期 | 2歳 | 24歳 |
4歳 | 32歳 | |
6歳 | 40歳 | |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
シニア期 | 10歳 | 56歳 |
12歳 | 64歳 | |
14歳 | 72歳 | |
16歳 | 80歳 | |
18歳 | 88歳 | |
20歳 | 96歳 |
ミニチュア・プードルの年齢計算式
ミニチュア・プードルは、2歳の時点で人間に換算すると24歳になり、3年目以降は1年に4歳分の歳を取ります。
計算式では下記の形になります。
ペットにする喜び、ミニチュア・プードルを飼う魅力とは
1. オールマイティー
ミニチュア・プードルは、多くの才能に溢れています。家族に愛情深くて従順、機敏で運動能力も高いオールマイティーな犬種だといえます。
大きすぎず小さすぎないサイズも魅力です。
2. オシャレを楽しめる
トリミング代やお手入れが苦にならないのであれば、オシャレを楽しむのにぴったりの犬種です。
可愛らしい「テディベアカット」、気品漂う「マイアミカット」や定番の「ラムクリップ」などトリミングや洋服などで様々な表情が楽しめます。
まとめ
ミニチュア・プードルの原産地はフランスで、体高はオスメス共に28~35cm、平均体重は5kg~8kg。
ミニチュア・プードルの毛色は、ブラック、ホワイト、ブルー、グレー、ブラウン、アプリコット、クリーム、シルバー、シルバー・ベージュ、レッドなどの単色。
ミニチュア・プードルのペットショップでの購入価格は、18~24万円。初期費用は約23~29万円。
ミニチュア・プードルの性格の3大特徴は、賢い、活発、明るい。
ミニチュア・プードルのオスとメスでの性格の違いは、オスは活発で感情的な傾向、メスは自立して落ち着いているが頑固な傾向。
ミニチュア・プードルを飼う人に向いている3つのポイントは、コミュニケーションを取れる人、落ち着いた人、経済的余裕のある人。
ミニチュア・プードルのしつけの3つの重要ポイントは、根気よく、社会化、楽しく。
ミニチュア・プードルの飼育に関しての3つの注意点は、ストレス、グルーミング、運動。
ミニチュア・プードルが気をつける病気は、膝蓋骨脱臼、骨折、外耳炎、クッシング症候群。
ミニチュア・プードルの平均寿命は約15年。
1ミニチュア・プードルを飼う魅力とは、オールマイティー、オシャレを楽しめる。