犬の消化器官の症状の中で下痢と並んでわかりやすい嘔吐。とはいっても、飼い主にとってとても不安になる症状のひとつでもあります。
愛犬の嘔吐のタイミングや症状によってどんな原因があるのか、その治療法などを一緒にチェックしましょう。
項目チェック!犬の嘔吐の4つの代表的な症状
1.1日に何度も嘔吐
苦しそうだったり激しく嘔吐する場合には、急性中毒や尿毒素などの可能性があります。
2.食後すぐに嘔吐
食べたものがほとんど形を変えずに吐き出されます。のどや食道に原因がある可能性があります。
3.食後時間が経ってからの嘔吐
食べたものが少し消化されている状態で嘔吐します。
4.吐きたくても吐けない
吐いても液体しか出てこない状態です。
何が原因・・?犬の嘔吐の9大原因とは
1.食べすぎ
嘔吐の原因で一番多いのが食べすぎです。
2.食中毒
特に梅雨の時期から夏にかけて起こりやすいのが食中毒です。
3.食道や胃腸の病気
嘔吐したものが少し消化されているときは胃よりも先に進んだ小腸のあたりで異常があったために嘔吐しています。もし食べたものがそのまま吐き出されている場合には、胃や食道に異常がある場合があります。
4.嚥下困難
食べ物をうまく飲み込めないときにも嘔吐します。
5.フィラリア
寄生虫のフィラリアによって、食欲不振や嘔吐、血尿などの症状も出てきます。
6.十二指腸潰瘍
十二指腸にできた腫瘍のせいで腸に穴が開き、腸液が体内にもれてしまう病気です。何度も吐き気を催します。
7.胃捻転
急いでえさを食べたりすることで、胃がねじれてしまう病気。食事のすぐあとに激しい運動をしたりすると起こる可能性があり、胃の運動機能がうまく働かずに、嘔吐してしまいます。ボルゾイや「ジャーマン・シェパード」、「ダックスフンド」や「コッカースパニエル」などに起こりやすいといわれています。
8.生理現象としてはく
たとえば、味の濃いものを食べたり、散歩中に草を食べた手しまっときなどに吐くのは正常な現象なので心配要りません。
9.嘔吐しやすい犬種
「フレンチブルドッグ」、「ブルドッグ」、「ボストンテリア」、「シーズー」などの短頭種は嘔吐が多い犬種といわれています。短頭種は呼吸の通り道が狭いので、呼吸器系に問題があることが多いのですが、呼吸器症状が悪化してしまうと胃消化器の障害も多く発生し嘔吐することがあります。
先ずは確認を!犬の嘔吐への対処方法
1.はいたものの色を確認する
嘔吐物が黄色っぽい場合には、空腹や食べすぎなどの消化不良が考えられます。消化された嘔吐物に茶色が混じっているときには古くなった血液の可能性があり、重い病気の時には黒っぽい嘔吐物になります。
2.愛犬の状態を確認する
犬自身がケロッとしている場合には大丈夫ですが、吐いた後にぐったりしているのであれば、病気の可能性があります。
3.絶飲食しても嘔吐が続く場合には病院へ
嘔吐が続く場合には、病気の可能性が疑われます。早く原因を見つけ対処するためにも病院へ連れていきましょう。特に、血便や下痢なども同時に発症している場合には、早急に対応するしましょう。
犬の嘔吐が続く場合にすべき検査方法
1.腹部レントゲン
腸閉塞があったり傍聴していないかをチェックします。
費用は1枚あたり4,000円ほどです。
2.血液検査
腎臓や肝臓の疾患や、中毒症状がないかチェックします。
費用は2,000~3,000円ほどです。
3.糞便検査
腸内の寄生虫が原因かどうか検査します。費用は1,000~1,500円ほどです。
犬の嘔吐が続く場合にすべき2つの治療方法
1.絶食
犬自身が比較的元気なのであれば、12時間絶食させます。嘔吐の回数が減ってきたら、消化のよいもの通常の半分くらいを3~6回に分けて少しずつあげましょう。
2.絶水
絶水をすることで胃粘膜の炎症を抑えることができます。もしも犬が水をほしがる場合には、氷のかけらを与えてあげましょう。
犬の嘔吐への3つの予防のポイント
1.えさを小分けにする
えさを一度に食べてしまうと嘔吐する可能性があるので、空腹を感じさせないようにえさを小分けにして回数を増やしましょう。
2.水もえさも新鮮なものにする
ドライフードの水分率が10%を超えると、カビが生えたりします。
食中毒などの予防に、水は1日に最低1回は変えて、ドックフードは1ヶ月で使い切るようにしましょう。
3.不安要素を取り除く
実は、ストレスや不安感が多くても嘔吐することがあります。愛情をもって接することで、安心感を得ることができますので、こまめにコミュニケーションをとるようにしましょう。
今回のまとめ
嘔吐の症状は1日に何度も吐いたり、食後すぐや吐きたくてもはけない状態など様々あります。
犬の嘔吐の原因は多く、食べ過ぎや食中毒から、ウイルス性の病気、胃腸の病気などがあります。
対処法としてはまず吐いたものをチェックし、様子を見るか病院へ連れていくか判断しましょう。
腹部レントゲンや血液検査、糞便検査などで原因を検査します。
犬の嘔吐の治療は基本的に12時間ほど食べ物や水を与えずに休ませます。
嘔吐を予防するためには、餌を小分けに与えたり、エサや水は新鮮なものを与えるようにしましょう。