腎臓とは、どんな役割をしているか知っていますか。主に、電解質と酸塩基平衡を調節して、尿などの代謝老廃物をこして、排泄するところです。
症状が出にくい所でもあるので、しっかり腎不全について知っておく必要があります。今回は犬の腎不全の症状・原因・検査・治療・予防方法についてお伝えします。
犬の腎不全かどうかの3つのチェック項目
1.症状が急に来る
腎不全の症状は急に現れます。急に症状が進むことも特徴です。犬は完全に食欲を失って、嘔吐し、そして急に無気力になります。また、次の症状もいくつか出てきます。
2.ほとんどあるいは全く排尿しない
腎臓が役割を果たしていないので、おしっこをしたいと感じなくなります。全くトイレに行かなくなったら要注意です。水を良く飲むのにおしっこをしないとなったら腎不全の症状と疑ってください。
3.腎臓の痛みで、背中がアーチ型になる
腎不全は痛みを伴うことがあります。その場合、背中を曲げたようになるので、姿勢が変と感じたら、病院へ行きましょう。
犬の腎不全の3つの代表的症状
1.お腹が痛い
初めはなんとなくお腹が痛い感じの仕草を見せます。いつもより動かなくなるのはこのためです。だんだん歩けなくなるくらいの痛みに変化していきます。
2.吐き気や嘔吐
食べすぎでもなく、心当たりのない嘔吐や吐き気が起こります。水ももどしてしまうので脱水が心配です。
3.体重が減る
食事の量を減らしたわけでもないのに体重が減ることは基本ありません。ですが、体重が減るということは身体からのSOSです。
体重減少くらいの症状の時は痛みも表れていないことがありますので、心当たりのない体重の変化は見逃さないようにしてください。
犬の腎不全の2大原因とは
1.食事が原因
腎臓は、完全にリンを分解することができないので、過剰なリンの摂取や、カルシウムが不足すると、腎結石が出来たり、腎組織の退化を引き起こして、最終的には腎不全になります。
2.何かの疾患が原因
糖尿病、がん、先天性や遺伝性疾患、自己免疫疾患などの他の疾患が腎不全を誘発することがあります。
腎臓機能の75%を失うまでは慢性腎不全の犬は症状がでないので、発見が遅れてしまうことがほとんどです。なので、早期に腎不全を発見することが難しいのです。
ですが、診断を受けてからの適切な治療とケアで悪化を遅くすることができます。
犬の腎不全となった場合の対処方法
1.腎臓は無口な臓器
先程お話した症状が出ることが多いですが、腎臓は症状を出すまでに時間がかかります。なので、実際に症状が出た時には手遅れになりかねない非常にやっかいな病気です。
ですが、犬の身体は正直に反応を起こします。それが体重の変化です。犬の体重を定期的に測っている飼い主さんは少ないと思います。なので、初期の症状を見逃してしまうのです。
2.体重を測ろう
なので、1カ月に1回は体重を測り、何か変化がないかを確認するようにしましょう。ここで大切なのは体重が減っていた時の場合です。
「痩せたのね」としか思わないで、心当たりがあるかをしっかり思い出しましょう。何も思い出せなかったり、心当たりはあるけれど減り方がおかしいと思った時はすぐに病院へ行きましょう。
犬の腎不全の場合にすべき検査方法
1.血液検査
血液検査を必ずするようにしてください。腎臓は症状を出すまでに時間がかかります。なので、早期発見には血液検査がとても重要です。
表に症状が出ていない時でも、血液検査で数値がずれていることで発見に至るケースが結構な確率であります。
病院の先生のよっては検査をしない先生もいますが、こちらからしてもらうまたは、してもらえなかった時はセカンドオピニオンを求めるようにしましょう。
2.尿検査
尿検査でも発見出来ます。犬の腎臓機能が悪化すると、過剰量の窒素、酸、アンモニア、などの老廃物が犬の血液や組織に残されます(尿毒症と呼ばれる状態です)。
腎臓の悪化は、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン、電解質を測定する血液検査でないと分かりません。
慢性腎不全の犬は、高値のBUNとクレアチニン値が出ます。 (正常なBUNとクレアチニンレベルは、それぞれ約10-25 mg/dlと1-2 mg/dlです。)参考にしてみてください。
犬の腎不全の場合にすべき3つの治療方法
1.皮下輸液治療
治療はかかりつけの動物病院で大丈夫です。一般的な治療は皮下輸液療法です。いわゆる点滴のことです。
2.食事
食事に気を遣うことも腎臓病を治療するための重要な方法です。
腎臓の悪化を遅らせて、腎結晶と結石の形成の可能性を減らすことができるので、カルシウムがしっかり入ってリンが少ない食事は、慢性腎不全の犬にとても重要です。
動物病院の先生は、窒素廃棄物を少なくするために、慢性腎不全の犬に低タンパクの食事を指導します。
ですが、犬は低タンパク食品から十分な栄養を得ることができない場合があるので、 低タンパクの食事の代わりに卵、カッテージチーズ、ヨーグルトなどの高品質なタンパク源の食事を指導しています。
3.期間と値段
期間に関しては症状の進み具合にもよりますが、1年、2年と長いスパンで考える必要があります。費用は血液検査で1万円、療法食で1カ月5000円くらいです。
地域や病院によって差があるので一概には言えませんが、目安はこの値段です。長期の治療になるので、めげずに頑張りましょう。
犬の腎不全へ日常からできる予防ポイント
1.お散歩と食事で予防しよう
人間と一緒で、まずは肥満を抑制するためにお散歩をしっかりしましょう。ご飯はリンの量が少なくて、カルシウムがしっかり入っているフードを選ぶようにしましょう。
腎臓に関しては食事で大きく変わってきます。
2.リンに注意しよう
特に「リン」の配合で腎臓への負担が変わってくるので、フードを選ぶ時に成分表を見るようにしてください。今では腎臓サポート用のフードも販売していますので、もし迷ったらこのような表示も参考にしてみるとヒントになります。
今回のまとめ
犬の腎不全かどうかの3つのチェック項目
犬の腎不全の3つの代表的症状
犬の腎不全の2大原因とは
犬の腎不全となった場合への対処方法
犬の腎不の場合にすべき検査方法
犬の腎不全の場合にすべき3つの治療方法
犬の腎不全へ日常からできる予防ポイント