愛らしい表情やしぐさで、近年はペットとしても人気が高くなってきたカワウソ。でも犬や猫と違って、カワウソはもともと水辺の生き物です。
ペットとして飼うなら、カワウソの餌や飼育方法についてしっかりと把握しておく必要があります。
カワウソの紹介
1.カワウソの原産地
日本で多く流通しているコツメカワウソは東南アジアを中心にインド、中国南部の水辺に生息しています。またほかの種類のカワウソはオーストラリア、ニュージーランド、南極を除いた世界中の河川周辺や海上で生息しています。
2.カワウソの平均体長・平均体重
カワウソの平均体長は40~130cmで、尾長が12~65cmです。
平均体重は2.6~5.5kgになります。
3.日本で飼育されている数・歴史
カワウソはかつて、日本固有の種としてニホンカワウソが全国で生息していました。
しかし乱獲などで数が激減。1979年以降は目撃されていません。
※2017年に対馬で見つかった種は、残念ながらユーラシアカワウソの可能性が高そうです。
現在、日本で多く流通しているコツメカワウソは、ワシントン条約で輸入が制限されている為、人間の飼育下で繁殖された個体のみが流通しています。しかし数の少なさから価格は高めです。
4.カワウソの名前の由来
カワウソは漢字で書くと「川獺」「獺」と書きます。
名前の明確なルーツは不明ですが「嘘の皮」という言葉の語源が「カワウソの皮」を指すことからきています。
昔の中国や日本でタヌキ、キツネなどと同様に人間を化かす生き物と考えられていた為、川に住み嘘をつく(人を化かす)生き物としてカワウソと呼ばれるようになったのではないかと思われます。
5.カワウソの平均寿命
カワウソの平均寿命は10~15年。
20年以上生きた個体もあるそうです。
カワウソの3つの種類と特徴
1.コツメカワウソ
爪が小さいのが名前の由来。東南アジアに生息する、カワウソの中で最も小柄な種で昼光性。性格は人懐っこく甘えん坊で活発。
遊びと水浴びが大好きです。野生では10匹以上の群れで生活しています。また絶滅危惧種としてレッドリストに指定されている。
2.オオカワウソ
体長が2メートル弱あり、特に尾は大きく幅が広い。昼行性で活発。野生では10匹あまりの群れで生活する。またよく鳴きます。
魚や甲殻類などの動物食です。集団で小さなワニを襲う場合もある。
3.ユーラシアカワウソ
ヨーロッパカワウソとも呼ばれる。ユーラシア大陸全域と北アフリカに生息している。群れでの集団生活は行わず、単体で行動する。
乱獲による激減で現在、準絶滅危惧種としてレッドリストに指定されている。
カワウソの飼育に適している人の2つの特徴
1.スキンシップが好きな方
人懐っこいカワウソを飼育するなら毎日遊んであげるのが理想なので、ペットとスキンシップを楽しみたいフレンドリーな人が向いています。
2.金銭的に余裕のある方
カワウソは一匹、70万円以上の金額で販売されています。また食べる物が魚類、甲殻類、貝類などペットの餌としては犬や猫より高額になる為、飼育する場合は金銭的に余裕がある家庭が良いと思われます。
カワウソを飼う場合の初期費用と入手方法
1.カワウソの購入価格
カワウソの購入価格ですが、コツメカワウソの場合で一匹70万円以上です。
2.カワウソの入手方法
国内流通量が少なく、ペットショップでも滅多に取り扱われない為、カワウソが飼いたい場合は最寄りのペットショップや専門店に相談してください。
カワウソの飼育に必要な3つのグッズ
カワウソを自宅に迎えるにあたって、飼育設備として何が必要なのか。何をどのように揃えるのかをお伝えします。
1.ケージ
家の中でずっと放し飼い状態にしておくと、思わぬ事故やケガの原因となります。また好奇心旺盛なカワウソは人間が見ていない時、室内を荒らしてしまうこともあります。
家の中で放し飼いをするという場合でも、飼い主不在時におけるトラブル防止の為、広めのケージを用意しておく必要があります。
2.水浴び用の大きな容器
カワウソは毎日水浴びしないとストレスがたまる生き物です。必ず水浴び出来るよう環境を整えておきましょう。
3.トイレ
カワウソはしっかりトイレを覚えます。ペットショップのスタッフと相談し、個体に合ったトイレを用意してあげましょう。
4.おもちゃ
活発なカワウソが毎日しっかりと遊ぶ為、ペット用のおもちゃを用意してあげると良いです。
上記の4点はペットショップ、専門店のスタッフと相談しながらカワウソに必要な大きさ、道具を選択すると良いでしょう。
カワウソの主な5種類と餌と正しい与え方
1.フェレットフード、キャットフード
2.魚類
3.甲殻類
4.貝類
野生のカワウソは魚類を中心とした肉食ですが、飼育されている個体はフェレットフードを主食に魚類、甲殻類、貝類などを副食としてあたえましょう。
個体によって大きさや食べる量が異なります。一般的に個体の体重に対して15%の量と言われていますがペットショップ、専門店、動物病院の先生と相談し、様子を見ながら適量の餌をバランス良くあたえて下さい。
カワウソに多い2種類の病気
1.食欲不振
ストレスなどが原因で食欲不振になることがあります。思わぬ病気の可能性もありますので、すみやかに動物病院で診察を受けさせる必要があります。
2.寄生虫
カワウソは餌としてザリガニなどを食べますが、生きた餌には寄生虫がいる場合があり危険です。一度冷凍するなどして、寄生虫を殺してからあたえましょう。
カワウソの飼育で注意する5つのこと
1.動物病院
カワウソを診察してくれる動物病院は非常に少ないです。いざという時、近くで診察してくれる動物病院があるか確認しておきましょう。
2.住みやすい環境
個体に合った室温や住みやすい環境を心がけてあげましょう。
3.体調管理
体調の変化を把握する為に出来れば毎日、体重を記録しておくと良いでしょう。
4.長期間の旅行
カワウソの飼育はある程度、広い場所が必要ですので旅行で狭いペット用のキャリーに長期間、入れ続けるのはおすすめ出来ません。
またカワウソは一度に大量の糞尿をする場合がありますので極力、長期間キャリーに入れっぱなしという状況は避けることをおすすめします。
5.繁殖が難しい
カワウソは一般的に繁殖が難しいと言われています。繁殖を目指す場合はペットショップのスタッフや専門家の意見をよく聞いて参考にして下さい。
カワウソを飼育する3つの魅力とは
1.癒される
豊かな表情と愛らしいリアクションで癒されます。また幼少期から育てると、とても懐きます。
2.飽きない
活発でよく動くので、見ていて飽きません。
3.よく遊ぶ
カワウソは遊ぶことが大好きなので、飼い主は毎日ふれあいながら楽しく遊ぶことが出来ます。
今回のまとめ
カワウソの平均寿命は10~15年。20年以上生きた個体もある。
カワウソは一匹、70万円以上で販売されている。また餌が比較的、高額になる。
国内流通量が少なく、ペットショップでも滅多に取り扱われない。
迎え入れる前にカワウソを診てくれる動物病院があるか、事前に調べておく必要があります。
ケージ、水浴び用の大きな容器、トイレ、おもちゃなどが必要。
餌はフェレットフードを中心に魚類、甲殻類、貝類などを適量、バランス良くあたえる。
寄生虫が原因で病気になることがあるので、寄生虫を殺した上で餌をあたえる。
とても人懐っこく可愛らしいので癒されます。
ストレスがたまらないように毎日、水浴びをさせる。じゅうぶんに遊ばせることも大事です。