森の中に住み、空を飛ぶ動物といえば何を思い浮かべるでしょうか。モモンガですか。それともムササビですか。思い浮かべるとどちらもよく似た姿で、違いがすぐに分かる人は少ないのではないでしょうか。この2つの動物の違いと見分け方を紹介します。
モモンガの紹介
1.原産地
日本に生息するモモンガには2つの種類がいます。ひとつはニホンモモンガで、本州、四国、九州に生息しています。もうひとつはエゾモモンガで北海道に生息しています。最近ペットとして人気がでているフクロモモンガは、インドネシア、オーストラリア、パプアニューギニアが原産地であり、通常のモモンガとは異なり有袋類に属します。
2.平均体高・平均体重
モモンガの平均体高は15センチメートルから20センチメートルくらいです。平均体重は80グラムから150グラムくらいになります。オスと比べてメスの方が小柄です。
3.歴史・名前のルーツ
平安時代の頃には、モモンガはムササビと区別されておらず「モミ」という名で呼ばれていました。「モミ」とは、ムササビや化け物の意味で使われていた言葉です。江戸時代になると、「モモ」が転じて「摸摸具和(モモングァ)」と呼ばれるようになり。更に変化して「モモンガ」になったと推測されています。空を飛ぶモモンガのことを通常の動物とは違う物と考えられていた時代もあり、本州では妖怪とされていたり、北海道のアイヌ民族は子守の神とされていました。
4.種類と特徴の違い
モモンガの種類として、日本に生息する2種のモモンガとフクロモモンガについて紹介します。ニホンモモンガは背中が灰色や褐色、腹は白い毛で覆われています。眼は非常に大きく、尾が扁平であるという特徴があります。エゾモモンガはニホンモモンガに比べると若干小さめで体長が15センチメートルから18センチメートルくらいです。頬から下腹部に掛けての体毛の毛先が白色です。それ以外の部分の毛色は褐色です。フクロモモンガは胴体よりも長い尾を持っています。毛色は背面がパールグレイ、一部が黒とクリーム色です。またメスは腹部に育児嚢を持っています。
5.平均寿命
モモンガの平均寿命は5年から10年くらいです。飼育下では15年くらい長生きすることもあります。
ムササビの紹介
1.原産地
日本にはホオジロムササビが生息しています。その生息地域は本州、四国、九州の山地や平地の森林です。
2.平均体高・平均体重
ムササビの平均体高は50センチメートルくらい、平均体重は1000グラムから1500グラムくらいになります。日本に生息するネズミ目の在来種としては、最大級の大きさです。
3.歴史・名前のルーツ
ムササビの名前の由来ですが、一説には「ミササビ(身細)」から転じたと言われています。別の説では、「ムジナ」+「トビ」から変化して「ムジタビ」、更に「ムササビ」になったとも言われます。ムササビは日本では古くはから狩猟の対象になっており、縄文時代の遺跡からも出土しています。ムササビの毛皮は保温性に優れているため、防寒具としても重宝されてきました。
4.種類と特徴の違い
ホオジロムササビは日本固有種です。夜行性で地上では採食しないという特徴があります。中国や台湾にはカオジロムササビという亜種が生息しており、毛色は頭が白、胴体が赤茶色であり、目が青いという特徴があります。
5.平均寿命
ムササビの平均寿命は8年から10年くらいです。飼育下では15年近く生きすることもあります。
要チェック!モモンガとムササビの3つの違いとは
1.滑空距離
ムササビは体が大きい分、モモンガよりも長く遠くまで飛ぶことができます。ムササビは約100メートルくらい飛行することができます。モモンガの飛行距離は約30メートルくらいです。
2.生活形態
ムササビとモモンガは、生活形態が異なります。ムササビは単独で生活を行います。また寒い時期でも活動するという特徴があります。モモンガは4頭から5頭くらいが同じ巣穴で生活するという特徴があります。
3.生息場所
ムササビは生息範囲が広く、平地から山地まで分布します。モモンガは山地にしか生息していません。
モモンガとムササビのの見分け方の4大ポイント
1.体の大きさ
ムササビとモモンガは、体の大きさで見分けることができます。ムササビは体長50センチメートルで小さな猫くらいの大きさです。モモンガは20センチメートルくらいで手のひらサイズです。
2.尻尾の形
ムササビとモモンガは、尻尾の形でも見分けることができます。ムササビの尻尾は円錐形をしています。一方モモンガの尻尾はは扁平形をしています。
3.目
ムササビとモモンガは、目の印象が異なります。モモンガの方がムササビよりもモモンガの方が体に対する目の大きさが大きく、つぶら瞳を持っているような印象になります。
4.鳴き声
ムササビとモモンガは鳴き声で区別することもできます。ムササビは「グルルル」と唸るような声で鳴きますが、モモンガは「ズイズイズイ」という声で鳴きます。
モモンガとムササビと違いの分かりにくい動物とは?
モモンガやムササビと似ていて、違いの分かりにくい動物には「ウロコオリス」がいます。ウロコオリスはアフリカ大陸の西部や中部に生息し、モモンガやムササビと同じように、前脚と後脚の間に伸びた皮膚を持ち、飛びます。ウロコオリスはその「オウロコ(尾鱗)」の名前の通り、尾基部の腹面の皮膚が鱗状に重なり合っているという特徴を持っています。
今回のまとめ
モモンガの紹介
ムササビの紹介
要チェック!モモンガとムササビの3つの違いとは
モモンガとムササビのの見分け方の4大ポイント
モモンガとムササビと違いの分かりにくい動物とは?