大きな瞳に愛らしい姿が魅力的なフクロモモンガ。近年ではペットショップで販売されているのをよく見かけますよね。
「可愛い姿に癒されたいから家で飼いたい!」そう思っている方のために、今回はフクロモモンガの飼い方・飼育のコツをご紹介します。
フクロモモンガの紹介
1.フクロモモンガの原産地
オーストラリア北部~南東部、パプアニューギニア、ビスマルク諸島などの温暖な森林や熱帯雨林にかけて生息しています。
2.フクロモモンガの平均体長・平均体重
尻尾の長さを含めずに13~14cm
平均体重は120~180g
フクロモモンガは尻尾がとても長く、尻尾だけで体長と同じ程度の長さがあります。
3.フクロモモンガの名前のルーツ・歴史
古くはムササビと区別されていませんでしたが、平安時代の頃より「毛美(モミ)」と呼ばれるようになりました。その意味は、被毛の美しさに由来しています。
それが転じて「モモ」となり、それに鳴き声の「グゥ」が加わって、「モモングゥ」「モモンガ―」「モモンガ」へと変わりました。
4.フクロモモンガの平均寿命 とは
野生化では5~7年と言われています。また外敵がおらず、飼育下などの快適な環境であれば、10年以上生きるものもいます。
フクロモモンガの3つの種類と特徴
1.有袋類(ゆうたいるい)
フクロモモンガは、他のモモンガとは異なり、カンガルーの仲間です。お腹に育児嚢という袋を持ち、そこで子育てを行います。
2.皮膜
前脚と後ろ脚の間に皮膜があり、これを使って木から木へと滑空することができます。
3.群れでの生活
野生化では樹上生活をしており、10匹以下の群れを作って生活しています。
一夫多妻制で、群れの絆はとても強く、そこで生まれたオスは、成長と共に群れを抜けます。
フクロモモンガの性格の2大特徴
1.臆病でデリケート
一般的に臆病な性格なので、少しの物音でパニックになることもあります。また突然の物音でショック死をしてしまうこともあるため、
飼育する際には静かな環境を心掛けましょう。
2.性別で懐きかたが違う
一般的に、オスの方が抵抗なく飼い主に懐くと言われています。メスは警戒心が強く、個体によっては慣れるまでに何か月もかかりますが、
いったん懐いてしまうと飼い主にべったりと甘えてきます。
フクロモモンガの飼育に適している人の特徴
1.夜型の生活リズムの人
フクロモモンガは夜行性ですので、フクロモモンガの活動時間帯に遊んだり、かまってあげられる人が向いています。
2.忍耐強い人
フクロモモンガは警戒心がとても強く臆病な性格なので、懐くまでに時間がかかります。強引に触ったり、構ったりせずに、向こうが慣れてくるまで辛抱強く待てる性格の人が向いています。
フクロモモンガの慣らし方の3つのポイント
1.いきなり触ったりせず、まずは様子見をすること
慣れるまではいきなり触ると怯えてしまうので、手を出さずに様子見をしましょう。
2.専用のポケットに入れて一緒に過ごす
フクロモモンガを専用のポケットに入れて、その紐を首から下げて一緒に過ごすことで、飼い主のにおいを早く覚えます。
また、ケージの中に飼い主のにおいのするもの(ハンカチなど)を入れておいてもいいでしょう。
3.手ずから餌を与える
少し慣れてきたら、飼い主の手から直接餌やおやつを与えてみましょう。少しずつでもコミュニケーションをとることで、早く飼い主に慣れるようになります。
フクロモモンガを飼う場合の初期費用と方法とは
1.購入できる場所
専門のペットショップや、大型のホームセンターなどで購入が可能です。
2.野生採集
平均で10,000~30,000円程度。
3.繁殖個体
40,000~60,000円。店によって、オスよりもメスの方が若干高い場合もあります。
4.自家繁殖
国内での自家繁殖の場合、15,000~25,000円程度で購入が可能です。
5.フクロモモンガのベビー
生体と比べて10,000~15,000円程度高くなります。
フクロモモンガの飼育に必要な5つのグッズ
1.ケージ
中大型の鳥用ケージや、専用のケージでの飼育がお勧めです。上下にジャンプするので、高さのあるケージを選びましょう。
2.床材
おがくずや牧草の場合は、消臭効果はありますが、掃除がし辛いという難点があります。紙ペレットは衛生面が良く、掃除もしやすいですが、毎回となると費用がかさみます。
新聞紙の場合は、掃除がしやすく経済的ですが、見栄えが他に比べると劣ります。
3.水差し、器
床に置くタイプのものでも、ケージにかけるタイプのものでもどちらでも大丈夫です。
4.止まり木
止まったり、移動する際に捕まれる木を数本用意しましょう。拾ったものだと虫や寄生虫がいる可能性がありますので、必ず市販のものを購入しましょう。
5.寝袋
木製の巣箱タイプや、布の袋など様々ですが、季節に合わせて選んでも良いですし、一つのケージ内に寝袋を複数用意するのも良いでしょう。
フクロモモンガの飼育で特に大変なこととは
1.安心して過ごせる環境づくり
フクロモモンガは神経質なので、騒音や、大きな物音に敏感です。一人暮らしなどで、一部屋しかないような場合には、物音をあまり
立てないように気を遣わなければなりません。
2.夜中の鳴き声、物音
夜行性のため、夜中に鳴き声をあげたり、ケージの中を動き回り物音を立てます。飼い主が寝ている間中活動していますので、それが気になる人には大変かもしれません。
3.怪我や健康チェック
エキゾチックアニマルは、扱っている動物病院が少ないので、飼育の際には病院の場所を必ず把握します。また、飼い主による日々の健康チェックが必要です。
4.冬眠
熱帯域の生き物なので、寒さに弱く、基本的に冬眠はしません。そのため温度管理が重要です。ベビーでは30℃前後、成体で18℃は必ず保ち、それ以下になると体調に異変が出ます。
10℃を下回ると冬眠や、低体温症になり命の危険があります。
5.繁殖
繁殖は難しく、無事に生まれても親の育児放棄や子喰いが多い。育児中の母親はかなり神経質なので、ストレスを与えないよう十分に気をつけなければなりません。
フクロモモンガの主な6種類の餌とその方法
1.専用フード
フクロモモンガ専用のドライフードです。
2.果物
リンゴやブドウ、ミカン、キウイフルーツ、グレープフルーツなどを一口サイズにカットして与えます。
3.ゼリー
専用のゼリーや、小動物用のゼリーでも大丈夫です。
4.野菜
小松菜やニンジン、キャベツ、サツマイモ、トマトなどを小さく切って与えます。
5.たんぱく質
ゆで卵を少量や、ミルワーム、コオロギなどを与えます。
6.その他、サプリメントやおやつ
小動物用のおやつや、専用のサプリメント、ミルクなど、必要に応じて与えます。食事は一日に一回、出来れば18時以降など、活動時間前に用意してあげましょう。
フクロモモンガに多い4種類の病気
1.代謝性骨疾患(くる病・骨軟化症・骨粗しょう症)
カルシウム不足や、ビタミンDの不足、ホルモン異常が主な原因です。不活発になり、麻痺や関節の腫れ、体のゆがみが症状として現れます。
2.自傷行為
飼育環境やストレスが原因で自傷行為をおこします。口以外の全ての体の部分をかじります。無気力や食欲の変化、攻撃的など、普段の行動とは違うことで予測できます。
3.下痢
サルモネラ菌や、大腸菌などの細菌が下痢を起こす主な原因です。また、栄養不足や、環境変化などのストレスも下痢を起こします。
軟らかい便や下痢便、血の混入する便などの症状があり、体重の減少や脱水、原虫の寄生などで成長に影響が出ます。
4.ジアルジア症・トリコモナス症
フクロモモンガは、ジアルジアやトリコモナスなどの原虫が、元々消化管に寄生していることがわかっています。体調不良やストレスなどで異常に増殖したり、腸炎から下痢を
起こす原因になります。虫卵は、排便時に排出されるため感染した個体の便の接触は避けましょう。
フクロモモンガを飼育する魅力とは
1.飼育の苦労を乗り越えた後の強い絆
フクロモモンガを手懐けるのには時間と忍耐が必要です。しかしいったん懐いてくれると、相手は飼い主を生涯の仲間と認め、あなただけにべったりと甘え、互いに強い絆が生まれます。
2.エキゾチックアニマルが家にいる嬉しさ
動物園で展示されているような、珍しい動物が家にいるということは、動物好きの人間にとっては一種のステータスです。
互いに絆を強め合いながら、「自分だけの」可愛いペットと日々を楽しく過ごせます。
今回のまとめ
フクロモモンガの紹介
フクロモモンガの3つの種類と特徴
フクロモモンガの性格の2大特徴
フクロモモンガの飼育に適している人の2つの特徴
フクロモモンガの慣らし方の3つのポイント
フクロモモンガを飼う場合の初期費用と方法とは
フクロモモンガの飼育に必要な5つのグッズ
フクロモモンガの飼育で特に大変な5つのこと
フクロモモンガの主な6種類の餌とその方法
フクロモモンガに多い4種類の病気
1 フクロモモンガを飼育する2つの魅力とは