ヤドカリの飼い方解説!グッズ・給餌・飼育のコツ

意外にもエビなどの仲間でペットとしても売られているヤドカリ。ヤドカリをペットとして飼う場合は何に注意をしたらよいでしょう。

今回はヤドカリと生活していく上で必要な道具・初期費用・給餌方法・飼育のコツについてご紹介します。

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ヤドカリの飼い方解説!グッズ・給餌・飼育のコツ

ヤドカリの紹介

1.原産地・平均体格

ヤドカリの仲間の甲殻類は、時間によって満潮と干潮の変化する潮間帯と呼ばれる場所の水深数百mから深海に至るまでを生息域にしている種類がヤドカリには存在します。また種類によって、波打ち際や岩礁・サンゴ礁など様々な環境に合わせて生活を行うヤドカリも存在します。

ヤドカリは生まれてから何度も脱皮をし変態を繰り返して大きくなる生き物です。

ヤドカリの大きさについてオカヤドカリという種類の場合、市場ではSS.S.M.L.で表されます。

  • SSサイズの具体的な大きさ:全長約1.5cm
  • Sサイズの具体的な大きさ:全長約2.5cm
  • Mサイズの具体的な大きさ:全長約4.0cm
  • Lサイズの具体的な大きさ:全長約5.5cm〜

以上のような大きさで区分されています。基本的に海域や陸地で生息するヤドカリの大きは、上記のようなものがほとんどとなっています。ペットショップで購入する際には、水槽の大きさを決めるためにヤドカリの大きさを知る必要があります。

2.名前のルーツ・歴史

名前のルーツはヤドカリの体の構造によるものとなっており、ヤドカリは貝を装着していない状態では、甲羅で覆われていない腹部を守ることができなくなっています。そのため、海辺や海中に存在する硬い貝殻を装着して身を守っています。その姿から借りた宿に住んでいるという例えからヤドカリという名前が付きました。

ヤドカリ全体の個体数は年々減少傾向にあります。

理由としては、漁業を行う際に誤って捕獲してしまったり、魚を捕らえるための餌としてヤドカリが乱獲されてきたためです。
現在の日本ではオカヤドカリは法律により天然記念物扱いをされているため、ペットとしての捕獲は指定業者のみ許されています。
ただし、小売業者の販売や、一般消費者の購入はとくに問題がありません。

3.日本で飼育されている数

ヤドカリは古くから夏祭りなどの縁日で売られていたり、海水浴に行った砂浜で見つけることも珍しくありません。
また、飼うために必要な道具類も安価なこともあり、気軽に飼うことができる生き物です。

日本で流通しているヤドカリの種類としては、オカヤドカリが挙げられます。
他の種類のヤドカリと違い陸地を生息地としているため水槽などの大掛かりな設備の必要がないということで人気を博しています。

冬の寒い時期になると、爬虫類用のヒーターやライトで暖めてあげることで健康が維持することができるため、ペットショップでのレイアウトがしやすいということで、仕入れている店が多いそうです。

水生のヤドカリも認知度は高く、設備にお金をかけてでも飼おうという方が多いそうです。

4.平均寿命

ヤドカリの寿命は他の一般的な動物に比べ長いということが特徴として挙げられます。

先述した通り、ヤドカリは甲殻類の中でも小さい部類に入るため捕食対象として野生のもとでは長生きすることは難しいとされています。
しかしながら飼育されていたり、うまく野生に溶け込むことができたヤドカリの場合は長生きすることもできます。

飼育下でのヤドカリの寿命は一般的に15-20年とされていますが、最長寿記録としては30年を記録しているヤドカリも存在します。
本来のヤドカリは生命力に溢れた動物といえそうです。

ヤドカリの種類と特徴

1.オカヤドカリ

この種類のヤドカリは陸地を生息地としているヤドカリです。

特徴としては脚部が長く、陸地で生活する上で必要となる水を貝殻の中に貯める能力を持っています。
また貝殻に水をためることにより、腹部の乾燥をさける働きもしています。

オカヤドカリは陸地で生息しているにも関わらず、エラ呼吸も行うことができます。
そのため、水分や餌の配分を考えることで、簡単に飼育できることから日本で人気のヤドカリです。

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2.ホンヤドカリ

ホンヤドカリは日本に多く生息しており、海の中を生息地として生活を行っています。

特徴としては、成体の大きさが10mm程と他のヤドカリに比べ小さいサイズです。また、オスに比べメスのほうが小さいサイズになっています。

鋏足は右側のほうが大きく、表面が細かい粒状で形成されており毛が生えています。

岩礁などでよく見かけられるため、海とは言っても砂浜では見かけることのないヤドカリです。

3.ソメンヤドカリ

イソギンチャクを装備したソメンヤドカリ

イソギンチャクを装備したソメンヤドカリ

この種類は先述したホンヤドカリとは正反対に位置するヤドカリで、特徴としては左側の鋏足が大きく発達しており、最も大きな特徴として挙げられるのがイソギンチャクを装着して生息するヤドカリです。

海の中で生息し、体長も大きいサイズに分類されるヤドカリではありますが天敵が多いため、イソギンチャクと共生関係となり生活を行います。

ヤドカリにとってはタコをはじめとする様々な魚類から体を守るためにイソギンチャクを被り生活しています。イソギンチャクにとっては、岩に張り付いて生活している本来の姿から生活範囲が広がり、餌を豊富に得ることができるというメリットがあるため自らの力でヤドカリに共生しようとする種類も存在します。

ヤドカリの性格の2大特徴

1.大人しい性格

ヤドカリヤドカリは基本的に大人しい性格の種類が多く、天敵などに見つからなければ、攻撃を行わないなど平和主義な一面があります。
この大人しい性格は、生物の中でも比較的弱い立ち位置にいるために臆病であるという性格の裏返しに捉えることもできます。そのため、飼育する際にはヤドカリを刺激しないように生活を行いましょう。

また、性格に反して、行動は活発なことがヤドカリの特徴として挙げられます。

大人しい性格であるとともに、小さなことに気が付きやすいため、貝殻に不具合を感じるなどした場合には、小まめに貝を変えようとする行動が見られます。

2.攻撃性の高い性格

これは主に水生のヤドカリに見られ、天敵が多いことで注意が敏感に働くためとなっています。
先述した通り、臆病であることが前提に来ているため攻撃を仕掛けるということは身を守ろうとしている行動の1つとなっています。

具体的には、貝殻に外敵の体の一部を挟み攻撃を行ったり大きな鋏を持つ種類ですと、それを武器に攻撃を行うなどの行動が見られます。

飼育する際には、攻撃を受けないように細心の注意を払う必要がありますのでお気をつけください。

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どんな人が向いている?飼育に適している人の特徴とは

1. 餌の判別のつく人

ヤドカリは雑食種となっているため、基本的に自然にあるものであればどんなものでも食べることができますが、一般的にはヤドカリの餌と呼ばれるペットフードがあるため、それらを与えることになります。

ただ、ヤドカリにも好みが存在するため、同じものが数日間続くと食べなくなります。

また餌を多くは食べない動物のため、様々な種類の餌を用意するか、果物を細かく切ったものを与えることをオススメします。

そういった意味では、ヤドカリが好む餌の見る目がある人が飼育に適しているといえるでしょう。

2.湿度と温度に気を使える人

ヤドカリは湿度や温度に敏感な生物ですので、季節によってはヒーターを使用して暖かくすることなどが必要となります。また、オカヤドカリの場合は熱帯地域に生息しているため、18度を下回らない温度でかつ約60%以上の湿度を保つことができるように霧吹きで潤してあげる必要があります。

3.水温とともに水の淀み具合を見る人

水生のヤドカリの場合、水槽の水換えが必要です。
そのため、ヤドカリが過ごしやすいような水温をキープできるように調節を行うことでヤドカリが生活をしやすくなります。

また、ヤドカリも生き物ですので水に淀みが出る場合があります。
その場合は当然ですが水換えを行わなければなりません。
2週間に1度くらいのペースで、カルキ抜きをしてある水に入れ替えてあげることをオススメします。水換えの注意として、替える時の水はバケツなどに入れて半日ほど置いておき温度を上げておきましょう。

4.貝を見ることができる人

ヤドカリは貝を住処としていますので、貝を定期的に替えていく必要があります。そのため、大きさに合う貝を用意してあげる必要があります。

また、ヤドカリが貝から抜け出してしまうときはストレスや病気のサインです。水を替えてあげたり砂を替えてあげたり、もちろん貝を替えてあげることをしてあげましょう。

ヤドカリによっては好みの貝に入ることができず、弱って死んでしまうケースもあります。様子を見て、すぐに貝を用意できるようストックとしていくつか用意しておくと安心です。
貝から長い間出ているヤドカリには注意をしましょう。

ヤドカリを飼う場合の初期費用と方法とは

1.初期費用

ヤドカリは先述した通り天然記念物扱いをされている動物ですが、比較的安価で手に入れることができるのが特徴です。

大抵の場合、ヤドカリは3〜5匹セットで売られていることが多く、ペットショップなどで頼めば1匹から買うことができます。

Mサイズのヤドカリ3匹1,000円程度です。そこから1サイズごとに500〜1,000円程度違いがあり、個体の状態によって値段の差が出てきます。

きちんとした飼育環境が用意できたら、ヤドカリ自体は気軽に飼うことができますが、天然記念物であるということも忘れず生活をしましょう。

2.購入方法

手のひらの白いヤドカリヤドカリはペットショップで購入することができます。日本のペットショップで売られているヤドカリの場合、天然記念物であるヤドカリの捕獲を政府などに許可された漁業組合などが、ペットショップに卸しています。

また、日本各地にはヤドカリ専門の販売店が存在します。こういった店舗ならヤドカリの専門家や店員さんの知識が深いため疑問や相談をしやすいというメリットがあります。もし、お近くのヤドカリ専門店があるようならそちらを訪ねてみましょう。

グッズを整えよう!飼育に必要な4つのグッズ

1. 飼育ケース

ヤドカリを飼う場合には、飼育ケースが必要です。その上、飼育ケースにはヤドカリなどの生物ならではの注目すべき注意点があります。

ヤドカリは身軽に動き回ることのできる生物です。
飼育ケースの背丈が低い場合や蓋をしていなければ脱走してしまう恐れがあるので注意が必要です。

蓋付きの水槽を用意してあげることができるのであればベストですが、理想としては40〜60cm規格ほどの水槽に簡単な蓋を用意してください。

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2.ろ過装置

ヤドカリの飼育で水を使う場合には、カルキ抜きをして水温をあたたかめに設定しておく必要があります。また、ヤドカリの生命維持促進のために生物ろ過器を設置しておくと水質悪化を防ぐことができるためオススメです。

水生のヤドカリの場合は強い水流でも、流されることなく耐えることができ体を強くすることにつながります。

3.ヒーター

ヤドカリは一定の温かい水を好みますので、熱帯魚用のヒーターを用意してあげることをオススメします。

熱帯魚用のヒーターを使用することで、ヤドカリの日光浴効果で殺菌作用が見込まれます。ヒーターを使用する時期としては、1日の温度差が激しい秋口から晩冬に掛けて15度以上を維持することを目安に設置しておくことをオススメします。

4.貝殻

ヤドカリが生きていくために必要不可欠な道具が貝殻です。先述した通り、ヤドカリは成長とともに宿となる貝を替えていくため常に貝殻をストックしておく必要があります。

種類や大きさによって変わってしまいますが、基本的にイシダタミサザエクボガイを好むヤドカリが多いため、様々な大きさのものを用意してあげましょう。
また、ヤドカリが入りそうな貝殻を海や磯で見つけて水槽においてあげることも良いとされています。

貝殻を仕入れたら1度、熱湯で茹でて殺菌をして日光に当てて1日おきましょう。その後、水槽に入れてヤドカリの好き嫌いをみてください。

なお観察する場合、ヤドカリはとても長い時間かけて新しい貝を被るため覚悟を持って観察しましょう。

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ここがポイント・・ヤドカリの飼育で特に大変な2つのこと

1.湿度と温度の管理

先述した通り、ヤドカリを飼う上で常に気にしておかなければならないものとして湿度と温度の管理が挙げられます。

ヤドカリは寒い環境に弱い生き物ですので、水槽の水温やケース内の温度が18度以上を目安に設定して、25度くらいの気温を維持できるようヒーターや照明を利用して合わせなければなりません。

湿度に関しては、水生のヤドカリでないオカヤドカリなど陸上で生息するヤドカリは霧吹きを利用して湿度を少し上げてあげることをオススメします。

2.貝殻選び

ヤドカリは貝殻を被って生活を行う生物ですが、生まれてから何度も脱皮を繰り返し大きくなっていくにつれ貝殻を替えていく必要があります。さらに、成長だけでなくヤドカリ自身が不満を持っていると貝殻を替えていく必要が出てきます。

飼っているヤドカリの場合、自然界のように貝殻が有り余っているわけではありませんので、飼い主さんが海やヤドカリ専門店で仕入れてヤドカリに与えて好みかどうかを判断してもらうしか貝殻を替える方法がありません。
そのため、ヤドカリを飼ったら先述したとおり殺菌を施して様々な種類の貝殻を用意してヤドカリが現在着けている貝殻を脱いだら、すぐに与えてあげることをオススメします。

給餌方法とは?ヤドカリの主な3種類の餌とその方法

1.人口餌

ヤドカリの餌としてペットショップで売られている粒状の餌を人口餌といいます。この人口餌は、ヤドカリの種類によって好みが激しく分かれており、主にホンヤドカリの仲間が進んで食べることが多いです。

ただし、人口餌は大抵の甲殻類に適応していますので、ヤドカリの栄養補助食品のような立ち位置で与えることをオススメします。

2.魚介類

ヤドカリが良く食べるものとして挙げられるのが、海苔を始めとする海藻類やシラスなどの小魚があります。できるだけ天然のものが良いですが、用意ができない場合には市販のワカメや昆布を塩抜きして与えることをオススメします。

もともと海に生息している生物ですので、ヤドカリを飼う場合にはできるだけ海にあるものを選んで与えることをオススメします。

水槽内で漂っていても邪魔にならない海藻や魚介類を入れて、5日間ほどで食べることができていない部分を回収することだけで水質悪化を防ぐことができます。

3.野菜や果物類

ヤドカリの中には果物などの陸上にある食べ物を好む種類も存在します。
具体的には、擦りリンゴ(小切りのリンゴでも可)やスライスしたニンジン、おかゆにしたお米など果物・野菜・穀類問わずヤドカリに与えてはいけないものは少ないため、様々な種類の食べ物を少しずつ試していくことをオススメします。

先述したとおり、ヤドカリは飽きっぽい性格の為ヤドカリの好む種類の食べ物をローテーションして与えていくことで、少しずつ食べようとするため根気強く挑んでいくことをオススメします。

要注意!飼育で特に注意する3つのこと

1.温度と湿度

ヤドカリの飼育で注意することとして挙げられることとしては、温度と湿度管理が必須となっています。
先述したとおり、熱帯周辺の地域で生息しているヤドカリの仲間には高温多湿の環境が必要となります。

湿度計と温度計を同時に見ることのできる道具を使用して、こまめに確認を行ってください。
湿度が低くなっている場合には霧吹きなどで湿度を上げて、温度が低くなっている場合にはヒーターの温度を上げて気温を高めてヤドカリの生息しやすい環境づくりをしてあげましょう。

2.冬眠に際して

ヤドカリの仲間は寒い季節になると冬眠を行い体を休ませ、春になってから活動的になります。
そのため、冬眠を上手く越すことができれば何年でも強い体で生き延びることが可能です。

冬眠中には、ヤドカリに触れることはありませんが、ヤドカリの飼育ケースの温度と湿度の管理を怠ってはいけません。また、物音などに気を付けて冬眠中のストレスを排除できるように心がけて人間も生活していかなければなりません。

3.脱皮

ヤドカリの中でもオカヤドカリなど陸上で生息しているヤドカリの場合、砂の中で脱皮をします。そのため、数匹で飼っている場合には、砂の中に潜っているヤドカリがいたら隔離をしていたずらをされないように気を付けましょう。

また、ヤドカリは脱皮した後に自分の脱いだ甲殻をカルシウム分として食べるため、皮だけが外に出ていたとしても捨てずにとっておいてあげましょう。

脱皮した後も、砂の中で体が安定するまで潜っていることがありますので、3週間は潜っているとみて驚かず見守ってあげることをオススメします。

今回のまとめ

今回はヤドカリの飼育についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

ヤドカリは3〜5匹セットで売られていることが多く、ペットショップなどで頼めば1匹から買うことができます。もちろん、海に行って採集することも可能です。

飼育環境を整えるための初期費用も10,000円以内で飼育用の水槽や砂、ヒーターなどが準備できるので、初めて飼うのにもお手頃なペットといえるでしょう。

ヤドカリは甲殻類で、他のペットとは違って人になつく生き物ではありません。

しかし、飼育の仕方次第では15〜20年も長いきするので、犬や猫より長生きする場合もあります。

貝殻から姿を見せる愛嬌のある姿もたまりません。
あなたもこの機会にヤドカリを飼ってみませんか?

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