子供に大人気の昆虫であるクワガタ。その中そのでも、ミヤマクワガタは特に人気が高い種類です。そんなミヤマクワガは、上手く飼育すると大きく育てることも可能なんです。今回はそんなミヤマクワガタの飼育の仕方のコツや注意点をご紹介します。
ミヤマクワガタの紹介
1.ミヤマクワガタとは
ミヤマクワガタは甲虫目・クワガタムシ科に属するクワガタムシの一種です。クワガタムシといってイメージできる代表的な姿をしており、ノコギリクワガタと人気を分けます。体色は濃い茶色をしており、顎の付け根に角のような独特の突起を持つという特徴があります。また、ミヤマクワガタは昼間に活動するという性質があります。
2.原産地・平均体高・平均体重
ミヤマクワガタの原産地は、南西諸島や一部の離島を除く日本全土です。ミヤマクワガタの平均体長はオスの場合で23ミリメートルから大きいものでは80ミリメートルくらいになります。メスの場合は25ミリメートルから50ミリメートルくらいになります。平均体重は10グラムくらいです。
3.名前のルーツ・歴史
ミヤマクワガタは漢字では「深山鍬形」と書きます。ミヤマクワガタは冷涼で湿潤な環境を好み、標高の高い山の中に生息するため「深山(ミヤマ)」の名前が付きました。ミヤマクワガタは昔から日本人に馴染みの深い昆虫で、ノコギリクワガタと共に子供のペットとしても良く飼育されていました。
4.平均寿命
ミヤマクワガタの平均寿命は羽化後の休眠期間と活動期間を合わせて1年くらいです。オスは交尾を行うと寿命を迎えます。そのためメスの方が数ヶ月ほど長生きです。
どんな種類があるの?ミヤマクワガタの主な3つのタイプと特徴
ミヤマクワガタには大顎の形によって3つのタイプに分類することができます。
1.基本型
基本型は第1内歯が第3内歯よりも若干長く、大顎を閉じた時に第1内歯が完全にくっつかないという特徴があります。また大顎先端の二叉は発達は他の2タイプに比べると中間的です。
2.フジ型
フジ型は主に低地に出現するタイプです。大顎先端の二叉はあまり発達しておらず、第1内歯が第3内歯よりも著しく長いという特徴があります。大顎を閉じた時に第1内歯はくっつきますが、先端はくっつきません。
3.エゾ型
エゾ型は標高の高い場所に出現するタイプです。大顎先端の二叉が大きく発達し、第1内歯が第3内歯よりも短いという特徴があります。大顎を閉じた時に先端をくっつけると、第1内歯は大きく離れます。
理解してあげよう!ミヤマクワガタの性格の2大特徴
1.攻撃性が強い
ミヤマクワガタは気性が荒い訳ではありませんが、餌場やメスを巡って争う時には攻撃性が強くなります。そしてミヤマクワガタは力も強いため、他の昆虫とケンカをしても多くの場合は勝つことができます。特にオスの場合は注意が必要で、飼育の際にも興奮している時には不用意に指を近づけたりしないように気を付けましょう。
2.触られるのが嫌い
ミヤマクワガタに限らずなのですがクワガタムシは、体を触られるのを好みません。飼い主が手で掴んだりあまり構い過ぎるとミヤマクワガタにとってストレスになります。
お金の面は?飼う場合の初期費用と方法とは
ミヤマクワガタは昆虫を取り扱っているペットショップで購入することができます。オスの場合は1,000円くらいから購入できます。メスの場合は600円くらいから購入できます。ペアで販売されていることもあり、小型サイズのオスとメスのペアで1,500円くらいです。いずれの場合もサイズが大きくなるほど値段も高くなり、70ミリメートル級サイズのオスになると10,000円ほどの値段で販売されていることもあります。
先ずはグッズを整えよう!飼育に必要な4つのグッズ
1.飼育ケース
まずは飼育ケースを用意します。ただし、産卵させて幼虫から育てる場合と、成虫だけを飼育する場合では必要となる飼育ケースのサイズがことなります。産卵させて幼虫から育てる場合、約40センチメートルくらいのLサイズの飼育ケースを用意します。成虫だけを飼育する場合は、25センチメートルくらいのSサイズの飼育ケースで大丈夫です。
2.黒土マット
幼虫を育てる場合には、飼育ケースの7分目くらいまで黒土マットを敷き詰めます。
3.チップ
成虫だけを飼育する場合には、飼育ケースにチップかおがくずを敷きます。あまり深く敷き詰める必要はなく、厚さ2センチメートルから3センチメートルくらいで大丈夫です。
4.止まり木
ミヤマクワガタの足がかりや隠れ家のために、飼育ケースの中にはとまり木を設置します。
要注意!ミヤマクワガタの飼育で特に大変なこと
1.温度管理
ミヤマクワガタの飼育で特に大変なことは温度管理です。ミヤマクワガタは冷涼で湿潤な環境を好みます。そのため、飼育する際には温度管理を行うようにしてください。特に夏場は注意が必要です。直射日光が当たらず、熱がこもらない部屋で16度から20度くらいの温度を保つようにして飼育してください。
2.幼虫の餌
幼虫を飼育する場合、成長に合わせて餌を変えていく必要があります。最初は産卵時と同じ黒土マットで飼育します。ふ化後、半年を経過した頃から徐々に黒土マットに栄養価の高いきのこマットを混ぜていきます。最初は黒土マット7に対して、きのこマット3の割合です。成長するにつれて徐々にきのこマットの割合を増やしていき、最終的には5:5の割合にします。上手にきのこマットの割合を増やすことで、サイズの大きなミヤマクワガタに育てることができます。ただし、きのこマットは栄養価が高い分、小バエなどが発生しやすいため、飼育環境の維持には注意が必要です。
給餌方法とは?主な2種類の餌とその方法
1.昆虫ゼリー
ミヤマクワガタの餌は市販されている昆虫ゼリーを与えます。昆虫ゼリーには必要な栄養が適切に含まれているので、他の餌を与える必要はありません。餌の量としては、週に2回程度、昆虫ゼリーを交換するペースで与えましょう。特にメスにはタンパク質の含まれた昆虫ゼリーを与えるようにしましょう。メスは産卵前にタンパク質不足になってしまうと、幼虫やオスを食べてしまうこともあるため注意が必要です。
2.果物
熟したバナナやリンゴといった果物も餌として与えると喜んで食べます。最初は1センチメートル程度にカットしたものを数個与えて食べる量を把握するようにしましょう。ただし、果物は腐敗し易いため、頻繁に餌を交換することが必要です。また、できるだけ農薬を使っていない果物を与えた方が安心です。なお、スイカやメロンといった水分の多い果物は、ミヤマクワガタが下痢になってしまうため、餌としては向いていません。
知っておきた健康のこと!ミヤマクワガタに多い2種類の病気
1.衰弱
ミヤマクワガタを飼育していく中で気を付けるべき健康管理が衰弱です。衰弱してしまうと最悪の場合、死んでしまいます。古い餌を放置したり、マットが不潔な状態のまま飼い続けるとダニの発生によって、飼育環境が悪化してしまいます。ダニの繁殖を防ぐにも飼育環境は、衛生的に保つよう心がけましょう。
2.ブヨブヨ病
ブヨブヨ病はミヤマクワガタの幼虫がかかる病気です。ブヨブヨ病に罹った幼虫は、体が半透明になり死んでしまいます。古いマットを使い続けたり、加湿のし過ぎが原因で、飼育環境が悪化することによってこの病気は発生しやすくなります。マットは3ヶ月毎に交換し、飼育環境が悪化しないように気を付けましょう。
飼育する楽しみとは?ミヤマクワガタを飼う魅力とは
ミヤマクワガタを飼育する魅力は、その形です。オスの大きく張り出した大顎と、付け根にある独特の突起を持つ姿は、他のクワガタはもとより、あらゆる昆虫の中でも特にかっこよさを感じさせます。
今回のまとめ
ミヤマクワガタの紹介
どんな種類があるの?ミヤマクワガタの主な3つのタイプと特徴
理解してあげよう!ミヤマクワガタの性格の2大特徴
お金の面は?飼う場合の初期費用と方法とは
先ずはグッズを整えよう!飼育に必要な4つのグッズ
要注意!ミヤマクワガタの飼育で特に大変なこと
給餌方法とは?主な2種類の餌とその方法
知っておきた健康のこと!ミヤマクワガタに多い2種類の病気
飼育する楽しみとは?ミヤマクワガタを飼う魅力とは