ハタゴイソギンチャクは南国の海を彩る名脇役です。可愛く泳ぐ熱帯魚と共にカラフルにユラユラ触手を揺らすハタゴイソギンチャクの姿は欠かせません。そのハタゴイソギンチャクを飼育してみたいと思いませんか。環境さえ整えれば飼育は難しくありません。
ハタゴイソギンチャクの紹介
1.ハタゴイソギンチャクとは
刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イソギンチャク目ハタゴイソギンチャク科に属するいわゆるイソギンチャクの一種です。イソギンチャクの中では世界最大になります。非常に多くの職種を持っています。触手は一種類で1~2センチメートルの長さです。体色は触手と口盤は黄土色や赤褐色をしています。触手の間にカクレクマノミ、ミツボシクロスズメといった魚が共生することで有名です。
2.原産地・平均体高・平均体重
ハタゴイソギンチャクは、亜熱帯以南の西大西洋、インド洋、オーストラリア近海に生息しています。日本では鹿児島県以南に生息しています。ハタゴイソギンチャクの大きさですが、口盤の直径は60センチメートルから80センチメートルくらいになり、中には1メートルに達することもあります。
3.簡潔な歴史・名前のルーツ
ハタゴイソギンチャクはある程度の強い毒を持っているため、警戒すべき対象とされていました。もしハタゴイソギンチャクの触手に刺されてしまった場合には、痛みを生じる場合があるため注意が必要です。ハタゴイソギンチャク
の名前は「旅籠(昔の旅館のこと)」に由来します。カクレクマノミなどがハタゴイソギンチャクと共生する様子が、まるで旅館に泊まっているような様子であることから「旅籠(ハタゴ)」+「イソギンチャク」と名付けられました。
4.平均寿命
ハタゴイソギンチャクの平均寿命については、実はよくわかっていません。一説には100年は生きるとも言われています。上手に飼育すれば、長く飼い続けることが可能です。
種類の違いを解説!ハタゴイソギンチャクの主な3つの種類と特徴
1.ノーマル
ノーマルは触手が黄土色や赤褐色をしているものです。ハタゴイソギンチャクは体内に褐虫藻を共生しているため、不透明で色が付いています。極端に色が薄かったりクリアな色をしている個体は、褐虫藻が抜けておりハタゴイソギンチャクが栄養不足になってしまっている可能性があるため、注意が必要です。
2.パープル
パープルは鮮やかな青紫色をしているものです。水槽のライトアップにより、とてもキレイに映える種類です。
3.イエロー
イエローは薄い黄色またはクリーム色をしています。長く飼い続けている間に、色が濃くなっていくこともあります。
こんな人に向いている!飼育に適している人とは?
1.試行錯誤で飼育を楽しめる人
ハタゴイソギンチャクの飼育については、「これが正解」というセオリーがまだ確立されていません。そのため思いもよらず飼育していたハタゴイソギンチャクが死んでしまうこともあります。ハタゴイソギンチャクを飼育するときには、自ら試行錯誤しながら飼育を楽しめる人が向いていると言えます。
2.こまめに水替えができる
ハタゴイソギンチャクはイソギンチャクの中では比較的環境変化に強い種類です。しかし長生きさせようとおもったら、こまめな水替えにより飼育環境を良好に維持することが必要になってきます。
お金の面は?飼育する場合の初期費用と方法
ハタゴイソギンチャクは熱帯魚を取り扱っているペットショップや通販などで購入できます。価格は色の種類や大きさで変わってきます。小さな5センチメートルくらいのサイズであれば7000円前後から販売されており、20センチメートル以上の大きなサイズだと20000円くらいになります。
グッズを整えよう!飼育に必要な3つのグッズ
1.水槽
水槽はハタゴイソギンチャクのサイズの倍以上の大きさを選びましょう。あまり小さなサイズだと水槽内の海水の酸素が不足しがちになってしまうため、ハタゴイソギンチャクが小さく縮んでしまうことがあります。
2.上部濾過フィルター
水槽には上部濾過フィルターを設置しましょう。上部濾過フィルターで海水をキレイにするのと同時に、水流を起こすことでハタゴイソギンチャクの触手一つ一つに海水を行き渡らせることが出来ます。水流が弱いと、酸素が行き渡らず触手が壊死してしまうことがあります。
3.照明
水槽には照明を設置し、ハタゴイソギンチャクに光を当てるようにします。ハタゴイソギンチャクは体内に褐虫藻を共生しているため、照明を当てて光合成をさせないと栄養不足になってしまいます。
給餌方法の紹介!主な2種類の餌とその方法
1.光合成
ハタゴイソギンチャクは体内に褐虫藻を共生しているため、光を当てれば光合成をして栄養を得ることができます。ただし、光の加減は調整が必要です。光が強すぎると白化してしまいますし、光が弱すぎると十分な光合成が行えません。水槽の上に蛍光灯を設置して光を与える程度が適切です。ハタゴイソギンチャクが元気なときには光合成だけで、他に餌を与える必要はありません。
2.動物性の餌
光合成だけでは栄養が不足しており、ハタゴイソギンチャクの体が縮んで締まっているようなときには、動物性の餌を少量与えます。具体的にはイカや甘エビの刺身を1日1回一片ほど与えます。食べ残しは水質悪化に繋がりますので、取り除いてください。
要注意!ハタゴイソギンチャクに多い3種類の病気とは
1.白色化
ハタゴイソギンチャクは体内に褐虫藻を共生していますが、何らかの原因で褐虫藻が体内から抜けてしまうと白色化してしまいます。褐虫藻はハタゴイソギンチャクに栄養を与えていますので、白色化してしまうと最悪の場合栄養不足で死んでしまいます。白色化を防ぐには、適切な光量を照射する必要があります。あまりに強い光を与え続けたり、逆に全く光を与えないと白色化してしまう要因になります。
2.縮む
ハタゴイソギンチャクは、飼育環境が悪化すると自らの体を守るため、体のサイズが縮んでしまうことがあります。原因としては水質の悪化や光量不足によって褐虫藻が光合成できず、栄養不足になっていることが考えられます。
3.触手の壊死
ハタゴイソギンチャクの触手の隅々まで酸素を行き渡らせるため、水槽の中には適切な水流を発生させる必要があります。もし水流が弱く、それぞれの触手に酸素が行き渡らないと触手が壊死してしまうので、飼育する水槽内に水流を発生させることが必要です。
要チェック!飼育で特に注意すること
ハタゴイソギンチャクを飼育するときに上手く飼育できるかどうかは、健康な個体を選べるかどうかに掛かっていると言っても過言ではありません。一般的には外国産に比べて輸送時間が短い沖縄産の方が元気が良いと言われています。また、体色が極端に薄い個体は避けた方が良いです。
飼育する喜びとは?ハタゴイソギンチャクを飼育する魅力とは
そのまま飼育しても彩り鮮やかで、存在感も大きく見ていて飽きないハタゴイソギンチャクの魅力は他にもあります。実はハタゴイソギンチャクを飼育するもうひとつの魅力は共生にあります。カクレクマノミなどの熱帯魚との共生により、飼育環境はまるで南国の海のような雰囲気になります。一気に癒やしの度合いが深まる空間を持つことができるようになります。
今回のまとめ
ハタゴイソギンチャクの紹介
種類の違いを解説!ハタゴイソギンチャクの主な3つの種類と特徴
こんな人に向いている!飼育に適している人とは?
お金の面は?飼育する場合の初期費用と方法
グッズを整えよう!飼育に必要な3つのグッズ
給餌方法の紹介!主な2種類の餌とその方法
要注意!ハタゴイソギンチャクに多い3種類の病気とは
要チェック!飼育で特に注意すること
飼育する喜びとは?ハタゴイソギンチャクを飼育する魅力とは