ペットロスは亡くなった愛犬も悲しむ


動物を飼っている人はペットロスから逃れることはできません。でも、いつまでも前に進まなかったら、愛犬の残してくれた楽しい思い出も台無しにになってしまいます。
今回はそんなペットロスについてと向き合い方などをご紹介します。



愛犬を最後まで看取る ペットロスは犬も悲しむ

犬は自分よりも必ず先に逝く


犬の平均寿命は

  • 超小型犬 15.01歳
  • 小型犬  14.09歳
  • 中型犬  13.73歳
  • 大型犬  13.73歳

(平成28年 全国犬猫飼育実態調査)
です。
最近は飼育環境がよくなっていますから、これよりも数年は長くなっているのが一般的な感覚でしょう。
しかし、赤ちゃんの時に飼い始めた犬はその子どもが成人する前に逝ってしまうという事実に変わりはありません。

愛犬の最期を看取る


仔犬の姿を見て「いつか必ずこの子は自分より先に逝ってしまうんだ」と涙ぐむ人はあまりいないません。小さくて命の塊のような仔犬の姿からは、死の影をみじんも感じることはできないからです。
でも、仔犬はすぐに自分の子どもの年を追い越し、やがてあなたの年追い越して、必ず先に逝ってしまいます。
ペット飼うということは、その命を全うする瞬間まで面倒を見る、ということです。

ペットロスと向き合う


どんなに尽くしても愛犬の死はやってきます。それが自然の摂理だからです。
逆に愛犬を残して飼い主が死んでしまったら、残された子はどうなるでしょうか?
愛犬を看取ることができるのは幸せなことだともいえます。
しかし、その喪失感は他人に理解できるものではありません。
一緒に過ごしてきた家族の中でも格差があるものです。
ペットロスは起きて当たり前のことです。
でも、そのせいで体調を崩したり、人間関係を悪くしたり、仕事まで辞めてしまって人生を台無しにするようなことがあったら、幸せな時を過ごしたはずのペットが真っ先に悲しみます。
ペットロスは避けて通ることができませんが、必ず立ち直らなくてはいけないものでもあるのです。

1.ペットロス(悲しみ)のプロセスを理解する

悲しみにはプロセスがあります。
自分が今どの段階にいるのか理解することでペットロスから立ち直る手助けになるでしょう。
精神科医・エリザベス・キューブラ・ロスは著作『死ぬ瞬間』_On Death and Dyingの中で「死の受容」のプロセスを5段階に分けています。
本来は自分の死を受け入れていく段階について書かれたものですが、他人またはペットの死にもあてはめることができます。

(拒否

愛犬の死を受け入れることができません。
「あの子は死んでいない、すぐに戻ってくる「獣医さんが勘違いしているのだ」」というように、なにかしらの間違いであるという材料を探しまくってしまう状態です。

(怒り

ペットの死を他人や自分のせいにして、怒りをぶつける対象を探そうとします。
「獣医の手当のせいで死んだ」「もっと家族が協力してくれればこんなことにならなかった」とか、「あの時に自分がもっとこうしてやれば死なずに済んだ」などかくたる理由のない怒りをつのらせてしまいます。

(取引

神頼み状態です。
「あの子を生き返らせてくれるなら命はいらない」など、人智を越えたものにでもすがろうとしている状態です。

(抑うつ

脱力感で全てを投げ出してしまう状態です。
何に対しても興味がなくなり、自分から行動することがおっくうになります。
いわゆる「うつ」状態です。

(受容

ペットの死を受け入れて、うつから抜け出していく状態です。

この状態が順番通りに現れるわけではありません。
入れ替わったり前後したり、再発することもあるでしょう。
しかし、自分が今、どの状態に置かれているか知ることで、冷静に周りを見るきっかけになるのではないでしょうか。

2.ペットロスは病気です

ペットロスは「ペットロス症候群」と呼ばれる病気です。重症のうつ状態に陥ってしまったら医師の治療を受けなくてはいけないこともあります。
またペットロスから立ち直るには周りの理解が必要です。
たかが犬だから」などという言葉は励ましになりません。「私も経験がある」といっても初期段階では受け入れてくれないでしょう。「変わりの犬を飼えばいい」は御法度です。
周囲ができることは一緒の悲しむことです。
悲しみを受け入れていくプロセスを見せることで、悲しいのは自分だけではない、ペットロスになっているのは自分だけではないことに気づいてくれます。

ペットロスから立ち直るには

ペットロスから立ち直るにために、一番大事なことは「覚悟」です。
繰り返しになりますが「犬は人より必ず先に逝く」ことを、前もって心に刻んでおくこと。
そして「犬に頼りすぎないこと」も大切です。
ペットに対して「この子だけが自分のことをわかってくれる」と思い込むのは間違っています。
それは逆です。
「その子のことを一番わかっている」のが飼い主です。
ペットは飼い主を頼って生きています、飼い主がペットに頼ってはいけません。
犬が自分に残してくれたものを思い出してください。
それは悲しみでしょうか。違うはずです。
悲しみの前に比べものにならないほどの楽しい思い出があるはずです。
犬が飼い主に与えてくれるのは「安らぎ」と「愛情」そして「健康」です。
楽しい思い出を悲しみに埋もれさせて消してしまっては、逝ってしまった愛犬が可哀想です。
ペットが残してくれた健康な体を使って、たくさんの安らぎと愛情を周囲に与えてください。
動物好きの人には元々その力が備わっているものです。
近年では、ペットのお骨をペンダントやプレートに加工して手元供養することができるサービスもありますし、海洋葬や樹木葬などの方法で供養することもできます。
またお骨がない場合も、最近ではペットの写真を元にフィギュアを作成するようなサービスもあります。
写真とはまた違った思い出になりそうです。



まとめ

ペットロスと向き合い、立ち直るのは愛犬の最後にあたって飼い主が果さなくてはいけない最後の役割です。
愛犬の死はたしかに耐えがたいものです。「経験のない人にはわからない」といってなぐさめてくれる人がいますが、自分の愛犬を失った悲しみはそ、の人にしかわかりません
でも、いつまでも落ち込んだままでは、逝ってしまったペットにとっても可哀想です。
亡くなった愛犬のためにも、ペットロスと向き合い、そして乗り越えてください。
きっとあなたなら大丈夫です。

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