愛犬がペットシーツにしたおしっこが赤いなんて驚いた経験はないでしょうか。犬のおしっこのトラブル「血尿」には様々な原因があります。
可愛い愛犬の血尿に慌てず、冷静に対処できるよう今回は血尿の原因や症状、治療方法などについてご紹介いたします。
犬の血尿の2つの症状!チェック項目とは
1.おしっこの色が赤い
血尿とは「尿の中に赤血球が混入している尿」のことを言います。普段の黄色やオレンジ色っぽい尿とは違い、赤い尿や、濃いオレンジ色の尿が出たら要注意です。
このときチェックすべき点は、どのくらい赤いのか、どのくらいの頻度で血尿をしているのかです。
2.排尿痛
血尿が出ている多くの場合、排尿痛が伴うことが多いです。排尿する際にキャンと鳴いたり、排尿してもずっとかがんでいることはありませんか。
犬の血尿の3大原因とは
1.尿道結石
腎臓や膀胱で作られた結石が、尿道に詰まってしまう病気です。排尿時の排尿痛や血尿、重症では尿路の閉塞などの症状があります。
原因は、マグネシウムやカルシウム、リン酸などを過剰に食餌などから過剰に摂取してしまったり、水分摂取量の減少などが考えられます。
雄犬に多く雌犬におこることはごく稀です。
2.膀胱炎・腎炎
膀胱炎は膀胱に何らかの原因で最近が侵入し、膀胱で炎症を起こしてしまう病気です。膀胱炎では血尿や、頻尿、陰部を繰り返し舐めるなどの症状が見られます。進行すると排尿痛も伴います。
また膀胱炎の時の尿は血尿に加え、独特の悪臭尿、濁った尿と特徴的です。雄犬よりも雌犬に多くみられます。
3.中毒症状
やまねぎや、チョコレート、殺虫剤などを誤飲、誤食してしまった際に起こるのが中毒症状です。中毒症状では、血尿をはじめ嘔吐や下痢、痙攣、口から泡を吹く、元気喪失などがみられます。
上に挙げた他にも熱中症の重症での血尿や、ウイルス感染症からくる血尿など原因は様々あります。
犬の血尿への対処方法
1.犬の様子を観察する
まず犬の様子を観察しましょう。
血尿はどんな色ですか、どのくらいの量ですか、血尿の回数はわかりますか、元気はありますか、お腹を痛そうにしていますか、他に気になる症状はありませんか、など犬をよく観察してあげましょう。
もし可能ならば尿を何か容器に入れて取っておきましょう。
2.動物病院を受診する
血尿をしたら自己判断は控え、動物病院を受診しましょう。
血尿には前述した通り色々な原因があります。尿道結石での尿路閉塞は腎臓に悪影響を及ぼし、膀胱の破裂を招く恐れもあります。
犬の血尿が続く場合にすべき3つの検査方法
血尿が続く場合の検査は、どの動物も大きく変わりありません。
1.尿検査
血尿の原因を探るために尿検査を行います。費用は一般的に1000円~2000円程です。尿のPH、潜血、顕微鏡を使用して結石・結晶の有無を調べます。
2.エコー検査
エコーにより膀胱などの観察を行います。費用は一般的に3000円~5000円程です。エコー検査により炎症の有無、結石、結石になる前の砂状の結晶がどれくらいあるのかを調べることができます。
3.血液検査
血液検査では、一般的な血球の検査に加え、炎症の数値、腎臓などの数値を確認します。犬の状態により検査項目は変わりますが、費用は一般的に10000円~と考えておきましょう。
犬の血尿が続く場合にすべき3つの治療方法
血尿の原因に沿って代表的な治療方法をご紹介します。
1.尿道結石の治療方法
軽度の小さな結石が尿道に詰まった場合はカテーテルを用いて膀胱へと押し出して閉塞を解除します。このままでは石がお腹の中に残ったままなので、根治治療では手術で取り除くことになります。
その他に併せて結石を再度作らないように療法食などが処方されます。腎臓に影響が出てしまっている場合は輸液療法なども併せて行います。
2.膀胱炎・腎炎の治療方法
膀胱炎の原因の多くは細菌感染によるもののため、最低2週間は抗生物質を投与します。尿検査の結果が正常になったことを確認してから抗生物質の治療を終了します。
膀胱炎が慢性経過をたどっている場合、難治性となることがあり治療に時間がかかるものもあります。
3.中毒症状の治療方法
誤飲誤食してすぐの場合はすぐに吐き出す処置を行います。既に症状が出ている場合は、吐き気や、下痢を止める内科的な治療に加え、貧血の治療を行います。
貧血の程度により点滴による治療から、輸血を行うまで様々です。重症の時は回復するまで1~2か月かかることもあります。
犬の血尿へ日常からできる3つの予防ポイント
1.よく水分を与える
膀胱炎や尿道結石の予防のために水分をよく与えることが良いとされています。こまめに、きれいな水を与えましょう。
ミネラルウォーターはミネラル分を過剰に摂取させてしまう恐れがあるためあまりオススメできません。
2.排泄を我慢させない
排泄を我慢すると尿が濃縮されてしまったり、膀胱炎の原因になることがあります。排泄を我慢させないようにしましょう。
3.適度な食餌量、人間の食べ物を安易に与えない
誤って中毒症状を起こさないためにも、食餌のバランスを崩す事で尿道結石を作らないためにも安易に人の食べているものを与えるのはやめましょう。
ちょっとしたことを意識するだけで血尿が起こるリスクを下げることができます。可愛い愛犬には健康で長生きしてほしいですね。
今回のまとめ
犬の血尿の2つの症状!チェック項目とは
犬の血尿の3大原因とは
犬の血尿への2つの対処方法
犬の血尿が続く場合にすべき3つの検査方法
犬の血尿が続く場合にすべき3つの治療方法
犬の血尿へ日常からできる3つの予防ポイント