言葉を話さない犬にとって、犬の便は大事な健康のパロメーターになります。特に血便は体の中の出血を意味するので、一刻も早く出血の原因をつきとめて、犬の健康を取り戻したいですよね?
今回はそんな犬の血便の症状・原因・治療方法をお伝えします。
犬の血便の3つの代表的症状
1.便の周りに赤い血がついている
血便と一番はっきりわかるのが、この便の周りに赤い血がついている状態です。
この血便の場合、出血の場所としては大腸の後半から肛門までの間が予想されます。
このタイプの血便は、出血がひどい場合「貧血」になる可能性もあります。
2.便の中に血が混ざっている
便の中に血が混じっている場合は、小腸から大腸前半部分での出血が考えられます。
3.黒い血便
どす黒く、ねばねばした血がついていることがある黒い血便は、早急に病院へ連れていく必要があります。
小腸よりも前の口腔や食道や胃で出血し、消化酵素の影響で変色しているために黒く見えている状態だからです。
出血の場所的に危険度が高いため、はやめに病院へ行きましょう。
犬の血便の8大原因とは
血便の原因を大きく8つに分けて紹介します。
ただし、紹介する内容をみて緊急性がないだろうと自己判断せずに、必ず病院に連れて行ってあげましょう。
1.下痢や便秘
下痢のため便で肛門が擦れ出血したときにも、血便になります。
また、便秘などによる固すぎる便も肛門を傷つけます。
便の周りに血がついているタイプの原因の可能性の一つです。
2.肛門嚢の炎症・[ruby 肛門狭窄 こうもんきょうさく]・[ruby 会陰 えいん]ヘルニア・直腸脱など
肛門嚢の炎症や肛門狭窄、会陰ヘルニア、直腸脱などは、肛門周辺の病気です。
会陰ヘルニアはメスの老犬に多いといわれています。
肛門狭窄は便秘などにより血便を繰り返した後に起こるので、気を付けましょう。
こちらも便の周りに血がついているタイプの原因の可能性の一つです。
3.大腸ガン、過敏性大腸炎など
大腸ガンや過敏性大腸炎も、大腸の後半部分が病気になり血便を起こしてしまうものです。
これも便の周りに血がついているタイプの原因の一つですが、この場合はすぐに病院についれていく必要があります。
他の症状としては、下血や排便がしづらいなどがみれれます。初期であれば完治は難しくありません。
4.突発性大腸炎
突発性大腸炎は、食べ過ぎ、アレルギー、精神的ストレスや寄生虫などが原因で発症してしまう事があります。
この病気の他の症状としては、血便の他に下痢や嘔吐などがみられます。
5.出血性胃腸炎
ウイルス性や細菌、寄生虫などの原因で起こる胃腸炎のなかで、出血性胃腸炎の場合には下痢に血が混じっていることがあります。
症状が進むと貧血からくるショック状態になる場合もあります、早めに病院に連れて行ってください。
6.中毒
初めて犬を飼った人が血便を起こしてしまう原因として多いのが、「ネギ中毒」です。
ネギには犬にとっての有毒成分が含まれているため、摂取してしまうと「中毒」を起こしてしまいます。
ネギそのものを食べた場合はもちろん、ネギが入っていた汁物や好きな焼きなどで肉だけをあげたとしても中毒を起こしてしまいます。
ネギ中毒の症状としては、嘔吐や下痢、場合によっては呼吸困難などになってしまいます。
そうなる前に、ネギを食べたら速やかに病院に連れていきましょう。
7.誤飲
飲み込んでしまった異物が町内を傷つけて出血し、血便となって症状が現れることがあります。
早めに病院に連れていきレントゲンなどで原因の特定を急いでください。
8.パルボウイルス感染症
パルボウイルス感染症は致死量が高く獣医師が最も嫌う病気の一つです。
7~14日の潜伏期間があり、初期症状に吐き気、その後に下痢、発症後5日ごろから血便に代わり、7日以内に死亡するという怖い病気です。
悪臭のあるトマトジュースのような血便と、激しい嘔吐場ある場合には、パルボウイルスの可能性が考えられます。
大至急病院に連れていってください。
犬の血便への対処と手順
1.どんな血便なのかチェックする
血便が出た場合、便についている血がどんな色をしているのか、周りについているのかなどチェックをしましょう。
また、普段と違った様子がなかったか思い出してメモっておいてください。
前日の様子はどうだったか?食事は何を食べたか?量は?どこにいったか?などなど。
いざ病院で先生を前にすると思い出せなくなるものです。メモは必須です。
2.血便をビニールに入れて採便する
少しでいいので便を採取して病院へもっていくことで、原因を突き止めることができることもあります。
色が違うだけで治療場所も変わってくるものです。
口頭の説明では判別が難しいので、原因究明のために絶対に便を持っていってください。
3.便をもって病院へ行く
飼い主にできることは、原因を検査してもらうために便をもって動物病院へ行くことしかありません。
血便がでたら早めに連れて行ってあげてください。
犬の血便が続く場合にすべき検査方法
1.検便検査
便の中に血便の原因となる「寄生虫」がいないかどうかなどをチェックします。
費用は500~2000円です。
2.レントゲン検査
レントゲン検査では、胃の中や蝶の中に粘膜を傷つけるような異物がないか見ることができます。
費用は1枚4000円ほどです。
3.抗体価検査
抗体価検査では、「パルポウイルス」がいないかどうかチェックします。
費用は4000~6000円ほどです。
犬の血便が続く場合にすべき治療方法
1.整腸剤
下痢が原因の血便の場合には、下痢を治すことから始まります。
犬の腸内環境を整えるための整腸剤が処方されます。
2.抗生物質の投与
抗生物質を投与することで細菌感染などを防ぎます。
3.根本的治療
血便を起こした原因となる病気を治療します。
犬の血便への4つの予防ポイント
1.食べ物を小分けにする
便の量が多すぎると肛門を傷つけ、血便になる事があります。
犬は本能的に食べ物を与えると与えた分だけ食べてしまいます。小分けにして回数を増やすことで便の量を調節できます。
2.排泄物をチェックする
普段と違って見えたときには病院に連れていくなど、早めに対処することで病気の早期発見につながります。
排泄物は体の状態を知る大切なパロメーターです。
便の色や、臭い、質、回数など観察しましょう。
3.ストレスを溜めさせない
ペットホテルに預けた後に血便になる犬もいます。
ストレスはいろいろな病気の原因にもなるので、リラックスできる環境づくりを目指しましょう。
4.適度な運動をする
犬に適度な運動をさせると、体中にリンパがいきわたります。実はこのリンパは、重要な防御システムの1つ。
体の中でボディーガード的役割をする白血球を全身に送るためのもの。適度な運動で、リンパ系を強くすることができ、病気の予防につながります。
5.素材がしっかりした食事を与える
あなたの愛犬が食べているドッグフードは大丈夫ですか?
血便の直接の原因がドッグフードとまではいいませんが、安いドッグフードの場合、人工の「着色料」や「防腐剤」など、危険な「添加物」や「あまり良くない肉」を使って作られています。
またカサ増しのために普段は犬の栄養にならない「穀類」や「ピートパルプ」などの本来は食べ物ですらないものまで、混ぜ込んであるドッグフードがあります。
人間でも人工の添加物が原因で病気になるのに、愛犬がこういったものを食べ続けるとどうなるかは、想像できますよね?
犬の健康のためにも「添加物」「アレルゲン」「食物繊維」「脂質の量」などには注意したいものです。
今回のまとめ
犬の血便の代表的な症状は、便の周りに血がついている場合と、便の中に血が混ざっている場合、そして黒い月便の3つがあげられます。
犬が血便になるのは、下痢や便秘、肛門周辺の病気や、中毒、誤飲など様々な原因があります。
犬が血便をしたら、慌てずに便をチェックし採便して病院へ連れていきましょう。
血便の検査は、検便検査やレントゲン検査などを行います。
血便の場合には、整腸剤や抗生物質の投与などを行い、根本的な病気の治療も同時で行います。
血便を予防するのであれば、排泄物を舞に一ちぇくし、適度な運動やストレスを溜めない環境づくりをおこなってあげましょう。