犬のお世話をしている中で餌を食べないという壁にぶつかることがあると思われます。餌を食べないケースも状況や環境によって幾つかの理由が考えられます。
今回は、犬が餌を食べない時に考えられる原因・病気と有効な対処法についてご紹介させて頂きます。
犬が餌を食べない4大原因
1. 体調が優れない時
犬が餌を食べない時に考えられる原因の一つに、犬自身の体調が悪い時が挙げられます。犬が餌を食べなくなった場合には、体調不良を考え嘔吐や下痢などの消火活動に問題がないかを観察しましょう。
人間同様、風邪などの感染症にかかるリスクがあり、かかった場合には全体的に元気がないなどの小さな異常が見られます。
それに伴い、餌を食べる元気を失い拒絶するような行動に出ることがあるため、無理やりにでもいいので水分補給をさせ動物病院に連れて行ってあげましょう。
2. 餌の質の問題
犬の餌として重宝されているドッグフードですが、人間が食べる物同様、時間が経つにつれ品質劣化が起こっていきます。
主に封を一度開けると酸素が入り込み酸化を起こして、味や匂いに影響をもたらします。
犬の嗅覚はご存知の通り、人間では気付かない臭いの違いを嗅ぎ分けることができるため、酸化をして少しだけでも悪くなっている餌を目の前にすると避けるように食べようとしなくなります。
ドッグフードにも消費期限があり、これを過ぎると酸化がより激しく起こるため犬自信が危険信号を出し、食べようとしなくなります。
それを飼い主さんが無理矢理食べさせ嫌々ながら食べた際、そこから病気にかかることもあります。
犬猫の消化器官系の病気はとても厄介なもので、悪いものを取り込む可能性の最も高いペットフードの質の管理には常に注意を怠ることのないよう心掛けましょう。
3. しつけの問題
犬のしつけは、基本的に他の動物と比べとても簡単にできるものです。しかし、犬にも個々の性格や願望がありますのでしつけがやりづらいこともあります。
犬のしつけでの難関に当たるものとして、食事と睡眠とトイレが挙げられます。
犬の睡眠のしつけの場合、夜鳴きが存在しますのでこれは早いうちから去勢・避妊手術を施していればそのような縄張り行動を起こすことがなくなりますので、モラルなども考え、去勢・避妊手術をワクチンなどと一緒に考えておきましょう。
トイレに関しては、失敗したらその場で叱りトイレの場所をきちんと把握させるように繰り返し教え込んでいきましょう。
食事のしつけに関しては、用量や回数を整えていき食事前には待つことなどを覚えさせてあげましょう。
餌のしつけで問題として挙げられることとしては、きつく叱りつけて不機嫌な態度を常に取ってしまうと犬は食事をすると飼い主が不機嫌になると判断します。
そこで叱ってもすぐに笑顔で優しく態度を改めることで、しつけでの餌を食べないという問題を改善することが見込まれます。
4. 飼い主さんの意識の問題
愛犬の餌の管理はとても難しいものとなっています。興味本位で、人間の食べ物を与えてしまい甘やかしてしまうと犬は味を占めてしまい自分の素朴な餌を食べようとしなくなります。
また、間食に餌を与えてしまうと主食が満腹になってしまい食べなくなることがあります。
これらを行ってしまうと、犬は糖尿病や高血圧などの病気を引き起こしてしまい愛犬を虐待していると判断されることがありますので、絶対に行わないようにしましょう。
間食を抜き、余程の時は食事自体を1食抜いて様子を見てきちんと量を食べることを見て、最初に決めた量と回数に戻して1日のサイクルとして餌を与えていきましょう。
餌を食べない状況へ!病気以外の3つの対処法
1. 餌が合わない場合
犬に個性があると同時に、餌への好みも存在します。
犬への餌は基本的に市販のドッグフードを使用しますが、会社や種類毎で様々な味や栄養素がありそれぞれで犬の好みが出てくることがあります。
餌が合わず食べないという状況は、飼い始めた時に起こるため最初のうちは多種多様なドッグフードを用意して、1食毎に変えて多く素直に食べた餌をリサーチして、その後からは犬の好みにあった餌を与えていきましょう。
栄養状態の良し悪しに関しては、ペットショップや獣医師に相談することをオススメします。
2. 餌に飽きた場合
犬が餌を食べなくなる理由の一つとして、同じ餌を与え続けることで飽きが生じるあります。
ドッグフードの消費期限は平均して1ヶ月ほどとなっているため、その犬が気に入った餌を2?3種類ほどキープしておき、月交代で与えると犬も飽きがなく好みの味を食べることができるのでオススメとなっています。
栄養バランスを考えて、比較的近い栄養素の配合されているドッグフードで揃えてあげると、極端な体調変化が起こりづらいとされています。
3. 食器や場所が気に入らない
これが原因の場合、ドッグフードを変えても犬は食べようとしないため飼い主さんが気付きにくい原因となっています。
犬は縄張り意識が強い生き物でもありますので、一度慣れた道具を手放すことを嫌がります。
飼い主さんの思いやりで新たな食器を与えても、例え大好物であっても警戒心が強く出てしまい容器を嫌がることがあります。
このような場合には、子犬の頃から使用している容器を大きめに設定しておき大切に使用するほかありません。
餌を食べない状況とセットで現れる病気のサイン
1.よだれ
口の中に異常がある際に、餌を食べないという行動を起こすことがあります。それと同時に、口の中の異常を治すためによだれをいつも以上に出します。
この場合には、口の中を飼い主さんが開けて歯磨きなどの口内清掃を行ってあげることをオススメします。
2.下痢・嘔吐
腸などの消化器官が悪くなった時に、出てくる糞が下痢状のものになっていきます。また、胃の調子が優れない時には食べたものを嘔吐してしまうことがあります。
餌を食べることを犬が躊躇した際には、嘔吐物や下痢状の糞が出ていないかを観察して体調をチェックすることをオススメします。
犬が餌を食べないことが続く場合に考えられる3つの病気
1.胃拡張
この病気は、餌の与えすぎることが原因として挙げられます。その名の通り、食べ物が胃に入りすぎて限界まで広がってしまう病気となっています。
犬自身も与えられた分だけ丁寧に食べることが多いため、例え満腹であっても限界を超えているにもかかわらず食べてしまうことで引き起こされる病気となっています。
胃拡張に気づかず散歩や激しい運動を行っていると、胃が避けてしまう恐れがあるためお腹が大きい状態の時は休ませてあげることをオススメします。
治療法としては、消化が確認できるまで絶食をすることで胃を正常な大きさまで戻していきます。
2.腎不全
この病気は、腎臓が損傷を起こし腎臓の正常な働きを失ってしまう病気となっています。
腎臓の機能が失われてしまうと、摂取した水分から老廃物を濃し出すことができなくなってしまいお腹に水が溜まった状態となってしまいます。
この状態が長く続いてしまうと、その他の臓器の働きへ影響が出てしまい最悪の場合、死に至る病気となっています。
この病気の症状としては、食欲不振と尿の色に異常がみられることが挙げられます。尿の色が普段より濃かったり、尿の量や回数が極端に少ない時には腎不全が疑われます。
3.フィラリア症
この病気は、寄生虫の一種であるフィラリアが心臓に住み着くことで食欲不振や尿の異常、四肢のむくみが現れるものとなっており最悪の場合死に至ることがあります。
サインとしては、餌を食べなくなり四肢がむくみ腹に水が溜まってしまい体全体に異常をきたしてしまいます。
また、元気が極端に無くなり本来好きなはずの散歩を嫌がるようになってしまいます。
治療法には、最終手段として外科手術を行うことがありますので定期的に獣医さんの元へ検査をしてもらいに行くことをオススメします。
気になる場合にすべき4つの検査方法
1.レントゲン撮影
犬が餌を食べない場合の原因の一つとして、胃が荒れているか胃が膨張をしているなどが挙げられます。
レントゲン撮影では、食道から胃腸にかけての撮影を行うことが多く、理由としては、食道に異物が詰まっていないかや腸閉塞を起こしていないかなどを同時に調べることができるためとなっています。
これにより、胃を始めとする消化器官に異常がありましたら獣医からの適切な指示として、絶食や手術での治療を行うなどの判断が下されますので、よく説明を聞いておくことをオススメします。
2.血液検査
この検査は、腎不全を起こしていると考えられた際に行われます。血液検査では、腎臓が処理しきれなかった場合に血液内に出てくる尿素の量を測ることが出来ます。
また、白血球やヘモグロビンなどの量を測定する成分検査で遺伝子的な病気が見つかることもあるため、犬も人間同様定期的に血液検査を受けさせてあげることをオススメします。
3.尿検査
この検査は、自宅で行うことができる数少ないものとなっており主にフィラリア症や腎不全を患っていると考えられた時に行います。犬が尿を出したときに、少量で良いので採取をし観察を行います。
このときに、尿の色が以上に濃いなどがあればその時点で腎不全や膀胱炎などの病気が潜んでいる可能性があります。
また、採取した尿にわずかな量でも確認できるほどの血液のような異物を見つけた場合には、フィラリア症を患っている可能性があります。
尿検査の場合は、自宅で異常を見つけ次第早急に動物病院にて血液検査などの精密検査を行うことをオススメします。
4.便検査
この検査は、犬の糞の具合で病気を判断することが出来ます。便検査も前項の尿検査同様歩い程度までは飼い主さんが、自分で判断を付けやすい検査方法となっています。
消化器官が上手く働いていない場合、食べたものがそのまま出てきたり下痢状の糞が確認したら、感染症や消化器官系の病気が疑われます。
病院で検査を行う場合には、尿検査同様より詳細な病気を調べることができるため、定期検診を受けさせてあげることもオススメとなっています。
検査後の3つの治療法
1.対症療法
犬が餌を食べないときに行う治療法として、対症療法が行われることがあります。具体的な方法として、餌を人肌程度まで温めることで香りを強くし犬に餌を意識させることとなっています。
この対症療法は、犬が好みの匂いが強いと反応をするという習性を利用して積極的に餌を食べさせる方法となっており、ドッグフードであれば40℃くらいまで温めると犬の反応が良くなるとされています。
また、ドッグフードの合間に温野菜や果物を切ったものなどを与えることで犬も気分を変えて餌を素直に食べることが見込まれますのでオススメです。
2.絶食療法
胃拡張や便秘を起こしている犬の場合、無理に食べさせたり対症療法を行うと返って消化器官に影響を及ぼす可能性があります。
動物病院へ連れて行ってから、場合によっては絶食を言い渡されることがあります。
可哀想ではありますが、糞が出てきちんと消化されたと確認できましたらもう一度動物病院で診察を受けさせてあげ詳しい検査の後、消化と栄養素面で良いとされるキャベツやリンゴなどを少し温めて与えて、量と回数を決めて通常の餌を食べさせてあげていくことをオススメします。
3.活動療法
室内犬であっても、一日一回の散歩を行わなければ肥満や満腹で餌を拒否することがあります。運動をしなければ、当然ながら胃腸が活動を行うことなく消火活動が起きなくなってしまいます。
動物病院で、診察を行っても異常がない場合胃腸の活動が大人しくなっていることがあると、判断されることがあります。
その際には、年齢や季節を考えて1日1回30分以上の散歩を飼い主さんと一緒に行うことで、相互的に体調などの改善につながることが見込まれますので、オススメします。
日常からできる健康な食生活への3つのポイント
1.栄養バランス
犬を健康に保つために必要なポイントとして、ドッグフードの栄養素を見て判断を行うこととなっています。
子犬の頃から買っている場合には、同じ種類のドッグフードであっても子供からシニアまで段階別の必須栄養素の入ったものが売っていることがほとんどとなっています。
補足として、犬に必要な栄養素の種類としては『炭水化物・タンパク質・ビタミン』などが挙げられ、先述したキャベツやリンゴにはビタミンが豊富に含まれており絶食終了後や下痢が続いているときの食事にはちょうどいいのでオススメとなっています。
2.回数
犬の餌のタイミングはとても重要なものとなっています。生後半年未満の場合は、一日四回に分けて食事を与えることが多いです。
理由としては、生後すぐの子犬の場合消化が早く成長をするためにエネルギーを使う上にミルクを与えているため、より消化が早くなってしまうためとなっています。
大人の犬になると、餌の回数が1日1回ほどで充分な体となっています。
また3ヶ月目を過ぎると、子犬用の柔らかめの餌を4回に分けて与えて半年を過ぎるまでに昼と夜に与える餌の量を少なくしていくことで、1年後以降の犬の食生活が1日1回半くらいになります。
3.好き嫌い
餌を食べさせていると、好き嫌いの反応として餌を食べなくなることがあります。
子犬の頃からしつけを行う機会があれば、満遍なく食べさせて苦手なフードがあれば別種類と混ぜて慣れさせていくという飼い主さんの努力があれば、将来偏食にならず、栄養素を確認して様々な餌を試すことが出来ます。
食事の際には、習慣として好き嫌いをさせずに成長するために犬が上手に食べることができるようにサポートとして厳しめのしつけを行うことをオススメします。
成犬の場合であれば、その段階からの好き嫌いの矯正は難しいものとなっていますが、子犬をしつけるように嫌いなフードと大好物との配合具合の調整で少しずつ慣れさせてあげることをオススメします。
今回のまとめ
犬が餌を食べない4大原因
餌を食べない状況へ!病気以外の3つの対処法
餌を食べない状況とセットで現れる病気のサイン
犬が餌を食べないことが続く場合に考えられる3つの病気
気になる場合にすべき4つの検査方法
検査後の3つの治療法
日常からできる健康な食生活への3つのポイント