犬の鼻は常に湿っているものですが、犬も人と同様に鼻水がでることがあります。さらっとした透明な鼻水や、粘度のたかい黄色や緑色っぽい鼻水など様々です。心配のいらない鼻水もあれば、病気が原因の鼻水もあります。
今回はそんな気になる愛犬の鼻水について、原因・症状・病気の可能性・対処方法をお伝えします。
なぜ鼻水が出る?メカニズムや原因とは
鼻水は鼻腔内の粘液と血管などからの浸出液などの混ざり合ったもののことを言います。鼻水は鼻から吸った空気に適度な湿り気を与えたり、病原菌から粘膜を保護するために常に分泌されています。
鼻水は普段は無意識のうちに飲み込んでいるので鼻から垂れてきたりはしないのです。しかし、ごみが入ったり、病原菌が侵入したり、アレルギー物質に反応するとそれらを殺菌し洗い流すために大量の鼻水が分泌され、鼻からあふれて鼻水として垂れてくるのです。
犬の鼻水の4つの種類と特徴とは
1.さらっとした鼻水
さらっとした水っぽい鼻水があります。ぽたぽたと垂れてしまうのが特徴です。
2.ドロッとした鼻水
ドロッとした粘度のある鼻水があります。
3.透明な鼻水
無色透明な鼻水があります。透明でさらっとした鼻水の場合、ホコリなどの異物が入っているなどが疑われます。
4.黄色や緑色など色のついた鼻水
色のついた鼻水があります。鼻水に黄色や緑色などの色がついている場合、なんらかのウイルスや細菌に感染していたり炎症を起こしていると疑われます。
犬の鼻水への対処方法とは
1.鼻水や犬の様子を観察する
鼻水はどのような鼻水でしょうか、鼻水の他にいつもと変わった様子はありませんか。鼻水や犬の様子を観察することは早期の診断につながります。また、異物などが入ってしまっていないかも見てあげると良いでしょう。
2.動物病院を受診する
鼻水の原因にはホコリが入ってしまったなどの心配のいらないものから、ウイルス感染症まで様々です。病気を悪化させないためにも動物病院を受診することをおすすめします。
病気チェック!犬の鼻水と一緒に現れる4つの症状とは
1.くしゃみをする
鼻水とともにくしゃみを繰り返す場合、病気が隠されている恐れがあります。
2.発熱
鼻水とともに発熱したりする場合、病気が隠されている恐れがあります。
3.目やにがでる
鼻水とともに目やにがでている場合、病気が隠されている恐れがあります。
4.咳をしたり、息苦しそうにする
鼻水とともに咳をしたり息苦しそうにしている場合、病気が隠されている恐れがあります。
犬の鼻水が続く場合に考えられる4種類の病気
1.鼻炎
鼻炎はウイルスや細菌が鼻腔や鼻腔内に侵入して、鼻の粘膜に炎症を起こす病気です。発症すると鼻水やくしゃみ、目やにがでることがあります。また、鼻水のせいで息苦しそうにすることもあります。
2.ジステンパーウイルス感染症
ジステンパーウイルス感染症はジステンパーウイルスが感染することによっておこる病気です。発症すると鼻水やくしゃみ、咳をするなどの呼吸器症状に加え、嘔吐や下痢などを起こし、重症化してしまうと麻痺や運動失調などの神経症状まで現れる怖い病気です。
3.クリプトコッカス症
クリプトコッカス症はクリプトコッカスというカビに感染することで起こる病気です。免疫力の低下が原因で発症するという傾向があります。人にも感染する人獣共通感染症で、発症すると鼻水や咳、息苦しそうにしたり、痙攣を起こしたりします。
4.犬伝染性肝炎
犬伝染性肝炎とは犬アデノウイルス1型というウイルスが感染することでおこる病気です。発症すると主に嘔吐や発熱、鼻水やくしゃみ、下痢などの症状が現れます。重症化すると死亡してしまう可能性もある怖い病気です。
症状が気になる場合にすべき3つの検査方法
1.全身の身体検査
鼻水の性状を観察するのはもちろんのこと、犬の全身の状態を調べます。体温や、心音、犬の様子、体の表面に異常はないか、目の状態などを観察します。
2.血液検査
犬の症状が鼻水に加えなんらかの症状が出ている場合、血液検査をして全身の状態を評価して診断や治療につなげます。感染症などで白血球の増加などがないか、電解質のバランスは崩れていないか、その他の臓器の状態はどうか、ウイルスの抗体価を調べます。費用は項目により様々ですがいくつかの検査を組み合わせて行うため、一般的に10000円ほどからでしょう。
3.鼻水の検査
鼻水を顕微鏡で観察してどのような状態であるかや、ウイルスなどが含まれていないかなど稀に観察することがあります。
症状が気になる場合にすべき2つの治療方法
1.ウイルスや細菌、真菌(カビ)が原因感染症の場合
抗生物質や消炎剤の投与を基本にして行います。消化器症状などが現れている場合は整腸剤や吐き気止めなどを使用します。
2.鼻炎などアレルギーが原因の場合
アレルギーのもとになっている物質を特定してその物質と接触させないように環境をととのえます。また抗ヒスタミン剤などを投与することもあります。
日常生活からできる犬の鼻水への3つの予防習慣
1.生活環境を清潔に保つ
アレルゲンや、ウイルスや細菌から犬を守るために生活環境を清潔に保ちましょう。
2.予防接種を受ける
犬ジステンパーウイルス感染症や伝染性肝炎は予防接種で防ぐことができます。
1年に1度予防接種を受けましょう。
3.適度な運動・睡眠・適量の食事
規則正しい生活習慣をみにつけましょう。そうすることで免疫力が高められ、病気にかかることが少なくなります。
今回のまとめ
なぜ鼻水が出る?メカニズムや原因とは
犬の鼻水の4つの種類と特徴とは
犬の鼻水への対処方法とは
病気チェック!犬の鼻水と一緒に現れる4つの症状とは
犬の鼻水が続く場合に考えられる4種類の病気
症状が気になる場合にすべき3つの検査方法
症状が気になる場合にすべき2つの治療方法
日常生活からできる犬の鼻水への3つの予防習慣