熱帯魚をペットとして飼う時、「王様」と言える種類がディスカスです。以前は飼育が難しいというイメージがあったディスカスも、最近は色々な情報も得られるためペットにしやすくなりました。安定した人気を持つディスカスの飼育について紹介します。
ディスカスの紹介
１.ディスカスとは
ディスカスは、観賞用の熱帯魚として人気がある淡水魚です。
２.原産地・平均体長・平均体重
ディスカスは南アメリカ大陸のアマゾン川などから原産地になります。平均体長は１５センチメートルから２０センチメートルくらいになり、横から見るとほぼ円形の体をしています。熱帯魚の体重を測ることはあまりないかもしれませんが、平均体重は２０グラムから３０グラムくらいです。
３.名前のルーツ・簡潔な歴史とは
ディスカスという名前は、その形が円盤（ディスク）に似ていることに由来します。１９世紀初めにオーストラリア人のヨハンナッテルがブラジルで初めてディスカスを発見しました。日本でペットとして飼育され始めた歴史は未だ浅く、２０世紀後半からです。当時は、非常に高価たっだため一部のマニアにだけ飼われていました。その後１９８０年代に東南アジアで行われた大量繁殖によって、価格が安定し広く飼育されるようになっていきました。
４.平均寿命 とは
ディスカスの平均寿命は３年から５年くらいです。上手く飼育すると１０年近く生きる例もあります。
種類の解説！ディスカスの３つの種類と特徴とは
ディスカスには「ワイルド」と呼ばれる原種ディスカスと、品種改良によって生み出された「改良品種ディスカス」と大きく２種類に分かれ、今では多くの品種が存在します。その中でも、主な品種について紹介します。
１.ブルーディスカス
日本で飼育される代表的な品種です。青みを帯びた体色が特徴のディスカスです。模様が少ないほど高値が付くという特徴があります。逆に安価にディスカスを手に入れたい場合には、模様が入ったブルーディスカスを探すと良いでしょう。
２.レッドディスカス
赤みを帯びた体色が特徴です。一部には赤いスポットが入っている場合もあります。ブルーディスカスに比べると値段が高く、目が赤色や金色の個体ではブルーディスカスの１０倍以上になっていることもあります。
３.ワイルド
アマゾン川で比較された原種のディスカスです。改良品種ディスカスに比べると神経質だと言われているため、飼育の難易度は上がります。黄色い体に赤いスポットの入ったもの、うぐいす色の体に薄いブルーのラインが入ったもの、エンジ色の体に大きな縦模様が入ったものなどがいます。
どんな人が向いている？飼育に適している人の２つの特徴
１.世話に時間を割ける
ディスカスは水質に敏感な熱帯魚です。そのため、水替えは頻繁に行う必要があります。大きな水槽で飼育する場合には、その手間も相応にかかります。また餌は１日に複数回に分けて与える必要があります。従って、ディスカスを飼育するには世話に時間を割ける人が向いていると言えます。
２.飼育スペースに余裕がある
ディスカスは群れで生活する魚のため、一匹だけで飼うとおびえてしまします。そのため複数匹で飼うことが基本です。その場合の飼育する水槽は、大きければ大きいほど良いとされているため、水槽を設置できて、なおかつ毎回の水替えなどのメンテナンスもしやすいスペースを確保できる人が飼育に向いていると言えます。
ディスカスを飼う場合の初期費用と方法とは
１.初期費用
ディスカスは種類が多く、購入する際の値段も非常に幅があります。改良品種ディスカスの場合は１匹２，０００円くらいから購入できますが、ワイルドだと１万円以上する場合もあります。また、希少な模様の場合は更に値段が上がります。
２.購入について
ディスカスは熱帯魚を扱っているペットショップやホームセンターで購入することができます。しかし、病気にかかっている、管理状態が悪く弱っているといったリスクを避けるために、可能であればディスカスに詳しいお店を探して購入することが望ましいと言えます。
グッズを整えよう！飼育に必要な４つのグッズ
１.水槽
ディスカスを飼育するための水槽を用意します。１２０リットルサイズで４匹まで、２４０リットルサイズで８匹まで飼うことができます。ディスカスが飛び出してしまうことを防ぐため、フタは必ず付けるようにしましょう。
２.ヒーター
ディスカスは熱帯魚のため、水温を２８度くらいに保って飼育する必要があります。サーモスタット付きのヒーターを設置し、水温を維持します。故障による水温低下を予防するため、２つ以上のヒーターを設置しておくことが安心です。
３.濾過装置
ディスカスは水質に敏感な熱帯魚です。濾過装置を付けて、水質を維持できるようにしましょう。
４.エアー
エアーを設置し、水槽内の水に空気を送り込みます。
給餌方法解説！ディスカスの餌の主な３種類と正しい与え方
ディスカスの餌は主に３種類あります。どの餌も多くやりすぎると食べ残してしまうため、水質悪化の原因になってしまいます。そのため１日２回から３回に分けて、様子を見ながら食べきる量だけ与えて下さい。
１.ディスカスハンバーグ
牛の心臓とエビをミンチにした冷凍餌です。解凍した後に、細かく砕いてから与えます。栄養価が高く、ディスカスが好んで食べる餌です。
２.アカムシ
アカムシもディスカスが好んで食べる餌です。ディスカスハンバーグと併用して与えると、ディスカスが十分に成長してくれます。
３.人工飼料
栄養的にはバランスが取れた餌です。しかしディスカスの食いつきはあまり良くないので、食べ残しに注意しながら他の餌と併用して与えるようにしましょう。
気をつけたい・・ディスカスに多い３種類の病気
１.寄生虫
ディスカスを新しく購入した際には、寄生虫が付いていないか気をつける必要があります。特に「ワイルド」は寄生虫や病気を持っている可能性が高いため、気を付ける必要があります。購入したばかりのディスカスは別の水槽で、エルバージュという観賞魚用魚病薬を入れた水の中で１週間程度飼って様子をみます。元気であれば、他のディスカスと同じ水槽に入れてやります。もし寄生虫が付いている場合は、次の様な状態になるため購入の際から注意しておくことも重要です。
・エラや体に白いものが付着している。
・やせ細っている
・白い糞をしている。
餌のアカムシから感染してしまう可能性もあります。
２.ディスカスエイズ
体色が真っ黒になり、ひれをたたみ、体から粘液を出し続けて死んでしまう病気です。非常に感染力が強く、他のディスカスにも感染してしまうため、発症しているディスカスを見つけたらすぐに別の水槽に移して治療をして下さい。治療はエルバージュを使います。
３.エラ病
エラに寄生虫が寄生したり、雑菌が発生して呼吸困難を起こしてしまう病気です。呼吸が速くなったり、片側のエラ蓋が開いたりといった症状が現れます。
要注意！飼育で特に注意する３つのこと
ディスカスは繊細な面もある熱帯魚です。そのため、飼育の際には注意すべき点がいくつかあります。
１.水質管理
ディスカスは水質に敏感な熱帯魚です。また、餌として与えるディスカスハンバーグやアカムシは、食べ残しがあるとあっという間に水質を悪くしてしまいます。そのため、水槽の水は毎日もしくは数日に１回の間隔で、１／３程度を目安として交換して下さい。また水質悪化を防ぐため、ディスカスの水槽には敷き砂や水草を設置しないようにしましょう。
２.驚かさない
ディスカスは本来、流木の陰などで生息しています。そのため、直射日光が直接当たるとか、水槽の近くにドアがあり頻繁に音が響くといった場所に水槽が設置されていると、ディスカスが体調不良を起こして、水槽の隅に固まり黒くなってしまいます。餌も食べないようになってしまいますので、水槽の設置場所は注意して決めて下さい。
３.飼育するディスカスのサイズを揃える
飼育するディスカスのサイズは、できるだけ同じ大きさで揃えて下さい。大きさが不揃いなディスカス同士を同じ水槽で飼うと、弱いディスカスがいじめられて餌も食べられず弱っていってしまいます。
ここが楽しみ・・ディスカスの飼育の魅力や喜びとは
ディスカスの飼育は難しい一面もあります。でもだからこそ、きちんと飼育できるようになることは飼い主として大きな喜びになります。しかも、最近は多くの飼育に関する情報が得やすくなっているため、以前よりも難易度は下がっており、全く知識が無い人でも十分チャレンジできる様になっています。
また、ディスカスを飼うと言うことは、丸くて愛らしい形と、美しく鮮やかな色をした姿を身近において眺めることができるということであり、最大の魅力だと言えるでしょう。
今回のまとめ
ディスカスの紹介
種類の解説！ディスカスの３つの種類と特徴とは
どんな人が向いている？飼育に適している人の２つの特徴
ディスカスを飼う場合の初期費用と方法とは
グッズを整えよう！飼育に必要な４つのグッズ
給餌方法解説！ディスカスの餌の主な３種類と正しい与え方
ディスカスに多い３種類の病気
要注意！飼育で特に注意する３つのこと
ここが楽しみ・・ディスカスの飼育の魅力や喜びとは