ニジイロクワガタってご存知でしょうか。キラキラと輝く美しい姿を持っている甲虫です。飼育はそれほど難しいわけではありません。でも上手に飼っていくには、いくつかのコツがあるんです。ニジイロクワガタの飼育のコツを知っておきましょう。
ニジイロクワガタの紹介
1.ニジイロクワガタとは
ニジイロクワガタは、虫綱甲虫目クワガタムシ科に属する、いわゆるクワガタムシの一種です。その体は独特の輝きを持ち、世界一美しいクワガタムシと言われます。オスは、小さな頭部に狭い間隔で、上向きに湾曲した大顎を持っています。大顎は、先端で二股に分かれているという特長があります。日本の多くのクワガタムシのように体が扁平ではなく、丸みを帯びたかたちをしています。
2.原産地・ 平均体高・平均体重
ニジイロクワガタはオセアニア地方が原産地です。ニューギニアの南部やオーストラリア北部に多く生息しています。平均体高はオスが37センチメートルから70センチメートルくらい、メスが25センチメートルから36センチメートルくらいになります。平均体重は20グラムから30グラムくらいになります。
3.名前のルーツ・歴史
ニジイロクワガタの名前は、その体が七色の虹のように色々な色に輝くことから名付けられました。日本へは他の海外クワガタムシに先駆けて1999年に輸入され、そこから飼育が広がりました。当初は高値で販売されていましたが、その後は比較的安定した価格で販売されるようになりました。
4.平均寿命
ニジイロクワガタの平均寿命ですが、3ヶ月から4ヶ月の羽化後成熟期間を経た後の成虫寿命が1年から2年くらいです。
種類の違いは?ニジイロクワガタの3つの種類と特徴
ニジイロクワガタには本種の他に2つの亜種が存在します。日本で購入できるのは本種に限られるます。また亜種についてはいずれも「ニジイロクワガタ」の和名で呼ぶため、ここでは学名で紹介します。
1.ニジイロクワガタ(本種)
その輝く姿から世界一美しいと言われます。オスの大顎が特徴的で、上向きに湾曲し先端で二股に分かれています。
2.Phalacrognathus muelleri muelleri(亜種)
オーストラリアのクイーンズランド州に生息している種類です。
3.Phalacrognathus muelleri fuscomicans(亜種)
1908年にニューギニア島の鉱山で見つかった種類です。しかし数体の標本しか残っておらず、既に絶滅したという説もあります。
理解してあげよう!ニジイロクワガタの性格の特徴
1.穏やか
ニジイロクワガタは、クワガタの中では穏やかな性格をしています。他の気性が荒いクワガタでは、興奮したオスがメスを挟み殺すこともあるのですが、ニジイロクワガタはそのようなことが比較的少ないと言われています。
2.臆病
ニジイロクワガタは臆病な一面があります。他の昆虫と一緒に飼っていると、攻撃をされて物陰に逃げかくれてしまうこともあります。飼育する場合には、ニジイロクワガタが安心して、居られる環境を作りましょう。
どんな人が向いている?飼育に適している人の特徴
1.気長に飼育できる
ニジイロクワガタは他のクワガタと比べて寿命が長いため、成長もゆっくりです。特に幼虫の段階でほじくり返したりして、細かく成長の状況を確認したり、羽化後成熟期間に様子を度々確認したりすることは、ニジイロクワガタにとってストレスになり、寿命を縮めるてしまうことになりかねません。ニジイロクワガタを飼育するには、あせらず気長に飼育できる人が向いていると言えます。
ニジイロクワガタを飼う場合の初期費用と方法とは
ニジイロクワガタは昆虫を取り扱っているペットショップや通信販売で購入する事ができます。価格ですが、成虫の場合で2,000円から3,000円くらいです。オスとメスのつがいが4,000円から6,000円くらいで販売されてることもあります。サイズが大きくなると急に値段が高くなります。幼虫の場合は、菌糸ビンとセットで500円から1,000円くらいです。
グッズの準備を!飼育に必要な4つのグッズ
1.飼育ケース
飼育ケースは30センチメートルくらいのプラスチックケースを用意します。脱走防止のためフタ付きケースにしましょう。
2.マット
プラケースの中にはヒノキマットやココチップを敷きます。クワガタマットという商品名で売られているマットでも大丈夫です。手で握って固まる程度に湿らせて飼育ケースに敷き詰めます。
3.のぼり木
マットの上にはつかまったり、陰に隠れたりするためにのぼり木を設置します。またのぼり木が無いと、ニジイロクワガタがひっくり返ってしまった時に起き上がれず、力尽きて死んでしまうこともあります。
4.霧吹き
ニジイロクワガタの飼育するマットやとまり木は適度に湿らせておく必要があります。そのため定期的に霧吹きを掛け湿らせるようにします。
給餌方法の解説!主な2種類の餌とその方法
1.幼虫時期
ニジイロクワガタの幼虫時期には菌糸ビンを餌にします。直射日光の当たらない静かな場所に置いて、23度から25度くらいに温度を保つようにしましょう。特に夏に注意すべきなのは、30度以上の高温状態にしないことです。3ヶ月に1度くらいを目安に交換するようにしてください。
2.成虫時期
ニジイロクワガタの成虫時期には、昆虫ゼリーを餌として与えます。一時的であれば、バナナやリンゴなどの果物を餌として与えても問題ありませんが、長く与え続けると下痢をしてしまうことがあります。栄養バランスの取れた昆虫ゼリーを与える方が、ニジイロクワガタの体のためにも、良いと言えます。昆虫ゼリーは量が少なくなったら、交換するようにしましょう。
健康に注意を!ニジイロクワガタに多い2種類の病気
1.低温による衰弱
ニジイロクワガタは温暖な地域に生息する種類のため、低温が苦手です。飼育環境は15度以下の低温にならないように気を付けましょう。低温の状態に長く置くと最悪の場合、衰弱して死んでしまいます。
2.ブヨブヨ病
クワガタの幼虫が掛かる病気にブヨブヨ病があります。発症すると幼虫の体が半透明になり、死んでしまうという病気です。菌糸ビンの中身が古くなりすぎたり、加湿をし過ぎることで、飼育環境が悪化することが原因で発症します。
要注意・・飼育で特に注意する3つのこと
1.オスとメスを別に飼う
ニジイロクワガタは穏やかな性格をしていますが、交尾欲は強いため、オスがメスを追いかけてメスが逃げ回るようなことがあれば、オスとメスを別々に飼ってください。ごく稀ですが、興奮したオスが大顎でメスを挟み殺してしまうことがあります。そのためオスとメスは別々に飼育する方が安心です。
2.温度管理
ニジイロクワガタは23度から25度くらいの温度を好みます。低温で長い間飼育すると、最悪弱って死んでしまうこともあります。また、急激な温度変化も苦手です。そのため、適温を保てるよう飼育環境の温度を管理してください。
3.ダニの繁殖を抑える
ニジイロクワガタはダニの繁殖により死んでしまうことがあります。餌が余った状況で長時間放置したままにしてしまうと、ダニが繁殖してしまう原因になります。ダニの発生を完全に防ぐのは難しいですが、飼育環境を清潔に保ち、ダニの発生を抑えるようにしましょう。
どんな楽しみがある?ニジイロクワガタを飼育する魅力とは
1.虹色に輝く姿
ニジイロクワガタの最大の特徴は、虹色にキラキラと輝く美しい姿です。宝石のような美しさを手元で飼育できるというのが最大の魅力になります。
2.飼育し易い
ニジイロクワガタは比較的飼育が難しくありません。温度管理などいくつかの基本的な注意点に気を付けておけば、細かい管理は不要です。他のクワガタムシに比べて寿命も長いため、多くの手間を掛けず飼育できることも魅力のひとつだと言えます。
今回のまとめ
ニジイロクワガタの紹介
種類の違いは?ニジイロクワガタの3つの種類と特徴
理解してあげよう!ニジイロクワガタの性格の特徴
どんな人が向いている?飼育に適している人の特徴
ニジイロクワガタを飼う場合の初期費用と方法とは
グッズの準備を!飼育に必要な4つのグッズ
給餌方法の解説!主な2種類の餌とその方法
健康に注意を!ニジイロクワガタに多い2種類の病気
要注意・・飼育で特に注意する3つのこと
どんな楽しみがある?ニジイロクワガタを飼育する魅力とは