「レオパ」の呼び名でも知られる手のひらサイズの爬虫類「ヒョウモントカゲモドキ」。
今回は生き物を飼ったことがないという人にもおすすめの、ヒョウモントカゲモドキの特徴や餌の種類、給餌などの飼育法をお伝えします。
ヒョウモントカゲモドキの紹介
1. 原産地
パキスタンやアフガニスタン南東部、インド西部、イラン、イラクの荒野や平原などの乾燥地に生息しています。
2. 平均体長・平均体重
平均体長:20~25cm
平均体重:メス/55~70g、オス/65~80g
3. 名前のルーツ
ヒョウモントカゲモドキは、全身に「豹」のような紋(模様)があることと、分類上ヤモリ科であるにもかかわらず、ヤモリの特徴を持ちません。
それどころか、瞬きをしたり、とかげのような特徴を持っていることから、「トカゲモドキ」という名前が付けられたといわれています。
また英名では「レオパード・ゲッコー」と呼ばれていて、「レオパード柄をもったヤモリ」といわれています。
4. 歴史
北米や欧米では飼育がしやすいことからペットとしての歴史は古く、初心者向けの爬虫類として人気がありました。
1970年くらいには、ハイイエローなど様々な品種が誕生しました。
5. 平均寿命
平均寿命:10年以上
ヒョウモントカゲモドキの6種類の餌
1.コオロギ
入手や管理が簡単なのと、コストパフォーマンスがいいことから主な主食として使われます。
日本で販売されているのは、フタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギの2種類です。
生きたコオロギがAmazonで手頃な値段で販売されています。
生きたコオロギが苦手なら、乾燥したコオロギもあります。
エサとして与える際は、ピンセットなどで動かして与えてください。
2.ミルワーム
ゴミムシダマシ類の幼虫で、コオロギと並ぶ活餌です。
2cmくらいの小さいものと5cmくらいのものが販売されていて、ヒョウモントカゲモドキの大きさでサイズを変更しましょう。
ただし、殻が堅くて消化は良くないので、主食には向きません。
生きたミルワームもAmazonで販売されています。
3.ピンクマウス
産卵期のメスに与えるのに適しているのが、冷凍したハツカネズミの子供「ピンクマウス」。
こちらは食べ過ぎると肥満の原因にもなりますので、与え過ぎに注意しましょう。
見た目がそのまま冷凍されたマウスなので、苦手な方は最初から購入しないほうが良いかもしれません。
また生き餌ではないので、与える際は動かして上げる必要があります。
4.ディビュア
ヒョウモントカゲモドキは、動く昆虫類であればほとんど食べるので、アルゼンチンの森林に生息するゴキブリの仲間「ディビュア」を餌にすることもできます。
共食いをせず、餌切れや水切れにも強いなど、餌昆虫として優れたところがあります。
5.ミミズ
ペットショップで売っていることもあり、入手がとても簡単な「みみず」も餌にできます。
自分で捕獲したものは、寄生虫などの危険もあるので餌にしないほうがいいでしょう。
6.人口餌
ヒョウモントカゲモドキ専用の人口餌があります。
コオロギなどを餌として買うのが嫌だという人にはうってつけです。
ただ、ヒョウモントカゲモドキの好き嫌いが激しいので、食べてくれるかどうかは場合によります。
ヒョウモントカゲモドキの餌の大人と子供の違い
1.餌を与える頻度
子供の頃は成長がとても速いので、毎日餌を与えます。だいたい生後3か月くらいまでは1日1回食べるだけ与えてあげましょう。コオロギは2~5匹ほど、ミルワームの場合は、小さいサイズで5~10匹ほど食べます。
生後3か月以降は、時どき餌を与えない日を作ったりしながら、餌の回数を減らし、約半年でサブアダルトとして扱えます。そのころには、餌の回数を週に2~3回に変えましょう。
2.餌昆虫の処理
体が小さく、餌を捕まえるのが大人より下手なのでピンセットで食べさせたり、動きの遅いフタホシコオロギをあげるほうがいいでしょう。
また、大きなサイズは食べることができないので、ヒョウモントカゲモドキの頭半分くらいのサイズにしましょう。
ヒョウモントカゲモドキの2つの給餌方法
1. 餌の昆虫をケージにいれて食べさせる
食事量が少ないのもヒョウモントカゲモドキの特徴です。目安として、成体には2~3日に1回ほどで大丈夫です。ケージにいれる場合は4~6匹を放って翌日に残っている分を回収しましょう。
手間などかからないのですが、食べた量を把握しずらいのと昆虫が逃げ出す可能性も高いです。
2. ピンセットで個別に掴んで餌を与える
ピンセットで直接つまんだ昆虫を食べさせる方法です。
差し出した餌を食べなくなったら、適量の合図です。
ヒョウモントカゲモドキは、動くものに反応するため動かない餌も人の手で動かして与えることができます。冷凍餌を使用するときには、きちんと解凍して室温まで戻しましょう。
ヒョウモントカゲモドキの給餌での4つの注意点
1. 食べなかった餌は掃除する
食べなかったものは、菌が繁殖する事があるので放置せず、食後ケージの中をきれいにしてあげてください。
2. ミルワームを与えすぎない
高脂肪なミルワームはおやつに与えるくらいが最適です。
ミルワームをあげ過ぎるとメイン食のコオロギを食べなくなることもあるので与えすぎには注意しましょう。
3. 生き餌に噛まれることもある
コオロギは何でも齧るので、食事の時に噛まれてケガをすることもあります。生き餌の場合はできるだけ見守ってあげましょう。
4. 拒食するときには時間を置く
普段問題なく食べていても飽きたりして拒食することがあります。
いったん4~10日餌を与えるのを中止してみて、お腹をへらしてあげたり、いつもとは別の餌を与えてみて、食欲が回復するか様子を見てください。また、温度が低いと食欲が低下するので、温度管理にも気をつけてください。
体調不良や病気の時には、無理に食べさせる必要はありません。
ヒョウモントカゲモドキの注意すべき4つの病気
1. クル病
成長期や産卵期のメスに起こりやすい病気で、カルシウム不足が原因で、骨形成に以上が起こって足や顎などが変形したり骨折を起こします。
病気を発症すると、活動性の低下や食欲不振、成長不振、震えなどみられます。
2. クリプトスポリジウム感染症
食事を十分に上げているのに痩せてきたり、食べ物を吐くことがあります。寄生虫の感染が疑われる病気で糞などを媒介にして感染します。
3. 細菌感染症
食べる量が減り、口の動かし方などが不自然になったり、口の周りにチーズ状の膿がでてくると細菌性口内炎の可能性があります。治療には、抗生物質や消炎剤を与えることで治ります。
4. 脱皮不全
爬虫類は成長するにしたがって、古くなった皮膚を脱皮して大きくなります。その脱皮が上手くできなくて、体に残ってしまうものを脱皮不全と言います。
湿度が不足しているときに起こりやすいので、脱皮しそうなときにはケージ内に霧吹きをしましょう。
自分で処理しにくい指先や尻尾の先に残りがちで、脱皮不全を起こすと血流を悪くし壊死することもあります。ピンセットなどで取り除いてあげましょう。
ヒョウモントカゲモドキの健康の為の4つのポイント
1. ケージは全長の2倍以上を選ぶ
広い分には問題ありません。ケージの大きさは小さい者でも40cm~50cmほどの大きさを選びましょう。中に床材としてパームマットや、ウッドチップ、乾燥牧草などを引いてあげましょう。
2. ケージ内には温度計を設置する
爬虫類は体温調節が自分で出来ないので、人がコントロールしてあげることが大切です。25度~30度を目安に調整しましょう。
ある程度寒さにも耐久性がありますが、18度以下になると食欲も減るので、気を付けましょう。
3. 湿度にも気を付ける
一般的には40~60%の湿度を保つのがベストですが、日本はもともと湿度が高いのでそれほど手間はかかりません。
冬は特に湿度が下がりやすいので、1日に1回、壁面などに霧吹きなどで湿度をあげるようにしましょう。
4. 水入れは清潔に保つ
水入れは深すぎると小さいヒョウモントカゲモドキは溺れてしまう事もあり、軽すぎるとひっくり返されてしまう事もあります。浅く、広めの重みのあるものを水入れに選びましょう。
今回のまとめ
1)ヒョウモントカゲモドキは乾燥地に生息しているペットとして飼いやすい体長20cmほどの爬虫類です。
ヒョウモントカゲモドキの餌はコオロギやミルワーム、ピンクマウスなどがあります。
ヒョウモントカゲモドキの子供には、毎日餌をあげ、食べやすいように処理をしてあげましょう。
エサの与え方は、ケージに放置する方法と、ピンセットであげる方法があります。
給餌での注意点は、ミルワームを与えすぎないこと、また、生き餌に噛まれることもあるので、食べなかったものはきちんと掃除するようにしましょう。
ヒョウモントカゲモドキは「クル病」「クリプトスポリジウム感染症」「細菌感染」「脱皮不全」などの病気にかかることがあるので注意しましょう。
ケージを全長の2倍以上の広さにし、温度25~30度、湿度40%~60%にして水などを清潔にしておくことが健康のポイントです。