イグアナといってどの様な印象を持つでしょうか。爬虫類ですが恐い姿では無く、どこかユーモラスで可愛らしいイメージをかもし出しているため、ペットとしても人気があります。
今回は、そんなイグアナの飼育の方法や、用意するグッズ、育てるコツについてお伝えします。
イグアナの紹介
1.イグアナとは
イグアナとはイグアナ科のトカゲの総称です。
別名「タテガミトカゲ科」」とも呼び、背にたてがみのようなトゲ状の突起を持っている特徴があります。
2.原産地・ 平均体高・平均体重
イグアナは、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、西インド諸島、ガラパゴス諸島、フィジー、マダガスカルが原産地です。生息環境は砂漠から熱帯雨林まで様々です。平均体高は数センチの小さい種類から、中には2メートル近くまで大きくなるものまで色々な種類がいます。
3.名前のルーツ・歴史
イグアナの名前のですが、カリブ諸島に住んでいたタイノ族が「イワナ」と呼んでいたものを、スペイン語で「イグアナ」と変化したことがルーツだと言われています。ペットとしてはマイナーな存在として以前から飼われていた歴史がありますが、テレビCMをきっかけに飼育頭数が増えるといったブームが2007年頃にありました。
4.平均寿命 とは
イグアナの平均寿命は10年から15年くらいです。
イグアナの5つの種類と特徴
イグアナはイグアナ科のトカゲの総称であるため、その種類はいくつもあります。ここでは、ペットとして飼いやすい代表的な種類を紹介します。
1.グリーンイグアナ
グリーンイグアナは、最もポピュラーなイグアナです。体色は幼体の頃は明るい緑色をしていますが、成長するにつれて褐色へと変化していきます。オスは背面の突起が大きく発達します。2メートル近くまで成長することがある大型の種類です。
2.サバクイグアナ
サバクイグアナは、成長しても30センチメートルから40センチメートルくらいまでにしかならない小型のイグアナです。そのため、大きな飼育施設を用意できない場合でも飼いやすいといえます。体色は淡い褐色に赤い模様があります。繁殖期のオスは、腹の側面がピンク色に変化します。背中の突起は大きくなりません。
3.コーンヘッドイグアナ
コーンヘッドイグアナは鮮やかな緑色の体色が特徴のイグアナです。体高は60センチメートルくらいになります。もともと樹の上で生活をする種類のため、脚が細長いという特徴を持っています。
4.マダガスカルミツメイグアナ
マダガスカルに生息するイグアナの一種です。名前にある「ミツメ」は「三つ目」のことで、頭の上に第3の目があります。この頭頂にある第3の目は「頭頂眼」と呼ばれ、通常の眼球とほぼ同様の構造を持っています。そしてこの頭頂眼では、ものを見ることはできないのですが、光を感じることはできるといわれています。体高は30センチメートル前後になります。背中や体側の細かく白いスポット模様が特徴になります。
5.トゲオイグアナ
トゲオイグアナはその名の通り、尾にトゲ状のウロコを持つ特徴があります。体高は100センチメートルから150センチメートルに成長する大型の種類です。体色は幼体の頃は鮮やかな緑色をしていますが、成長するにつれて黒っぽく変化していきます。黄色や白色の斑紋が入る場合があります。また、動きが素早いという特徴もあります。
イグアナの性格の3大特徴
1.穏和
イグアナは凶暴そうに見えることもありますが、性格はおとなしく穏和です。自分から攻撃してくることも基本的にはありません。ただし歯や爪は鋭いので、意図しないケガには注意しましょう。それさえ気をつければ安全な動物です。
2.飼い主を見分ける
イグアナは爬虫類の中では圧倒的に理解力が高いと言われています。時間はかかりますが、その理解力により飼い主の顔や声を認識することで、呼びかけに反応するようになる場合もあります。
3.発情期に注意
いつもは穏和なイグアナですが、発情期には攻撃的になってしまいます。特にオスの場合が顕著で、凶暴になるので接し方に気をつけましょう。メスの方が性格的には、より穏和で飼育しやすいです。
どんな人が向いている?イグアナの飼育に適している人の特徴
1.世話に時間をかけられる
イグアナを飼うと日々の世話に時間を取られます。毎日1時間程度の手間を掛けられる人が向いています。
2.飼育スペースを確保できる
イグアナを飼育するには大きめの水槽を使用します。高さ120センチメートルから150センチメートル以上の水槽を設置する必要があり、そのスペースを確保できる人が向いています。
3.近くにイグアナを診察できる動物病院がある
イグアナはマイナーなペットのため、どこの動物病院でも診察できるというわけではありません。イグアナを飼育する前には、事前にイグアナを診察できる動物病院を探しておきましょう。
4.経済的に余裕がある
イグアナの飼育にはお金がかかります。最初に飼育グッズを揃えるのにお金がかかりますし、飼い始めた後の光熱費などの費用も多くかかります。経済的な負担も大きいため、経済的余裕がある人が向いていると言えます。
イグアナを飼う場合の初期費用と方法とは
イグアナを飼育したいという場合は、大きなペットショップで探します。小規模なペットショップではイグアナの取り扱いが無い場合もあります。
イグアナは種類や個体によって値段の差がありますが、1頭が数千円から10,000円くらいで購入できます。ただし、希少種の場合は10万円を超える値段で売られていることもあります。オスとメスで値段の違いはありません。
イグアナの飼育に必要な5つのグッズ
1.ケージ
爬虫類用の温室か水槽を用意します。高さ120センチメートルから150センチメートル以上のサイズでないと手狭になってしまいます。20,000円から40,000円くらいで売られています。
2.保温グッズ
イグアナは暖かいところが原産地のため、寒さには弱い動物です。常に温度を30度くらいに保ってやる必要があります。そのためのケージ内の温度を上げる温室用ヒーターや、イグアナが体を乗せて暖めるプレートヒーターを用意する必要があります。
温室用ヒーターが20,000円くらいで売られています。プレートヒーターは5,000円くらいです。また、これらを使用する電気代が毎月数万円くらい発生します。
3.紫外線灯
イグアナの健康を保つためには体に紫外線を当ててやる必要があります。またホットスポットと呼ぶ40度以上の特に温度の高い場所を作るためにもこの紫外線灯を使います。紫外線灯が1本あたりソケット込みで8,000円くらいです。大型のケージだと2本くらいは必要になります。タイマーで照射時間を管理します。
4.加湿器
イグアナは高温多湿の環境を好み乾燥に弱いため、加湿器を使ってケージ内の湿度を保ちます。気化式の加湿器が15,000円から20,000円くらいで売られています。
5.止まり木
イグアナは木の上で生活をします。そのため登ることができる止まり木を用意します。
※これらの飼育グッズを揃えると、約100,000円くらい必要になります。
イグアナの主な3種類の餌とその方法
1.イグアナフード
栄養バランスが取られた配合飼料である、イグアナフードをメインで与えます。与える際には、水や果汁でふやかします。基本的に毎日1回食べ残さない量を与えますが、1日から2日程度であれば間が開いても大丈夫です。イグアナフードには幼体用と成体用があるので、成長に合わせて使い分けます。
2.野菜、果物
成体のイグアナは草食性です。イグアナフードに加えて野菜や果物を与えます。与える種類は、人間が食べられる野菜や果実であれば問題ありません。ただし、偏った種類だけを与えるのではなく種類を変えながら与えるようにしましょう。
3.サプリメント
体調によっては、サプリメントを与えます。カルシウム剤やビタミン剤、整腸剤などがあるので体調に合わせて用量を守って与えます。
要注意!イグアナに多い病気とは
1.代謝性骨疾患
手足の腫れや、上手く歩けないという症状が出ます。幼体のイグアナに多い病気で、紫外線不足や栄養バランスの悪化によって骨がもろくなってしまいまうことが原因です。予防するためにはカルシウムを補い、飼育環境にしっかりと紫外線を浴びることができる状態を作ります。
2.外傷腫瘍
障害物などにぶつかってできたケガが炎症を引き起こし化膿した結果、腫瘍になってしまうことがあります。こぶのようなものができている場合には、この病気を疑ってください。動物病院で外科処置をして治療します。
イグアナの飼育で注意する6つのこと
1.子供のいる家庭での飼育
イグアナは穏和な性格であるものの、鋭い爪と歯を持っています。意図せずケガをさせてしまう可能性もあるため、子供がいる家庭での飼育は注意が必要です。子供がイグアナと接しない環境を用意するか、その様な環境が用意できない場合は飼育自体を避けた方が無難です。
2.掃除
イグアナの飼育ではマメに掃除を行う必要があります。特にからだの大きくなった成体では非常に大量の排泄物が出ます。不潔になった飼育環境はイグアナにとってストレスになりますので、清潔な環境を維持しましょう。
3.飼育頭数
イグアナは1頭だけで飼う場合にも労力がかかります。慣れないうちに複数頭数で飼うと、その労力は大変なものになります。将来的に多頭飼いを目指すとしても、まずは1頭だけの飼育に慣れることを優先しましょう。
4.健康チェック
日本は四季があるため、高温多湿な環境に生息するイグアナの生活には適さない季節があります。特に気温が下がり空気が乾燥する冬には気を付けて飼育環境を維持しないと、イグアナが体調を崩してしまう可能性があります。イグアナを観察して、普段と様子が違う、じっとして動かない、体に腫れがあるという場合には、体調不調や病気を疑いましょう。
5.飼育温度
イグアナは低温に耐えられない体の構造になっています。そのため、飼育環境の温度が25度以下にならないように注意します。またイグアナは冬眠しない(できない)ため一年を通して温度管理する必要があります。
6.繁殖による衰弱
メスは産卵によって衰弱してしまう可能性があります。場合によっては寿命を迎えてしまう可能性もゼロではありません。リスクを冒したく無い場合は、繁殖は控えた方が良いでしょう。
イグアナを飼育する魅力や楽しみとは
1.穏和な性格
イグアナは発情期を除けば穏和な性格です。そのために人間に危害を与えるために暴れたり、積極的に攻撃したりということがありません。このことが飼育する上での魅力になります。
2.鳴かない・臭わない
室内で飼育する上で、、鳴かないというのは魅力のひとつです。特にマンションやアパートといった集合住宅では、イグアナ自体が汗もかかず強い体臭もないため、近隣への迷惑も気になりません。
3.見た目
イグアナの個性的な見た目は魅力の一つだと言えます。幼体の鮮やかな緑や、色々な種類の模様も他には無いものです。また希少種では赤色や白いアルビノもおり、飼い主の心を満たしてくれます。
今回のまとめ
イグアナの紹介
イグアナの5つの種類と特徴
イグアナの性格の3大特徴
イグアナの飼育に適している人の特徴
イグアナを飼う場合の初期費用と方法とは
イグアナの飼育に必要な5つのグッズ
イグアナの主な3種類の餌とその方法
イグアナに多い病気とは
イグアナの飼育で注意する6つのこと
イグアナを飼育する魅力や喜びとは