グッピーは初心者でも飼いやすい熱帯魚です。飼育にもそれほど手間がかかりませんが、病気にかかってしまうと一気に数が減ってします可能性があります。
今回はグッピーに特に多い病気の症状・原因・対処方法の解説と、健康的に飼育するコツをご紹介します。
グッピーの紹介
1.グッピーの原産地
グッピーは南米北部のトリニダード、小アンティル諸島、ベネズエラ、ブラジル、コロンビア、ギアナといった地域の汽水域が原産地です。
2.グッピーの平均体長・平均体重
グッピーの平均体長はオス・メスで異なります。
オスは体長3〜4cmです。メスはオスより少し大きく体長5〜6cmです。
この様に体長が小さいため平均体重は0.2〜0.3gしかありません。
3.簡潔な歴史・名前のルーツ
グッピーは1950年頃に世界で初めて紹介されたと言われています。南米北部のトリニダードへ植物採集に行った、イギリスの「レクメア・グッピー」という植物学者が、その地域の川や沼で捕まえた小さな魚がグッピーです。
レクメア・グッピー氏はその魚をイギリスに持ち帰りました。その後、発見者である彼の名前を取って魚の名前は「グッピー」と名付けられました。
4.グッピーの平均寿命
グッピーの寿命は短いもので数ヶ月から1年くらいです。
一般的にメスのほうが長生きで、メスの中には2年くらい生きるものもいます。
グッピーの2つの種類と特徴
グッピーには多くの種類が存在します。しかしグッピーを購入する際には、いわゆる品種とは別に、その産地で種類を区別する方法があります。産地により、特徴も異なりますので紹介します。
1.外国産
外国で養殖されて日本へ輸入されるものです。外国産グッピーには次の様な品種がいます。
・赤いモザイク模様の、レッド・モザイク
・尾びれの模様が細かい、グリーン・グラス
・体の後ろから尾びれまで真っ黒な、ブラック・タキシード
・赤い体の、フラミンゴ
外国産グッピーの特徴としては、カラフルで色がキレイなものが多いことです。しかし、産地と日本の環境の違いのためか、病気になり易いと言われています。
2.国産
国産グッピーには主に次の様な品種がいます。
・人気の高い、ドイツイエロー・タキシード
・体にコブラのような模様のある、キングコブラ
・メラニン色素が欠落した、アルビノ・レッドテール
値段は外国産に比べて、国産グッピーのほうが割高になります。ただし、国産グッピーは病気に強く、寿命も長いといった特徴があります。そのため、初心者は国産グッピーの方が飼いやすいと言えます。
※グッピーは一般的に温和な性格のため、複数匹を一緒に飼っても問題ありません。
グッピーに多い3種類の病気とは
1.白点病
・代表的な症状
ヒレや体に白い斑点ができます。そのまま放っておくと白い斑点が体中に転移します。更にひどくなると全身が粉を吹いたようになり死んでしまいます。
・原因
白点虫が寄生することにより発症します。グッピーの衰弱によりかかりやすくなります。
・治療方法
病気が発生した場合、水を全て捨て、水槽内を掃除します。1週間から2週間ほど治療薬で薬浴します。治療期間は絶食します。
・予防方法
水質の悪化が原因であるため、水質管理をしっかりしてください。また、水温が低すぎるとグッピーが衰弱するため、水温を適切に保ってください。
2.尾ぐされ病
・代表的な症状
この病気にかかると、尾やヒレの先端部分が白く濁ります。病気が進行するとヒレ全体が白くふやけて腐敗したようになり、体が変色してきます。伝染病であるため、早期に発見し治療することが重要です。
・原因
カラムナリスという細菌に感染することで発病します。
・治療方法
他のグッピーへの感染を防ぐため、発病したグッピーを他の水槽に隔離します。治療は専用薬を使用します。また原因となるカラムナリス菌が塩水の中では繁殖できないため、水槽の水を塩分濃度0.5%から1%くらいに徐々に上げていくことも効果的です。
・予防方法
水質が悪化していると菌が繁殖しやすくなります。そのため、水質管理をしっかりと行うことが重要です。また、グッピーが健康であれば病原菌を跳ね返すことができるので、水温管理とエサによる栄養管理を適切に行ってください。
3.水カビ病
・代表的な症状
体表に水カビが寄生し、綿をかぶったように白くなる病気です。グッピーの体に広がって皮膚を腐らせていきます。
・原因
体の傷に寄生虫が寄生することが原因で発病します。
・治療方法:
専用薬で薬浴します。軽傷の場合、水槽の水を塩分濃度0.5%から1%くらいに徐々に上げていくことも効果的です。
・予防方法
水温が低下することで発病率が高くなるため、水槽の水温を高めに設定しておきます。発病した場合、水槽内の岩や流木といった異物を取り除き、症状が悪化することを防ぎます。また、外国産グッピーの場合、輸入直後ではなく入荷から1週間から2週間は経ったものを選ぶことで、感染しているグッピーの購入を避けるようにします。
グッピーの飼育で注意する5つのこと
1.水温調整
グッピーは熱帯魚であるため、水温調節をして飼育する必要があります。23度から28度くらいの水温がグッピーにとっての適温だと言われています。そのため、温度の下がる冬にはヒーターで暖める必要があります。
2.過密すぎる環境を避ける
水槽の大きさに対してグッピーの数が多すぎると水質が悪化し、グッピーの寿命が短くなってしまいます。グッピー1匹に対して3リットル程度の体積が確保できていれば、快適な環境だと言えます。
3.濾過装置のバクテリアを繁殖させる
水槽でグッピーを飼い始めて1ヶ月くらい経つと、濾過装置にバクテリアが繁殖します。このバクテリアが水槽内に発生する有害なアンモニアを無害化します。バクテリアが十分に繁殖するまでの1ヶ月の期間は水質を調整するため、週に一回水槽の水の1/4をカルキ抜きをした水道水に交換してください。
4.長期間の旅行時はどうするか
旅行時に使用できるユックリ溶けるエサや、自動給餌器などもありますが、成長した大人のグッピーの場合10日程度であればエサをやらなくても問題ありません。
むしろ不在中、エサによって水が汚れ水質が低下してしまうことを考えると、エサをやらない方が安全です。また水温を適切に保つために、夏場であれば部屋のクーラーを付けておき室温が上がらないようにする。冬であればヒーターが故障しないように気をつける必要があります。
5.繁殖の注意
グッピーは卵胎生で、比較的短期間に沢山の子供を産みます。卵胎生とは「卵ではなく、直接子供(稚魚)を産む」ことを言います。
生存率も高いため雌雄ペアになる数により、あっという間に数が増え、水槽が手狭になってしまう可能性があります。そのため、あらかじめ大きめの水槽を用意しておくか、複数の水槽を用意して飼育することも考えた方が良いです。繁殖をコントロールしたい場合は、水槽をいくつかに分けて、中に入れる雌雄のグッピーの数を調整しましょう。
グッピーを飼育する魅力とは
1.見た目
グッピーの魅力として第一に挙げられるのが、その色鮮やかな見た目です。種類も豊富であるため、飽きることがありません。
2.飼育が簡単
グッピーは熱帯魚の中でも飼育しやすい魚のひとつです。初心者でも知識があれば、飼育が可能です。
3.繁殖させやすい
卵胎生であり、稚魚の状態で生まれるため、繁殖させやすく育てやすいと言えます。
今回のまとめ
グッピーの紹介
グッピーの2つの種類と特徴
グッピーに多い3種類の病気とは
グッピーの飼育で注意する5つのこと
グッピーを飼育する魅力とは